BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

今回はちょうど1年前に放送された「この〇〇」の作者の作品です。
時間軸としてはアニメ10話のと11話の間くらいとなっています。

私は今回登場させた作品を初めて見た時、なんか「この〇〇」に似ているなっと思いました。でもまさか作者が同じだったとは驚きましたが、似ていると思ったことにも納得しました。

それでは本編をどうぞ。


18話 悪の組織 VS 悪の組織

とある世界。

 

 よくファンタジーで知られる魔族。その頂点に君臨するのが魔王。そして軍勢が今ある遺跡に拠点を置いていた。

 

 この遺跡には強力な古代兵器があるとのことで、それを手に入れようと魔王軍四天王の2人が様々な罠やロボットを蹴散らして進むが未だに到達出来ていない。そして遺跡調査を開始して数日が経った夜の出来事。

 

 

『ナンじゃ、ナンじゃ。魔族の精鋭部隊と聞いてどれ程のモノかと思っとたが、口程にもない。もっとマシな奴は居らんのか?』

 

 

 休息をとっていたところを、突如(口調からして)老人と思われる怪人が襲撃してきたので急遽戦闘態勢に入った。しかしその老人が持っていた大鎌を一振りしただけで精鋭部隊の半数近くが壊滅、挑んでいく兵士達は次々と斬り刻まれていき、たった数分でその場にいた軍勢は数十にまで減らされた。しかも残っている者達も全員負傷しており、真面に戦える者はいない。特に青い尻尾を生やした少年、魔王軍四天王の1人である【水のラッセル】が一番酷く、身体中ボロボロで倒れ伏せていた。

 

「く、クソ…。こんな訳の分からない奴に手も足も出ないなんて…」

 

『で、次は誰が相手をしてくれるんじゃ?』

 

 吊り上がった目の部分から緑色の瞳がギロリと此方を睨み付ける。魔族達はその威圧感に、まるで金縛りにあったかのように動かなくなってしまう。すると褐色肌の女性、ラッセルと同じ魔王軍四天王の1人【炎のハイネ】が前に出て声を掛ける。

 

「アンタ、中々強いじゃないか。アタシ達四天王2人相手にしてもピンピンしてるだなんて。どうだい、アンタさえ良ければアタシが魔王様に頼んで、新しい魔王軍四天王にしてもらえるよう話し合ってみるよ」

 

『ホォ…』

 

「(なんとかコイツを足止めしてラッセル達を逃がさないと)」

 

 同僚や部下を守るため思考を回転させ、この場を乗り切ろうとする。しかし、突如ハイネの身体に異変が起きた。なんと足元から石化し始めたのだ。

 

「な、何だ!?これは!?」

 

 魔法で何とかしようとするが石化の進行は早く、たった数秒で身体全身が石と化してしまった。

 

「ハイネ!」

 

『フン。ワシを欺こうなど、愚かな小娘よォ』

 

 そして怪人は大鎌を振るい、石化したハイネの身体を一瞬にしてバラバラに砕いてしまった。

 

「ハイネェェーー!!」

 

 その残酷な光景にラッセルの悲痛の叫び声がその場に響き渡る。

 

『小僧よりは楽しめると思ったんじゃがなァ。魔王軍の四天王とやらも大したことないのォ』

 

「お前よくもハイネを…絶対許さないぞ」

 

 激昂したラッセルは両腕を上げ、自身の上空に巨大な水の球体を出現させる。

 

『ほぉ、まだそんな力を残していたとはァ。流石戦う為に産まれた小僧じゃわい』

 

 怪人は自分よりも遥かにデカい水の塊を見ても余裕綽々のご様子である。しかしラッセルは止まらない、止めるつもりもない。今自分が出せる最大限の力を叩き込む。例え相討ちになったとしても構わない、ハイネの仇、そして同胞の為にも一矢報いたい気持ちで一杯であった。

 

「くたばれ、虫ケラ!」

 

 ラッセルが球体を投げ付けようとした時、突然ガランが視界から消える。そしていつの間にか自分の前に鎌を振り下ろしている状態で現れる。しかし、特に何もするわけではなくその場でジッとしているのでそのまま振り下ろそうとした時、突如球体が破裂し四散した。

 何が起きたのか分からないラッセルであったが、次第に自身の視界の上下がズレていることに気付く。しかしその時にはもう既に身体は真っ二つに裂けていた。さらに目に見えない程のスピードで身体を斬り刻まれ、ラッセルであった無数の肉片がその場に崩れ落ち、踏みつけられミンチと化した。

 

『さて、次にハイネとラッセル(此奴ら)と同じようになりたいのは誰じゃ?』

 

 言葉を掛けるも誰1人と前に出る者はいなかった。それも仕方ない。魔王軍四天王の2人が、こうもアッサリヤられてしまったのだ。無理もない。

 立ち尽くす魔族達に怪人はガシャ、ガシャと音を立てながら1人の魔族の元に歩み寄り顔を近づける。

 

『お前さんに聞きたいことがある。素直に答えろ、ハイネとラッセル(彼奴ら)のようになりたくなければのォ』

 

 言い寄られた魔族は引きちぎれそうな勢いで何度も首を縦に振る。そして怪人の吊り上がった目の中から見える緑色の眼差しが、その魔族を見つめながら不気味に輝いていた。

 

 

 

─────────────────────────────

 

 

 

 時刻は朝となり、砂漠の中に立ち一つの国、グレイス王国。その町中を歩く男女組がいた。

 

 

「何で、俺が物資の調達の手伝いなんかしなきゃならないんだよ」

 

 背中に大きな風呂敷を背負っている男性は【戦闘員六号】。とある悪の組織に所属している下っ端戦闘員、そして変態にしてトラブルメーカー。一言で言えばクズのような存在(悪の組織所属なので、その方がいいのかもしれない)。

 しかしその組織の中では古参メンバーであり、かなりの実力を持っているため()()としては信頼が厚い。故に幹部達にタメ口で話すことにも一目置かれている。しかし卑屈で捻くれた性格、自身の都合の悪いことはすぐ忘れる上、いい加減な行動が災いし、未だに出世出来ず下っ端のまま。

 

 確かに戦士としては信頼は厚いが、人としての信頼は低いかも…。

 

 

「口を動かす暇があるなら、身体を動かせ六号。身体の頑丈さだけが取り柄なんだからな」

 

 こちらの金髪の幼女は【キサラギ=アリス】。六号のパートナー兼お目付役として共に組織から派遣されたアンドロイド。見た目は子供だが、大人びた口調で話し頭の回転も早い。頼れる参謀的存在。

 しかし口が悪くかなりの毒舌で、いつも六号に対して毒を吐いており、上司に対しても臆することなく同様に接触する。しかも味方さえドン引きする程の悪行を平然とやってしまうため、六号でさえも引いてしまう程性格は悪い。まぁどっこい、どっこいだろう。

 

 

「元はと言えば六号、貴様が問題を起こすからこんなことになっているんだろうが!文句を言いたいのは私の方だ!」

 

 青い髪の女性は【スノウ】。グレイス王国近衛騎士団の()隊長。

 元々スラム出身の孤児であったが努力を重ねて隊長と言う地位にまで上り詰めた。王や国家への忠誠心は高く信頼も厚い。

 しかし眩しかった環境からの反動か、金や名誉に高い執着を持ち、出世のためなら何でもする欲に忠実な性格残念な女性。

 だが六号の所為で一度『騎士団隊長の座』を剥奪されてしまう。しかし色々あり再び『隊長』に返り咲くも、その六号所為で再び『隊長』の剥奪されてしまった哀れ人物でもある。

 

 

「まぁまぁ、スノウさん落ち着いてください」

 

 こっちの少女は【ロゼ】。とある人物に造られた戦闘用人造キメラ。そのため戦闘力が高く、肉弾戦でなら本気の六号と互角に戦える程の強さを持ち、食べた魔物の力をコピーする能力を持っている。だがその能力の所為か食欲旺盛で、空腹状態になれば味方さえも食べかねない。

 しかし虫系は苦手らしく見るだけで叫んでしまう。

 

 

「ファ〜、何でもいいから早く終わらせませんか?眠くてたまりません」

 

 そして最後に車椅子に座って欠伸をした赤髪で裸足の女性は【グリム】。不死と災いの邪神を崇める『ゼナリス教』の大司教。誰からも恐れるような呪い、死者を蘇られる程の強力な力を持っている。しかも自身も不死であるため例え殺されても死体と供物を与えれば、たった一晩で復活することが出来る。

 しかし彼女の呪いの力は強力だが、その成功確率は8割。残る2割は失敗して自分に跳ね返ると言うしっぺ返しを食らう。彼女が常に裸足なのも『靴が履けなくなる』と言う呪いが自身に跳ね返ってきたからである。因みに無理矢理履かせようとすると自爆してしまうとのこと。

 さらに言うなら婚期を逃しており、幸せそうなカップルを見ると、直ぐに呪いを掛けようとするため、六号やスノウとは違う意味で性格駄目な司教である。

 

 

 と、まぁこのように一癖も二癖もある面倒臭い……個性豊かな人材が揃っているチームである。

 

 

 現在魔王軍が古代遺跡に眠っている兵器を手に入れようとしていると情報が入り、六号とアリスはその阻止を皇女から命じされる。彼等はその対策為、必要な物資を集めている最中であった。

 

「何で一々調達なんてする必要なんだよ?」

 

「…本当にバカだなお前は。この間のこともう忘れたのか?」

 

 実は少し前、とある王国と友好関係を築こうとこの5人を派遣したのだが、またしてもそこで六号がヤラかし宣戦布告をされてしまう。そして六号はその責任として、砂漠の王と呼ばれる魔物から『水の実』と言う物を取ってくるように言われたのだが、結果は失敗。

 しかもマトモな物資が無かった為数日も飲まず食わず、しかも厚い砂漠の中を徒歩で帰ると言う最悪の事態に陥った。その結果、空腹で我慢の限界となったロゼに食われそうになった。その経験を踏まえて今回は出発前に、物資調達をしていると言うわけだ。

 

 因みに古代兵器入手の阻止は、任務を達成出来なかった責任である。

 

「そうだけどよ、別にいいじゃねェか。魔王軍をパパーと片付けてきちまえば必要ないだろうことだろ?」

 

「…そうやってお前が言ったことが上手くいったことがあったか?」

 

「酷ッ!?」

 

「貴様等、無駄口を叩いてないで早く物資を揃えて出発するぞ!でないと私の給料がァァ!フレイムザンパーのローンがァァ!」

 

「隊長!お肉、お肉があります!!」

 

「ぐぅ〜、ぐぅ〜…zz」

 

 いつものように馬鹿な言い争いをする普段と変わらない日常であったが、それは突如終わりを迎える。

 

 

 突如上空から何か勢いよく飛来し、轟音と共に砂煙が舞い上がり、地震にも等しい振動が辺り一帯を襲う。町の人達は「何だ?」「何が起きたんだ!?」と騒めきだす。すると砂煙の中に動く人影が見える。

 

『ここが彼奴らが言っていた町か。何ともチンケな町じゃのォ』

 

 軈て煙が晴れ視界が見えるようになってくると、そこには一本の大鎌を所持し、胸に宝玉が埋め込まれている全身鎧を着込んだ長身の怪人が吊り上がった目で辺りを見渡していた。

 

「き、貴様、一体何者だ!」

 

『儂か。儂の名は【ガラン】。デストロイヤー軍の幹部の魔神にして死刃の1人じゃ」

 

 スノウの問いに【ガラン】と名乗った怪人の姿を見た町の人達は騒ぎ始めその場から逃げ出す。ガランはその騒ぎ声が癇に障るのか不快に感じていた。

 

『煩い蝿どもが、鬱陶しいのォ』

 

 するとガランは持っていた鎌を振り上げると一気に振り下ろす。すると台風にも劣らない程の突風、いや衝撃波が辺り一帯を襲う。さらに大量の石が飛び散り、顔を覆い隠し目が開けられなかった。その中の大きめの石がグリムの顔に直撃、その衝撃で目を覚ます。

 数秒後風が収まり目を開けると、何とその周辺にあった建物は一つ残らず無く真っ平らな更地となっていた。しかも自分達以外の人の気配は感じらない。今の衝撃波で全員吹き飛ばされてしまったか、それとも衝撃に耐えられずに…。

 

『フゥ〜、漸くこれで静かになったワイ』

 

 5人が唖然としている中、ガランは不快の原因を取り除いたのでスッキリしていた。そしてその5人に視線を向けると緑色の眼差しが5人を、いや六号とアリスを見ていた。

 

『黒服の小僧と金髪の小娘…お主らが魔族共(彼奴ら)が言っていた2人組か』

 

「おい、あんまりジロジロ見るな爺さん。まぁ私が美少女だから見惚れるのも仕方がないことかもしれないがな」

 

 喋り方や『儂』と言う一人称から考えて出た言葉であろうが、初対面の相手に対して失礼ではないか?まぁアリスにそれを言ったところで無意味だろうが…。

 

『自ら美少女と名乗るとは、傲岸不遜な小娘、いや傀儡と言うべきかのォ』

 

 その言葉に六号、そしてアリス自身も驚いた。彼女は確かに六号が所属する組織によって造られたアンドロイド。だがパッと見人間の少女と変わりないので、初対面で気付くことは先ずないだろう。

 

「な、何でアリス(コイツ)がアンドロイドだって分かるんだよ!?」

 

『知っておるぞ。お主らがこことは別の世界から来た者共であり、そしてこの世界を侵略する為に来たと言うことものォ』

 

 六号とアリスが所属する【秘密結社キサラギ】は、地球侵略を目的として生まれた組織。そして現在地球征服がほぼ完了しているので、新たな侵略地として惑星開拓を目論んでいた。彼等がこの惑星に派遣されたのは侵略(それ)が理由である。

 

 その言葉にロゼとグリムは驚く。なにせ自分達のチームの隊長が、この世界を侵略しに来てたなんて想像もしていない。因みにスノウはそのことを知っていたので驚きはしないが顔を曇らせる。

 

『そのお前さん達が何故この世界の人間共と仲良くしておるんじゃ?』

 

「別に仲良くしているわけじゃない。だが、ある程度信頼を勝ち取っていた方が後々楽になるからやっているだけのことだ」

 

『何ともまぁ面倒なことよ。そんなまどろっこしい事をせんでも、お主らも()()()()の組織なら、ある程度の勢力で攻め込めば簡単じゃろ』

 

 確かに【キサラギ】には最高幹部を始め、幹部や怪人とかおりかなり勢力である。それが一気に攻め込めば制圧するのは容易なことだろう。

 

「ところがそうもいかないだよ。ウチは悪の組織とは言えど会社みたいなだから、ホイホイと人材を派遣することは出来ん」

 

 秘密結社とは言うが、実際は一般的な会社と似たシステム。皆色んな場所に出向いていることが多いため、派遣出来る人数は少ない。現に六号の共に派遣されたのは「トラ男」と言う怪人1人だけである。

 

『フン、まぁよい。どの道お主らはここで死ぬのじゃからなァ』

 

「…お前達、アイツが言ったことで私達が何者なのか気になると思うが、今はアイツを倒すことが先決だ。力を貸せ」

 

「…確かに今はどうこう言っていられる場合じゃなさそうだな」

 

「はい!」

 

「なんだか分かりませんが、私の顔に石を当てたこと後悔させてあげますわ」

 

 女性メンバーはやる気満々のようであった。しかし肝心の六号のはと言うと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、いやだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「ハッ(エッ)!!??」」」」

 

 

 …予想外の答えに全員緊張感のない声が出てしまう。

 

「いやいや、よく考えてみろ。たった一振りで半径数キロを更地に変えちまう程の力を持った化け物だぞ。そんな奴に戦闘員の俺が勝てると思うか?ないだろう、絶対に!魔王軍なんかよりコイツの方がめちゃくちゃヤバい奴だ!俺は絶対に戦わないからな!!」

 

「…じゃあ、このままキサラギ本社に帰るか?そうなった場合間違いなく制裁部隊に折檻されるぞ」

 

「うっ!?そ、それは…」

 

「自分達より強い悪の組織がいたので帰って来ました」なんて報告をすれば、間違いなく袋叩きの刑にされる。いやそれ以上の拷問をされるかもしれない。それを考えただけでも六号は青ざめる。

 

「それに数々のヒーローを倒してきたお前が、怪人1人相手に逃げ帰ったなんてことになったら、組織内でのお前の株は間違いなく落ちるな」

 

「うぅ…分かった、分かったよ!やればいいんだろ、やれば!!」

 

 アリスの説得で六号も渋々承諾した。

 

『漸くやる気になったか。聞いていた以上に不快にさせる小僧じゃの』

 

 そう愚痴を溢しながらもガランも武器を構える。

 

『お主は前に「悪の組織は2つも要らん」と言っておったなそうじゃな。その意見には賛成じゃ。世界を支配するのに2つも組織は要らん。じゃからお前さん達には消えてもらうとするかのォ』

 

「ハッ、笑わせんな!消えるのはテメェの方だ!!」

 

 先手必勝と六号は持っていた小型の銃で鉛玉を撃ち込むが、ガランは鎌を回転させ全て弾く。

 

『効かんのォ小僧』

 

「なら私が相手だ!」

 

 次に仕掛けたのはスノウ、腰に掛けていた鞘から刀を抜き取り互いの武器が交わいぶつかり合う。しかし戦況はガランの方が優勢であった。

 何故ならスノウは両手で塚を持っているのに対し、ガランは片手のみで対処している。しかもかなりの余裕がある。そしてガランは鼻で笑うと力を込め、スノウを跳ね除けたことを透かさず強烈な蹴りを食らわせ蹴り飛ばす。

 

 そして六号の方に視線を向けると、彼の視界から消える。消えたっと辺りを右往左往見渡す六号が、次の瞬間突然自分の目の前に現れ大鎌を連続で撃ち込む。

 

 

 

惨散斬(ざんばらざん)!』

 

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

 

 

 

 使っている鎌は1本のはずなのに、その高速捌きによって鎌が無数に見えてしまい、まるで鎌の雨が降り注いでいるようであった。

 

 幾ら六号が改造された強化人間とは言えベースは人間。長時間の攻撃を耐えられるようには出来ていない。六号は悲鳴を上げ、複数の箇所から出血する。1箇所1箇所の傷は浅いが、数が多いためかなりのダメージを食らった模様。

 

「隊長!」

 

 ロゼは六号とスノウのピンチに駆け出し、大口を開け例の如く齧り付こうと襲い掛かる。しかしガランがロゼの方を視線を向けると途方もない威圧感を発する。その威圧感に当てられたことでキメラの、いや生物としての本能が刺激され動けなくなってしまう。

その間にガランは彼女の横腹に鎌を叩き込み吹き飛ばす。

 

 地面に数回打ちつけられ、少し離れたところで倒れてしまう。なんとか起き上がろうとするが身体に力が入らない。逆に力を入れて血を嘔吐してしまった。今のを無防備で受けたことで、軽く見積もっても鎌が当たった右の腕は折れ、他にも数本逝っていると思われる。

 

『どうした?儂はまだ本気を出しとらんと言うに。もっと楽しませてもらわんと困るわい。ん?』

 

 突如ガランの動きが止まる。彼の少し離れた位置にいたグリムが、1体の人形をガランにへと翳し【金縛り】の呪いを掛け動きを封じ込めたのである。

 

「どうですか、私の呪いは?いくら貴方が強いからと言っても動きを封じてしまえばどうと言うことはありませんよ」

 

 グリムは自信満々に言うが、当のガランは目線をギランっと彼女に向ける。

 

『…小娘、儂はお主のような姑息なマネをする奴が1番嫌いなんじゃァ!』

 

 ガランは全身に力を込め、なんと気力だけで無理矢理呪いを解除してしまう。

 

「なッ!?偉大なるゼナリス様の教祖である私の呪いを最も簡単に!?」

 

『儂ら魔神族に人間の如きに崇められる神の力など及ぶ訳なかろうゥ』

 

 彼女の呪いは魔王軍四天王でも通じる程強力。しかし今回は相手が悪かったと言うべきか。魔の神に人間が使う呪いなど屁でもないだろう。

ガランがグリムの視界から消えた次の瞬間、グリムは車椅子ごと縦一線に真っ二つに斬られていた。その後方には鎌を振り下ろしているガランの姿が。

 

 

伐裟利(ばっさり)

 

 

 今の一瞬で目では認識出来ない程の速度で、後方にへと移動したのである。斬られた車椅子はバランスを失い内側にへと傾き、グリムの身体諸共崩れる。

 

『なんじゃ、もう終わりか?何とも脆い若造共よのォ「ヒューーン」ん?』

 

 後方から気配を感じ振り返った瞬間、自身に何かが命中し爆発と共に爆炎に包まれる。その方角の先にはアリスがロケットランチャーを構えていた。戦闘は不向きとは言え、武器が使えるので戦えない訳ではない。

 

「どうだ?」

 

 倒せずともマトモに食らったので多少のダメージは入ったと思う。煙が晴れると無傷のガランがアリスを睨み付けなら立っていた。

 

『傀儡の分際でこの儂に発砲するとは、実に不愉快じゃ』

 

 少しでもダメージが入ればいいと思ってやった行動は、ただガランの怒りを買ただけにすぎなかった。

先程と同じように一瞬姿が消えると、アリスの目の前に現れる。そして…

 

 

 

ズバーーン

 

 

 

 …大鎌でアリスの胴体は横一線に斬られ、上半身と下半身が真っ二つにされその場に崩れ落ちる。

 

「アリス!」

 

 ガランはアリスの頭を鷲掴み目線まで持ち上げ眺める。

 

『これが儂等とは違う悪の組織の実力かァ?だとしたら実につまらんのォ。期待外れじゃわいィ』

 

 が、直ぐに興味がなくなったようで鼻で笑うと投げ捨てる。

 

「アリスゥゥ!!」

 

 六号は血相を変えてアリスにへと近寄り呼びかける。アンドロイドだから血こそ流れないが、

 

「アリス、無事か?返事しろよ、おい!?」

 

「…煩い…あんま近くで騒ぐな、アホ」

 

「安心しろ。急いでキサラギ社に帰って、リリス様に治してもらうよう頼むからな」

 

 上半身のみの状態だがなんとか意識はあることにホッとした。しかし幾らロボットとは言えかなりやばい状態。そもそもアリスは戦闘用に造られた訳じゃない。このまま放っておくと本当に危ないので気が気ではなかった。

 

『そんな傀儡如きを哀れむとは、なんとも愚かで滑稽な奴よォ。カッカッカッカッカッ!!』

 

 ガランはスクラップ状態に近いアリスを心配する六号をバカにする。その言葉に六号の中でキレた。しかしそれは()()()()()()()()()()

 

『どうやらこれ以上戦っても無駄のようじゃ。最後はこの技で葬ってやるとしよう』

 

 ガランは口を大きく開ける。すると口前に赤い色のエネルギーが集まり凝縮されていく。その魔力の質量にアリスは驚愕する。

 

「流石にあれはマズイ。食らえばお前でも一溜りもないぞ。私を置いて逃げろ六号」

 

 アリスは足手纏いとなった自分を置いて逃げろと言う。しかし六号はこう答える。

 

 

 

「…逃げろだァ?ハッ、何言ってんだよ。お前は俺の相棒だろ?俺はな、相棒は絶対見捨てたりしないんだよ!」

 

 

 

 背負っていた風呂敷に手を掛け抜き取ると、その手には通常よりも一回り大きいチェーンソーが握られていた。

それは先日魔王軍四天王の1人であった【地のガダルカンド】を倒した武器『バッドソードタイプR』である。

 

『何じゃそれは?』

 

「テメェみたいな奴ををブった斬るのに最適な武器だよ!制限解除!!」

 

【戦闘服の安全装置を解除します。宜しいですか?】

 

 安全装置解除───それは六号の切り札。1分間だけゴーレムをも持ち上げられる程のパワーを発揮する。しかしその後3分間のクールダウンに入り、全く動けなくなってしまう。謂わば諸刃の剣である。

 

「だが1分あればテメェをぶった斬るのに十分だ!」

 

 六号の戦闘服にラインが水色に光りだす。カウントダウンが始まる。そして…

 

 

【安全装置解除します】

 

 

 …1分間だけ最大限の力を発揮出来るようになった。

 

「最後に俺の名を教えてやる。【キサラギ社】所属、戦闘員六号!テメェを倒す男の名だ!!」

 

『武器が変わった程度で、人間如きがこの儂に勝つことは出来んわいィ。くたばるがいィィ!────【虚閃】!!

 

 圧縮されたエネルギーが解き放たれ、太い紅き閃光【虚閃】が放たれる。

 

「それはコイツの性能を見てから言えよな!」

 

 安全装置が解除され全力を出せるようになった六号は、迫り来る【虚閃】に臆することなく突っ込んでいく。そしてバッドソードでなんと【虚閃】を斬り裂いたのである。

 

『何ィ!?』

 

 予想外の事態にガランも驚きを隠せない。六号はそのまま虚閃を裂きながら前進していく。

そして【虚閃】を完全に斬り裂き、そのままガランの右腕を豆腐のように簡単に斬り落とした。

 

『な!?』

 

「まだだ!アリスの受けた痛みはこんなもんじゃないぜ!!」

 

 六号はさらにバッドソードを振り回し、ガランの身体はどんどん切断されていく。

 

 

 そう、六号がキレた理由は自分をバカにしたことではない────相棒であるアリスを侮辱したこと。安全装置解除+その怒りエネルギーも合わさり本来自分が出せる以上の力を発揮していた。今は六号は人生で初、自身の限界を超えていた。

 

 

 身体全身を斬り刻まれたガランはその場に崩れ落ちる。同時に1分が経ち、クルーダウンに入ったことにより六号はそのまま硬直する。

 

「ふぅ〜」

 

「やったな六号」

 

「よくやった六号。今回ばかりは褒めてやる」

 

「流石私達の隊長です」

 

 スノウが上半身のみのアリスを背負い、ロゼもなんとか身体を起こし近寄る。骨が数本逝っていたと言うのにもう動けるようになっているとは、流石戦闘用キメラと言うべきか。

 

「ま、この俺に掛かればこんなもんだ」

 

「お前は直ぐ調子に乗るな」

 

「まぁまぁ、いいじゃないですか。今回の隊長大活躍だった訳ですし」

 

「それにグリムも後で復活させてやらないとな」

 

 

 相変わらずのバカ騒ぎをしながらも勝利の歓びの声を上げる一同。これで全て終わり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …な訳はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ウ"ゥ…グゥ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何とバラバラにされたはずのガランから呻き声が聞こえ、彼の身体の切断面から黒い液体のような物が溢れ出す。その液体はそれぞれの切断面に結び付いていく。

 

『今の攻撃は中々じゃった。中級魔神くらいであれば今ので勝負が付いとったじゃろ。じゃが相手が悪かったのォ。最高位の魔神にして死刃であるこの儂が、この程度では殺されわせんわァ!』

 

 そしてガランの身体はピッタリと繋がり元通りになる。頑丈な上に再生能力持ち、反則級のチートである。

 

「おいおい、あれだけバラバラにしたのに元通りってそんなのありかよ!?」

 

『カッカッカッ、当然じゃ!儂は死刃なんじゃからのォ』

 

「…そもそも、さっきから言っているその死刃ってのはなんだ?」

 

『そうじゃな…そこの小僧を嘗めておった詫びとして教えてやろう。儂等の組織は、入った順に【11】からの番号が与えられる。そして幹部クラス者達の中から最も強い戦士を選び、強い順に【10】以下の数字が与えられる。その者達を【死刃】と呼ぶのじゃ。死刃は【11】より後の数字の幹部の中から、それぞれ自身の【従属官】と言う直属の部下を選ぶことを許される。そして自身の身体の一部に、その与えられた数字を刻む。そしてこの儂も、その死刃の1人と言うことじゃ』

 

 今の話を聞くと死刃は【10】以下の数字を与えられた者で構成された集団。つまり推測からして1()0()()はおり、そしてガランと同格な存在が後9()()近くいることになる。とんでもない事実に4人に絶望が襲う。しかしそれで終わりではなかった。

 

 

『冥土の土産じゃ、儂の階級を教えといてやろう』

 

 ガランは胸部の宝石に手を翳すと数字が浮き上がってくる。そこに刻まれていた数字は────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『儂は第【5】の数字を与えられた死刃────《第5死刃(クイント・エスパーダ)》、【ガラン】!この儂の偉大さに恐怖するがイイ!カァーカッカッカッカッカッ』

 

 

 自分達に圧倒的な力を見せつけたガランでさえ、死刃内での実力は中間。つまりコイツよりも強いのがまだ4人()()いる。その事実に絶望に染まる。

 

「いや〜そうだったんですね。それは強い訳ですなァ」

 

 突然スノウが口を開いたと思えば、ガランを褒め称え始めた。アリスを担いでいた手を離し、両手を前に合わせ身体を寄り添わせる。

 

「実は私貴方のこといいと思っていたんですよ。その纏っている鎧と言い、武器と言い素晴らしいです」

 

『ホォ』

 

「…なんかアイツ急に媚売り出したぞ」

 

「…今の内に好感持たせようって魂胆だろう。アイツの考えそうなことは」

 

「スノウさん…」

 

 スノウが敵に媚を売り始めたことに六号はドン引きし、手を離したその弾みで地面に叩きつけられたアリスも彼女の意地汚さに呆れ、ロゼは唖然としていた。てか六号は人のこと言えるのか?

 

「(何とでも言え。私にはローンの支払いがある、だからまだ死ぬ訳にはいかんのだ。それにコイツの鎧なんかかなりの上物の筈。だとすればここで媚を売っておけば…)」

 

 こっちもこっちでしょうもない、どっこいどっこいだ。しかし疾しいことを心で囁いていた時彼女の身体に異変が起きた。なんと自身の足元から石となっていたのだ。

 

『…お主…嘘を付いたな』

 

ガランはその鋭い眼差しでスノウを睨み付ける。

 

「な、何だこれは!?お前の魔法か!?」

 

『カッカッ!スマン、先程の話で一つ言い忘れてたことがあったワイ。儂等死刃には全員、司る【死の形】があるんじゃ』

 

「死の…形?」

 

『それは死刃それぞれの存在理由にして死相、さらに個々の能力にも現れるのじゃ。そして儂が司る死の形は【真実】!儂の前で嘘を言えば、何人たりとも石化するのじゃ!!』

 

 スノウ(彼女)はガランを褒め称えていたが、その心の中ではそんなこと一切思っていなかった。それによってこの力が発動したのだ。

ガランが話している最中も石化はドンドン進行し胸元まで到達、そしてあっという間に全身が石化してしまった。

 

『これでもう余計な邪魔は入らん。今度こそお前さん等を葬ってやろう』

 

 再び大口を開けると、今度は持っていた鎌の扇風部分を近づけ虚閃をを溜める。するとその部分に虚閃が纏われ、そのまま勢いよく振るう。そうしたことで先程ように一本線でなく広範囲に放たれ、石化したスノウはそのまま呑み込まれる。さらにその射線上にいた3人含め町の住人、建物も呑み込まれ消滅した。

 

『…最後は随分呆気ないな。儂の()()()()()を魅せるまだまだなかったワイ。まぁ良い、これで余計な邪魔者は消えた訳じゃからな』

 

 味気ない幕切れに少々不安があるが、結果として最大の邪魔者を排除出来たのだから良しとした。

 

 

 そしてこの日、グレイス王国は1人の魔の神───ガランによって一夜にして滅びた。

 

 さらに魔王及び六号とアリス(彼等)の本拠地にいた怪人【トラ男】もガランに倒され、この星は魔神ガランによって支配された。

この日以来六号とアリスからの報告が途絶えたことに不信を持った【キサラギ】の大幹部達が新たな幹部を送るがそれはまた別の話。

 

 

 【キラサギ】と【デストロイヤー軍】───この2つの組織が激突するのも、そう遠くはないかもしれない。

 




ガランは5番の死刃でした。

原作にある強さの基準である闘級、その闘級で言うならガランは十戒最弱。しかし闘級は武力、気力、魔力の合計数値。純粋な力であればメラスキュラやグロキシニアよりも上です(この2人は魔力は高い分武力が1000以下)。
私の死刃の序列は勿論能力もありますが、純粋な力で順になっています。
そしてガランの虚閃は口前から出すことにしました。原作十刃ではヤミーとノイトラ、ネリエルそうでしたから(ノイトラは正確には舌ベラの先だけど)。

それとスノウがガランに媚を売ろうとしたところは、ガランの能力を発動させるのに最適なのが彼女しかいなかったからです。六号は欲望に忠実だし、アリスはアンドロイドで生物ではないので通用するか不明だし、ロゼは素直で嘘付く子には見えませんし、グリムは途中退場してしまったので、残っているのがスノウしかいなかったのです(土下座)。
でも彼女の性格からすると、かなりのピンチになったら敵であろうとも媚び売りそうだと思ったんです。原作でもトラ男からも刀を貰った時にも媚び売ってましたし…。

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