BanG Dream! 澄み渡る空、翔け抜ける星   作:ティア

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どうも、ティアです。

早速ですが、ドリフェス引いてきました!本当は110連の予定でしたが、上手くスターが貯まったので急遽120連になりました。

で、結果なんですが、星4は8体出ました!前回の20連を足すと、10体出たことになります。

気になるキャラですが、フェス限のイヴ(2枚) フェス限のこころ、2周年の紗夜(2枚) ペンギンイベの花音、宝探しイベの花音、商店街イベの巴でした。どれも新規(その中で被りはあったけど)だったので、大満足な結果に終わりました。

と、ここで終わるかと思ったんですが……ドラマはこの先にありました。長くなりそうなので、続きは後書きで。そこで全開手に入れたミラチケで交換したキャラも報告します。



ここからは小説の方に話を戻します。まずは感想ありがとうございました。まさか2件も貰えるとは思ってなかったので、1人ガッツポーズしてました。感謝。

お気に入り登録も50件になり、ここまで多くの人に気に入ってもらえていることを心から喜んでいます。ありがとう。そしてこれからもよろしくお願いします。

毎度のごとく長い前書きですが、今回の話もやや長め。りみりん回ですが、アニメとは少し展開が違っています。その点も楽しんでもらえたら……いいかな。

では、どうぞ。


phrase15 心の波音

りみが、突然バンドを辞めたいと言い出した。

 

理由はわからない。俺や香澄も、全く見当がついていない。辞めることを止めるつもりはないが、せめて理由だけでもハッキリさせておきたい。バンドに興味を示していたりみが、いきなり辞めることになった理由を。

 

だが、りみは俺たちには何も話そうとしない。手掛かりもなく、真相はまだ闇の中にある。俺たちが知恵を振り絞ったところで、答えが出そうにもない。

 

だから、俺は1つ作戦に出る。そのために……お、来た来た。

 

「おはよう、りみ。今日はいつもより遅かったんだな」

 

「あっ……翔君。お、おはよう」

 

朝。俺はいつもと同じように学校に行き、りみが来るのを待っていた。香澄には、りみが気まずくならないように場所を変えてもらっている。多分、隣のクラスで有咲と話しているんだろう。

 

けど、りみはわざと時間をずらしたんだろうな。早く学校に着くと、どうしても俺たちの目を気にしてしまう。こうしてりみと話しているのも、1時間目の始まる直前だからな。

 

そこまで俺たちを避け、バンドから遠ざかる理由は何なのか。すぐにでも確かめたいが、正面から向かっても答えてくれるはずない。だから、今は我慢する。それよりも、りみには頼みたいことがある。

 

「あ、あの……何回言われても、バンドはできないよ。悪いとは思ってるけど、どうしても無理なんだ。ごめんなさい……」

 

「いや、俺がりみに声かけたのは、バンドの話をするためじゃないよ。それより、いきなりで悪いんだけど……今日の放課後って時間あるか?」

 

「えっ?ほ、放課後?」

 

てっきり、バンド関係の話だと思ったんだろう。そうじゃないと知り、りみは面食らっているようだった。

 

「う、うん……時間はあるけど、何かな?さっきも言ったけど、もしバンドの話なら……」

 

「違うって。ちょっと買い物に付き合ってほしくてさ」

 

「買い物?私が、翔君と?」

 

「あぁ。りみにしか頼めなくてさ」

 

「えっ……?な、何だろう……?」

 

何で顔を赤くしているのかはよくわからないが、これはりみに頼むのが適任な話だ。俺は承諾してくれるのを期待しながら、話を進める。

 

「実は、楽器屋さんに行きたくてさ。妹からギターの弦を買ってくるように頼まれたんだよ」

 

「翔君、妹がいたんだ」

 

「あぁ。今はちょっと、学校に行けなくてな。それで俺が代わりに行くことになったんだけど……1人で行くよりも2人で行く方が悩むこともないかなって。どうかな?」

 

「私は翔君に誘ってもらえて嬉しいよ。でも、それなら私じゃなくてもよかったと思うけど……?」

 

「いや、そうでもないんだ。俺の知り合いで音楽とか楽器に詳しいのって、りみしかいないからな。俺も音楽の知識はあるけど、やっぱ他の人の意見も聞きたくて。どのギターの弦がいいかって、すぐには決められないからな」

 

香澄は素人同然だし、有咲は素直についてきてくれるかも怪しい。そもそも音楽に詳しいのかどうかもわかんないけどな。

 

沙綾は放課後は実家の店の手伝いあるし。それ以前に、前に沙綾と話した時、どこか音楽の話題に乗り気じゃなかったのもあるからな……。

 

けど、りみなら音楽に詳しいし、お姉さんはグリグリのギターボーカルだ。その影響で多少ギターの知識は持っているだろう。ここまで適任な奴、他にはいない。

 

 

まぁ、後1人思いつく奴はいるんだが……あいつはな……。

 

 

「だから、一緒に行ってくれないかな?他に頼める奴がいないし、力になってくれるとありがたいんだけど」

 

「……うん、わかった。私でよかったら、力になるよ」

 

「そうか、助かるよ!ありがとな、りみ!」

 

「う、うん。どういたしまして……///」

 

よし、これでギターの弦の事は解決だな。りみが引き受けてくれて、本当によかったよ。

 

 

……作戦の方も、ひとまず第一段階クリアってとこだな。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「起立、礼!ありがとうございました!」

 

そんなわけで放課後。部活や帰路に着く生徒がちらほらと見られる中、俺はすぐに荷物をまとめていた。約束通り、楽器屋さんに行かないといけないからな。

 

「りみ、帰る準備はできたか?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「なら行こうか。早く買ってきてほしいって頼まれてるからな」

 

早く弦張り替えて練習したい!って言ってたからな。俺はりみを引き連れ、教室を後にする。あ、そうそう。香澄に声だけかけとくか。

 

「お~い、香澄」

 

「……ど、どうしたの、なーくん?」

 

「悪いけど、今日は一緒に帰れないからな。ちょっと用事があるから」

 

「う、うん。わかった」

 

どこかぎこちない返事だな。まぁいい。俺は背後に目を向け、特に何事もないまま2人で学校を出た。りみも香澄に対して表情を曇らせていたが、それ以上の反応は見せていなかったからよしとする。

 

「この辺りで楽器屋って言うと……SPACEの近くにあったよな」

 

「うん。あそこなら扱ってる楽器の種類も多いし、弦もいくつか見ることができるよ」

 

「決まりだな。じゃ、そこに行くか」

 

場所も決まったところで、俺たちは足を進める。2人とも知っている場所だった事もあり、進む足取りは何も重くない。もっと俺に負い目を感じているかと思ったが、割り切っているようなら俺としても嬉しい。

 

 

この場で俺や香澄の事を気にされると、後々の作戦に支障が出る。

 

 

「ところで翔君。さっき妹がいるって話していたけど……」

 

「ん?あぁ。1つ下でな。俺たちと同じ花女の中等部に通ってるんだよ」

 

「その……学校に行けないって言ってたから、どうしたんだろうって思って……」

 

その話か……。別に隠すことじゃないんだけど、口にするのは少し痛ましい。だが、このまま黙っている事でもないし、俺は重い口を開く。

 

「……俺の妹、美羽って言うんだけどさ。小さい頃から重い病気を抱えてるんだ。それも、完治するのが難しい病気でな」

 

「えっ……!?」

 

「その病気の発作が原因で、昨日病院に運ばれてな。命に別状はないんだけど、しばらくは安静にしてないといけないんだ」

 

それから俺は、今の美羽の容態がそこまで深刻なものではない事。音楽を聞いたり、演奏したりしている間は発作が起きない特異な体質がある事。そのため、早く弦を買って美羽に届けてあげたい事を教える。

 

りみも真面目な話だからか、真剣に耳を傾けていた。そう言えば、美羽の事を誰かに教えるのは、これがはじめてな気がするな。

 

「……そうだったんだ」

 

「暗い顔するなって。確かに病人には変わりないが、美羽は今も家で元気にしてるよ。むしろ、もっと落ち着いてほしいくらいだ」

 

「でも、それなら早く美羽ちゃんのためにギターの弦買って行かないとダメだよね」

 

「そうだな。……お、噂をすれば、楽器屋に着いたな」

 

一通り話し終えたところで、目的地の楽器屋に到着。SPACEの近くと言う事もあって、この辺りでは割と有名な楽器屋だ。店舗も広く、品ぞろえも豊富に取り扱っているのが、この店の魅力なのかもしれない。

 

「さて、ギター売り場は……あっちか。この店には、まだちょっとしか来た事ないんだよな」

 

「広いから、最初はどこに何が売っているのかわからないよね。私もそうだったよ」

 

この辺りにはSPACEのバイトで何回も来たことはあるが、この楽器屋に入ったことは全然ない。俺だけだったら、まずギター売り場にたどり着くまでに余計な時間を使うところだった。やっぱり、りみが一緒に来てくれて助かった。

 

程なくして、ギター売り場へ。美羽から弦の話はよく聞いているが、弦のコーナーだけでもかなりのスペースを取ってあるな。

 

どれも同じように見えるが、材質や感触が微妙に違うらしい。その差異で、音も変わってくるみたいだ。

 

「美羽ちゃんは、普段どんな弦を使ってるの?」

 

「一応、美羽から使ってる弦は聞いてきたんだ。これなんだけど」

 

そう言って俺は、スマホのメモを見せる。やはり、お姉さんがギターをやっているからか、その名前を見てりみはすぐに弦の特徴を理解したみたいだった。

 

「この弦だと、落ち着いた音が出せるよね。前にお姉ちゃんも使ってて、どの音域でも安定するって言ってたよ」

 

「みたいだな。こいつを買って行けばいいと思うんだけど……え~と、どこにある?」

 

「この種類の弦なら……あっ、ここだよ、翔君」

 

見つけるの早いな。俺なんかどれも同じに見えてしまうんだが。ギターには詳しいと思っていたはずなんだけどな。

 

「おっ、これこれ。美羽に聞いた奴だ。ありがと、りみ」

 

「あ……でもそれなら、こっちの弦も買って行った方がいいと思うよ。今お姉ちゃんが使ってる弦なんだけど、音に派手さが出て、しかも長持ちするんだよ」

 

「なるほど。じゃあ、この弦とりみの言ってる弦、2種類買っていくかな」

 

その方が美羽も喜んでくれそうだ。俺はりみに勧められた弦を手に取り、購入を決める。りみも無知な俺にアドバイス出来て、満足そうにしているみたいだし。

 

 

……まぁ、さっきまでのは全部、演技でしかないけどな。

 

 

「これで美羽も喜んでくれるだろ。じゃ、会計を済ませてくるから、ちょっと待っててくれ」

 

「うん。それじゃあ、私はこの辺りにいるね」

 

そう言ってりみが向かったのは、ベースのコーナー。新型のベースや弦に目を通し、色々と手に取って確認していた。こうして見ると、やはりりみには音楽へのこだわりはあるみたいだな。

 

なら、どうしてバンドを……?音楽が嫌いってわけじゃないんだろう?それに、今だってベースのコーナーを物色する辺り、ベースを弾くこと自体は好きって事なんだろ……?

 

「し、翔君?えと……そんなに私の事見て、どうしたの?」

 

「えっ……あ、いや何でもない。りみが熱心だと思っただけだよ。それじゃ、行ってくる」

 

先客もいなかったため、俺はすぐに代金を支払い、弦をゲット。ベースのコーナーに戻ると、何個か弦を手に取りにらめっこしているりみの姿が。ベース、本当に好きって事なんだな。

 

でも、不思議だよな。音楽に対する熱はありながら、『バンド』だけは自分から遠ざかるほどに嫌っている……どうも矛盾してる気がする。

 

「あっ、終わった?」

 

「おう。りみも弦見てたけど、何か欲しいものでもあったか?」

 

「う~ん……。今はまだ弦も張り替えたばかりだし、今月のお小遣いも残しておきたいかなって」

 

「気になるのがあったら、俺が買ってやるぞ?」

 

「い、いいよ!前だって、奢ってもらっちゃったし……」

 

別に遠慮しなくてもいいんだけどな。まだ懐には余裕があるし、もう少しで給料日だからな。けど、りみも今日はいいと言って引き下がらなかったし、そこまで言われたら逆に押し付けているみたいになってしまう。ここは素直に、楽器屋を後にした。

 

「よし。無事に弦も買えたわけだし……今日は駅までかな」

 

「えっ、終わり……ですか?」

 

「ん?他にどこか行きたい場所でもあったか?」

 

「あ、えっと……翔君の事、疑っていたわけじゃないんだけど……やっぱり、どうしても気にしちゃって。もしかしたら、バンドの事を聞かれるんじゃないかって」

 

そりゃそうか。このタイミングで、わざわざ誘い出すくらいだ。嘘をついてでも2人きりの空間を作り、バンドの話を切り出そうと画策していると思うのが筋か。

 

自然に振る舞ってはいたけど、りみは不安だったんだろう。それこそ、何かの犯人に仕立て上げられているような気分だったに違いない。そんなりみに、俺は優しく声をかける。

 

「さっきも言っただろ?俺は今日、りみとバンドの話をするつもりはないんだって。だから、こっちからそんな話をしなかっただろ?」

 

「うん……そうだよね。ごめんね、変におびえて、ビクビクしちゃって……」

 

「いいよ。言いたくない事だって、誰にでもある。こっちが無理に聞いても、何も答えてくれない、解決はしないってわかってる」

 

「……うん」

 

俺はりみを追い詰めたいわけじゃないんだ。拷問させて、思いを吐かせて、苦しめたいわけじゃない。そんな悪人になってやりたいわけなんかじゃないんだ。

 

「けど……できる事なら、俺は知りたい。りみが何でバンドを辞めたいと思ったのか」

 

「それは……言えない」

 

「わかってる」

 

「言ったらきっと、香澄ちゃんや翔君を失望させちゃう。それは嫌なんだ。だから私はバンドを辞めて……その理由を言ったところで、翔君は私の事を、どうするつもりなの?」

 

「どうもしないよ。俺は、いや香澄も、りみをバンドに連れ戻すために……説得するために事情を知りたいんじゃない。ただ知りたいだけなんだ。音楽好きなりみが、バンドにも前向きだったりみが、どうしてバンドを辞めたのか」

 

今、失望させてしまうと言ったが、それも何か関係あるのだろうか。演奏に関して迷惑をかけると思うなら、素人の香澄は涙目になる。

 

「……ごめん。やっぱり、私は」

 

「いいよ。ただ、これだけは知ってほしい。俺たちは、理由を知りたいだけなんだって事をな。それがわかったら、バンドを辞めるのもりみの自由だ。もうこっちからバンドに誘ったりすることはしないよ」

 

「……っ、そ、それは……」

 

うん……?どうも反応がおかしいな。バンドを辞めたいと思っている人間が、第三者からのバンドの勧誘を止めると聞いて表情を曇らせるのか?遠ざかりたいと思うのなら、喜ぶのが普通なんじゃないか?

 

どっちなんだ?りみは、本当にバンドを辞めたいのか?

 

 

もしかしたら、本当はバンドを……。

 

 

「……そ、そうだね。その方がきっと、私にとってもいいと思うから。香澄ちゃんにとっても、私はバンドには必要じゃないはず……」

 

「必要じゃない……?それって――」

 

「どういうことなの、りみりん」

 

後ろからかけられた声に、俺たちはハッとなって振り返る。そこにいたのは、ランダムスターを抱えた少女……戸山香澄だった。

 

「バッ……お前、何で出てきた!?まだ話の途中で――」

 

「ごめん、なーくん。それにりみりんも。盗み聞きするような真似してて」

 

「えっ……?翔君、どういう事……?」

 

くそ、仕方ない。本当はもう少し後で香澄に出てきてもらうはずだったんだけどな……。

 

「……悪い、りみ。俺たち、どうしてもりみの事が気になってな。何とかして、話ができないかって考えてたんだ」

 

「本当は、なーくんが私とりみりんの2人だけで話をするように、色々考えてくれてたんだ。2人の後をつけて、さっきまでの話も全部聞いてたよ。りみりんの事が心配で、でも何も話してくれなかったから」

 

本当は、2人だけになれるポジションを見つけて、そこで俺が離脱するはずだった。駅前までりみと行動し、コンビニにでも立ち寄ったところを後をつけた香澄と交代するって作戦だったはずなのに。

 

2人であることを活かし、俺もできるだけりみから事情を聞きだそうとしていた。香澄に後をつけさせたのは、交代のタイミングもそうだが、俺がりみから聞いた話の内容を把握させておくためだ。そのための合図が、教室でのやり取りだった。

 

でも、香澄もいてもたってもいられなかったんだろうな。自分は必要ない。そんな事ないはずなのに、りみの口から自虐の言葉を聞いてしまった後だから。

 

「香澄ちゃん……」

 

「りみりん、必要ないなんて事ないよ!そんな事が理由でバンド辞めたのなら、私は戻ってきてほしい!」

 

「香澄、昨日も話しただろ。りみに無理強いさせるのは間違ってる」

 

「わかってるよ!でも、りみりんがどうして自分の事をそんな風に言うのか、私にはわかんない!だって私、りみりんがバンドに入ってくれて、嬉しかった!いらないなんて、言うわけない!」

 

香澄にとっては、初めてのメンバーだった。バンドをやりたいと一念発起し、ようやく賛同してくれた1人だった。俺やりみよりも、香澄が一番嬉しかったはずなんだ。

 

「……そうかもしれない。でも、香澄ちゃんとバンドはできない」

 

「何で!?」

 

「……迷惑かけちゃう。きっと、私は香澄ちゃんと――」

 

「迷惑なんて、私の方がかけちゃうよ!ギターだって全然だし、音楽だって詳しくないから、何から手を付けたらいいかもわかんなくて……。だから、りみりんの力が必要なんだよ!」

 

「……っ」

 

りみの表情が、苦痛に歪む。香澄がこうも必死になってくれて、なのに期待に応えることができなくて。りみの中で葛藤が起こり、痛みとなって蝕んでいく。

 

「悪いな、俺からも1つ言わせてくれ」

 

「翔君……?」

 

「りみ、俺がりみ事情を知ったら、バンドにはもう無理に誘う事はしないって言ったよな。あの時の反応が、俺にはどうしても気になってな」

 

「私の反応……?」

 

「バンドを辞めたくて、香澄の前からいなくなったりみが、俺たちがバンドを誘わないと口にして何でためらうような素振りを見せる?嫌がって、名残惜しそうにしていたんだ?」

 

楽器屋でベースを見ていたのだってそうだ。もうバンドからは縁を切ったはずなのに、それでもベースに目を向けている。前々からの趣味と言われたらそれまでだが、俺にはそうは思えない。

 

「俺には、りみがバンドを辞めたいと思う理由がわからない。だってそうだろ?りみ、本当は続けたいんじゃないのか?香澄が誘ってくれたバンドを、辞めようなんて気はないんじゃないのか?」

 

「……っ!」

 

この反応、りみは本当は続けたいと思っている。それを押し殺し、自分を卑下してまでバンドを斬り捨てようとしている。

 

その答えの核心を突くカギは、まだ見つからない。だが、近づいている。確実に。

 

「どうしても無理なら、話は別だ。けど、自分の気持ちに嘘をついてまで無理だと言い続けるのなら、正直になれ」

 

「私は……」

 

「りみりん、もう1度バンドやろうよ!私には、りみりんの力が必要なの!」

 

「私は……っ」

 

俺たちから投げかけられる言葉に、りみは俯いて、揺れる心と格闘する。前髪で表情はよくわからないが、小刻みにりみの華奢な体は震えていた。

 

どんな事情があるのかは分からない。けど、もしりみの選択が、望んだものじゃないのだとしたら……打ち勝ってほしい。自分を縛る枷に。

 

 

時間にして数秒。答えを待つ俺たちの前で、顔を上げたりみが口を開き――。

 

 

「私はっ……!香澄ちゃんと一緒にいたらいけない!そうしたらきっと……香澄ちゃんのやりたかったバンドを、壊してしまう!憧れた香澄ちゃんに、泥を塗ることになってしまう!」

 

「り、りみりん……!?」

 

「そんな事、私はやりたいわけじゃない!香澄ちゃんから、何もかも奪うなんて事……したくないっ!」

 

体を震わせ、涙を流し、激情に身を任せてりみは叫んだ。感情が溢れ出したことで、りみは耐え切れずにその場から走り去ってしまう。

 

「あっ、りみりん!?」

 

「追いかけるぞ。あのまま放っておくわけにもいかない」

 

「そうに決まってるよ!なーくんはこっちをお願い!」

 

「わかった。香澄、そっちは任せたぞ!」

 

りみの出した答えは、俺たちが望んだものではなかった。だが、せめぎ合う心の中で漏れ出した感情が、今のりみの精一杯の叫びだったんだ。

 

「……りみ」

 

もうりみの姿は見えない。俺は逃げた先を追い、りみを見つけるために走り始めた……。

 




さて、前書きの続きです。

とりあえず120連(前回のも含めて140連)したわけですが、まぁミッシェルシールが貯まってたまって……。で、何を思ったのか星3以上確定ガチャのチケットを交換。即座に引きました。


……まさか、虹演出からの怪盗イベこころが出るとは思ってませんでした(これが作者にとっての一番のドラマ)


さて、ミラチケで何を交換したか。突然ですが、作者の推しバンドはポピパです。この小説を書いている時点で、まぁそう言う事です。

つまり、ポピパの誰かです。ヒントを出すなら、2章で影が薄かった人です。そして作者の推しキャラは、その女の子です(推しに対して影が薄いとか言ってしまう作者とは)

何なら、最初にインストールした後のダウンロード画面で一目見た時から推してました。一目ぼれって奴だ。

わかったかな?まぁ、ほぼ答え言ってるようなもんだと思うけど……どうしても欲しかったんですよね。と言うわけで、次回に続く!(強引なオチ)
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