BanG Dream! 澄み渡る空、翔け抜ける星 作:ティア
またオリジナルかよ……と思っている人、安心してください!既に次の話も書き上げてあるので、連日投稿できます!
どちらかと言えば、今回は日常要素強めかな。後半少しぐだってますが、そこは日常って事で。
では、どうぞ。
「うちでやるのは、まぁ香澄に言っても聞かねーだろうからいいとして……」
「何の曲をするか、だよね」
翔が病院に向かっていた頃、香澄たちはクライブに向けて作戦会議を始めていた。場所については、今も集まっている蔵に決まったが、問題は曲。
「え~?きらきら星は~?」
「地味じゃね?」
「いいじゃん!楽しいじゃ~ん!!」
「駄々をこねるな!まとわりつくな!」
きらきら星を主張する香澄と、それを一蹴する有咲。そして一蹴されて香澄が泣きつく……と、この繰り返し。
「前にも言ったけどな、お前は曲のレパートリーが少ないんだよ!他にはねぇのか!?」
「えっと……きよしこの夜?」
「何でだよ!お前、星っぽい曲しか頭にねぇな!?」
「えへへ~!」
「何がえへへだ!褒めてるわけじゃねぇんだぞ!?」
香澄がこんな感じなため、候補に挙がった曲はきらきら星ときよしこの夜。たえに聞かせる曲が子供向けの歌と言うのも、盛り上がりには欠ける。
「ねぇ、ダメなの……?」
「し、しれっと上目遣いすんな。そんな目で迫られても、無理なもんは無理!」
「じゃあ、有咲は何かいい案あるの!?」
「そ、それは……」
「ほら!じゃあ、きらきら星に――」
「それだけはぜっっっっっっったいに勘弁だからな!?」
いつまで経っても平行線。先に進む目処は一切ない。そんな中、二人のやり取りを見ていたりみが助け舟を出す。
「あ、あの……だったらこれなんかどうかな?携帯に入ってたの、忘れてて……」
りみのスマホに入っていた、1つの曲。それを見せるためにスマホを香澄に渡し、有咲もその画面をのぞき込む。
「りみりんオススメの曲?タイトルは……『私の心はチョココロネ』?」
「聞いたことねぇけど……もしかしてこれ、牛込さんが作った曲とか……」
「う、うん……。昔お姉ちゃんと作った曲なんだけど、あんまり難しくないかなって」
「えっ、マジで牛込さんが作ったのかよ!?」
自作の曲、つまりオリジナルの曲だった。りみが作ったと言われたら、二人もどんな曲なのか気になって仕方ない。
「すごいよ、りみりん!聞かせて聞かせて!」
「うん。じゃ、これイヤホンね」
イヤホンを手渡され、香澄は有咲と左右片方ずつイヤホンをつける。有咲は恥ずかしそうにしていたが、すぐに曲が再生される。
自分たちが作った曲を、二人はどう判断するのか。何せ、かなり前に作った曲だ。変かもしれない。でも、りみは不安ながらもじっと待つ。
しばらくして、香澄たちはイヤホンを外す。一通り聞き終え、緊張するりみに対して言った言葉は……。
「可愛い!すっごい可愛いよ!」
「うん。悪くないじゃん?」
「……ほ、本当!?そう言ってもらえると、私も嬉しいよ~!じゃあ、この曲をやるって事でいいのかな?」
「もっちろん!私、やってみたい!」
「ま、いいんじゃね?」
「ありがとう~!私、明日までに楽譜用意してくるね!」
高評価を貰えたことで、安心するりみ。曲も決まったところで、明日からはいよいよ練習に入ることができそうだ。
「こちらこそありがと、りみりん!でも、可愛かったな~!歌ってたの、りみりんでしょ?」
「えっ?そ、そうだけど……?」
「やっぱりそうだったんだな。案外、牛込さんがボーカルでも行けんじゃね?ゆり先輩だってボーカルやってんだろ?」
「えぇっ!?わ、私がボーカルなんて無理だよ~!お姉ちゃんみたいに、全然かっこよくないし……」
「え~そっかな~?ゆりさんはゆりさんだし、りみりんはりみりんだと思うんだけどな~?」
「香澄ちゃん……」
姉妹だからと言って、比べる必要はどこにもない。互いに持ち味があり、互いに持っていないものがある。それは無理に追いつき、手に入れるようなものではない。
大切なのは、その持ち味をどう育てて、活かしていくかだ。それは簡単なようで難しく、わかっているようでわかっていないことでもある。
「よ~し!じゃあ明日から、クライブに向けて……えっと、『あなたの心をイチコロネ』……だっけ?」
「全然ちげぇだろ!『私の心はチョココロネ』な!?」
「あはは……惜しかった」
「惜しくねぇよ!」
「とにかく、頑張って練習していこうね!有咲、りみりん!」
「「おおっ!!」」
***
「……結局、何も話してはくれなかったか」
オーナーとの通話を終え、俺はあの子……美空と言う少女のいる病室にお邪魔していた。
ノックしても返事はなく、中に入っても俺を見ようともしない。聞こえてくるのは、彼女の息遣いだけだった。
ほぼ無音の個室。張りつめた空間が、俺に緊張感を与えていた。だからと言って、ここで逃げ出すわけには行かない。彼女をこんな場所に放りっぱなしにするわけにもいかないんだ。
声をかけ、話を膨らませて、俺は彼女が好きそうな話題をいくつも引き出した。学校の事や、バイトの事。趣味だったり、音楽の話だったり。何か反応してくれたらと、俺はそんな淡い期待を込めていた。
だが……言葉は返らない。
表情も、何一つ変わることはない。俺の言葉は、彼女には届いていない。変化のない現状に、俺の心も折れそうだった。
俺は今、本当に正しいことをしているのか?こうして病室に通い、彼女の心をほぐそうと声をかける事が、果たして彼女のためなのか?解決につながるのか?
もっと別の道があるんじゃないのかと、そう思う時はある。だが、その答えが見つからない。見つからないから、取れる手段しか取れない。それが正しいかどうか、わかっていないとしても。
結局、この日も何も進展がないまま、俺は病室を後にした。残るのは、不安と焦りだけ。
「……どうすればいいんだろうな」
そう呟いても、答えが返ってくるわけじゃない。返ってきてくれたのなら、どれだけいい事か。答えの出ない悩みを抱え、俺は1人病院の中を歩く。と、
「……ん?この音は?」
ロビーの方から聞こえてくる、何かの演奏。これは……ギターだ。そして紡がれる音に合わせて響く、女の子の歌声。
これは間違いない、美羽だ。今から病室に向かおうとしていたが、ロビーにいたなんてな。俺は美羽に会うために、ロビーの方へと足を進める。
「~~~~♪」
おっ……美羽の奴、また一段と腕を上げたみたいだな。歌もかなりうまい。聞いている患者たちの心も、しっかり掴んでいるみたいだ。
療養のために家にいる時間が多かったからな。練習に費やす時間も、十分にあったって事だな。
けど、それにしてはレベルの上がり方が早い気もするんだが……?
「……ありがとうございました!今日はまた、夜の8時から弾き語りするからね!リクエストも待ってま~す!」
たくさんの拍手。患者たちも、とびきりの笑顔に包まれていた。
美羽は、こうして誰かを笑顔にすることができるんだ。それがどれだけ凄い事なのか。ギター一本で、己の力だけで。
そう考えれば考えるほど、この前の話を思い出して仕方ない。自分には力がない。俺も香澄も、互いに自分の中の壁と戦い、苦しんでいる事を。
香澄を諭したあの言葉も、結局は俺に向けている言葉に過ぎなかった。自分の行動を正当化するために。力のない俺でもやるべき事があって、そのための力を誰かから受け取って、前に進もうとしているんだって。
そうでも言っておかないと、俺は不安だった。やはり、今こうして行っていることに、意味があるのかがわからないから。
こころの言葉は、俺に活路を与えてくれたのか。それとも、何もできなかった時の言い訳を与えてくれたのか。
「……あっ、お兄ちゃん!来てたんだ!」
患者たちが次々と病室に戻る中、美羽はギターをケースにしまい、額に滲んだ汗をタオルで拭いている。その最中、俺の姿を見つけて駆け寄ってきた。
「あぁ。途中からだったけどな」
「途中からでもいいって!ね、どうだった!?」
「驚いたよ。歌も演奏も、こんなに上手くなってるなんて思わなかったよ」
「へへ~ん!これも毎日の練習のおかげだね!」
やっぱりそうだったのか。美羽は見えないところで、地道に努力していたって事なんだな。
「凄いじゃないか。よく頑張ってるな」
「ギター弾くの、楽しいからね!それに、少し前からちょっと秘密の特訓を……あ」
秘密の特訓?今のは、少し聞き捨てならなかった気がするぞ?
「美羽?それってどういう事だ~?何か隠れてコソコソしているな~?」
「い、いや、別にそう言うんじゃないよ!アハハ……」
「それ、ごまかしてるつもりかよ……」
「そ、それより香澄さんは?私、入院しちゃったし、指導役の話も……」
「あ……」
言われてみればそうか。香澄の指導役にと、俺は美羽を採用したんだ。その美羽が動けない今、他に頼る宛てはいなくなってしまった。たえは敵って言うか、今回は頼れないからな……。
「俺がどうにか教えていくしかないな。基礎くらいなら、俺だって教えられる」
「香澄さんのバンドのメンバーの中で、ギターできる人っていないの?」
「ベースの牛込りみって子のお姉さんがギターやってるんだけど、他はダメ。ってか、後はキーボードの市ヶ谷有咲ってツンデレ大王しかいないけど」
ツンデレ大王じゃ、ギター教える戦力にはならないだろうからなぁ……。香澄の相手をするスキルには長けているけど。
「ツンデレ大王って……アハハ!何それ!」
「バンドには入ってないけど、面白い奴なら他にもいるぞ?俺のバイト先の同僚に、花園たえって子がいるんだけど……そいつ、ド天然でな。見た目はモデルみたいなのに、話してたらわけわかんない」
「モデルさんみたいな人が友達なの!?うわ~いいな~!」
「可愛さで言えば、同じクラスに山吹沙綾って女の子がいるんだけどな。しっかりしてて、頼りになるんだぞ?家がパン屋で、いつも放課後は手伝いをしてるんだ」
「山吹……それにパン屋って、もしかして、やまぶきベーカリーの!?」
「あ、あぁ。けど、そんなに驚くことなのか……?」
「驚くよ!同じクラス……いや、中等部の中でも大評判のパンだから!お兄ちゃんだけ何かズルい!」
ズルいと言われてもな。てか、沙綾の家のパンってそこまで人気あったのかよ。何か凄いな。
「別に、気が付いたら仲良くなってたってだけだからな……。他の奴も、きっかけは色々だけど、仲良くなるのにそう時間はかからなかったし」
「いいな~。私も会ってみたいな~。……あ」
「うん?どうした美羽?」
「そうだ、お兄ちゃん!今度、さっき話したお兄ちゃんの友達、連れてきてよ!そう言えば私、まだお兄ちゃんの友達の事全然知らないからさ!いいでしょ?」
***
「……ってわけで、皆には一緒に妹のお見舞いに来てほしい」
その翌日の昼休み。俺たちはいつものように中庭に集合していた。たえにも関係のある話のため、今日は6人だ。
俺はすぐに話を切り出し、美羽が皆に会いたがっている事を伝える。何気に美羽の話をこいつらにするのは、今日が初めてかもしれないな。
あ、でも有咲とりみは知っているのか。りみには前に話したことがあった。有咲に関しては、直接会ってたからな。
だが、美羽が重い病気で苦しんでいる事。今も美羽は入院していて、容態を診ている事。そこまで踏み込んだ話はまだしていない。香澄は当然知っているが、他の4人は息を呑んで耳を傾けていた。
「何でだよ。めんどい。パス。行きたいならみんなで行ってくれば?」
「え~?いいでしょ、有咲~!」
「くっつくな!あいつといると、マジでムカついて仕方ないんだよ!」
いや、それは有咲限定の話だろ。
「えっと……翔?その妹さんって、どんな人なの?」
「美羽って言うんだけど、明るくて活発で、香澄を少し抑えめにしたのが美羽だな」
「つまり、香澄2号……!」
「たえは黙ってろ」
「ギター弾いてるんだよね?前に翔君と、美羽ちゃんのギターの弦買いに行ったから……」
「おう。演奏レベルは高いぞ?たえも相当だけど、それ以上のポテンシャルを秘めているからな」
「凄いね、その子。モフモフしたい」
意味の分からなさは、香澄レベルをはるかに超えてるんだよ。お前は。
「いいんじゃないかな。私、今日は家の手伝いもないから、一緒に行けるよ」
「えっ、本当!?さーやも一緒だ~!」
「へぇ、珍しいな」
「ム~……。何かその言い方、私がいたらダメみたいに聞こえるけど?」
「ご、誤解だ、沙綾!そうじゃない!」
ジト目で少しツンツンしながら、沙綾は俺を非難してくる。ふてくされている沙綾もなんか新鮮で、ちょっと可愛かったり……ってバカ。そうじゃない。
「アハハ……。うん、私は行きたいな。美羽ちゃんに会ってみたい!」
「私も。ギター、聞いてみたい!」
「よ~し、それじゃあ決まりだね!今日の放課後、この6人で、みーちゃんのお見舞いに――」
「却下」
と、有咲だけは反対の声を上げる。全員で行く空気になっていたのに、ここに来ても有咲は自分のペースを崩さないのかよ……。
「話進んでるけど、私は行かねーからな?誰が何と言おうとな!」
「え~?有咲、行かないの~!?」
「行かねーよ。大体、あいつムカつくんだよ!ずーっと私の事見て笑ってくるんだぞ!?」
「うん。有咲って変だから」
「お前に言われたくねぇ!!」
「あっ、ごめん。有咲って何か面白いから」
「それはフォローでも何でもねぇんだぞ、花園たえぇ!!」
出たよ、たえの天然節。こいつがいると、知らない間に場が荒れていくんだよな……。
「うぅ、有咲~!一緒に行こうよ~!有咲がいないと寂しいよぉ~……」
「なっ……!///ちょ、抱き着いてくんな!お前は離れろ!///」
「香澄がダメなら、私はいいの?」
「何で花園さんにくっつかれないといけねぇんだよ!暑苦しい!」
「ギュ~っ……。あ、有咲っていい匂い」
「くっつくなって言っただろ!あ~もう、何で二人にまとわりつかれないといけないんだ!」
「それに有咲、おっきいね」
「はぁっ、ちょ、何触ってんだ!止めろ、おい!人の話を聞けーー!!///」
何だこの空間。香澄とたえが有咲にくっついて、たえに大きな何かを弄られてるって……。それを見ている俺たちは、何をどうコメントしたらいいんでしょうか。
「えへへ~じゃあ私も!」
「お前……っ!ちょ、見てないで助けろ!翔でも牛込さんでも、山吹さんでもいいからぁ!!」
「アハハ……。どうする、翔?」
「いいんじゃね?本人も喜んでるし」
「これのどこが喜んでるように見えるんだよ!いい加減離れろ!」
そもそも目の前でこんな光景見せられて、止めに行けるわけないだろうが。こっちだって、健全な男子高校生なんだぞ。こ、こういうのにドキドキする事だって、まぁ……。
「あ~あ。有咲、ウサギみたいだったのに」
「どんな例えだよ!?」
「種類はアンゴラウサギかな」
「誰も種類なんて聞いてねぇよ!」
「世話がかかるけど、甘えん坊で可愛いんだよ」
「誰が甘えん坊だ!」
「ウサギの話だよ?」
「~~~~っ!!紛らわしい!!///」
そもそも何の話してんだよ。脱線しすぎだ。さすがはたえの天然だ。
「えと、翔君。それで、美羽ちゃんの話だけど……」
「あぁ。どっかの誰かが行くの拒否するから、ややこしくなったけど」
「さらっと棘のある言葉を投げつけんな」
「いいだろ、別に。ちょっと顔出すだけだし、どうせ暇だろ」
「うるせぇよ」
これ以上話を広げるわけにもいかない。ひとまず、美羽のお見舞いについて話を戻していく。
「って訳で、今日の放課後に美羽のお見舞いについてきてくれるって事で、みんな大丈夫だな?」
「もっちろん!」
「私も!美羽ちゃんに会うの、楽しみだな~」
「私は、翔の妹がどんな感じの子なのか、早く見て見たいかも」
「そうと決まれば、早速しゅっぱ~つ」
「放課後って言ってんだろ、たえ」
今は昼休みだぞ。まだ学校終わってないのに、抜け出してまで行く気なのか。
「で、有咲はどうするんだ?」
「はぁ?だから、行かねぇって言ってんだろ」
「そっか……。じゃあ悪いけど、今日は有咲1人で帰ってくれ」
「え……。お、おう……」
「よーし、じゃあ俺たちは放課後お見舞いって事で、5人で仲良く行くか!」
「い、行って来たらいいだろ。わざわざそんな大声で……」
「あ~あ、でも有咲がいたら、もっと楽しかったんだろうけどなぁ~?」
「……くぅ……っ!あ~っ、もうわかったよ!行けばいいんだろ!?仕方ねぇけど、一緒に行ってやる!!」
根負けするのが早すぎるが、これで有咲も一緒にお見舞いに行ってくれることになった。やっぱり有咲ってチョロい。
「決まりだな。これで全員行ってくれるな」
「あっ、だったら病院に行く前に、みーちゃんに何か買って行こうよ!早く元気になってほしいし!」
「うん!美羽ちゃんもきっと喜ぶよ!」
「女の子へのプレゼントなら、アクセサリーとか小物入れとか、そう言うのでどうかな?私、いいお店知ってるよ?」
「いいんじゃね?私は別に何でもいいけど」
こっちから頼んだことなのに、美羽のためにここまでしてくれるなんて。俺は……いい友達に恵まれたって事なんだよな。
色々な事情を抱えてこの学校に来た。男の身でありながら、女子校に入学して高校生活を過ごして。たった1人の、男子生徒として。
普通の青春は失われたのかもしれない。けど、そのおかげで出会えた人たちがいる。
沙綾。有咲。りみ。たえ。そして香澄、お前だって……。
「それじゃあ、何買うか決めないと。授業中も、そっちの事だけ考えてるから」
「そこまで真剣に悩むな、たえ」
「えっ、美羽の事だけ考えてたらダメ?」
「ちゃんと授業聞け。てか、言い方が付き合い立ての彼氏みたいになってるぞ」
「えっ……!?私、美羽の彼氏なの!?」
バカ野郎。どうなったら話がそっちに傾くんだよ。
「おたえ、みーちゃんの彼氏なの!?」
すまん。バカはもう1人いたみたいだったわ。
「アハハ……。それじゃあ授業もそろそろ始まるし、教室に戻ろっか」
「だな。じゃ、また放課後に再集結って事で!」
こうして俺は、放課後を楽しみに待ちながら、午後からの授業に臨むのだった。
5人と共に、美羽のお見舞いに向かう翔。
その道中、美羽へのプレゼントを買うために一軒の店に立ち寄る。
束の間の日常。だがその最中、翔は沙綾の影を見る――。
次回「隔たり」