BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

今年も残りあと僅かとなりました。コロナの自粛によって昨年もそうですが、何かあっと言う間に一年が過ぎてしまった感があります。
早い訳では無いのですが、ポケモンゲームをやり込むのでまた更新が遅れると思い早め(?)に書きました。暫くまた更新が遅れると思いますがご賞味ください。

今回の世界は別名「汚いプリキュア」と言われているあの作品です。あのパワハラ上司そっくりの性格のアイツも登場します。

それではどうぞ。


16話 地獄の道化師による大宴会 前編

とある世界。そこでは【マナ】と呼ばれる人類が進化の果てに手に入れた魔法のようなものが存在してした。その力によって食糧危機が改善され戦争が消え、人々は平和な日々を送っていた。

 

しかしその一方で【ノーマ】と呼ばれる、突然変異によって【マナ】を扱うことが出来ず無効化してしまう存在がいる。それ故に周りから「化け物」と呼ばれて蔑まれ、社会から隔離されると言う非人道的な扱いを受けていた。

そしてノーマ達は異世界から現れる【ドラゴン】と生死を賭けた戦いを繰り広げている。…このことは世間には知られていない。

 

 

しかしこの世界は、一部の存在しか知らない真実がある。そして今その真実がある存在によって暴かれ、同様に滅びの運命が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

アンジュ…本当の名は『アンジュリーゼ・斑鳩・ミスルギ』彼女は元々ミスルギ王国の第一皇女で、王族だけあって大勢の人々から慕われていた。しかし彼女の成人の儀の日、実兄である【ジュリオ・斑鳩・ミスルギ】によってノーマであることが明かされ「アルゼナル」と言うノーマが収監させる施設に送りま込まれた。

 

最初は「自分はノーマではない」と否定し続け、誰とも打ち解けなかった。しかしあることがキッカケで現実を受け入れ少しずつではあるが心を許せる存在が出来るようになっていった。

更に、侍女の【モモカ】がアルゼナルにやって来て面倒なことになったがアンジュがモモカを買ったことで収まった(監察官の【エマ・ブロンソン】は『ノーマが人を買うなんて』とブツブツ言っていた)。

 

 

それから数日が経った頃、突如実妹からの助けを求めるメッセージを受けた彼女は何とかモモカと共にアルゼナルを脱出し、ミスルギ王国にへと帰還することに成功した。

しかしそこで待っていたのは家族との感動の再会などではなかった。

 

実はあの助けを求めるメッセージは自分を誘き出す為の嘘であったと言うことも発覚。

更にはこの国の王にして実の父であった【ジュライ・飛鳥・ミスルギ】は処刑されていたことを知る。

実妹の【シルヴィア】から鞭で何度も叩かれ、周りの人々から「化け物」「早く殺せ」などバッシングを浴びせられ、元部活仲間からも同様の言葉が飛び交う。

 

母を目の前で殺され、父が処刑され、信じていた妹やチームのメンバーから迫害の言葉を浴びせられる。彼女の心は絶望、いや【人間】と言う存在に対する醜さで一杯だった。

 

そして彼女が縄を首に巻き付け吊るされそうになったその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフフ、面白い。実に面白いですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…突如その場で誰かの声が聞こえ全員動きを止める。声のした方へ顔を向けると、そこには背中に4本の剣を背負い、赤い服を着たピエロが上空におり、ゆっくりの死刑台に着地する。

 

「貴様、一体何者だ!いきなり現れて、名を名乗れ!」

 

「これは失敬。確かに名前を名乗るのは常識ですね。私は【ピエモン】、デストロイヤー軍の幹部にして【死刃】の1人です」

 

ピエモンと名乗ったピエロはお辞儀をする。

 

「貴方方の会話、先程から全て聞かせてもらいましたけど、本当に面白いですね。大勢の民衆の前で悪しき存在であるノーマを処刑する。実に面白い」

 

「ほ、ほぉ。貴様、ノーマの処刑が面白いとは。よく分かっているじゃないか」

 

ジュリオは得体の知れない相手に戸惑っているが、ノーマの処刑が「面白い」と言うピエモンの思考に歓喜を感じた。しかし、

 

「エェ、本当に面白いですよ────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貴方方の滑稽な茶番劇がね

 

 

 

…思いがけない言葉が飛び交ったことでその場の空気が凍りつく。

 

「き、貴様…今何といった?茶番だと?」

 

「エェ、そうですよ。私から見れば今貴方方のやっていることは茶番でしかないのです。 貴方方が使う力【マナ】と言いましたか?それが使えないだけでここまでするとは…茶番と言わずして何と言いましょう」

 

ノーマと言う化け物を自分達の手で始末すると言うことは、彼等にとっては栄誉ある行動に等しいだろう。しかしそれを茶番劇などと侮辱され、アンジュ以外のこの場にいる者達は腑が煮えくりかえそうである。

そして終いにはとんでもないことを言い出した。

 

「私から見れば貴方達もその【ノーマ】と対して変わりませんよ」

 

「なっ何だと!?き、貴様、我々をノーマと一緒にする気か!!」

 

「する気も何も、見た目は全く同じではありませんか。違いは『マナが使えない』それだけでしょ?私からすればそれ以外は何の変わりもない【愚かな生物】ですよ」

 

公衆の場にいた人々はその発言に腹を立てた。【マナを使える】選ばれた存在である自分達が、【マナが使えない】化け物であるノーマと一緒にされるなんて癪に触る。しかも【愚かな生物】とまで言われ怒りは爆発した。

 

「テメェ、巫山戯るなぁぁ!!」

 

「私達がそのアンジュ(化け物)と一緒ですって!!巫山戯るんじゃないわよォ!!」

 

「そうだ、そうだ!!」

 

民衆の壮大なバッシングを浴びせられるが、全く気にしていないようで顔色一つ変えなかった。

 

「き、貴様この国の王である私に向かって…許さん!」

 

ジュリオがパチンッと指を鳴らすと、音勢の兵士が台へと登りピエモンの周りを取り囲む。

 

「お前達、この不届き者を始末しろ!」

 

ジュリオの命令で兵士達が一斉に飛び掛かる。大勢の兵士を前にすれば、これで終わるだろう…普通なら。だが、彼は普通じゃない。

 

「【トイワンダネス】!」

 

腕を下から振り上げると、台が抉られ見えない衝撃波が襲い、彼等を吹き飛ばす。さらにその衝撃は後ろにいたジュリオとシルヴィアにまで襲い掛かり、シルヴィアに至っては車椅子がバランスを崩してしまい転倒してしまう。

 

「シルヴィア!貴様、私たちにこんなことをしてタダで済むと思うな!」

 

「おやおや、今のはそちらから仕掛けてきたではありませんか。私は正当防衛をしたまでですよ」

 

確かに先に攻撃し出したのは兵士達。ピエモンの行動は正当防衛に当たる。しかし今のミスルギ王国の民衆にそんなことを考えられる程の冷静さはないだろう。

 

「それにして【マナ】と言うのが使える、それだけでそんなに偉いことなのですか?」

 

「当然だろ!【マナ】は神が私達人類に与えてくださった物だ!だからそれを使える我々は選ばれた存在なのだぞ」

 

「成る程成る程。しかし、言うならそれは『力を持つ者が偉い』と言うこと。即ち私は貴方達より上の存在と言うことになりますね。私は貴方達を遥かに凌ぐ力があるのですから」

 

その言葉にジュリオは押し黙る。さっきの衝撃波は兵士を全員一変に吹き飛ばす程の威力があった。しかも見るからに余裕綽々の様子、つまりまだまだ余力がある、下手をすれば自分達の方が始末されかねない。

目の前に汚らわしいアンジュ(ノーマ)が視界に入るのは癪だが、大人しくするしかなかった。しかし…

 

 

 

 

 

 

「しかし、本当に愚かですね。この()()の地球に住まう者達は」

 

 

 

 

 

 

…そんな考えも吹っ飛ぶ程の衝撃的な言葉が告げられた。

 

「偽りの地球!?どう言うことだ?」

 

「そのままの意味です。この世界はある存在に造られた世界なのですよ。その証拠に、あれをご覧なさい」

 

ピエモンはミスルギ王国の中心部にあり最高機密区画である【暁ノ御柱】を指差す。すると、突然根元部分が大爆発を起こし倒壊する。

突然の出来事に騒つく民衆を他所に、倒壊した柱の瓦礫の中から、紫色の球体が浮かび上がってきた。目を凝らして確認すると、何と球体の中に巨大なドラゴンが閉じ込められていた。

 

「あれは【アウラ】と言う此処とは別の地球の生物です。この地球を創った者はあのドラゴンのエネルギーを糧にして【マナ】と言う物を作った。つまりあのドラゴンこそが【マナ】の源なのです」

 

ピエモンは何処からともなく一本のナイフを取り出すと投げ付け、そのまま球体に刺した。

すると球体はゴワゴワと震え出す。その震えは次第に大きくなっていき、遂に弾け飛んだ。解放されたアウラは目を開くと、翼を広げ雄叫びを上げる。その光景に民衆は目を奪われる。

 

「さぁ、此処で皆さんに問題です。アウラが解放されました。それが何を意味しているか分かりますか?」

 

ピエモンの言葉に殆どの人達の頭に「?」が浮かぶ。その中でジュリオは彼が言った言葉を思い出しあることに気付く。

 

あのアウラと言うドラゴンはマナの源──供給源。それが解放された、と言うことはつまり、マナの供給源が絶たれたと言うこと。それが意味するもの、即ち…

 

「今この時をもって貴方達は、自分達が散々化け物と罵ってきたノーマと同じ存在となったのです」

 

…ミスルギ王国の民衆は勿論、世界中の人々はマナを使えなくなった。民衆達はその言葉が信じられずマナの光を出そうとするが出ず、同様にマナの力も使うことが出来ない。その現実に民衆はショックを隠せない。中には「これは夢だ、夢に決まってる」等現実逃避をする者もいた。

 

「これで皆さんはノーマと同じ存在になったことが分かりましたね。では皆さんにはノーマと同じ仕事をしてもらいましょう」

 

ピエモンが指をパチンっと鳴らすと、上空から多数の黒い小さな影が飛んで来るのが見えた。軈て街の光で姿が確認出来るようになる。それは大口を開け、2対計4つの背中に小さな羽を生やした小悪魔型のデジモン【イビルモン】であった。

 

「皆さんにはこのイビルモン達と戦ってもらいます。ノーマがドラゴンと呼ばれる存在と戦っていたのと同じように。では、スタート!」

 

その号令を合図に無数のイビルモンが民衆に一斉に襲いかかる。マナの力を失った人々は、為す術がないので逃げることしか出来なかった。

 

その間に複数のイビルモンが逃げ遅れた1人の纏わりつき、その人間の断末魔にも似た叫び声が上がる。1人、また1人とその声の数は増えていく。正に数の暴力。

しかし考えてみれば彼等も、寄ってたかってアンジュ1人に罪を全て押し付けようとしたので自業自得とも言える。因果応報とはこのことかもしれない。

 

その様子を楽しんで見ているピエモンにアンジュが声を掛ける。

 

「ねェ」

 

「はい、何でしょう?」

 

「何で私を助けてくれたの?」

 

人間扱いされないノーマであり全くの無関係である自分を、何故助けてくれたのか不思議でしょうがなかった。

 

「簡単ですよ。ただ単に私が気に入ったからですよ。貴方のその憎しみの心が」

 

「私の…憎しみの心?」

 

「貴方はさっき彼等のことを心の中でと罵っていましたよね。【家畜】や【豚共】等と」

 

彼女はノーマとしてアルゼナルにへと送られた時からここ数ヶ月、命を掛けてドラゴンからこの世界を救ってあげたと言うのに、それが「化け物」と罵られ、物を投げされると言う仕打ち。

その時のアンジュは「こんな連中を守っていたのか」と【怒り】や【憎しみ】そして【哀れみ】を感じた。首を吊るされそうになった時『全員地獄に落ちろ』と言うと思っていた程に。その時の感情を気に入ったと言う。

 

ピエモンはアンジュに手を差し伸べる。

 

「私と共に来なさい。そうすれば貴方に屈辱を味合わせた者達を見返せる力を与えてあげましょう」

 

一般的に見ればこれは悪魔の囁きだろうが、アンジュにはその姿はとても魅力的に思えた。死刑にされそうだった自分を助け、自分を虐げた豚共に仕返しをし、何より自分の気持ちを理解してくれそうな仕草。今の彼女にピエモンが『白馬の王子様』に見えていた。アンジュは右手を伸ばし、その手を掴もうとした。その時…

 

 

 

 

「それは困る。彼女は私の妻になるのだから」

 

 

 

 

突如後方から別の声が聞こえ反射的に腕を引いた。振り返ると、そこには貴族服を着た金髪のロングヘアの男性が現れる。

 

「一応初めましてと言っておこう、異世界の住人。私はエンブリヲ、君が言っていた通り私がこの地球を創った者だ」

 

「これはこれは。創造者直々にお出ましとは、どう言う了見ですか?」

 

「簡単なことだ。此処は私が創り上げた世界、異物である君に好き勝手されるのは好ましくない。故に君には此処で退場してもらおうと「グシャ」」

 

会話中、変な音がしたと思ったらエンブリヲの頭部が消失していた。頭部を失った身体は膝から崩れ落ちその場に倒れ込む。何が起こったのか分からないアンジュはピエモンへと視線を向ける。

 

「私を排除する前に、自分が排除されることを考えていなかったのですか?」

 

彼の手首から先の部分が「ピリピリ」と小さな稲妻が走っていたのが見えた。全く状況が掴めないが、彼が何かやったのだけは理解出来た。

残酷な光景だがアンジュの顔色に変化はなかった。と言うのも、常にドラゴンと命を掛けた戦いをしている上に、何回か目の前で死んでいくのを観ているから今の彼女からしたら見慣れた光景なのかもしれない。

 

「話の途中で攻撃を仕掛けてくるとは、礼儀がなっていないのではないか」

 

だが突如死んだはずのエンブリヲの声が聞こえたと思えば、その後方から無傷の彼が立っていた。さらにその背後からもう1人のエンブリヲが現れる。アンジュは理解出来ず振り返ると、そこにあったはずのエンブリヲの死体が綺麗に消えていた。

 

「理解出来るかい?何故私が生きているのか君に理解出来るかい?」

 

「私は全てを超越した存在、君如きでは私を倒すことは不可能のだ」

 

完全に自身の方が格上である発言し挑発するエンブリヲ。しかしピエモンは顔色一つ変えない。

 

「ほぉ、復活する上に増殖とは興味深い。ではそれがどこまで出来るのか試してみましょう。【トランプソード】!」

 

塚に収めていた4本の剣を取り出し1人のエンブリヲにへと投げ飛ばす。そのエンブリヲは表情変えることなく対処しようと掌を出すが、目の前にまで来た剣が4本とも忽然と姿を消した。予想外の状況に戸惑い周りを見渡す。

その時突如背中に激痛が走り腹部に視線を向けると、消えた1本の剣が背中から自身を串刺しにしていた。さらに残っていた3本の剣が現れ、自身の足、胸、そして頭部に刺さりその場に倒れる。

 

刺さった剣はエンブリヲの身体から離れると、もう1人のエンブリヲにへと向かう。

 

先程と同じに剣はエンブリヲの前で消え、彼の死角から飛び出す。しかしエンブリヲは何処からか出現させたレイピアで飛んで来る剣を簡単に遇らえ弾き飛ばす。

 

「どんな手品でもタネさえ分かれば幾らでも対処出来る。そんな小細工が私に何度も通用すると思わないことだ」

 

「…勿論、そんなことは承知の上です」

 

その言葉に違和感を感じたエンブリヲが上に視線を向けると、弾かれた剣が上空で静止していた。ピエモンは人差し指の先にエネルギーが凝縮され、黄色の一閃が放たれる。

 

 

 

 

虚閃(セロ)

 

 

 

 

 閃光は1本の剣に当たると、その先端から放出され別の剣の方にへと軌道を変える。それが1本、また1本とジグザグに進み、3本目の剣の先端から放たれた閃光はエンブリヲの頭上を通り過ぎ最後の1本に当たり、その先端から閃光が放たれたエンブリヲの上半身を吹き飛ばした。閃光が止み、役目を終えた剣はピエモンの共にへと戻りそれぞれの塚にへと収まる。

 

だがその直後無傷のエンブリヲが数人取り囲むように現れる。

 

「何をしようと無駄だ」

 

「君では私を倒すことは出来ないことが分かっただろう」

 

「幾ら攻撃したところで私を倒すことは出来ない」

 

「諦めることをオススメする」

 

「大しくアンジュを置いて、この世界から消えたまえ」

 

いくら倒してもその度に、また別のエンブリヲが現れる。同じことの繰り返し。このままではいずれ限界が来てしまう。

 

「…確かにこのまま戦っても埒が明きませんね」

 

「そうだろ。分かったらアンジュを置いてk「ですから、今すぐそちらに行って差し上げましょう」ッ何?」

 

 ピエモンは背負っいた剣の一本を取り出すと、自身の指を斬りつける。そしてその指の先にエネルギーを凝縮させる。しかし先程とは違い「ビリビリ」と音を立てながら黄色エネルギーが凝縮されていく。

 

 

 それは死刃以上の者達のみが使うことを許された最強の虚閃────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王虚の閃光(グランレイ・セロ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先程の虚閃とは比べ物にならない程の威力の閃光が上空へと放たれる。あまりの轟音と暴風にアンジュは耳を抑え目を閉じてしまう。暴風が収まり目を開けると、何と夜空に大きな穴がポッカリ開いていた。

 

  「貴様、一体何をした!?」

 

「見ての通り、空間に穴を開けさせてもらいました。これで()()()()()で貴方を消すことが出来るでしょう」

 

「(まさかコイツ、気付いているのか!?)そうはさせるか!」

 

 ピエモンの狙いに気付いたエンブリヲは攻撃を仕掛けようとした時、上空から巨大な2つ影が飛来する。

 

 

 それは4枚の羽根を生やし、血のように赤い4つの眼を持つ巨大な竜型のデジモン【デビドラモン】であった。

 

 

 1体のデビドラモンはその巨大な腕と尻尾を振るい数人のエンブリヲを払い除け、もう1体はピエモンにへと掌を差し伸べる。

 ピエモンは掌に乗っかると今度は自分がアンジュに手を差し伸べた。

 

「お嬢さん、貴方も一緒に行きますか?」

 

「行くって、何処へ?」

 

「この世界を創りだし、あのエンブリヲ(愚か者)に引導を渡しにです」

 

 引導を渡す───その口振りから察するにエンブリヲを倒す術があると言うことだ。俄かに信じがたいが嘘をついているようにも思えない。どうするべきかと考えるアンジュに、ピエモンが更なる言葉を掛けた。

 

 

「それに貴方は見たくありませんか?貴方に屈辱を与えるキッカケとなった、神気取りのエンブリヲ(愚か者)の末路をその眼で」

 

 

 あの言葉にアンジュは今日までの出来事が、目の前に映し出されるように蘇る。

 

 成人の儀の時にノーマであることを知らされた上に母を目の前で殺され、収監されたアルゼナルでも嫌がさせを受け、ドラゴンと言う存在と命を賭けた戦闘を強制的に強いられ、やっとの思いで脱走して故郷に帰って来ても「化け物」等と迫害され散々な目にあってきた。私がこんな目に合うことになったのも全ては【マナ】と言うのを重視させ、ノーマを迫害するように仕向けた、エンブリヲ(クソ野郎)の所為だ。

 そう思ったアンジュは自然に怒りが湧き上がり決意する。

 

「…分かったわ。こんな腐った世界を創ったていうエンブリヲ(クソ野郎)に引導を渡してやろうじゃない!」

 

 答えを出したアンジュはピエモンの手を取り飛び乗る。腕を持ち上げデビドラモンは翼を広げ飛び出そうとした時…

 

 

 

「待ってください」

 

 

 

…突如縄で手首と身体を巻き上げられている女性が声を掛け呼び止める。それはアンジュの侍女【モモカ】である。

 

「モモカッ!?」

 

「お願いです!私も、私も一緒に連れて行ってください!」

 

「…確かに貴方はアンジュ(彼女)のためにアルゼナル(あの場所)にまで1人で向かった、その部分も観ていましたよ。しかし貴方は【マナ】が使えていた。本心では貴方もマナが使えないアンジュ(彼女)のことを化け物だと思っていたのではないのですか?」

 

「そんなことありません!例え【マナ】が使えなかったとしてもアンジュリーゼ様はアンジュリーゼ様です!私はどんなことがあってもアンジュリーゼ様のために尽くします!」

 

「モモカ…」

 

 自分がノーマだと知っても、モモカは何時でも自分のことを1番に想い、どんなことがあっても自分の味方だった。こんな危険な目にあっても自分の側に居ようとしてくれる、そんな彼女の想いがアンジュは嬉しかった。

 ピエモンは掌から飛び降りモモカの目前にへと着地する。

 

「では、貴方は彼女のために【死ね】と言われれば死ぬのですか?」

 

「勿論です」

 

 身体を震わせながらも、何の迷いもなく質問に即答するモモカ。その言葉には偽りは感じなかった。ピエモンはモモカに近づくと一本の剣を手に取り振り上げる。殺されると思い、モモカは目を瞑る。

 

 アンジュが止めようとした時には、振り上げられていた剣は振われ一刀両断された────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女を縛っていた縄が

 

 

 

「いいでしょう。貴方のアンジュ(彼女)に対する想いに偽りはないようです。貴方も一緒に連れて行ってあげましょう」

 

「ッ!ありがとうございます!」

 

 ピエモンは剣を仕舞うとアンジュにした時と同じようにモモカに手を差し伸べる。モモカはその手を取ると、ピエモンの身体が浮き上がり、それに釣られてモモカも浮き上がりデビドラモンの掌にへと着地する。

 

「では、出陣です!」

 

ピエモンのその言葉に反応するかのようにデビドラモンは翼を羽ばたかせ飛びあがろうとした時、シルヴィアが身体を引き摺り近付いてきて助けてを求める。

 

「ま、待って。お姉様、私も一緒に…」

 

だが言い終わる前にアンジュはいつの間にか拾っていたナイフを投げ飛ばす。ナイフはシルヴィアの頬を掠め、その部分から痛みと赤い液体が流れ出す。

 

「ア"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!」

 

「汚い声を上げるじゃないわよ醜い豚が。それに今更妹ズラするとは良いご身分ね。でも私は貴方には感謝しているわ。人間と言う醜い豚共の本性を教えてくれたことに。だからそのお礼に私からはその程度で勘弁してあげる。後は他の豚共一緒にあの怪物達に殺されないように頑張ってね」

 

頬の痛みと姉の良い顔への恐怖、そして見捨てられたことに絶望するシルヴィア。だが元々自分自身アンジュに対して鞭で引っ叩き、身体中を痣だらけにしておいて助けを求めるなど図々しい。寧ろ頬の傷(これ)くらいで済んで良かったと思うべきだろう。

 

そんな彼女を他所にデビドラモンは3人を連れて次元の穴にへと飛び込んだ。

 




原作ではジュリオが頬に傷を付けられるのですが、今作ではシルヴィアがそのポジションになりました。
アンジュを思いっきり罵り処刑しようとするシーンを当時観ていた私は気分が悪くなりました。マナが使えないからってそこまでするかって思う程に。かと言ってアンジュ自身も「ノーマは人ではない」と言っていたので因果応報だったのかもしれませんが。

そしてタスクが出て来なかったことに疑問を持つ方がいると思いますが、ちゃんと理由があるので安心してください。決して忘れていたわけではありません。

しかしこの作品が汚いプリキュアと言われるようになったのは、出演していた声優の多くがプリキュアに出ていたと言うのもあると思いますが、一番の理由はイベントで水◯さんと桑◯さんがプリキュアネタをやったことだと思います(でも後のプリキュアに出演していた人が出ているので、つい最近のことかもしれませんが…)。

それにエンブリヲがあの「400億超えた映画作品」に登場するパワハラ上司に似ているとよく聞きますが、正確にはクロスアンジュの方が先なので逆なんですよね。でも中の人繋がりで、そのパワハラ上司の方が印象強いのでそう思われても仕方ないでしょうけど…。

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