BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

7月に入り今年も後半年になりました、早いですね。先月から30℃超えする日まで出てきました。今年は来年より暑い夏になりそうな気がします。皆さんも体調管理気をつけましょう。

前回はライザー(馬鹿)とのゲームは決着しました。しかしまだゲームは終わっていない。今回はまだ戦っていない2人の《死刃》と、2組の悪魔とのゲームになります。果たして誰が戦うのか?

それでは、どうぞ。


10話 レーティングゲーム その6

 ライザー・フェニックス(馬鹿)VSデストロイヤーのゲームは、デストロイヤーの完全勝利に終わった。

 

「そ、そんな…」

 

「ライザー・フェニックスが…負けた…」

 

「あぁ…あぁ…」

 

 この結果に貴族悪魔達は絶望した。このゲームは自分達の命運を賭けたモノ。それに敗北した。それが理解出来ない者はこの場にいない。

 

「フフフフフ、ゲームは私達の勝ちですねそれでは宣言通り────悪魔と言う種族を全滅することにしましょう」

 

 デストロイヤーのその宣言と共に抱えていた従属官の【サンドストーム】は両腕、【スノーストーム】は両肩のそれぞれの銃口からレーザー弾を乱射。数人の悪魔の肩や足に命中、重傷を負わせた。

 

「おいお前達、まだデストロイヤー様の命令がまだだぞ!」

 

「何言ってんだよアイアンハイド。コイツ等全員始末するって決まったじゃねェか」

 

「そうそう。決まったら早い方がいいだろ」

 

「ウホッ、そうなのか?だったらも俺も」

 

 アイアンハイドが指摘するが、2人はお構いなしにレーザー弾を撃とうとする。しかしそれに釣られてアイアントレッドまで混ざろうとする始末だ。流石に収拾がつかなくなりそうなので、他の従属官達も動こうとすると…

 

 

 

「サンドストームさん、スノーストームさん」

 

 

 

 …デストロイヤーが口を開き静かな声が響く。

 

「お二人共楽しみたい気持ちは分かりますが、まだ私の話は終わっていません。なのでもう少しだけ待っていただけないでしょうか?」

 

 口調はいつも通りの丁寧口調であるが、その奥深くには怒りの感情が見える。しかし2人は不服があるのかその問いに答えない。

 

「どうしました?お返事が聞こえませんよ、お二人共」

 

「ヒェッ!?」

 

「ウギィッ!?」

 

 デストロイヤーは指摘した2人に霊圧を掛ける。その霊圧に当てられた2人は今にも押し潰されそうな位の重い霊圧に悲鳴を上げ、両膝両手を付きながらも耐える。

 

「もう一度聞きますよ。待っていただけますか?」

 

「…は、はい」

 

「…分かりました」

 

 2人が承諾した言葉を発すると、のしかかっていた重い霊圧が治まる。解放された2人は「ゼェ、ゼェ」と息を荒げる。

 

「そうですか、分かってくれて嬉しいですよ。さて悪魔の皆さん、結果は私達の勝利となりました。本来ならこの瞬間貴方達全員始末する予定でした。しかし先のゲームで《死刃》の2人がまだ楽しめていません。他の《死刃》の方々は楽しんだのに自分達だけ楽しんでおらず全員で宴会をしてしまう。それではお忙しい中折角来て頂いた彼等に失礼と言うもの。そこで私から提案があります」

 

「提案?」

 

「魔王であるサーゼクスさんとその妹さんのリアス・グレモリーさん、そして眷属の皆さんで、ルーチェモンさんとサンダールJr.さんのお二人と、それぞれ対決して頂こうと思います。それで両者が勝てたら今回の事はなかったことにしましょう」

 

 その言葉に希望の光がまだ消えていないことに安堵する者もいれば、逆に恨めしい眼差しで睨み付ける者もいる。

 確かにこれは自分達に向けた慈悲にも見えなくはない。だが言い換えるなら『まだまだ自分達も楽しませてくれ』とまるで悪魔(自分達)を道化として見ている他ならない。だが一つだけ確信していることがある。

 

 

 

────これは我々悪魔にくれた最後のチャンスと言うこと────

 

 

 

「それにそこの貴方」

 

「エッ?お、俺っすか!?」

 

 突然声を掛けられた兵藤一誠は驚き聞き返す。

 

「そう。貴方は何か代償を払ってここに来たようですからね。だったらせめて、その力を使ってから散りたいでしょ?それともこのまま大人しく散るのがお望みですか?」

 

 自身の主人であるリアス・グレモリーを取り返そうと代償を払ってまで力を付けライザー・フェニックス(馬鹿)に挑もうとした。だが良い所は全て《死刃》達に持っていかれてしまい、しかも悪魔が今滅ぼされようとしている。このままでは折角払った代償が無駄に終わってしまう。

 

「そんな言われるまでもねェ。俺は部長に命を救われた。だから今度は俺が部長を、リアス・グレモリーの兵士(ポーン)として部長をや皆んなを救うんだ!」

 

「イッセー…なら私も貴方の主人として頑張らないとね。私はそのゲーム受けるわ!」

 

 彼の言葉にリアスはときめき、主人としてゲームに参加することを決める。

 

「いいでしょう。ではサーゼクスさん、貴方はどうしますか。ゲームをやりますか?それとも辞めますか?」

 

 挑発気味に質問するデストロイヤー。ここで断れば会場(此処)にいる、いやこの世界に存在する悪魔がライザー(馬鹿)やその眷属達と同じ運命を辿る。何より最愛の妹達が覚悟を決めたのに、自分が引いては格好が付かない。

 

「分かりました、貴方の提案を受けます」

 

「そうですか。では…」

 

 デストロイヤーは指を「パチン」っと鳴らすとサーゼクスとリアス一行の前に黒腔がそれぞれ現れ開く。

 

「その黒腔を進んだ先に貴方達の相手がいます。心配しなくても罠ではないので安心してください」

 

 その言葉を素直に信じろと言う無理があるだろう。しかしここで立ち止まっていても何も始まらない。

 サーゼクスとリアス一行はそれぞれ目の前の黒腔にへと入り進む。全員の姿が見えなくなると黒腔は口を閉じ消失する。デストロイヤーは自身の椅子に着席する。

 

「さぁ、始めましょう。最後の宴会を」

 

 その声と共に巨大なモニターが2つ現れ黒腔を通っているリアス一行とサーゼクスの姿が映し出される。その場で残った者達は、2組の勝利を祈るのであった。

 

 

────────────────────────────

 

 

 先ずリアス・グレモリー御一行、黒腔を抜けるとそこは先程のゲーム会場と思われる大広場であった。

 

「来たか、待っていたぞ」

 

 その中央には背中に大剣を背負った鮫顔の怪人───【サンダールJr.】が腕組みをしながら立っていた。

 

「貴様等の相手をする【サンダールJr.】だ。私もこの宴会で貴様等悪魔と戦うのを楽しみにしていた。これだけ待たされたのだ、精々ガッカリさせてくれるなよ」

 

 腕組みを解き戦闘態勢に入る。

 

「随分な物言いね、そっちこそ私達を嘗めないで。皆、行くわよ!」

 

『はい!』

 

 リアスの合図で子猫と木場が先陣を切り、【戦車】のパワーを活かした踏み込みと【騎士】の速度を生かし一気に距離を詰める。2人の攻撃がサンダールJr.を捉えたと思われた。だが…

 

 

スカ

 

 

「ッ!?」

 

「エッ?」

 

 当たる直前サンダールJr.の姿が消え、2人の攻撃は空振りに終わる。そしてサンダールJr.は目に止まらぬ速さで、2人に拳を蹴りを数発食らわせれ地面に倒れる。その速さは尋常じゃなく分散しているのではないか思われるくらいの残像が見える。軽く見ても【騎士】の木場のスピードを超えているのが分かる。

 

「どうした?この程度でダウンしては困るのがだが、ん?」

 

 突然サンダールJr.の真上から雷が降り注ぎ、爆発を起こし砂埃が舞い上がる。

 

「フフフ、油断しましたわね」

 

『朱乃(さん)!』

 

 リアス・グレモリーの《女王》にして【雷の巫女】の異名を持つ朱乃が、上空から雷を落としたのだ。あのライザー・フェニックス(馬鹿)の《女王》にも引けを取らない程の実力者、生半可な相手が食らえば一溜まりもないだろう。…()()()()()()()()()…。

 

 突然地響きが起こると、砂埃を吹き飛ばし地面から巨大な鮫が出現し、その頭部に乗ったサンダールJr.が乗っていた。

 

「宇宙忍法【縄頭蓋(ジョーズガイ)】!」

 

 巨大鮫は地面を削りながら猛スピードで突進、そのまま倒れていた木場と子猫を跳ね飛ばす。それでも止まることはなくその進行方向にいたリアスと一誠をも跳ね飛ばした。

 

「リアス!皆!」

 

「宇宙忍法【自在縄(じざいなわ)

 

 さらにサンダールJr.は掌から数本の光の糸が伸び、朱乃の身体を縛り上げる。糸はまるで生きているかのように自由自在に動き回り朱乃を木々や地面にへと打ち付ける。その後自身の元へと引き寄せ頸を掴む。

 

「貴様、何故本気を出さない?」

 

「な、何を…私は手を抜いてなんて…」

 

「言い方を変えてやろう。貴様の中には()()()()()()何か別の力がある。何故それを使わない」

 

「ッ!黙りなさい!」

 

「それとも本気を出さずとも、このサンダールJr.を倒せると思っているのか?だとしたら随分侮られたものだ」

 

 掴んでいた朱乃に電撃を流し込む。彼女の口から苦痛の悲鳴が漏れる。

 

「朱乃さん!辞めろ、テメェェ!!」

 

 一誠は大事な仲間が傷付けられたことに激怒し、左腕に神器───【赤龍帝の籠手(ブーステット・ギア)】を展開させ、緑色の宝玉から光弾───【ドラゴン・ショット】を発射させる。するとサンダールJr.は掴んでいた朱乃を突き出し【ドラゴン・ショット】はそのまま朱乃にへと命中してしまう。

 

「アァァーー!!」

 

「しまった!!」

 

 サンダールJr.は朱乃を放り投げ、それをイッセーがキャッチする。その隙に拳から電撃を放ちリアス達を吹き飛ばす。彼等はその場で倒れ這いつくばる。

 

「何だその様は?貴様等の力はその程度か?」

 

 予想より遥かな醜態を晒すリアス達に呆れるサンダールJr.。すると1人離れていた僧侶の【アーシア・アルジェント】が飛び出し彼等に駆け寄る。

 

「部長さん、イッセーさん、皆さん、大丈夫ですか!?今すぐ治します!」

 

 アーシアは皆に両手を翳し自身の神器───【聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)】で傷を回復される。

 

「ほぉ、その娘回復させる出来るのか。悪魔で他人を治せる者がいるとは驚いた。だがそれもいつまで待つかな?」

 

 アーシアの神器で回復出来ると言っても完璧じゃない。軽い傷ならすぐ完治出来るが、大きな傷だと完治するのにそれ相応の時間を有する。

 その中でも1番傷が浅かったリアスが起き上がる。

 

「私達の本気はこんな物じゃないわ!そうよね、皆」

 

『はい!!』

 

 彼女の言葉に皆、特に1番傷が重かった朱乃も完治していないにも関わらず、そんなの関係ないかのように息のいい返事をし立ち上がった。

 

「そうか、それは良かった。こちらも今までは本のウォーミングアップ。ここから本番と行こう」

 

 背負っていた大剣──『赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)』の塚に手を掛け引き抜く。

 

「子猫、木場。貴方達は少しでもサンダールJr.()の気を引いて隙を作って頂戴。その隙に私の魔力で吹き飛ばすわ」

 

『はい!』

 

 木場は地面から大量の剣を出現させサンダールJr.に襲い掛かる。それをサンダールJr.は『赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)』を払い、迫り来る無数の剣を薙ぎ払う。その間に子猫がご自慢の身体能力で拳を振るうが『赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)』でアッサリ受け止められてしまう。

 木場は両手に新たな剣を生成し、正面から飛び込む。その間にリアスは掌に魔導陣を展開させ準備を開始する。

 

「イッセー、お願い!」

 

「はい、部長!」

 

 一誠は左手に龍手を展開すると、リアスの肩に置いた。すると龍手の緑色の宝玉が輝きだす。

 

 

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!』

 

 

 

 ただ『Boost』と言葉を連呼しているだけだが、その度にリアスの魔力がドンドン上がっていっている。これが二天龍の片割れにして、『倍加』の力を持つ神滅具────【赤龍帝の龍手(ブーステット・ギア)】の力。

 

 その音声に気付き何かやろうとしていることを察したサンダールJr.はその場から離れようとしたが、突如電撃の縄が出現し自身を縛り上げた。

 

「あらあら、油断しましたね」

 

 ある程度回復した朱乃が「してやったり」と言わんばかりの顔をしていた。

 そして最大限まで高められた魔力を解き放つ。それは轟音と風圧を荒げた巨大な閃光となり一瞬でサンダールJr.を飲み込んだ。その威力と魔力量は今までとは比べ物にならずリアス本人でさえ驚いていた。

 

 魔力の閃光が止むと、直線上の地面は大きく削れサンダールJr.の姿は影も形もなかった。

 

「やったのか…?」

 

「そのような言葉は命取りになるぞ、小僧」

 

 後ろから声が聞こえ振り向くと無傷のサンダールJr.が立っており、鉄扇で一誠の背中を斬りつけ、背中から赤い液体が飛び散る。

 

「イッセー!!」

 

「確かに貴様の【滅びの力】は強力だ。当たれば私とて一溜まりもないだろう。だがそれは()()()()の話だがな」

 

 次の瞬間サンダールJr.が消え、左後方から赤い液体が飛び散るのが見えた。振り返るとそこにはサンダールJr.が鉄扇で子猫の身体を串刺しにしていた。近くにいた木場が助けようとするが、サンダールJr.は鉄扇を引き抜くと高速で移動し『赫悪彗星刀(シャークすいせいとう)』で彼の身体を斬り裂いた。

 

「子猫!木場!」

 

 リアスは魔力を放つが、当たる直前また姿が消し自身の後方に現れる。

 

「驚いたか?これは【響転(ソニード)】。謂わば瞬間移動のようなものだ」

 

「そんな技を…」

 

「何を言う。私以外の《死刃》も使える。だが私の【響転】は現《死刃》の中では最速を誇る。故にあれくらいの攻撃を躱す事など容易だ」

 

 自身の強化された魔力攻撃が通用しなかった上、眷属の3人がたった数秒でヤラれてしまった。リアスはサンダールJr.の強さに恐怖し足が震え始める。

 

「アーシアちゃん、私はもう良いからイッセー君達の治療をお願い」

 

「で、でも朱乃さん、まだ治療は終わっていません」

 

「私ならもう大丈夫よ。それよりも早く3人を」

 

「…分かりました」

 

 朱乃の治療をしていたアーシアは「自分はもう良い」と言われるも、まだ完治していないため渋った。だが彼女からの説得を受け一誠達3人の方へ視線を向けると承諾し治療しようと3人元へ駆け寄ろうとする。

 しかしサンダールJr.から放たれた1枚の手裏剣が、彼女の右袖を捉え後方にあった一本の木に貼り付けにしてしまう。さらに放たれる無数の手裏剣に四肢を貼り付けられ身動きを封じられる。

 

「小娘、貴様はそこでコイツ等がヤラれることを黙って観ているんだな」

 

 サンダールJr.は一歩、一歩とリアス・グレモリーにへと足を進める。

 

 今の自分達の状況は最悪である。一誠は深手を負い、木場、子猫は意識はあれど動かる状態ではない。朱乃も全快しておらず、アーシアも身動きが取れない。さらにどんな攻撃をしても【響転】で躱されてしまうだろう。もはやマトモに戦える戦力はない等しく、絶望に支配され掛け足に力が入らずその場で座り込んでしまった。

 

 だがそんな中ただ1人、立ち上がる者がいた。

 

「大丈夫です、部長」

 

 兵藤一誠、彼の瞳にはまだ光は消えていなかった。

 

「…イッセー」

 

「此処は…ここは…俺に…任せてください」

 

 彼は主人を安心させるために声を掛け痛みに堪えながら立ち上がり、リアスとサンダールJr.の間に入る。 背中の痛みに耐えながらもフラ付きながらも立ち上がり、リアスとサンダールJr.の間に割って入る。

 

 

「なんだ小僧。貴様から葬られたいのか?」

 

「…俺は誓ったんだ。部長を守るって!その為なら神様だってぶっ倒してやる!だからお前みたいな奴なんかにヤラれる訳にはいかないんだよ!」

 

「愚かな。あの回復娘は別として、貴様は先程からの行動を見る限り他の連中と比べて戦いの経験は浅いと見た。そんな奴がこのサンダールJr.を何とか出来ると思っているのか?」

 

「ウルセェ!確かに俺には朱乃さんみたいに魔力の天才じゃないし、子猫ちゃんみたいな馬鹿力もない!木場みたいに剣の才能もなければ、アーシアのような治癒の力もない!それでも俺は最強の【兵士(ポーン)】になる!部長のリアス・グレモリーの最強の【兵士(ポーン)】にな!!」

 

 そして龍手となった左腕を掲げると、緑色の宝玉が彼の言葉に反応したように輝きだす。

 

 

 

「行くぜ、禁手化(バランス・ブレイカー)

 

 

 

 一誠の身体が赤い光に包まれると、全身をドラゴンを模した赤い鎧────禁手【赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)】を纏った。

 

『さぁ此処が本番だ、鮫顔野郎!』

 

「それが貴様の切り札か。なら見せてもらおう。二天龍の一角と称されたその力を!」

 

 

─────────────────────────────

 

 

 一方のサーゼクス、黒腔を抜けた先、そこはリアスやライザーが行った会場ではなく、周囲には山岳以外何もなく、宙には数多くの星々が綺麗に輝いている。まるで宇宙のような光景が広がっていた。

 その中央には左右の頭部に天使と悪魔の生やし、紳士的な格好をした金髪の青年が立っていた。

 

「待っていたぞ。この世界の魔王よ」

 

「…貴方が僕の相手ですか」

 

「そうだ。先ずは自己紹介をしておこう。私は【ルーチェモン】。傲慢を司る魔王にして全世界最強の魔王だ!」

 

 不気味な笑いを浮かべるルーチェモン。その瞳から計り知れない程の悪意を感じた。しかしそれだけでない。どう言うことか自分達にとって天敵とも言える聖なる力も感じ取れる。

 

「我が主人はこの戦い(ゲーム)で私が勝った場合お前達を滅ぼす予定だ。しかし私は同族とも呼べるお前達が愛おしい」

 

「愛おしい?」

 

「その通りだ。愛おしいしくて愛おしいしたくて仕方がない。だから私は永遠の楽園を創ろうと思っている。そこでお前達全員に【幸せ】を与えてやることにした」

 

「…幸せ?」

 

「そう【幸せ】だ。例えこの戦い(ゲーム)に敗北しようとも、私が創る永遠の楽園で【幸せ】を手に入れられる。悪い話ではないだろ」

 

 信じられなかった。もしルーチェモンの言っていることが本当なら、例え自分が負けても悪魔の命運はまだ尽きない可能性があると言うこと。しかしサーゼクスは彼の言う【幸せ】と言う言葉には違和感を感じた。

 

「…では聞くが、その【幸せ】とは?」

 

 確認のために質問する。すると衝撃的な答えが返ってきた。

 

 

 

 

 

 

 

「私が創り上げる新たな世界で、私の法によって生きることだ」

 

 

 

 

 

 

 

 感じた違和感の正体はこれだった。先程の言葉は我々に向けた慈悲なのではない、「私に服従しろ」と言う意味だった。

 

「君に従えることが幸せと言うのか?」

 

「そうだ。それ以上の幸せはお前達にはないだろう?」

 

「そんなのを幸せと言わない。君の言う幸せは幸せではない、間違っているよ!」

 

「お前なんかと議論したところで仕方がない。いや、そもそも議論にすらなりはしない。全てにお当て完璧である私と、不完全であるお前では何を話したところで無意味と言うものだ。私は何が正しくて、何が正しくないのか見極める目を持っている。そしてそれをどうすれば良いのか知恵もある。この世界を支配するのに私以上の存在はいない」

 

 ルーチェモンはサーゼクスを下に見ている発言をする。『傲慢の魔王』なだけあってかなりの傲慢さ。もしあのままルーチェモンの答えに首を縦に振っていたら、どうなっていたことか。考えるだけでも恐ろしい。

 

「この戦い(ゲーム)が終わった後、私がより良い世界にへと創り変える。その為にはこの世界の全てを破壊する必要がある。お前達も全員一度死ぬことにはなるが心配するな。私が創り上げる新たな世界で、永遠の幸せを与えてやる」

 

「そんなこと…させる訳にはいかない!」

 

 サーゼクスは掌に魔道陣を展開し、そこから途方もない魔力の閃光が解き放たれルーチェモンを飲み込んだ。

 魔王クラスの【滅びの魔力】を食らっては一溜まりもないだろう。しかしそれは()()()相手なら。閃光の中から光が溢れると弾け飛ぶ。そこには全身白いオーラが纏われ、身体に傷一つ付いていないルーチェモンがいた。

 

「なっ!?」

 

「驚く事はない。寧ろあの様な攻撃が私に効くとでも思っていたのか?」

 

 今世紀最強の魔王と言っても過言ではないサーゼクスの魔力を、本気でないとは言え無傷であることが信じられなかった。

 ならばと今度は最後に無数の魔法陣を展開させ、そこから無数の魔力弾を連射。しかしルーチェモン着弾する前に全て消滅してしまう。そして片手で跳ね返され、逆に自分がダメージを受けてしまった。

 

「今度はこちらから行かせてもらおう」

 

 すると右側の背中に天使の羽根6枚、左側には悪魔の羽根6枚の計12枚の羽根が生える。そして瞬きする暇もなくサーゼクスの目の前まで移動する。

 

 

『パラダイスロスト』!

 

 

 高速で放たれる拳の乱撃がサーゼクスを襲う。

 

 攻撃が止むと片足でサーゼクスを上空にへと蹴り上げる。そして羽根を羽ばたかせサーゼクスと同じ高さまで飛び上がる。そして身体を逆さまにさせ、両足で両脇を押さえ付け左腕で足を抱え身動きを取れなくさせる。

 そして重力に伴い落下、身動き取れないサーゼクスはそのまま頭から地面にへと打ち付けられる。その衝撃で地面には亀裂が入り地響きが起こる。

 

 サーゼクスを離し飛び上がる。そのまま仰向けに倒れるサーゼクスは、痙攣を起こし呻き声を上げながらも身体を起こそうとする。

 

「ほぉ、私の『パラダイスロスト』を食らったにも関わらず、まだ動けるとは」

 

 自身の必殺技を生身で食らったのに、動けることに感心する。

 

「私はそう簡単にヤられないよ。リアスやイッセー君、それに冥界に住まう者達の為にも負ける訳にはいかないしね。」

 

 魔王としての多くの民の命を守る責務もあると思う。だがこの意見は魔王としてではなく冥界に住む1人の悪魔として、そして1人の兄としての意見である。何より今頃妹のリアスやその眷属達が頑張っているのに自分が惨めな姿を晒しては示しがつかない。そんな幾つもの想いを胸に抱き立ち上がる。

 

「威勢だけはいいな。しかし()()()()()()()貴様では、私に勝つことは出来ない。今からそれを証明してやろう」

 

 すると右手から光り輝く白い球体、左手からドス黒く輝く黒紫色の球体を出現させる。

 

「私は光と闇の力、両方を兼ね備えている。本来この2つの力は反発し合う。だが私はそれを1つにすることが出来るのだ!」

 

 先ず白い球体を投げるとサーゼクスは光り輝くドームに閉じ込められる。さらに黒紫色の球体を投げ混ざらせると『○』、『×』、『△』、『□』の模様が描かれた球体型の魔法陣が展開される。

 

 

 

『デット・オア・アライブ』!

 

 

 

 

『ウワァァァァーー!!』

 

 

 

 中からサーゼクスの断末魔とも言うに等しい叫び声が響き渡り、魔法陣が破裂すると先程よりもボロボロになったサーゼクスが倒れていた。

 

「ほぉ、生きているとは運がいい。最強と言われる魔王なら悪運も強いと言うことか」

 

 『デット・オア・アライブ』は名前の通り【生か死】か。2分の1の確率で影も形残らず完全消滅、もう半分の確率で大ダメージを与える技。その方でもサーゼクスは後者の方を引き当て消滅は免れた。しかしかなりのダメージを受けたことに変わりはない。

 

「まだ…まだ…」

 

「まだ立ち上がるとは。勝てないと分かっていても挑んでくる姿勢は美しい。その美しい光景を見せてくれた責めてもの慈悲として、私の階級を教えといてやろう」

 

 ルーチェモンが左手の甲を向けると数字が浮かび上がってくる。そこに刻まれていた数字は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

0

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「改めて名乗ろう。私は《第0死刃(セロ・エスパーダ)》、【ルーチェモン】。傲慢の魔王にして最強の魔王、そして最強の《死刃》だ!!」

 

 

 今目の前にいるルーチェモンこそ、死刃のトップ。本気ではないとは言え、自身の滅びの力が通用しなかったのだ。ある意味納得出来る。

 

 だが自分の所にいるのが死刃最強なら、リアス達の所にいるのは目の前の死刃(ルーチェモン)より実力は下と言うことになる。そこだけは良かったのかもしれない。

 だがどんな相手だろうと、リアス()達なら勝ってくれるに違いない。彼女には赤龍帝に加え優秀な眷属達がいるのだから。

 

 それにリアス()達も頑張っているのだから、自分がこんな所でへばっている場合ではないっと強く意志を持つ。

 

 

 しかしそんな考えも更なる絶望によって消え去るのであった。

 

 

「さらに見せてやろ。この私の更なる進化、そして真の力を!」

 

 




と言うわけで《死刃》最強はルーチェモンでした。
多くの方がゼルドリスが《死刃》トップと想像していたと思います。実際私もこの作品の初期の方ではゼルドリスをトップにする予定でしたから。
しかしメンバー探しをしている時偶然《ルーチェモン》の存在を知り、その圧倒的な実力から「コイツをトップにしよう」と思いました。
それから前話の「《死刃》は0〜10の11人だ」のセリフはずっと使いたかったのです。10以下と言えば「1〜10の10人」と想像する人が多いと思います。だからこの部分を書いている時は最高にHighな気分でした。

次回はレーティングゲーム終盤です。どのような結果になるのか楽しみに待っていてください。


余談ですが、原作の元第3十刃のネリエルの死の形がハリベルと同じ「犠牲」であることが判明しました。つまり死の形は個人別ではなく、階級ごとに固定されている可能性が高い言うことです。
しかし私の作品での死の形は階級ごとではなく、個人によって別々と言うことにしようと思っております。ご了承の方お願いします。
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