BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。
またコロナが日本全国に拡大しています。皆様も手洗いうがいで対策しましょう!

前回のアンケートの結果、今回はインフィニット・ストラトスの世界に決定しました。協力してくださった方々感謝致します。
今回登場死刃はタイトルで分かると思いますが、原作では死んだと思われたキャラが最強クラスの幹部になって復活したアイツです。

それではどうぞ。



9話 絶望の使者 前編

 皆さん、一般的な世界に於いては男尊女卑の世界が多いと思います。しかしある世界はその逆──────つまり女尊男卑になっているのです。その原因がある天才、いや天災が作り出したモノによって。

 

 

 

 今この世界を騒がせているのがとある天災博士は作り出した飛行パワードスーツ【インフィニット・ストラトス】通常【IS】を公開した。だがこれを作り上げた博士は、当時まだ15歳にも満たない未成年であったため「子供の遊び」として片付けられた。

 

 しかしそのIS公開から1ヶ月後とんでもないことが起きた。世界各国の軍事施設が何者かにハッキングされ計2,000発以上のもミサイルが一斉に日本に向けられ放たれた。

 世界中が混乱する中現れたのが銀色のISを纏った女性だった。そのISは次々とミサイルを撃墜していき、遂に全てのミサイルを撃墜することに成功、そして夕日と共に姿を消した。

 

 

 この事件が後に『白騎士事件』と称される。

 

 

 何はともあれこの事件をきっかけにISは世界中にその凄さが知れ渡り各国にISが導入されることになった、せざる終えなかった。────────何故ならISに通常兵器は効かない。ISを倒せるのはISだけなのだから。

 

 だがそのISはある欠点があった。何故か()()()()()扱えなかったのだ。よって世界各国は女性を優遇する様になり狂っていった。

 

 それから数年、女尊男卑に染まった女性達はISを扱えるのをいいことに買い物代を近くにいた見ず知らずの男性に払う様迫ったり、無実の男性に罪を着せたり、酷い時には男性だからと言って赤ん坊まで殺してしまう始末。時が進むに連れて世界の理はドンドン腐敗していった。

 

 だがそんな狂った世界は今までの常識など通用しない存在によって滅びの道を進むのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 【女性権利団体】

 それは女尊男卑に染まりに染まり女尊を保つために男をこの世から全て抹殺しようと企んでいる集団。世間一般では特に目立つ行為はしてこなかったが、その裏では男を連れ去っては奴隷にしたりストレス発散用のサンドバックにしたりと大人子供関係なく殺していたある意味犯罪集団である。

 

 しかしそのアジトは今炎に包まれ燃え盛っていた。その中にはISを纏ったリーダーであった女性と黒髪の男が向き合いながら立ち尽くしていた。

 

 「何なのよコイツ…何で銃も剣も効かないのよ…」

 

 リーダーは今目の前の光景に恐怖していた。何故ならその女性の周りにはISを纏った部下と思われる数人の女性が無残にも倒れていた。しかもその全員のISは所々破損し破壊されていた。

 現在では最強兵器であるISが武器も持たない丸腰の男、しかもたった1人に蹂躙されたことが信じられなかった。

 

 「当たり前だ。そんなIS(ガラクタ)の玩具で俺を倒せると思っているのが大間違いだ」

 

 「ガラクタ!?ISがガラクタですって!!」

 

 「そうだ。あんな女にしか扱うことが出来ない欠陥品をガラクタと言わないでなんて言うだ?この間滅ぼした組織の連中もそうだったが、そんなガラクタの力に縋って粋がってるとなぁ。この世界の女はどいつもコイツも傑作モノだ」

 

 ISを欠陥品、ガラクタ等と罵られた挙句見ず知らずの男に見下された態度を取られリーダーの女性は怒りに震えていた。

 ────ISは神が私達女に与えてくれた神聖なるモノ。そして私達はそのISを使えることが出来切る、つまり神に選ばれた人間なのよ。なのにそのISを汚し私達女を見下すなんて────

 

 「…だ、すな…」

 

 「?」

 

 「… 男の分際で…私達女を見下すなァァ!!」ドドドドドドドドド

 

 ISを馬鹿にされたことに加え自分自身も見下されたことに完全に逆ギレし我を忘れ銃を撃ちまくる。

 

 「死ね、死ねェェ!」

 

 女性の怒りに満ちた叫び声が燃え盛る建物の中に響き渡る。だが男はニヤリっと笑うと目にも止まらぬ速さで銃弾を躱しながら間合いを詰める。女性は興奮していた所為で周りが見えておらず気づいた時にはニヤついた男の顔が真正面にあった。

 

 「ヒィッ!」

 

 「消えろ」

 

 男は掌に溜めた黒紫のエネルギーを女の胸に当て放った。リーダーの女性は断末魔を上げる間もなく装着していたIS諸共消し飛ばされ、同時にアジトも吹き飛んだ。

 

 今この時をもって女性権利団体と言う存在はこの世から消滅した。

 

 「あんなIS(ガラクタ)が使えるくらいで粋がるなんてな……やっぱりこの世界は腐ってやがる。まぁそのお陰で俺にとっちゃ最高の世界だがな。さて、そろそろ本命と行くか」

 

 男は掌にある一つの学園が映し出されたホログラムが出現する。

 

 「楽しみだ。粋がっている連中が恐怖に染まりながら絶望に堕ちていく姿が」

 

 男の吊り上がった目と口が夜を照らす月光に照らされ、凶悪さがより醸し出される。この世界の終焉は着々と進んでいるのであった。

 

 

──────────────────────────────────────

 

 

 

 IS学園

 

此処ではISに関する授業をメインとして操縦者の育成を行う、アラスカ条約に基づき日本の小さな小島に設置された特殊国立高等学校。さらには食堂や大浴場等、凡ゆる設備が設けられている全寮制。

 

 そしてその食堂で今1人の男子と6人の女子が一つのテーブルを挿みながら食事をしていた。

 

 

 「やっぱ学食の料理は旨いな」

 

 織班一夏───1年1組のクラス代表にしてこの学園唯一の男性生徒。彼は男であるが何故かISを扱えることが出来た故にこの学園に入学させられた。その顔立ちの良さから女子生徒達の注目の的になっているが自身はそれに全く気付いていない、超が付くほど鈍感である。使用ISは【白式(ひゃくしき)】。

 

 

 「一夏放課後はISの特訓だ。今日も私がきっちり稽古を付けてやる」

 

 少し男気がある黒髪ポニンテールの女性が篠ノ之箒───織班一夏のファースト幼馴染。実家が剣道道場であり、自身も小さい頃から剣道を嗜んでいた為全国大会で優勝する程の実力を持つ。昔男子に揶揄われていたところを一夏に助けてもらいそれ以降彼に好意を持つようになる。そしてISの生みの親である篠ノ之束の実の妹。ISの開発者篠ノ之束の実の妹である。

使用ISは【赤椿(あかつばき)

 

 

 「篠ノ之さん抜け駆けはいけませんわ。一夏さんには、『私が』手取り足取り教えて差し上げますわ」

 

 このロングヘアーの金髪お嬢様がセリシア・オルコット───イギリスの代表候補生。当初は女尊男卑に染まっており男である一夏を見下していたが、彼との決闘を機に彼の強さに興味を持ち、それ以降は好意を抱き積極的にアプローチする。因みに料理の腕はかなり壊滅的。

使用ISは【ブルー・ティアーズ】

 

 

 「そう言うアンタも抜け駆けしてんじゃないわよ!」

 

 勢いよく割り込んできたツインテールが凰鈴音───1年2組のクラス代表にして中国の代表候補生にして織班一夏のセカンド幼馴染。転校して来た当時「鈴音」と言う名前から男子に虐められていたところを一夏に助けられそれ以降彼に好意を抱く。少々喧嘩早く短気なところが傷である。

使用ISは【甲龍(シェンロン)

 

 

 「まぁまぁ3人とも落ち着いて」

 

 セシリアと同じく金髪で短髪の子がシャルロット・デュノア───フランスの代表候補生。入学当初は【シャルル・デュノア】と名乗っており()として入学した。その理由はデュノア社の社長である父親が一夏のISの情報を盗んでくるようにとスパイとして送り込んだ。男として接すれば近づくチャンスがあると思ってとのこと。

 そのことが一夏にバレてしまうが、それでも同じ境遇である一夏はシャルロットを咎めず受け入れてくれた。そのことをきっかけに一夏に好意を持ち、女であることを明かし改めて再入学した。

使用ISは【ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡ】

 

 

 「全くお前達は、嫁が迷惑しているのに気付かんのか」

 

 背の低くく左目に眼帯をしている銀髪がラウラ・ボーデヴィッヒ───ドイツの代表候補生にして黒兎部隊の隊長。入学当初は一夏を教官───織班千冬の汚点として敵対していたが、トーナメント戦で自身のISに積まれていたVTシステムが発動し取り込まれたところを一夏に助けられ、それ以降は皆と同じように彼に好意を抱くようになった。

 だが元々一般常識が乏しかった故に間違った知識を副隊長に教え込まれているとのこと。

使用ISは【シュヴァルツェア・レーゲン】

 

 

 「…ラウラだって人のこと、言えないと思う」

 

 眼鏡を掛けた大人しめの子は更識簪───4組の代表にして日本の代表候補生、アニメや特撮が大好きなオタク女子。一夏とはある関係でラウラと同様に彼のことを気嫌いし遠ざけていたが、それでも自身に協力してくれた彼に心を開き、ある事件がきっかけで5人同様好意を抱くようになる。

 使用ISは【打鉄弐式(うちがねにしき)

 

 

 「まぁまぁ、だったら皆一緒に訓練しようぜ。その方が効率がいいと思うし」

 

 一夏は皆の意見をまとめて(?)笑顔で答えるが、相変わらず的外れの意見を出し6人は溜息を吐く。だが当の本人には何故皆溜息を吐いたのか分からず頭に「?」を浮かべていた。

 

 

 

 

 

 そして時は進み放課後。先程のメンバー7人が第3アリーナに集結する。

 

 「よし、じゃあ早速始めるとするか」

 

全員ISを展開し準備満タン。特訓を開始しようとした時、突然ISからアラームが響く。そしてモニターに【警戒】の文字が映し出される。すると上空から謎のエネルギー弾が向かってくるのが目に入る。そのエネルギー弾はアリーナのバリアを破壊しフィールドに命中。その場所は地面が削れ小さなクレーターが出来ていた。

 

 「一体何が?」

 

 「!?皆あれ見て!」

 

 シャルロットが何かを見つけ上空に指を指した。全員指した方を見上げると、ロングスカート並の長い丈を吐き、針山のようにトゲトゲのヤンキーのようなヘアースタイルをした黒髪の男が浮遊してた。そして何より丸腰、つまりISも何も身に付けていない。

 ISも無しに浮遊しているのが信じられない面々。男はそんなことを気にする様子もなくゆっくりと降下し着地する。

 

 「小僧、お前が織斑一夏か?」

 

 「お、俺のことを知ってるのか!?」

 

 「あまり前だ。お前は男で唯一ISを動かすことが出来る存在。逆に知らない方がおかしいだろ。(まぁ知っているのはそのことだじゃがな)ん?」

 

 アリーナの扉が開き、数人のISを纏った女性教師が男の周囲を囲み銃口を向ける。

 

 『そこの不審者、この場は完全に包囲した!大人しく投降しないさい!』

 

 しかし男は一切の焦りを見せず逆に呆れていた。

 

 「投降しろだと?冗談は休み休み言え」

 

 『貴様こそ状況が分かっているのか?それともこれだけの人数を相手に1人で太刀打ち出来るととでも言うのか?」

 

 

 「…その通りだ」

 

 

 次の瞬間男は忽然と姿を消した。戸惑う教師達であったが1人の教師の呻き声が聞こえ視線を向けると、なんと消えた男の右腕が後ろから突き刺し胸を貫通させていた。

 

 ISには絶対防御のバリアが展開されており肉体に直接ダメージを与えることはないのだが、この男は生身でバリアを超え搭乗者の身体を貫いた。その光景にその場にいた誰もが驚きを隠せなかった。

 

 しかし一早く我に帰った一人の教師が銃を発砲し連射する。男は腕を引き抜き片手で教師の肩を掴み前に出し盾にする。銃弾はそのままその教員に命中し、苦痛の叫びを上げる。最早虫の息である。

 反対側から刀を持った教師が迫って来るが、男は盾にした教師を迫り来る教師にへと投げ飛ばした。咄嗟のことでぶつかってしまい転倒下敷きにされてしまう。

 

 その隙に後方にいる教師が銃を連射させ煙が舞い上がる。一夏は生身の相手にやり過ぎだと思っているが、最初に発砲した時点で今更である。静寂が訪れる中煙の中にツンツン頭の人影を確認し再度発砲しようとするが、次の瞬間自分の隣に赤い液体のようなものが飛び散るのが見えた。恐る恐る視線を向けると、銃を持っていたはずの自分の右腕が無くなっているのに気付く。先程の赤い液体は自身のものであったこと発覚した。

 

 

「ああァァァァーーー!!」

 

 

 そして激しい痛みが襲い苦痛の叫びを上げながら左手で出血部分を押さ蹲る。男はその教師の目の前まで移動し頭を掴むと力を込める。そして頭部はトマトのように握り潰され周りには赤い液体が飛び散る。司令塔を失った身体はそのまま力なく倒れ二度と起き上がることはなかった。

 

 「こうなれば一斉に掛かるぞ!」

 

 バラバラに戦っては餌食になると思いリーダーと思われる女性が指示を出し四方から一斉に突撃し刀を振り下ろし砂煙が舞い上がる。

 その場にいた全員が仕留めたと思った。だが煙が晴れるとそこに男の姿は無かった。

 

 「い、居ない!」

 

 「何処へ行った!?」

 

 姿を消した男を探す教師達であったが辺り一面見渡しても見つからない。すると太陽が何かに遮られ影が出来る。気になった一人の教師が見上げるとそこには男が右手を突き出し掌に紫色の光を溜めていた。

 

 「ッ上だ!」

 

 気付いた教師が慌てて教えるがもう既に男の方は準備が完了していた。

 

 

 

 「もう遅い────────【虚閃】」

 

 

 

 そして掌から太い黒紫色の閃光が放たれ教師一同を包み込んだ。あたりの衝撃に一夏達は近づくことが出来ず両手で顔を伏せていた。軈て閃光が止み目を開けると、そこには最初の攻撃で出来たのより大きなクレーターが出来ていた。そして教師達の姿は影も形も残っていなかった。

 

 

 一夏達は目の前の光景に恐怖していた。ISを装着していた教師が生身の人間(?)相手に殆ど抵抗する暇もなく全員絶命された。

 

 

 ───自分達が戦って勝てるのか?いや無理だ。逃げなきゃ、でなきゃ殺される───

 

 

 しかし人の死を目の前で直視してしまった彼等は恐怖で足が竦み動けなかった。その間に男はクレーターの前に着地し7人を睨み付け言い放つ。

 

 

 「次はテメェ等がこうなる番だ」

 

 

 その鋭い眼差しと歯を出し笑うその姿はまるで悪魔そのものだった。

 最早逃げる選択肢はない。そう思った皆は覚悟を決め散会しそれぞれ攻撃を開始する。

 

 

 先ず簪が無数のミサイルで攻撃を仕掛ける。男は飛び上がり回避するが、ミサイルは男の後を追いかけ追跡する。それでも尚振り切ろうとする男に、鈴が両肩に付いている【龍砲】から衝撃砲を、セリシアが4つのピットを飛ばし、シャルロットが重機関銃で、ラウラが肩についてる大型のレールカノンで、箒が斬撃を飛ばし追い討ちを掛ける。

 

 男は6人の攻撃を回避しながら、迫り来るミサイルをエネルギーの塊───【虚弾】で撃墜する。しかし、しつこく追い掛けてくるミサイルがいい加減鬱陶しくなってきた時、主砲を向けている鈴の姿が目に入るとニヤリっと笑い鈴目掛けて加速する。

 

 迫り来る男に鈴は衝撃砲で迎え撃とうとするが相手の方が速過ぎて間に合わない。ヤられると思い反射的に目を瞑ったが、何と男は鈴をそのまま素通りしてしまう。「えっ?」と一瞬戸惑うがそんな考えは直ぐに消え去った。何故ならミサイルが自身に向かってきているからだ。

 

 鈴は全て撃ち落とそうと溜まった衝撃砲で迎え撃つが、あまりの多いさに相殺しきれず数発のミサイルが直撃する。

 

 「鈴さん!」

 

 「何処を見てやがる」

 

心配するセシリアの背後から声が聞こえて振り向いた瞬間男に首根っこを掴まれる。振り解こうと掴まれてる手を掴み力を入れるが全く振り解けない。ピットで攻撃しようにも下手をすれば自分に当たってしまう危険性がある為使えない。苦しみながらも右腕にショートブレード【インターセプター】を出し斬り付けようとするが、残っていたもう片方の手で腕を掴まれ同じように強く握られる。掴まれた痛みと呼吸困難により【インターセプター】を手放してしまい重力によって落下し量子分解して消滅、そしてセシリアを投げ飛ばす。

投げ飛ばされた方向にはダメージを負った鈴がおりそのまま2人は衝突する。そして背後に現れた男に腕を掴まれ地面に投げ飛ばされ叩きつけられた。

 

さらに男はその場から消えると簪の目の前に現れ、彼女を蹴り飛ばし右手に紅いエネルギーの塊を作り出し放つ。エネルギー弾が命中した簪は爆煙に包まれ、そのまま地面にへと落下した。

 

「鈴!セシリア!簪!」

 

「来るぞ、シャルロット!」

 

ラウラに指摘されたシャルロットが前を見ると男が自分達に向かって来ていた。シャルロットは銃口を向け連射するが、まるで擦り抜けているように当たらず土手っ腹に思い一撃を食ってしまう。痛みに悶え隙が生まれたことにより男はシャルロットの顔をアイアンクローの如く掴み急降下、そのまま近くの壁に背中から打ち付けた。

 

「シャルロット!!クッッ!」

 

ラウラは複数のワイヤーを発射し男を縛り上げ拘束する。しかし男は力を入れると無理矢理ワイヤーを引きちぎり狙いをラウラに定め突撃する。しかしラウラは「こっちに来い」と言わんばかりに動かずにいた。

 

彼女のISには【アクティブ・イナーシャル・キャンセラー】通称【AIC】がある。これは自身の決めた対象の動きを停止させることが出来る1対1ならチート級のシステムである。

そのまま向かってくる男に【AIC】で動きを封じようと言う作戦。幾ら早く動けようが動きを封じてしまえば自分達にも勝機はあると踏んだ。

 

そして次第に互いの距離は詰め5mくらいになったところで手を翳そうとした時、突如男の姿が忽然と消えてしまった。同時に背中に激痛が走り振り向くと、男が簪に使用した紅エネルギーの塊を手に纏っている姿が目に入った。そして腕を突き出し再びエネルギー弾を発射する。 

 

ラウラは空かさず【AIC】を使って攻撃を停止させる。だが男はその攻撃をなんと連射させ無数のエネルギー弾がラウラに向かう。意識を集中させ迫り来るエネルギー弾を全て停止させる。だがその所為で視界が停止させたエネルギー弾だらけになり相手の姿が確認出来ないでいた。

 

男はラウラの真横に現れ彼女の腹に強烈な拳を打ち込む。ラウラと【AIC】には腕の長さ分の僅かな隙間がある、そこに目を付け自身を確認出来なくなった時を狙った。

 

痛みにより【AIC】を解いてしまったことにより今まで停止させていたエネルギー弾が雨のように自身にへと降り注ぐ。ラウラは苦痛の叫びを上げながらフィールドに落下した。

 

「…たわいもねェな。残るテメェらもさっさと片付けるとするか」

 

男は残っている一夏と箒の2人に狙いを定める。

 

「…一夏私が奴の気を逸らす。そこをお前の刀で一撃を入れろ」

 

「…分かった。頼むぜ、箒」

 

「あぁ、任せろ」

 

「…作戦会議でもやってんのか?だったら今度は俺から行かせてもらうぜ」

 

男は例のエネルギーの塊を4発発射させ先制攻撃を仕掛ける。一夏達の方は箒が左手の刀【空裂】を振るい斬撃を飛ばして迎え撃つ。互いの技がぶつかり合い爆発が起き爆煙が舞い上がる。その間に箒は右手の刀【雨月】を突き出しレーザーを放出させる。レーザーは煙を貫通、その場所が晴れ進路上にいた男の姿が露わとなる。

男は迫り来るレーザーを手で弾き払う。その間に箒は加速し距離を詰め2本の刀を同時に振り下ろす。しかし男は両手でそれぞれの刀の刃の部分を受け止めた。

 

「なっ!刀を素手で!?」

 

「ハッ、この程度の剣で俺を倒せると思っているのかよ。甘いな」

 

「だがこれで貴様も両手が使えない。今だ、一夏!」

 

 

  「ウォォォォーー!!」

 

 

2人のやり取りで待機していた一夏が後方から加速し繰り出すは、自身のSE(シールドエネルギー)を攻撃力に変化させる諸刃の剣にして最大の技【零落白夜】で男の背中に振り下ろした。だが──

 

 

ガギン

 

 

「何!?」

 

 

──その刃は男を斬り付けるどころか皮膚に食い込みさえしなかった。さらに力を込めるがビクともしない。

 

 「バカが。そんな物で俺の鋼皮(イエロー)を傷付けられると思うなよ」

 

男は身体から紫色のオーラを放出される。それは次第に強くなっていき、遂には衝撃波となり2人は吹き飛ばされ壁に激突した。それでも尚放出を辞めずそのアリーナ内の壁やフィールドを圧力で押し潰される。

 

男は地面に着地すると倒れていたラウラに近づくと髪を引っ張り無理矢理起き上がらせる。

 

 「おい餓鬼、テメェは確かセシリアと鈴(アイツら)の事を前に『種馬を取り合う雌』って言ってたな?」

 

 それはまだラウラはこの学園に来た時のこと。セシリアと鈴がバトルを行おうとしていたところに割り込み2人に戦いを申し込もうとした時、挑発の意味を込めて言った言葉である。

 

 「…そ、それがどうした?」

 

 「おい、まだ気付かねェのか?今のテメェはソイツ等と同じその『種馬を取り合う雌』に成り下がっている事によォ!」

 

 

ラウラは入学当初は尊敬して憧れであった織斑千冬の汚点として一夏を敵視して下手すれば殺しかねない程の敵意を向けていた。しかしトーナメント戦の時思わぬアクシデントでラウラは一夏に助けてもらい、その翌日にはクラス全員の前で一夏にキスし、更には自身の嫁*1にするとまで宣言する始末。一般的に見れば凄い掌返しである。

 

 

 「元々は織斑一夏(あの小僧)を消すために来たんだろ?それがアイツに好意抱く餓鬼共の仲間入りをするなんてなぁ。嘗てのお前が今のお前を見たらどう思うだろうな?」

 

そして男はラウラにとっては禁句の言葉を口にした。

 

 

「まぁ仕方ねェか。なにせ()()()()()の不良品だからなァ」

 

 

その瞬間彼女の奥底に眠る思い出したくもない記憶が呼び起こされた。

 

ラウラは戦うために産み出された戦士であった。幼い頃から軍隊に所属し幾多の戦いに於ける訓練でかなりの成績を残しエリートにへとなった。だがISの出現により適合性向上のためナノマシンへの移植手術が施された。しかし彼女の肉体はそれに適応することが出来ず、手術前のような成績を残すことが出来かった結果「出来損ない」の烙印を押されてしまった。己の存在意義に悩んでいた時に、織斑千冬と出会い彼女の指導の元再びトップにへと返り咲いた。それ故織斑千冬を心から尊敬している。

 

  しかし一度植え付けられた記憶は決して消えることはない。どんなに封じ込めているつもりでもちょっとしたキッカケで呼び起こされてしまう。

 

 

『やれやれ。君には期待していたのだが、残念だ』

 

『まさか基準値を大きく下回る結果とは。エリートが聞いて呆れるな』

 

『全く、この出来損ないが』

 

 

 

「あぁ…あぁ…アァァァァァァー!!」

 

 

あの時軍の上司達から言われた言葉がトラウマとなり発狂してしまった。普段のラウラを知っている者達からは信じられない姿であった。

 

「煩セェぞ」

 

一番近くで発狂を聞かされた男はいい加減ウザくなり腹に拳を打ち込み無理矢理騙される。

 

「どうやら壊れちまったようだ。こんな不良品は居ても邪魔なだけだ、処分するか」

 

「や、辞めろ…」

 

一夏はラウラを助けようと重い身体を這ってでも前進していく。

 

「ほぉ、流石やるじゃねェか。だがウゼェだんよ」

 

男は弱いくせに出しゃばろうとする一夏に苛立ち、圧力を掛け地面に這い蹲らせ身動きを取れなくさせる。

 

「そこで大人しくしていろ」

 

男は掌に紫色のエネルギーの塊────【虚閃】が凝縮される。ラウラの視界に入る球体が入ると、先程の教師達が消された瞬間を思い出し恐怖した。軍人とは言え死への恐怖を克服出来はしない。

 

「心配するな。テメェのその壊れた頭諸共吹き飛ばしてやる。そして絶望しながら死ね」

 

掌が自分の腹部に向けられ虚閃が放たれようとしていた。もうダメだっと思い目を閉じたその時、アリーナ全体に霧が発生。男は予想外のことに動揺していると後ろから気配を感じ後方に虚閃を放つ。しかしその人影は水になって崩れ落ちた。

 

「何!?」

 

「ざ〜んねん。それは偽者よ♪」

 

今度は後ろから声が聞こえ振り向いた瞬間ランスが突きつけられる。当たりはしなかったが反射的にラウラを離してしまった。

その間にもう一つの人影がラウラを抱えるとその場から離れ、槍を突きつけてきた人物も距離を取る。霧が晴れて視界が確認できるようになるとそこには─────

 

「ちょ〜とおいたが過ぎるんじゃないかしら、侵入者さん?」

 

「これ以上私の生徒達を傷付けさせん」

 

──────学園最強を誇る生徒会長の更識楯無と、初代ブリュンヒルデの称号を持つ織斑千冬が立っていた。

 

 

*1
間違った知識




今回はここまでです。

因みにラウラの回想部分はオリジナルです。

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