風越先鋒、宮永咲   作:のぶほし

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誤字脱字多くて申し訳ない。ご指摘、感謝です。


第07局 出会

 

 推薦入試の日時も近づいており「マジやべぇ」と思ってたところ。

 声をかけていた三人が学校見学にやって来てくれた。

 

 対木もこは調べたら、彼女の恩師ともいえる中学の麻雀部顧問にツテがあった。

 覚王山は中高一貫制で中高共に麻雀部は部員も殆どおらず弱小といってよい環境だ。

 東海王者となって愛知県内の強豪校からもスカウトがあったらしいが本人は乗り気でないそうだ。

 マイペースで人見知りが激しく集団行動が苦手。

 だから無理に団体戦に出れなくても良いという考え、個人戦に出れたら十分というスタンスらしい。

 ただ恩師の方はできれば彼女の才能を伸ばせる環境に身を置いて欲しいと願っていた。

 

 そこで愛知まで出向いて説得し「部の雰囲気が合ったら」という条件付でスカウトに成功した。

 

 

 東横桃子は長野市内に用事があって行った際に偶然ゲームセンターで遭遇するまで、その存在を忘れていた。

 原作では一年生にして鶴賀学園の副将を務めた有望株がリストから抜けてたのが不思議でならない。

 そしてステルスモモの透過能力は「ツクヨミ」の前では無力なのだ。ハハハ。見つけれてよかった!

 

 ただ問題は近所の鶴賀学園から、わざわざ離れた風越女子に進学先を変更する動機が薄いってのが難点。

 鶴賀学園は長野北部の第1通学区で、風越女子は長野南部の第3通学区だから物理的に遠いんだよなー。

 わざわざ見学に来てくれたんだから、それなりに脈はあるってことでよいのかな?

 

 

「……お客様ですか?」 

 

 さっそく吉留が声をかけてくる。

 

「おっ、新入りが二人もやってきたし! 揉んでやるし!」

 

 池田ァ! 二人じゃなくって三人だよ!

 

「お二人ではなくって、三人ですよ」

 

 さすが気配りができる新キャプテン!

 

「えっ? 私のこと、ちゃんと見えてるんっすか?」

 

 ステルスモモが驚きの声をあげる。

 

「ええ、普通に見えますが……」

 

 オッドアイの眼の力ならSOAと同じくステルスの無効はありえる。

 

「気づかないくらい影が薄いのが悪いんだし」

 

「池田ァ!!」 「ヒィ!!」

 

 さすがに心の声ではなく口頭で注意する。

 

「風越女子、ちょースゴいっす!

 二人もわたし見つけてくれる人がいたっす。 こんなこと初めてっす!」

 

 どうやら興奮のあまり、池田の失言は聞こえなかったみたいだ。良かった。

 

「えっと……賑やかですね」 

 

「にんずう……おおい」 

 

「おまえらなあ……とりあえず落ち着け」

 

 部の雰囲気がカオスになりかけたところで久保コーチが頭を抑えながらストップをかける。

 

 三人の簡単な自己紹介が終わり、部員に混じって、それぞれの卓に入ってもらう。

 

「はい、お願いします(そういえば家族以外と打つの初めて……)」

 

「よろしくお願いするっす!(リアルで打つのは初めてっす)」

 

「……わたしは、しばらく……みてる(まずは様子見)」

 

「じゃあ福路キャプテンは、対木さんについてあげて。

 部の雰囲気とか知りたいって言ったから、少し話してくれると嬉しい」

 

「はい。わかりました」

 

「それなら名門校エースのあたしが直々に教えてやるし!!」

 

「監督、Aクラスの部員も入っていいんですか?」

 

「ああ、Aクラスも入って良いし、本気で打って良いよ」

 

「来年の入部希望者ですよね。接待しなくて良いんですか?」

 

「むしろ実力を示さないと、風越女子には来てもらえないかな?

 三人とも強いよ……間違いなくね」

 

「あうー(うぅ、なんでこんなコトに……)」

 

 

 

「それ、ロンっす! 2000っす」

 

「ええっ、またリーチの気配に気づかなかったし!」

 

「リーチかけても警戒されないって凄いね……」

 

「面白いな彼女……ウチに欲しいな……」

 

「でしょ? 久保コーチからも『私は君が欲しい』って情熱的に口説いて下さいよ」

 

「スカウトは監督に一任してるんだが……」

 

「彼女は第1通学区に進学予定ですから、風越女子に附属の寮があるにしても決め手にかけるんです」

 

「ネットやゲームのみで部活動や大会での麻雀経験なしか、たしかに埋もれるには勿体無いな」

 

 

 

「わたしも……いい?」ボソッ

 

「対木さんも卓に入りたいそうです」

 

「じゃあ、そっちの卓に入ってもらおうか

 福路は、池田のところが終わったら、東横さんのとこへ」

 

「わかりました」

 

「あ、対木さんは打つ時は少し雰囲気が変わるけど、気にしないでな」

 

「そうなんですか?」

 

「……」コクン

 

 

 

「ツモ、七対子(チートイツ)、ドラ1 3200オール」ズズズ

 

「またですかー」

 

「あはは、トバされた」

 

「麻雀初めたのが中三になってからって本当?」

 

「ちなみに彼女はインターミドルの東海王者だから」

 

「えー、聞いてないですよー」

 

「監督、ひどいです」

 

「……まだ、うちたい」ギラギラ

 

「じゃあ、弓野、深堀、吉留、入って」

 

「「はい」」

 

「インハイでは必ず龍門渕と戦うことになる。

 風越女子でスタメンを目指すなら、簡単に飲まれるなよ」

 

「「わかりました」」

 

「……うれしい(トバしても嫌われないから)」

 

 対木もこは中学の麻雀部では浮いた存在で対局相手に困ってたみたいだからな。

 打てる相手が多いのは嬉しいのだろう……。

 

 

 

「インターミドルでの牌譜は見せてもらっていたが、実際に目にすると凄まじいな」

 

「ギアがあがれば七対子(チートイツ)だけでなく対々和(トイトイホー)も加わるそうです」

 

「もしも福路以外で天江衣に対抗できるとしたら……」

 

「ええ、彼女か」

 

「もう一人か」

 

「わかります?」

 

「三連続プラスマイナスゼロの異常に気づいてない部員が大半だがな」

 

「まあ見る人が見れば、わかりますよね」

 

「あれは故意でやってるのか?」

 

「いえ精神的な癖みたいなものです。少しばかり麻雀から離れてたみたいで」

 

「イップス (yips) か?」(※精神的な原因などにより、自分の思い通りのプレーが出来なくなる症状のこと)

 

「まあ似たようなものかな? 目処はついてます」

 

「なら彼女の本気を見てみたいな」

 

「ですね。意図的なプラマイゼロなんて、下手に大勝するよりも、ずっとずっと難しい」

 

「それを可能とするのは……圧倒的な実力差か。末恐ろしいな」

 

「そのくらいじゃないと龍門渕には勝てませんよね?」

 

「まさか本気で全国ベスト8を?」

 

「あれれ、ずっと教職になる(正規雇用)って言ってたけど、信じてなかった?」

 

「希望的観測かと思ってたよ」

 

 

「ただ、監督推薦の枠って二つしかないんですよね……」

 

「ぉぃ、三人も連れてきてどうするつもりだ?」 

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