BLEACHの世界に最強になって転生 番外編 作:アニメ大好き
前回の後書きでお話した働き口の件ですが、何とか新しい働き先が見つかりそこで働き始め約1ヶ月半近く。少しずつ仕事にも慣れていき心に余裕が出来始めたので、コツコツ書いていた話を今日投稿することが出来ました。応援して下った皆様ありがとうございます。
今回は一気に飛び、原作主人公組とライザーのゲーム回です。しかしデストロイヤーは観戦しているだけでゲームには参加していません。そしてここで死刃達の招集理由も明らかになります(勘の良い皆様なら前回の最後で予想されていると思われますが…)
それでは本編をどうぞ。
私、デストロイヤーは今非常に不愉快な気持ちで一杯です。今この場所を破壊し尽くしたい程に。どうしてこうなっているのはそれは少し前に遡ります。
私は基地に戻った後、ある準備をするために少しその場を離れましたが直ぐに戻り、サーゼクスさんに会いに行った時と同じ経緯でゲームが行われる10日後のあの世界に2人を連れて出発しました。黒腔を抜けるとサーゼクスさんとグレイフィアさんが立っていたのです。まるで私が自分達の所に来るのが分かっていたみたいに。まぁ座標をサーゼクスさんがいる所にセットしていたので彼の前に来るのは当然なのですがね。
「デストロイヤー様、ようこそお越しくださいました」
サーゼクスさんは前回の件で耐性があるようで平静にその場で跪き、その女王であるグレイフィアさんも彼の後ろで同じように跪いた。
「エェ、しかし堅っ苦しい挨拶話は無しにして早くゲームを始めましょう」
「分かりました」
2人は立ち上がると私達を観戦ルームにへと案内する。途中グレイフィアさんとは別れました。彼女は今回の試合の審判ですからね、色々と忙しいのでしょう。軈てサーゼクスさんは一つの扉の前に立ち開けると、そこには一脚の椅子に、大きなソファーが一台置かれていた。サーゼクスさんはソファーの方に近づき奥の方まで進むと、私達の方へ振り返り左腕をソファーにへと差し出す。
「此方にお座りください」
私はお言葉に甘えてゆっくりとソファーにへと腰を掛けた。それに続いて友子さんと胡蝶さんもソファーに座った。
サーゼクスさんは私達の後ろを通り残った椅子にへと腰を掛けるグレイフィアさんの放送が入る。
『それでは只今より、リアス・グレモリー様とライザー・フェニックス様とのレーティングゲームを開始致します』
いよいよゲーム開始ですか。リアスさん達が
しかし戦力になると言える者がリアスさん含め6人中5人しかいない。シスターの女性は回復要員と言うことで戦闘に関することはほぼ関わってこなかったですからね。
イッセーさんと子猫さんがライザーさんの4人の眷属と鉢合わせすると体育館にへと誘い込み戦闘を開始。結果だけ言うとイッセーさんが3人に触れ【|赤龍帝の龍手《ブーステッド・ギア】を掲げると触れられた3人の衣服が吹き飛ぶように破れた。あれがイッセーさんの新技「
でももう少しどうにかならないのですかね、あの技。敵の隙を作るにはいいかもしれませんけど、衣服全て剥いでしまうのはいただけない。同じ女性であるが故友子さんも胡蝶さんもあまりいい気分はしないで、特に胡蝶さんに関しては汚物を見る目をしていますよ。
その後建物から2人が出ると副部長の姫島朱乃さんの攻撃で建物ごと4人を吹き飛ばしリタイアさせることに成功。しかしライザーさんの女王(確か「ユーベルーナ」って名前でしたっけ)の不意打ちを受け子猫さんがリタイアさせられしまう。
その後ユーベルーナさんと朱乃さんとの戦闘になり朱乃さんの優勢に見えたが、ユーベルーナさんが胸元から小瓶を取り出し中身を飲み込むと、傷が完治し魔力も全回復され逆転負けしてしまいリタイア。
活躍していた木場さんもヤラれてしまい遂に3人だけになってしまう。その後仲間の仇を打とうと突っ込むイッセーさんですが、ライザーさんの実力は自分達の想像を超えていたようでイッセーさんはボコボコに殴り倒されトドメを刺そうとした時、リアスさんがイッセーさんを助けるために投了することを宣言、これによりライザーさんの勝利に終わった。
『リアス・グレモリー様の投了を確認。このゲーム、ライザー・フェニックス様の勝利です』
「!?」
グレイフィアさんの放送が入ると、友子さんと胡蝶さんの足元に魔法陣が出現し2人を飲み込み様に沈めると消滅した。
「(い、今の魔法陣の紋章は…もしや!)「サーゼクスさん」ッ!?」
「……今のは一体何でしょうか?」
……私は今にでもはち切れそうな怒りを何とか抑えてサーゼクスさんに質問する。
「今のは、その…何と言いますか…」
するとサーゼクスさんは冷や汗を掻きながら何やら言いにくそうに歯切れの悪い言い方をする。しかし貴方が答えずとも既に見当は付いていますよ。
「…大方ライザー・フェニックスさんに加担している者の仕業でしょう?」
私の身体から怒りの篭った霊圧が放出されその場を支配した。
※そして冒頭部分に戻る
私は不快なこの気持ちを何とか抑え付け身体を起こし黒腔を開ける。
「あのデストロイヤー様どちらへ?」
「何処へ行くかですって?決まっているでしょ。戻るんですよ、私の城に───────やらなければならないことが出来たので」
そう、私は準備しなくてはならないことが出来てしまいました。だからその作業に取り掛かるため早く帰らなくてはならない。
「待ってください!今回の件はライザー君の行動に気を付けなかった我々の不手際です。ですから今すぐに私がライザー君の元へ行って説得しますので暫しお時間をください」
私の言っていることに気付いたサーゼクスさんは慌てて跪き許しを乞うてきました。私の霊圧に当てられているのに動くことが出来るとは流石魔王と言ったところですかね。しかし今はそんなことはどうでもいい。
私はさらに霊圧の濃度を上げてサーゼクスさんを無理矢理黙らせる。さっきよりも濃度が上がった霊圧に当てられサーゼクスさんは見えない力に押し潰されるように両手、両膝を付く。
「私の大切な家族が誘拐されたですよ。それなのに説得するから暫く待っていてほしい?随分悠長なこと言ってくれますね」
「し、しかし今回は我々の不手際ですから、デストロイヤー様がお手を下させる訳には…」
「では自分が同じ立場になった時に同じことを言われたらどうなのですか?大切な妹のリアスさんが誘拐されたのに落ち着けと言われて貴方は落ち着けるのですか?」
「そ、それは…」
サーゼクスさんは苦しみながらも私の言葉に答えるが最後の言葉には黙ってしまう。妹を溺愛している程の兄バカです。そんな状況に陥ればグレモリー家の全勢力を結集させてでも助けにいくででしょう。まぁ今はコイツの意見なんかどうでもいい。それにこれ以上話しも時間の無駄だろう。私は霊圧を下げ通常状態に戻す。解放されたサーゼクスさんは荒い呼吸を吐きながら息を整える。
「兎に角
実は私はあの会談の後、もしものことを考えてある計画を練っていました。でもそれを実行するかは
「それでは結婚パーティーの時を楽しみにしていてくださいね。ホーホッホッホッホッホォー!!後は頼みますよ」
そして私は黒腔を閉じ1人暗い道を通って基地に戻る。待っていろよ、愚かな
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デストロイヤーが去り緊張が取れたサーゼクスは何とか身体を起こし椅子に座り掛けると頭を抱え込む。
「ライザー君…君はなんてとんでも無いことをしてくれたんだ…」
今回の件についてはライザー・フェニックスに目を付けていなかった己の失態である。そもそもデストロイヤーがライザーと鉢合わせすると思った時に気付けばよかった。女好きのライザーのだ、
────何故ライザー君にちゃんと言い聞かせなかったのだろう───
───何故
全ては自分の甘い考えが起こしたこと、後の祭りである。
「我々は…悪魔の未来は…どうなってしまうんだ」
そんなサーゼクスを他所に部屋に波打つように揺れる不気味な影が。そしてその影は姿を消すと気配そのものが消失した。
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一方デストロイヤー様が黒腔を抜け基地に戻ると複数のロボットらしき者達が出迎えていた。
「お帰りなさいませ、デストロイヤー様!」
その中の一人両肩に長身のミサイルを装着し右眼にレンズを付けている【アイアンハイド】が敬礼をしながら出迎える。
「アイアンハイドさんお願いがあります。今すぐ我が軍の全勢力に急いで此処に戻ってくる様に連絡してください。任務の途中でも構わないので」
「エッ、全勢力にですか!?一体何をするおつもりで?それに友子と胡蝶の2人は一体?」
「……」
「ッ!りょ、了解しましたデストロイヤー様!直ちに全軍に通達します!!」
「…ありがとうございます。それと少しの間私はトレーニングルームに篭りますので誰も立ち寄れないようにしておいてください」
いきなり全勢力を呼び戻せと言う命令に戸惑うアイアンハイドだが、デストロイヤーの無言の圧力に戸惑いながらも主人の命令を聞き入れる。そしてデストロイヤーは一人トレーニングルームにへと入り固く閉じた。
「ウホホホー、デストロイヤー様一体どうしたんだ?」
「ヨ〜ロレイ〜ヒ〜、かなりご機嫌斜めだったなぁ〜」
「キッヒヒヒヒ、大方あの2人が居ないことでイラついてるんだろうな。キッヒヒヒヒ!」
「お前達無駄口を叩いてないで早くしろ、デストロイヤー様の命令だぞ」
「その通りよ」
アイアンハイドと同じロボット達が雑談をしているとチルッチが話の間に入ってくる。
「何だよ、チルッチいきなり。それに何でお前がここに居るだ?」
「アタシは別にやることがあんのよ。そんなことより早くした方がいいんじゃない?さもないと
いきなり現れたチルッチに命令されたことに納得がいかない面々だが、今デストロイヤーは気が立っている故に時間には厳しい人。少しでも遅れたならどうなるか想像も出来ない。
だからここは不本意だが彼女の言うこと素直に従いその場を後にする。
彼等がその場から居なくなると、他に誰もいないか確認しデストロイヤーが入った部屋の戸に手を掛ける。扉を開けその隙間から中を確認すると、その隙間からでもわかるくらい中は荒れまくっていた。凡ゆる機器は破壊尽くされ壁には無数の抉られた跡が。そしてその中心には息を切らしながら荒い呼吸をしているデストロイヤーが立っていた。
チルッチはその光景に戦慄した。いつもは部下に優しく怒った顔をあまり見せない彼が、まるで飢えた獣の如く部屋を荒らしまくった。従属官になる前でもここまでの豹変振りは見たことがなかった。故に初めてデストロイヤーに恐怖を感じた。
「チルッチさん…どうしたんですか?」
突然呼ばれたチルッチはビクッとした拍子に扉を開けてしまう。デストロイヤーはいつもと同じ調子で話しているが、常に一緒にいた自分にはわかる─────今コイツは痩せ我慢をしている。あの2人が拐われて悲しんでいるんだ。
数多くいる従属官だがデストロイヤーにとってあの2人程共に過ごした者はいない。そんな2人が自分の目の前で拐われたと言うのに落ち着いているのは、最初から何とも思っていなかったか、我慢をしているかのどちらかであるが、デストロイヤーの性格からして前者は考えにくい故後者だと推測させる。
勿論チルッチも同じ気持ちである。初めて会った時は揶揄われたこともあって言い争ったこともある。だがいつの間にはあの2人は自分にとっても掛け替えの無い存在になっていた。だから2人が拐われて悲しいが、彼女は意を決して口を開く。
「何なのよ、この部屋の有様は!あの2人が拐われてイライラしているのはわかるけどここまでする必要ないんじゃない?部屋や備品に八つ当たりなんかしてんじゃないわよ!」
いつもと同じ強めの口調で話すが内心は怯えていた。しかし自分の特別な存在である主人がこんなウジウジしている姿を見たくない。彼女はトン、トンと足音を立てながら近づく。
「それに拐われたんだったら助け出せばいいだけの話じゃない。今その計画をしてるんでしょ。だったらこんなところでグレてないで早くしなさいよ!でもまぁ、あの2人がいなくなって悲しいのも分かるわ。だから今は──────アタシがアンタを支えてあげるから」
彼女は後ろから抱き着き両腕でデストロイヤーを優しく抱きしめる。それが感謝の気持ちだったのか唯の慰めだったのかほ定かではない。しかしその直後自分の仕出かした行動に段々恥ずかしくなり顔が真っ赤になる。腕を離そうとした時、デストロイヤーの手が触れ阻止した。
「…もう少しこうしていてください」
まるで幼い子供が母親におねだりするような甘えたお願い。それはチルッチにとって初めて見る弱々しい姿であった。「ハァ」と溜息を付くが仕方がないと言わんばかりに、無言で背中に寄りかかり腕で強く抱きしめた。
それから1分近く経った。
「心配をお掛けましたねチルッチさん。もう大丈夫です。しかし貴方も友子さんと胡蝶さんが居なくなって寂しかったんですね」
「か、勘違いすんじゃないわよ。アンタがあんな腑抜けた状態じゃアタシも格好が付かないからよ。それにあの2人がいないと張り合う相手がいなくて詰まんからよ。寂しいなんて思ってないんだからね」
デストロイヤーから離れたチルッチは頬を赤くしながら膨らませソッポを向く。ツンデレかな?そんな2人のやり取りの最中通信が入る。
『デストロイヤー様、アイアンハイドです。只今死刃全員に帰還連絡を入れました!しかし全員戻るまで少し時間が掛かるかと思われる』
「そうですか。では先ず今ここに居る者達にだけでも今回の件を言っておきましょう。アイアンハイドさん今すぐこの城に居る者達全員にフロアに集まるよう連絡を入れてください。死刃の皆さんには後で私から言っておきますので」
『ハッ!』
通信を切り部屋から出て行くデストロイヤーとチルッチ。するとチルッチがいきなり腕を絡めてきた。
「つ、着くまでの間こうさせなさいよ。偶にはいいでしょ?」
いつも友子と胡蝶が3人だけの時にしてくるのを見てその2人がいないから自分もやってみたくなったのだろう。素直になれない彼女に呆れるがさっきのお礼に好きなようにさせるのであった。
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ある一つの大部屋。ここはデストロイヤーの玉座の間。そこに今最上級幹部、上級幹部と言う強者達に加え、幹部クラスの者達が勢揃いしていた。そして先程のロボット達もその中に入っていた。
「ウホホホー、何が始まるんだ?」
「馬鹿かお前は!デストロイヤー様が我等を集結させたからには何か大きなことに決まっているだろ!全く、こんな奴が俺の生まれ変わりだと思うと情けなくて涙が出てくる」
アイアンハイドはゴリラのようにドラミングをするガタイの良いロボット【アイアントレット】の無知さに嘆いていた。
「キッヒヒヒヒ、アイアンハイドの奴随分嘆いてるな〜」
「ヨ〜ロレイヒ〜、それに引き換え俺達は性格が丸っ切り一緒だから意見が合うよな〜」
一方背中にプロペラが付いている黒いロボット【サンドストーム】、口に酸素ボンベらしきモノを装着しているロボット【スノーストーム】の性格が似てると言うか同じ両者はアイアンハイド達のやり取りを楽んみながら見物していた。
「お前ら、そろそろデストロイヤー様が来られる。静かにしろ」
「ショック、ショック」
その中紫色でスマートなロボット【ショックフリート】が騒いでいる4人に注意し、2メートルはあるであろう巨大なロボット【ショックウェーブ】もそれに賛同するように片言で返事(?)をする。
その直後扉が開く音が聞こえ騒いでいた者達も全員静まり返る。そこには彼等の主人であるデストロイヤー、側近の1人であるチルッチが姿を現す。2人はそのまま足を進め玉座のある高台に登り、デストロイヤーは中心にチルッチはその後方に立つ。
「皆さん、お忙しいところ集まっていただきありがとうございます。今回皆さんに集まってもらったのは他でもありません。私の側近の2人友子さんと胡蝶さんが拐われました。私が前にその一族を助けたにも関わらず恩を仇で返したのです。これは完全に我々に対する宣戦布告と言うことでしょう」
この言葉の後デストロイヤーが何を言いたいのか殆どの者が察した。
「ですのでこれより我々はその一族の領地に嬲り込み彼等を───────滅ぼします!!良いですね!」
『ハッ!!』
あれ程静まり返っていた場所が一気に騒ぎ立てる。中には「待っていました」と言わんばかりに興奮している者までおり、まるでお祭り騒ぎである。
そして始まる。今までにないくらいの大戦争が。
はい、と言う訳であの馬鹿鳥がヤラかしました。
今回のヤラかしが原因で自分達、悪魔の終幕のカウントダウンがスタート。サーゼクス達はさらに頭を悩ませ、胃薬を所望しているでしょう。
まぁ、その原因を作った張本人はそんなこと知る由もなく結婚式の準備を進めていることでしょうが…。
次回はデストロイヤーが式場へ乱入します。
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