先鋒戦 前半 南四局
南 片岡優希(清澄高校1年) :154800(起家)
西 龍門渕透華(龍門渕高校2年):67500
北 津山睦月(鶴賀学園2年) :69400
東 宮永咲(風越女子1年) :108300
――龍門渕透華(龍門渕高校2年)
もう前半戦のオーラスですの。わたくし何もした気がしませんわ。
えっ、……もう、オーラス?
そうですわ。今まで和了ったのは清澄と風越の1年生の二人だけ。
わたくしと鶴賀の2年生の二人は焼き鳥状態で最下位争い。
ホントに何もしてませんでしたわ――!!
「麻雀って……楽しいよね」
は……?(威圧)
幻聴でしょうか。何を言ってますの風越の女は。
東場でトラッシュトークをカマしてた清澄もそうですが最近の1年生は躾がなってないですわね。
そりゃあWリーチや嶺上開花のような偶然役が連続で続けば楽しいでしょうね!
(※偶然役=偶然性が高いため、運の要素を廃した競技ルールでは一発のように認めらないことのある役。例えば嶺上開花、槍槓、海底、ダブル立直、天和など、むしろ咲-Saki-麻雀の世界では主力級で活躍している役のこと)
「麻雀で勝つのって難しいけど……今日は色んな人と打って……ホントに楽しいよ……」
「大会で麻雀を打って……楽しい?」ピキッ
「はい。一緒に楽しみましょう!!」
「……」ピシッ
これは……間違いなく喧嘩を売ってますわよね?
風越女子は
ほら清澄の先鋒だって痛い奴を見る冷たい視線を同じ1年生に向けてますわよ。
彼女だって県予選決勝まで遊びに来てるわけじゃない。それは必死な打ち筋からも伝わって来ましたわ。
それを楽しいだなんて……マイナスにはならず2位で食らいついてる者の余裕でしょうか。
ええ、羨ましいですわ。楽しいだなんて優雅ですわね……
って、ふざけるのもたいがいにしくされですわ――ッ!!!
「リーチですわっ!!」
いつもなら打点よりも
(※闇聴=
らしくないのは分かってますの。悔しいですけど、先ほどから風越の先鋒は振り込んでいない。
となるとヤミテンでも狙い撃ちするのは難しいでわ。
それならば!
リーチをかけてなおかつ和了る――
ラス親の風越に大きのをブチかまして目立ってやりますわよ!!
目立つためなら、優雅とかデジタルとかクソ食らえですわ!!
それに相変わらず清澄も鶴賀もベタオリだこと……。
「いらっしゃいまし、ツモ!」ダンッ
{赤五萬 五萬 六萬 六萬 七萬 七萬 三筒 四筒 五筒 六筒 七筒 八索 八索} {八筒} ドラ表示牌:{二筒}{八筒}
「倍満で8000/4000点」(リーチ、一発、門前ツモ、平和、タンヤオ、一盃口、ドラ2 20符8翻の倍満)
『おーっと、龍門渕高校が焼き鳥を回避っ! 鶴賀学園は残念ながら最後まで動けず!
これで前半戦が終了です。5分休憩の後、後半戦を開始します!!』
やりましましたわ。もう真っ白に……燃え尽きそうですわ……。
「部長の作戦通り南場は凌いだじょ、決勝の東場は2回……後半こそ、東二局は来ないじぇ」
また後半から東場が始まるんですね……集中、集中、集中……。
――文堂星夏(風越女子1年生)
後半戦を前に読川監督の指示で控室に戻って来る気配のない咲ちゃんに伝言を頼まれた。
休憩中の会場に入ると跳ねた前髪とポニーテールが特徴な鶴賀の先鋒さんを仲間の皆さんが慰めてるのが見えます。
分かります。よーく分かりますよ。あんな理不尽な卓に入れられたら……そりゃあ心折れますよね。
最後に一瞬だけ中継の映像に映った咲ちゃんの顔は楽しそうに笑ってるようにみえましたけど――。
私は国内選手のファンなので偶然性をできるだけ廃した競技ルールの国内リーグの「観る専」でしたが、さっきの試合はまるで
赤髪のワハハっと笑ってる人が元気を出せって何かを渡してますね。
はっ!?
あれは「プロ麻雀せんべい」のおまけで私が見たこともない“レジェンドレア”カード!!
しかも若い男性のプロ雀士っぽいですね。最近のカードは殆どコンプしてるので昔の限定カードでしょうか。
でも佐之海プロ以外でレジェンドレアになるような活躍を世界でした若手の男性プロっていましたっけ?
き・に・な・り・ま・す。
いえ、今は咲ちゃんに監督からの指示を伝えるのが最優先ですね――。
あれ?
その咲ちゃんがいない。控室までは一本道だけどすれ違ってはいない。
なのに残っているのは鶴賀の他には龍門渕の先鋒さんだけです。
初日に玄関ホールで「目立ってなんぼ!」って叫んでた人の印象が強いですが、倍満で終わった割にやたらと静かですね。
昨日や前半戦の印象とのギャップが凄いというか、なんか変な感じがします――。
「純くん、やっぱり透華が去年のインハイで東東京と戦ったときみたいになってる」
「ああ……国広くんのいう“冷たい透華”ってやつだな」
出入り口近くで龍門渕の人たちが遠巻きに眺めてます。ちょっと外に出難いんですが……。
「トーカは今日、数多の
「衣、ようやく来たか!」
関係者しか入れない会場にちびっ子が!!
いえ、あれは春の大会で池田先輩を飛ばした龍門渕の天江衣ですね。(※池田は飛んでないです!!)
もこちゃんが大将戦で戦う相手……要チェックです。
「ハギヨシから委細は聞いた。清澄には東場の風神、風越には
先鋒に二人も奇玄な手合がいたとは興趣が尽きぬ」
なかなか上手いこと例えますね。それなら、もこちゃんは
いえ、個人的には~istで
「う……うん、そうなんだ。あまりにたくさんの強い相手に近づくと透華がなんか変わっていっちゃうんだ」
「須佐之男の半身、天叢雲剣を持つ者が憂懼していたことが
「後半戦の初っ端から豹変することになるが大丈夫か?」
「
「点差が酷かったけど、それなら平気か」
「透華は
「また全国大会で東京に行って一緒に遊びたいし、ボクはあまり嬉しくないな……」
「他校が引縄批根しようとも衣が大将にいる限りは杞人天憂」
……龍門渕の皆さんが何を言っているかサッパリ分かりませんね。何か情報を持ち帰れるかと思ったのですが残念です。
それにしても咲ちゃんも戻ってこないし困りました。また迷子とかじゃなければ良いけど……。
「む、風越の
「……ふぇッ!!」ビクッ
ちゃんと戻って来て良かった。どうやらお手洗いに行ってたみたい。けど会場に入ってから急に表情が硬くなった。
「ふぇぇ~、なにこれ……卓が凍ってるよ……この気配……お姉ちゃんの怖さとは違う……それに寒いよぉ」ブルブル
今は夏だし空調の温度が急に低くなったのかな?
「咲ちゃん、大丈夫? 監督から伝言を預かって来たけど良いかな?」
「う、うん……大丈夫。監督はなんて?」
「それが変な指示だとは思うんだけど、きっと後半には会場が凍るから――」
文堂の知らない昔の限定レジェンドレア……いったい何川さんのカードなんだろう(黒歴史)
あと衣たんが何を言っているのかは、書いた本人さえ、よく分からない。
麻雀用語の解説が度々入りますが、これは書いてる私が作中の麻雀用語をよく分からずに読み飛ばしてたんで、今は意味を確認しながら書いてます。書いてる私が麻雀初心者なんて、たぶん麻雀初心者でも何となく雰囲気が伝わりやすいようになってる……はず。きっと、メイビー。
書き始めた当初はツモと門前ツモの違いさえよく分かてなかったっぽい。それで点数計算間違えたし……orz
原作で龍門渕の入婿って表現があったときに最初は「龍門渕透華に婚約者でもいるの?」と勘違いしてましたが、透華のお父さんが婿養子なんですね。