協会に通っているいる盲目の少女
2人は少女の歌声に導かれて
出会う
女子高生と盲目の少女
2人の運命は大きく動き出す
「………」
私の名前は津島善子
普通の女子高生……ではない
私は世間と言う、引きこもり
学校に行くのがいやになり
全く行かなくなった
親も行きたくないなら無理に行かなくても構わないと言ってくれている
でもそれで良いのかしら…
確かに行かない方が私にとっては幸せなのかもしれない
でも…ほんとにこのままでいいの?
分からない…自分じゃあ分からないわ
今日はたまには散歩をしようと
外に出て、出掛ける事にした
しばらく歩いていたら
ある協会が見えた…こんな所に協会なんてあったのね
私は不思議とその協会に興味が湧いて
近付いてみた
近付いたら、中から何か聞こえてきた
何かしら?私はゆっくりと近付いてみた
「歌…?誰か歌ってるわ」
中から歌声が聞こえた
その歌声は優しくとても素敵な歌声だ
私は無意識に協会の扉を開けていた
「誰…?」
「あっ……ごめんなさい、素敵な歌声が聞こえてきて気になっちゃって」
歌声の張本人は女性だった
協会で働いていると思っていたが、制服を着ていて
見た目からして同い年ぐらい
しかし、その子は少し動きがおかしい
私の方に全く向かず
あっちこっち見ている
「ごめんなさい…お、じゃなくて」
「マル、目が見えないから貴女がどこに居るか分からなくて」
あっちこっち見ている理由がわかった
通りで私が居る方向を一切見ないわけね
それに良く見る棒も持っているし
そうゆうわけね
私は彼女に近付いて
彼女の手を持って、自分の方向を教えた
「大丈夫よ…私はここに居るわ」
「貴女の歌声、とても素敵ね…びっくりしたわ」
「ありがとうございます…マル、そんな事言われたの初めて」
「もし良かったら、貴女の名前教えてほしいず……じゃないて」
ちょいちょい言いかけている事は気にはなるが
そんな事はまぁいいわ
私は自分の名前を教えた
そのあと
彼女も名前を教えてくれた
国木田花丸
なんでも昔からあるお寺が実家らしく
それで方言とかが出てしまい
気にしているらしい
ここの協会には昔から通っているらしく
こうやって来ては歌っているらしい
「ねぇ…またここに来ていいかしら?貴女の歌声を聞きに…」
「……もちろん!善子ちゃんなら大歓迎だよ!」
そこから、私は毎日のように
花丸が居る協会に通うようになった
そんな日々が私は楽しかった
花丸と過ごす、何気ない日々が
しかし、楽しい日々は突然別れを告げた
「花丸!今日も来てあげたわよ!!」
「あれ……?花丸?」
協会にやってきても花丸が居なかった
いつもなら待っていてくれていたのに
なんで……
「君かな…?花丸ちゃんのお友達って」
協会の人が居た
私に近付いて、ある紙を渡してきた
善子ちゃんへ
と
書かれた、紙
何となく、嫌な予感がした
正直見たくないと思った
しかし、見ないといけないと思った
私はゆっくりと紙を開いた
〜〜〜〜〜〜〜〜
善子ちゃんへ
もし、善子ちゃんがこの手紙を読んでいるって事は
マルは外国に居ます
マルの目の事で…外国なら治る人が居ると言われたからです
今、これを書いてもらっている時点では正直怖いです
今すぐ逃げたいぐらい…でもね?
マルには夢があるんだ
それはね…善子ちゃんの顔が見たくなったから
マルと仲良くしてくれている津島善子ちゃんの顔が見たいからです
マルのたった一人の友達…
善子ちゃんは学校が怖いって言ってたよね?
大丈夫だよ…善子ちゃんなら大丈夫
マルに会いに来てくれた善子ちゃんなら
昔の善子ちゃんは知らないけど
マルが知ってる津島善子ちゃんなら
大丈夫
マルも頑張って目を見えるようになるから
善子ちゃんも頑張って学校行ってみて下さい
マルとの約束です
国木田花丸より
〜〜〜〜〜〜
「何よこれ……勝手に約束しないでよ」
「直接言いなさいよ……バカ丸」
手紙を読んだ、私は
無意識に涙を流していた
こんなに私を思ってくれている友人が居る
私の為に頑張ってくれている友人が居る
今も頑張ってくれている
そんな奴がいるのに頑張らない訳ないじゃない
花丸……私も頑張るわ
頑張って、貴女との約束
守るわ
〜〜2年後〜〜
あれから2年が過ぎた
私はすぐに学校に行くようになり
無事に高校3年生になれた
今は大学の受験に励んでいる
あれから花丸との連絡は無い
きっとあいつも頑張っているわよね
リハビリとかしてるのかしら
そんな事を考えながら
受験勉強をしていたら
家のインターホンに鳴る
何故だか、このインターホンには嫌な予感がした
出たくない、誰も出て欲しくなかった
しかし、お母さんが出てしまい
私のお客さんだと伝えてきた
私は勉強を中断して、お客さんの所に行くと
「君が善子ちゃんだね…」
「これ…」
お母さんと同い年ぐらいの男性と女性が居た
2人ともとても悲しそうな顔をしている
私の心はとても嫌な感じをした
しかし私はそんな事を認めたくなかった
私は認めてはダメな気がした
男性から差し出されたのは
あの時、渡された
紙と全くそっくりな奴だ
善子ちゃんへ
と書かれた紙
花丸だ……きっと
手術は成功して、リハビリも上手くいったけど
しばらく会ってないから、恥ずかしいって手紙だわ
きっとそうよ
私はそっとゆっくりと紙を広げた
〜〜〜〜〜〜
善子ちゃんへ
善子ちゃんがこの手紙を読んでいるとしたら
きっと、私は手術は失敗したのだと思います
善子ちゃん、ごめんね?
マル…約束守れなかった
マルから約束したのに、守れなかった
直接ごめんなさいも言えない
善子ちゃんの声も、手の温もりもマルには感じる事が出来ません
本当にごめんなさい
でも……善子は明日をしっかり生きて
マルは無理だったけど、善子ちゃんには生きる権利がある
心を輝かして、生きて下さい
約束を破ったマルが言える権利はないけど
またマルと約束して下さい…頑張って生きて下さい
善子ちゃんには明るく……生きてほしいです
国木田花丸より
〜〜〜〜〜〜
そこからの記憶が私にはない
ただ、他の人から言われた事は
いきなり飛び出して
思い切り泣いていたそうよ
天気は私の心を知っているのか
大雨だった……
花丸が死んだ………
そんな真実を忘れたくなるぐらい私は泣いた
「……また来たのかい?」
しばらく、私は受験勉強をせずに
協会に来ている
あの頃と変わらない、毎日来ていたら
花丸が居て、またいつものように笑って迎えてくれるような気がした
手術が失敗なんて嘘で、実は成功していて
私に対するドッキリなんだと…
そうあって欲しかった
今は協会の人の言葉なんて聞こえない
花丸……花丸
本当は生きているんでしょう?
怒らないから出てきてよ
花丸…
「……花丸さんに君がもし、また協会に来るようなったら渡してほしいと言われた物があるんだ」
協会の人に花丸と言葉にピクっと反応した
私は、協会の人がDVDを渡してきた
善子ちゃんへと書かれたDVD
「家に帰って見てみなさい…」
それだけを言い残し
協会の人は帰ってしまった
私はそのあと、家に帰り
自分の部屋でDVDを再生した
そこには、病院だろうか
ベッドに座る花丸が居た
「こら!善子ちゃん、また協会に居るようになったの?」
「善子ちゃん、せっかく頑張って学校行けるようになったのに、マルショックだよ」
「誰のせいよ…誰の」
病室のベッドで私に怒る花丸
まさか、自分のせいだと思ってないんだろうと思った
「善子ちゃんがまた学校行けるようにマル頑張って歌うね?」
「実は、この歌はマルの学校の先生が作った曲なんだよ…桜内梨子先生って言うんだけど」
「あっ、時間がなかった……それじゃあ善子ちゃん聞いて下さい「君の心は輝いているかい?」」
花丸の歌が始まると
私はまた無意識に泣いていた
たくさん、いっぱいいっぱい泣いた
一生分の涙を流す勢いだった
ありがとう花丸…
やっぱり、あんたの歌声
大好きよ
〜一年後〜
「それじゃあ行ってくるわ…」
あれから私は受験勉強を再開し
ギリギリ志望校に行けて
大学生だ
もちろん色々あった
嫌な事も、楽しい事も
でもそれは花丸との約束を守る為だから頑張れた
これからも頑張っていくつもりよ
いつか、私も
あんたの元に行く日が来るまで
私はあんたとの約束を守るわ
ありがとう花丸
私のたった一人の友達
大好きだったわ
〜完〜