BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

今回の世界はかなりマイナーな作品かと思われます。知っている方はいらっしゃるでしょうか?
ヒントはリリカルな作品に、ある意味関係がある作品です。

そして今回の作品は創るのもそうでしたが、もう一つ大変なことがありました。それは今回登場させる死刃をどこの世界に入れ込ませるか迷っていました。
今までの死刃達は色々な条件を踏まえて「違和感がない」と思っていた作品に登場させていたので、残っている2人の死刃の世界が全然決まらず、全然筆が進まなかったのです。
しかし何とか自分的に合いそうな世界を見つけ出し作り上げることが出来ました。最後まで楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ。


19話 獣の古武人

とある森の中

 

 そこでは最近赤い眼をし全身黒い靄に覆われた生物達が大量発生し、周りの生物を襲っていた。だがその実態は、とある魔物が周りの生物を取り込み自身の一部にしてエネルギーを得ている。そして取り込まれた生物が更に別の生物を取り込んで、ドンドン魔物の数を増やしていくと言う仕組み。現状足を踏み入れれば、取り込まれ魔物の一部になってしまうのが()()だろう。

 

 しかし今その森の中では普通ではあり得ない光景があった。

 

「歯応えが無さすぎだ。所詮デカいだけのただのムシケラか」

 

 お面のような顔をした怪人の足元には胸に穴の空いた巨大な生物が無惨な姿で伏せており、更にその近くには無数の小さな生物が気を失って倒れていた。

 

 怪人はこの世界に来た直後、大きな気配を感じ向かった先には地面に埋もれた巨大な蟻を見つけた。準備運動だかてら、この世界の実力がどうなのか知るために挑んだ。しかし結果は、ほんの少し本気を出しただけであっという間に終わってしまった。思っていたより期待外れ過ぎてガッカリしていた。

 

 そんな時少し離れた場所から此方側に向かってくる複数の気配を感じた。

 

「…何やら向こうから気配を感じるな。その内強者。少しは楽しませてくれそうだ」

 

 そう言って怪人はその方角を見つめるのであった。

 

 

 

 

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異世界フロニャルド

 

 

 この世界では【ビスコッティ王国】、【ガレット獅子団領国】、そして【パスディヤージュ】の3カ国がよく戦を行っている。その「戦」には2つの定義がある。

 

 先ず1つは『戦興業』。戦闘行為をスポーツ化した、謂わゆる自由参加の運動会のようなもの。だから死者を出すこともなければ怪我人も出ない健全な戦である。

 

 そしてもう1つは『魔物討伐の戦』。これはその名前の通り魔物の討伐を目的とした戦。主に野生動物に準ずるモノが多いが、中には大型や大規模な軍勢の場合があり、その時は国家の勢力を上げて挑むことになる。こちらは前者とは違い下手すれば命の危険が伴うのである。

 

 

 

 

 

そして今回の戦は……後者である。

 

 

 

 

 今ビスコッティ、ガレット獅子団、パスディヤージュ、3カ国の戦略が竜の森に現れた魔物を討伐するために向かっていた。

 

 

 とあることがきっかけで出会った竜の森の巫女【シャル】。彼女から竜の森に起こっている事態を知り連合軍を結成。ビスコッティの皇女【ミルヒオーレ】、ガレット獅子団の王【レオンミシェリ】、パスディヤージュの領主【クーベル】を筆頭に3カ国はそれぞれ、泉、火山、森の神竜の警護に当たる。

 そして勇者一向は巫女のシャルと共に上空から魔物の本体の探索に向かうのであった。

 

 

「すまない。竜の森を護るのは、本来なら私の役目なのにお前達に迷惑を掛けてしまって」

 

「気にしないで。僕達勇者の役目は皆んなを笑顔をすること。勿論シャル、君のこともね」

 

 飛行機に乗り頭にハチマキをしている少年が【シンク・イズミ】。ビスコッティ共和国の領主【ミルヒオーレ】によって召喚された勇者。前向きで誰にでも気軽に声を掛けてくれる明るい性格、さらに運動神経が良く高所からのジャンプも難なくこなす程。少々抜けているところもあるが、期待に応えたいと言う意志と責任感が強く、決めるところは決めてくれると言う頼りになる少年である。

 

「そうそう。それに困った時はお互い様だよ」

 

 同じ飛行機に乗っている少女が【ナナミ・タカツキ】。ガレット獅子団領国に召喚された勇者。シンクに負けず劣らずの運動能力の持ち主で、ノリが良く誰とでも仲良くなれる才能がある。そしてシンクに棒術を教えたのも彼女。故にシンクにとって彼女は師匠にして良きライバル的存在である。

 

「だからシャルちゃんも、そんなに自分を責めないで」

 

 そしてシャルと共に魔女が使う箒で飛んでいる少女が【レベッカ・アンダーソン】。パスディヤージに所属する勇者にしてシンクの幼馴染。

 始めこの世界に来た時はシンクと共にビスコッティ王国に召喚され、シンクやミルヒオーレから諸々事情を聞く。

 しかし2人のような運動能力は持っていないため、始めは戦への参加は乗り気ではなかった。そこにパスティヤージの領主である【クーベル】が現れ連れ去られてしまうが、そこで彼女の話を聞き自身と似たような境遇であることを知り共感する。そして話に応じ正式にパスティヤージの勇者となった。

 

 

 己の不甲斐無さの所為で大勢の者を巻き込んでしまったことに謝罪するシャルを3人は気にすることなく、寧ろ慰めや気遣いの言葉を掛けてくれた。3人の優しさに感謝し、共に探索を続ける。しかしその最中レベッカがあることに気付き始める。

 

「…ねェ、皆んな」

 

「どうしたの、ベッキー?」

 

「私、さっきからちょっと気になっていたんだけど」

 

「気になるって何が?」

 

「昨日の時と比べて、なんだか静かな気がするの」

 

「そう言れてみれば!?」

 

「確かに妙だね」

 

 魔物に取り込まれた生物は、別の生物を襲う。だから生物達はそれを本能で察し逃げ惑っているはずなのに、そのような声が聞こえない。静か過ぎるのだ。

 そんな時突如4人の元にミルヒオーレ、レオン、クーベルの3人から連絡が入る。

 

『シンク!』

 

「姫様!それにレオ閣下やクーベルも。どうしたんですか?」

 

『それがなんか変なのじゃ』

 

『さっきから魔物の姿が一匹も見当たらん』

 

「エッ!?」

 

「それ本当!?」

 

『レオ様のところもですか!?私のところもなんですよ!』

 

『ウチのところもじゃ!?これは一体どう言うことじゃ!?』

 

 3人率いる軍がそれぞれの警護場に到着したのいい。しかし道中魔物が襲って来るどころか、一匹も遭遇していないとのこと。しかも3箇所同じときた。これは明らかに可笑しい、別の意味で異常だ。

 

「皆んな、見てあれ!」

 

 そんな時森の一部に大きなクレーターを発見する。しかしその周りにはこの森の原生生物と思われる小さな生物達が傷付いた状態で倒れており、しかもその中心には昆虫に似た巨大な生物が倒れている。そしてその巨大生物の頭部には中国系の赤い服を着用し、頭部の額に鰐の像が付けた人物が頭部の部分に座っていた。

 4人は一先ずその巨大生物の前に着地する。すると頭部に座っていた人物も飛び降り自分達の前に着地する。

 

「貴様等だかな、この強い気配の正体は」

 

「貴方は一体?」

 

「我が名は、臨獣クロコダイル拳使いの【ニワ】!デストロイヤー軍幹部にして死刃の1人」

 

 ニワと名乗る怪人。デストロイヤー軍と言うのが何なのか気になるところだが、それ以上に後ろで()()()()()()存在の方が気になっていた。

 

「ところで君の後ろにいる魔物は…」

 

「魔物?あぁ、コイツのことか?強い気配を感じたから試しがてら挑んだのだが呆気ないものだった。見た目通りただデカいだけのムシケラであった」

 

 実はこの倒れている魔物こそ、竜の森を騒がせ今回の討伐対象であった魔物『竜喰い』なのである。

 

 自分達がこの魔物のことを知ったのは昨夜。討伐を宣言してからまだ1日も経っていない。しかも辺りを見渡すが他に誰もいない。今の会話と照らし合わせると1人で魔物を討伐した可能性が高い。この短時間で、それも1人で討伐してしまったことに驚く。

 本来なら今回のように強大な魔物は国家を上げて討伐に当たると言うのに、たった1人でその災害級の魔物を討伐するなんて考えられない。

 

「正直ガッカリした。だが全くの無駄足ではなかったようだ」

 

「エッ?」

 

「それってどう言う…?」

 

「簡単なこと。────貴様等の方が、この竜喰い(ムシケラ)より楽しめそうと言うことだ!」

 

 この言葉に4人に緊張が走る。彼等はニワに目を付けられてしまった。

 

「先ずは挨拶代わりだ、リンギ【万降石(ばんこうせき)】!!」

 

 両腕を地面に撃ち付けると、無数の岩の破片が飛び散り回りにいた者達に雨のように降り注ぐ。シンクとナナミは持っていた棒を振り回し後ろにレベッカとシャルを守る。

 

「この程度は防ぐか。そうでなければつまらん」

 

 自身の技を難なく防いだことに感心する。それと同時に後ろに転がっている竜喰い(デカブツ)よりは楽しめるだろうと喜びもあった。

 

『シンク!?大丈夫ですか?』

 

「う、うん。何とか…」

 

『儂等も直ぐにそちらに向かう。待っておれ』

 

 通信がそのままだったことで今の状況見ていたミルヒ達3人は、それぞれの軍にシンク達のいる場所へ向かうように指示を出そうとする。

 

「そうはさせん!」

 

 しかしそれをニワが許すはずもない。指をパチンっと鳴らすと、モニター越しに鼻元から上が覆われ茶色い服を着た無数のキョンシー【リンシー】が何処からともなく現れる。

 

『な、なんじゃ此奴等は!?』

 

「お前達、そいつ等の相手をしてやれ!」

 

 ニワの合図でリンシーズはピョンピョン跳ねながら、それぞれの場所で一斉に襲い掛かる。そして同時に3人との通信も切れてしまう。

 

「姫様!!」

 

「クー様!」

 

「レア閣下!?シンク、どうしよう」

 

「兎に角、早く姫様達の元へ行こう」

 

 4人は3カ国の救出のため飛び上がろうとするど、再び無数の破片が降り注ぎ4人の行く手を阻んだ。

 

「何処へ行く?お前達の相手は俺だ」

 

 折角自分を楽しませることが出来そうな相手が来て誰も邪魔が入らないようにしたと言うのに、移動されては困る。だから逃がさないようにニワが邪魔をする。

 

「…やるしかないみたいだね」

 

 どうしても逃してくれそうにないのを悟り、シンクは飛行ボードを消し戦う覚悟を決める。他の3人も同様に覚悟を決め、シンク、ナナミ、シャルは武器を構える。

 

「漸くやる気になったか、なら此方も本気で行くとしよう。リンギ【獣人邪身変】!!ハッ!」

 

 ポーズを取り両腕を広げると、頭部のワニの目が怪しく光り、頭と両腕が胴体に吸い込まれ膨れ上がり破裂し、先程とは全く異なる姿で現れる。

 

 上半身がワニの頭部となり、胸部分にまで大きく開いた口のその中心には鋭い牙を生やした顔。身体全身が鱗に覆われ、脚には下駄を履き、両腕にはワニをモチーフにした手甲が付いていた。

 

 

 まるで獣そのものであった。

 

 

「臨獣クロコダイル拳の【ニワ】!我が主人の命によりこの世界を制圧を開始する!!」

 

 ニワが駆け出しとレベッカはシャルを乗せ上空へ、シンクとナナミは同じように駆け出し棍棒を振り下ろす。だが両腕で跳ね除けられ鋭い爪で斬り付けられる。更にシンクの首を掴むと腹に2発食らわせ、追撃のアッパーで吹き飛ばす。

 

 すると後方から飛んできた一本のブーメランを弾き飛ばす。それを水流ジェットで水上スキーの如く高速で移動していたナナミが掴むと、棍棒へと形を変えそのまま勢いに任せて振り下ろすが、受け止められ逆に肩を掴まれてしまう。

 

 

「リンギ【泥州胴折り(ですどおり)】」

 

 

 そして扇風機のプロペラのように高速で横回転、放り投げられ近くにあった木にぶつかる。

 

 その間に上空で待機していたレベッカは後ろに回り込み、シャルは背負っていた筒から矢を一本取り出し狙いを定めて放った。レベッカも腰に掛けていたケースからカードを数枚取り出し投げ付けると、空中で拡散し光のレーザーとなる。だが頑丈な鎧によって矢は弾かれ、レーザーも全て受け止められダメージゼロ。しかもその所為で気付かれてしまう。

 

 

「【泥州胴折り(ですどおり)(つう)】!」

 

 

 地面を蹴り飛び上がると先程の回転をしながら上空にいる2人に突っ込む。直後はしなかったが通り過ぎる時の風圧でバランスを崩してしまい2人は墜落。地面スレスレで体勢を立て直し着地、同時にニワも着地する。

 

「ベッキー、シャル、大丈夫?」

 

「うん、大丈夫だよ」

 

「問題ない」

 

「それにもコイツ、強い」

 

「魔物を1人で倒したと言うのは、嘘じゃないみたいだね」

 

「我が臨獣クロコダイル拳は、強力・無双の拳!その程度の攻撃で破れはせん!!」

 

 勇者として強い力を持っていようとも、全く危険のない運動会のような戦、それもたった数回しかしていない3人。対して命を掛け死闘を繰り広げたこともあるニワでは、戦いにおける覚悟が全く違う。その差が今の状況を生み出しているのだろう。

 

 するとレベッカが3人に近づき話しかける。

 

「皆、私に作戦があるの」

 

 3人はレベッカの話に耳を傾ける。

 

「…よし、その手で行こう」

 

 4人はレベッカの作戦に賛同し、ニワの方へ視線を向ける。

 

「何をする気かは知らんが、無駄なことよ」

 

「じゃあ3人共、行くよ!」

 

「「「うん(OK)(分かった)」」」

 

 シンクの合図でレベッカが上空へ飛び上がると、ケースからカードを数枚取り出し投げる。しかしカードはニワではなく地面に刺さる。すると着弾したカードが一斉に爆発し大量の爆煙が辺り一面を覆いつくす。

 深い煙で視覚が封じられたので、感覚を研ぎ澄ませるニワ。前方上空から数本の矢が飛んでくるのが確認出来振り払う。

 

「バカめ、自ら居場所を教えるとは。貴様も我が【泥州胴折り(ですどおり)】の餌食にしてくれる」

 

 と身体を構えた瞬間、今度は後方から矢が飛んできた。さらに右往左往からドンドン矢が飛んでくるではないか。

 実はあの爆発の最中シャルが箒に飛び乗り、移動しながら連射していたのだ。しかし全てニワの頑丈な鎧に阻まれ弾かれてしまい決定打になっていない。

 

「無駄だ。何度やってもこんな柔な攻撃、俺には効かん!」

 

「確かにお前の言う通り()()のは無理だろう。だが───注意を引くことは出来る」

 

 足に違和感を感じ視線を向けると、何と両足が凍りついていた。それだけじゃない、周囲の地面も同じように凍りついていたのだ。

 更には煙が晴れてくると、シンクとナナミが正面に紋章を展開していた。先程の行動はこの2人から注意を晒すためであった。

 

「ナナミ、準備はいい?」

 

「いつでもいいよ!」

 

 

豪熱炎陣掌(ごうねつえんじんしょう)!】

 

 

海王水陣掌(かいおうすいじんしょう)!】

 

 

 

 

合体!【豪熱海王相陣掌(ごうねつかいおうそうじんしょう)!!】

 

 

 

 シンクの炎の紋章砲とナナミの水の紋章砲が同時に放たれ、身動きが取れないニワはその攻撃を受けるしかなかった。2つの紋章砲が命中し轟音と爆風、さらに熱気が辺りを包み込む。

 ニワが立っていた場所から煙が立ち上り静寂が訪れる。シンクとナナミは「倒したか」と様子を伺う。レベッカとシャルも同様に上空から伺う。

 

 次第に煙が晴れると、そこには腕で顔をガードしているニワの姿があった。身体は所々傷はあるが浅く、殆どダメージを受けていなかった。勇者2人の攻撃をモロに食らったのにピンピンしている、その事実に驚愕する。

 

「そんな!?真面に食らったはずなのに!?」

 

「なんて頑丈な身体なの!?」

 

「今の攻撃は中々だった。その礼にこれを呉れてやる」

 

 ニワは右掌を向けると、そこに赤い球体型のエネルギーが作り出され凝縮されていく。そのエネルギー量に4人は驚愕する。

 

 

 

虚閃

 

 

 

 凝縮されたエネルギーが一筋の閃光となって放たれる。射線状にいたシンクとナナミは反射的にそれぞれ左右にへと回避する。

 上空にいるレベッカ達に至っては、あまりの風圧で目が開けられないでいた。

 軈て攻撃が止みさっきまでは自分達がいた場所に目を向けると、地面が抉れその直線上にあったであろう木々は数キロ先まで跡形もなく消し飛んでいた。

 これは自分達の紋章砲、2人同時に放ってもここまではならないだろう。

 

「どうだ?だが俺の力はまだまだこんなもんじゃない」

 

「…一つ聞いてもいいかな?」

 

「何だ?」

 

「君はさっきこの世界を制圧するって言ったよね。それはつまりこの世界の人達を全員倒すってこと?」

 

「…それ以外何がある?」

 

「ッ!?どうしてそんなことをするんだ!?」

 

「何故だと?決まっている。それが我が主人の望みであり、俺達死刃の使命だからだ」

 

「望みって…」

 

「そもそも、さっきからアンタの言っている死刃って何?」

 

「…貴様等を始末する前に教えてやる。俺がいる軍には、幹部の中から選ばれた最強の集団、それが【死刃】だ。死刃達は称号として、それぞれ身体の部位に数字を刻む。そして俺は…」

 

 

 

 ニワは胸元に手を翳すと黒い数字が浮き上がってくる。そこに刻まれていた数字は───────────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…第【6】の数字を与えられた死刃────《第6死刃(セスタ・エスパーダ)》、【ニワ】。貴様等の命、貰い受ける!」

 

 

 

 

 

 

 

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 一方、3カ国連合の方は国の騎士達がそれぞれの場所で多数のリンシーとの戦いを繰り広げていた。その足元には倒れたリンシーと沢山の猫玉が転がっていた。その猫玉は倒された騎士達である。

 

 リンシー1人1人の実力は、恐らく一般騎士1人と同じくらいの強さだろう。だが戦いの経験があるとは言え、安全な戦いばかりの騎士達。対して常に命のやり取りをしてきたと言っても過言ではないリンシーズ。その差によって次第に騎士達が押され始め、倒され猫玉になってしまう者が続出、今立っているのは国が代表とする名高い騎士達のみである。

 

「コイツ等、倒しても倒して出てきやがる」

 

「これじゃキリがありません」

 

 一人一人の力は大したことないかもしれない。しかしそれが複数で来られれば太刀打ち出来ない。まさに多勢に無勢である。

 

「このままでは此方の体力が尽きてしまう」

 

 名高い武将達でも長時間ぶっ通しで戦い続けているため、流石に息が上がってきていた。

 一般の騎士の中にはもう諦めかけている者まで出始めていた。しかしそんな絶望的な状況下でも諦めていない者がいた。ビスコッティの姫、ミルヒオーレである。

 

「諦めてはいけません。勇者様達が絶対何とかしてくれます。だから私達も諦めずに戦いましょう!」

 

 国のトップにそこまで言われては、へこたれている訳にはいかない。騎士達の目に再び闘志の火が灯り立ち上がり、リンシーズに挑んでいく。

 

 

 そんな中、忍者のような格好をした狐耳の女性【ユキカゼ】が森の中を走っていた。

 

「早くこれをシンク達に届けなければ。皆、待っていてほしいでござる」

 

 すると彼女の胸元から一つの結晶体が光出し飛び出す。それは独りでに浮かび上がり何処かにへと飛んで行く。

 

 

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「貴様等はよく頑張った、あそこに転がっている魔物(デカブツ)に比べればな。もう諦めかけて降伏しろ」

 

 自分達の最大級の攻撃も通用しない相手にどうやって勝てばいいのか分からず、女性3人は諦めモードに近かった。

 しかしこの絶望に近い状況でもミルヒオーレ同様諦めていない者がいた。

 

「まだだ、まだ終わっていない」

 

 この中で1番勇者としての経験が長いシンク、彼の瞳から闘志はまだ消えていなかった。

 

「…これだけの力の差を見せつけられてそんなことをほざくとは。諦めない悪い小僧だ。それとも、それは勇者としての責務ってやつか?」

 

「確かにそれもある。だけど皆んなを守りたいと思うのは勇者としてじゃなく、僕自身【シンク・イズミ】の意志だ!だから負ける訳にはいかないんだ!」

 

「…その意気や良し、流石勇者と言うべきか。だが貴様等にはもう何も出来まい」

 

「それでも僕は諦めない!フロニャルドの皆んなを守るために!!」

 

 その時上空から一つの光が彼の前に降りたった。それはユキカゼの元から飛び出しオレンジ色の結晶であった。

 

「【英雄結晶】…」

 

 シンクは結晶に手を差し伸べ発言する。

 

 

【英雄結晶】発動!!

 

 

 その瞬間結晶から炎が溢れシンクの身体を炎が包み込む。そして中から一回り大きく成長したシンクが現れる。

 

「何!?パワーアップしたのか!?」

 

「ヒーロータイムだ!」

 

 持っていた棍棒が形を変え、巨大な柄にへとなりその先に炎の刃を形成させる。

 

「【炎王剣】!」

 

 炎の刃を一思いに振ると、物凄い威力の炎が放たれ、ニワを包み込み吹き飛ばした。シンクは飛行機を出しニワが飛んでいった方へ向かう。

 

 

「皆の衆ゥーーー!!」

 

 

 丁度そこにユキカゼが到着する。

 

「ユッキー!何でここに!?」

 

「お二人にこれを渡しに来たのでござる」

 

 胸元からシンクのとは形が異なる2つの結晶を取り出し、レベッカには紫色の結晶、ナナミには緑色の結晶を差し出す。

 

「【魔神結晶】…ありがとう、ユッキー」

 

「こっちのは、アタシに?」

 

「左様。シンク達の物とは少し違うのでござるが、アデル様が準備してくれていたのでござる。アデル様曰く、【精霊結晶】」

 

「【精霊結晶】…」

 

「シンクのも持って来たんでござるが、道中独りでに飛び去ってしまって…。恐らく主人のピンチに駆けつけたかったのでござろう。さぁ、お二人も早く」

 

 ユキカゼに諭され2人はそれぞれの結晶を手に取り、シンク同様詠唱を唱える。

 

 

 

「【魔神結晶】…」

 

 

「【精霊結晶】…」

 

 

『発動!』

 

 

 レベッカは腕に付いていたバンドの中部分が開き、腰に付けていたリボンとだけが消失。ツインテールは解けて髪が伸び、身体が光に包まれ弾けると、シンク同様一回り背丈が伸び成長した姿に。

 ナナミの方は大量の水が溢れ身体を包み込む。覆った水が弾けると2人同様一回り背丈が伸びたナナミが姿を現れ、水の球体が手先から滑るようになぞり袖部分、更に腰マントを構成させ変身が完了とする。

 

「これが…アタシ」

 

「レオ様の炎と雷と共に歩める、水と氷の力でござる」

 

「よぉし、行くよベッキー」

 

「うん」

 

 変身が完了した2人は颯爽とシンクの後を追あのであった。

 

 

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 吹き飛ばされたニワは地面に落ちると身体を起こし、追ってきたシンクに視線を向ける。

 

「今までの中では一番の攻撃…小僧、少しはやれるようになったようだな」

 

 ダメージを受けたことになる怒りより、漸く真面な戦いが出来る相手が現れたことによる喜びの方が勝っていた。

 

「言ったろ、まだ終わりじゃないって」

 

「確かにその通りのようだ。だが貴様1人では何も出来まい」

 

「1人じゃない!」

 

「私達もいるよ!」

 

 そこへ上空からレベッカとナナミが来た。

 

「ベッキー!それに…ナナミ!?その姿、もしかして君も!?」

 

「そうだよ。【精霊結晶】で私もパワーアップしたんだ♪」

 

 ナナミはシンク達と同じ土俵に立てたことへの嬉しさでVサインを作る。勿論そのことにはシンクも心から喜んでいた。

 

「フン、貴様等が如何にパワーアップしたところで、無駄だ!この俺を倒すことは出来ん!!」

 

「そんなことはない!」

 

「貴方の言う通り、私達一人一人の力は君に及ばないかもしれない」

 

「でもアタシ達は信じてくれる友がいる、支えてくれる仲間がいる」

 

「僕達の最大の武器、それは信じ合う絆!この力で君を倒す!」

 

 3人の勇者VSニワ、第二回戦が幕を開けた。

 

 

 先ず先陣を切ったのはレベッカ。腰のケースからカードを取り出し投げると、光のレーザーとなる。先程と同じ攻撃にニワは鼻で笑い同じように自慢の鎧で受けてやろうとした。しかしそれは間違いだった。

 

 レーザーが当たると身体が押されて吹き飛ばされそうになるが、足を力を入れ踏み留まるがよろける。ダメージを受けたのだ。

 攻撃方法は殆ど変わっていないが、さっきと違い重みがあった。それも自身の鎧でも分かる程に。

 

「ハァーー!」

 

 するとそこに追い討ちを掛かるように、水上ジェットスキーで正面近くにまで来たナナミが、持っていた槍に水を纏わせ突き付ける。ニワは両腕を前に出し受け止めてようとするが、威力を殺すことが出来ず次第に押され始め吹き飛ばされる。

 

「バ、バカな」

 

 レベッカ(もう1人の小娘)の時と同様自慢の鎧で受け止めきることが出来なかった。それはつまり、勇者達(アイツ等)全員自身よりも強くなっていると言うことでは?

 いやそんなことあり得ない、ある筈がない。パワーアップしたとは言え死刃の称号を持つ自分が、たかが人間のガキ3人に追い込まれる等あってはならないのだ。

 

「まだまだ行くよ!」

 

 勢いを取り戻したナナミは止まらず水上ジェットで急接近。ニワは近くにあった木を引っこ抜き投げ付ける。ナナミはそのまま木を斬り裂いた先には【泥州胴折り(ですどおり)(つう)】 を繰り出すニワの姿が。

 だが攻撃が当たる直前、シンクが猛スピードでナナミを抱え通り過ぎ不発となる。

 

「ナナミ、あんまり無茶はしないでよ」

 

「シンク…ありがとう」

 

 シンクはナナミをゆっくり降ろす。着地したニワは上空にいるシンク達を睨み付ける。

 

「己ェ、ならこれならどうだ!」

 

 ニワは掌をシンク達にへと向け虚閃を放つ。それに気付いたシンクは両腕で【紅炎剣】を発動させる。

 

「ダブル紅炎剣!」

 

 2つの炎の刃と虚閃がぶつかり合う。どうやら威力は虚閃の方が上のようで、次第に押され始め少しずつ後退されていく。そんな時後ろからナナミが棍棒を紅炎剣に携える。

 

「ナナミ!?」

 

「シンク、アタシの力も貸すよ。なんてたってシンクとアタシの力が合わされば、無敵なんだから♪」

 

「ナナミ、ありがとう。ウォォーーー!!」

 

 2人の炎と水の力が合わさり、一回り太くなった炎水の刃の方が虚閃を押し返し始め、遥か上空にへと吹き飛ばした。

 

「何!?」

 

「これでトドメだ!」

 

 シンクは飛行機から飛び降り、2つの柄同士を合わせツインランサー状にさせる。火力が上がった剣から放たれるは最大の技…

 

 

 

必殺技【炎王牙(えんおうが)】!

 

 

 

「ハァァーー!」

 

 

 …そのまま一気に振り下ろされた炎の刃でニワを一刀両断した。

 

 

 

 

 

「ギィヤァァァーーーー!」

 

 

 

 

ドカァァーーーーン

 

 

 

 

 

 ニワの身体からバチバチと電気が走り、絶叫しながら大爆発を起こし炎に包まれる。

 

 少し離れたところに着地するシンク、その近くにナナミとレベッカも降り、それぞれ変身を解除させ元に戻る。

 

「フゥ〜、やったね2人共」

 

「うん、どうなることかと思ったけど勝てて良かったね」

 

「やっぱアタシ達が力を合わせれば敵なしだね」

 

 ナイスなコンビネーションで強大な敵を倒したことへの喜びに浸る3人。何はともあれ竜の森を苦しめていた魔物も無事討伐した(?)ことだし、これにて一件落着…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …とはならなかった。

 

 

 

 

 

 

 カン、カン、カン

 

 

 

 

 …燃え上がる炎の中から下駄の音が響く。そして煙の中からニワがフラフラになりながらも立っていた。あれだけの攻撃を受けたのにまだ立っていられる、そのタフさに度肝を抜かれる。

 

「ハァ、ハァ…まさか…俺が…死刃であるこの俺が…こんな小童如きに…深傷を負わされると…何と言う失態…」

 

 死刃である自分がパワーアップしたとは言え、たった3人の子供相手に深傷を負わされたこと、そして彼等を甘く見ていた自分自身に腹が立った。

 

「ハァァ…だが、それもここまでだ。…俺も…本気でヤることにする…覚悟するがいい」

 

 殺気に当てられるも3人は臆することなく結晶を取り身構える。そんな時突如ニワの動きが止まる。

 

「ハァ、ハァ、何だ?俺は今、任務執行だぞ。…煩い、それより用件は何だ?…デストロイヤー様が!?…分かった、直ぐ戻ろう」

 

 誰かとの話を終え戦闘再開すると思い構える3人だが、返ってきたのは意外な答えだった。

 

「…貴様等の相手はここまでだ」

 

 何と戦闘中断を言い渡したのだ。先程まで放っていた殺気も消えており訳が分からず戸惑う3人。

 

「エッ!?それってつまり…」

 

「戦いは終わってこと?」

 

「どうしていきなり?」

 

「我が主人から名で戻って来るように言われたのだ。故にこれにて失礼する」

 

 すると突如上空に複数の亀裂が入り、口のように大きく開く。その中から一筋の光が降り注ぎ、ニワとリンシーズを包み込む。そしてその光に吸い込まれるように上空にへと浮かび上がる。

 

「勘違いするなよ!今回は俺の負けだが、俺は必ず戻って来る。その時こそ貴様等の最後だと思え!その時まで首を洗って待っているがいい!!」

 

 その言葉を最後にニワ達は裂け目の中にへと消えると、入り口は閉じ消滅する。

こうしてフロニャルドは再び3人の勇者によって救われた。だがニワは「必ず戻って来る」と言っていた。いつの日か、またこの世界に現れるかもしれない。

 

 

 それでも今は勝利したこと、皆んな無事だったことに喜ぶのであった。

 

 




ニワがボロボロにされて撤退していきました。死刃がボコボコにされてそのままというのは何気に今回が初めてです。でもニワをそうさせたのにはちゃんと理由があります。でもそれが明かされるのは随分先になってしまいますが(汗)。

後裏話として今回の話、制作当初は違う展開にする予定でした。
知っている方ならご存知かと思いますが、本文に書いてあった通り「dog days」と言う作品には2種類の戦があります。そして最初は戦興業の最中ニワが現れ戦いになる的な展開でした。
でも失礼ながらニワの実力で勇者3人含め、各国の名高い武将達を1人で相手にするのは無理、大量のリンシーズがいるとは言えほぼ不可能です。

そんな時3カ国で魔物討伐をした話があったことを思い出し急遽展開を変更したのです。その時には3カ国別々の場所で戦い、勇者達とも離れていましたから。

そして、これで登場していない死刃も遂に後1人となりました。登場させる作品も決定しています。しかしついこの間決まったばかりなので、全く構成が出来ていない状態です。なのでまた遅れると思います。今年中には完成させるのでお待ちください。

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