BLEACHの世界に最強になって転生 番外編 作:アニメ大好き
今年最初の投稿です。
昨年も色々ありました。10月には転職して新しい職場や作業になるのに苦労し筆が進まず、12月上旬には職場でインフルが流行して大変でした。しかしそれをなんとか乗り越えて新たな年を迎えることが出来ました。今年もどんな困難が待っていても乗り越えたいと思っています。
今回はレーティングゲームが行われていた裏での話と、レーティングゲーム後の話です。
前回の話最後に登場したリアス・グレモリーの眷属であった3人が何故デストロイヤーの仲間になったのか、彼女達に何が起きたのか明かされます。
それではどうぞ。
ゲームが終了し、デストロイヤー軍の冥界侵攻が始まって数分後のことである。ゲームの最中気を失ってしまった姫島朱乃が目を覚ました。
「う…うぅ…こ、ここは…私は確か…これは!?」
朦朧とする中意識が覚醒してくると、そこは赤黒い光に包まれた空間であった。さらに手首に違和感を感じると、紫色の光り輝くリングが嵌められ空中に吊られる状態となっていた。
「クッ…」
「ウッ…ウゥ」
「ッ!?裕斗君!?子猫ちゃん!?」
困惑する中突如聞きなれた声が聞こえ視線を向けると、そこには【木場裕斗】と【塔城子猫】が同じように拘束されていた。
「こ、ここは?」
「私はあの時身体を…朱乃先輩!?それに裕斗先輩も!?」
「良かった…2人とも生きてたのね」
朱乃は2人が意識を取り戻し、生きていたことに涙を流しながら喜んだ。よく見ると2人の身体の傷は塞がっていた。
「気が付いたようだな」
そんな3人の前にサンダールJr.が現れる。3人はなんとか抜け出そうと力を入れるが、リングは全くビクともしなかった。
「そう抵抗するな。別にお前達をどうこうしようって訳じゃない。少し話をしたいのだ」
「話?…僕達は君に話すことなんて何もないけど」
いつも学園ではニコニコして笑顔が耐えず「王子様」と言われている木場が、サンダールJr.に対しては厳つい顔で怒りの困った声を浴びせる。
それもその筈。3人はサンダールJr.を見ていると否応にも思い出すのだ。目の前で一誠が重傷を負わされたことを、今の自分の状況から見てや先程の彼の言葉から察するに辛うじて生きていた一誠にリアス、アーシアはもう…。そんな奴と1分1秒たりとも一緒の空間にいることさえままならない、今すぐコイツを倒したいと言う気持ちで一杯である。そんな時朱乃が口を開く。
「…一つ聞いてもいいかしら?」
「何だ?」
「…何故私達は殺さなかったの?」
彼女にどうしても一つ気になっていることがあった。────どうして自分達は今ここにいるのか?何故生かされているのか?その理由を知りたかった。
「簡単なことだ。貴様の持つ『復讐心』が気に入ったからだ」
サンダールJr.は見抜いていた、彼女達の奥底に眠るある人物達への憎悪を…。
「貴様の内には人には言えない程の憎しみの心が宿っている。そしてお前達は其奴等に『復讐』したいと思っていることも。そこで私がお前達の『復讐』に手を貸してる。その対価として貴様等には私達の仲間になってもらう。悪くない話だと思うが、どうだ?」
そう言ってサンダールJr.は3人に手を差し伸べる。確かに自分には憎悪を抱いている相手がいる。特に木場に関しては殺したい程復讐したいと思っている。それを手助けしてくれると言うなら願ったり叶ったりだが…
「巫山戯ないでください。貴方はイッセー君やリアス、そしてアーシアちゃんまでも殺した。そんな人の仲間になんて絶対なりませんわ!」
「僕も同意だね。例えどんな理由だろうとも、僕達は君の仲間にはならない」
「私もお二人と同じです」
…自分の大切な主人にして友人、そして同じ眷属であった仲間を殺した奴の誘いを素直に受けるはずはない。当然の答えだろう。
「…そうだな。確かに私は貴様の仲間を手に掛けた。だがそれはあの
サンダールJr.の説明に3人は言葉が詰まる。
確かに
「それにあの
「どういうこと?」
「考えてみろ。
サンダールJr.の発言に2人はハッとする。あの時は生きようと必死だったから考える暇がなかったが、よく考えてみれば出来過ぎている。
朱乃はとある人物と反発し各地を放浪したところをリアスと出会い、木場の場合は吹雪が吹き荒れるとある夜の雪山で放浪していた所を運良くあの場にいたリアスに救われた。だが各地を放浪していたたった1人と《偶然》出会うことが出来るのだろうか?あんな吹雪が吹き荒れる夜の雪山に女性が1人で《偶然》外に出るだろうか?
まるであの場所に自分達が来ることが分かっていたかのように。
「それに白い髪の小娘。貴様の場合は復讐したいと思っている相手を間違っている」
「間違っている?」
「知っているぞ。貴様には親族の姉がいること、そしてその姉が上位のはぐれ悪魔になったと言うことも」
子猫にはたった1人の家族である黒歌と言う姉がいた。しかしその姉が自身の主人を殺害したことにより『SS級のはぐれ悪魔』となってしまい、自身は1人になり悪魔から命を狙われた。それをサーゼクスが救い妹のリアスの眷属にへとなった。故に彼女は姉に対して嫌悪感を持っている。
「しかしだ、貴様の姉が【はぐれ悪魔】になったのは、その殺した主人の悪魔の自業自得のだ」
「ッ!?どう言うことですか、それは!?」
「貴様の姉はかなりの実力者だった。故にその悪魔の評価も上がっていった。だがそれに味を占めたそいつは、貴様を無理矢理眷属にしようとした。まだ力を上手く扱うことが出来なかったお前を」
「ッ!?ま、まさか…」
「流石にここまで言えば、貴様の姉が何故その悪魔を殺したのか分かるだろ?」
サンダールJr.は姉が『はぐれ悪魔』になった経緯を事細かく説明してくれた。流石にここまで説明されて分からない程彼女も馬鹿じゃない。
「…姉様は…私を守る為に…」
「そうだ。貴様の姉は貴様を守るためにその悪魔を殺したのだ」
サンダールJr.から口から出てくる真実に子猫の頭は理解が追いつかないでいた。
サーゼクス達は『姉は仙術の力に呑み込まれ暴走した』と言っていた。だから姉に全て問題があると思っていた。だが真実は違かった。姉は自らの人生を棒に振ってまで自分を守ろうとしてくれた。
もしこの事が本当だとしたら、何故
一誠は今世の赤龍帝で【
自分達の命を救ってくれたし、居るべき場所もくれた。何より自分達のことを本当の家族のように接してくれた。
だがもしそれが慈愛ではなく、自分達を縛るための鎖だったら。
自分達は家族ではなく、自身の株を上げるための道具としか見ていなかったら。
悪魔は傲慢で欲望に忠実な者が多い。
「真実を知り心が折れかけているのか?だが心配する必要はない。私が、いや私達がお前達の新たな支えとなってやろう。先程の質問をもう一度言うぞ。私達と共に来ないか?」
サンダールJr.は再び3人を勧誘しようとする。だが3人とも先のように拒もうとはしなかった。今の話で
「ッ!?」
「だ、誰です?」
何処からともなく声が聞こえてきた。しかしそれはサンダールJr.でない。そしてこの声は自分達にしか聞こえていないようである。
「僕達の…したいこと」
その言葉を聞いた3人は心の中の堰き止めていた物が砕け散るような感覚に見舞われ、サンダールJr.にへと視線を向け口を開いた。
「分かりました。私は貴方と共に行きます」
「僕もお願いするよ」
「私も」
己の欲望、内に秘めている『復讐心』に素直なり仲間になることを承諾した。
「…いいだろう」
サンダールJr.は指をパチンっと鳴らし、3人を拘束していたリングが消し、手を差し伸べる。
「ようこそ、我がデストロイヤー軍へ。…新たな同志達よ」
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時空が歪み現世とは離反されたとある空間。そこに【
【
その中の一つに『旧魔王派』と呼ばれる一派がある。
ここ属する者達は初代の魔王の血を受け継いでいる者及びその一党によって構成されている集団。その主な目的は現魔王を倒すこと。初代魔王の血を引いているにも関わらず魔王の座に付けなかった。そのことから現魔王達を「偽りの魔王」と憎んでいる。だからある存在の力を借り世界を破壊した後再構成させ、初代魔王の血を引く自分達が支配する世界を作ろうとしている。
その集団のトップ達の前に眼鏡をかけたエジプトのスフィンクスに似た女性が現れる。
「何者だ貴様!どうやってここに入ってきた!」
「ここを何処だと思っている…貴様のような奴が入ってきていい場所ではない」
「ここから出ることを勧めるわ。それとも痛い目に合いたいのかしら?」
旧魔王派のトップに君臨する【シャルバ・ベルゼブブ】、【クルゼレイ・アスモデウス】、【カテレア・レビィアタン】は突然現れた不審者に警戒し威嚇する。
「そう身構えないでください。私は別に貴方達と戦いに来たわけではないのです。先ずは挨拶をしましょう。私は【スフィンクス】。貴方達を勧誘にし来ました」
スフィンクスと名乗った女性は丁寧口調で眼鏡の奥の青い瞳から3人を見つめていた。
「勧誘だと?」
「エェ。貴方達のことは知っています。貴方達は皆初代魔王の実の血を引いていること。魔王の座に付けなかったこと。そして現魔王を倒し世界を支配しようとしていることも」
「…貴様…我々を愚弄する気か…」
「そんなつもりはありません。それより貴方達に是非観てもらいたいモノがあります」
「観てもらいたいモノですって?」
「実は今私達の仲間が、とある悪魔達とゲームをするところかのですよ」
「ゲーム?レーティングゲームのことか。それがどうした?何処の馬の骨かも知らん奴のゲームなど、我々には関係ない」
「そうでもありません。そのゲームをするとある悪魔と言うのが──サーゼクス・ルシファーなのです」
『!?』
サーゼクスの名前を出した瞬間3人の表情が変わった。現魔王の1人にして今世最強の魔王が訳が分からん奴の仲間とレーティングゲームをするのだから。
「そろそろ時間ですね。話の続きはこちらをご覧いただてからにしましょう」
4人の目の前にモニターが出現し、とある映像が映し出される。それはサーゼクスとルーチェモンとのゲームの映像であった。
3人はルーチェモンの姿を見た途端、余裕の表情が消え金縛りにあったかのように目が離せないでいた。映像越しであるが分かる。まるで目の前にいるかのような威圧感、そして身体から溢れ出る光と闇のオーラ、恐らく奴の実力は自分達よりも上、もしかすると初代魔王を含めた歴代魔王達の誰よりも強いのではないかと。その予想は的中する。
サーゼクスの先制攻撃により【滅びの魔力】に飲み込まれたが、消滅どころか擦り傷一つ付いていない。さらには自分達よりも強大な魔力により攻撃等でサーゼクスを瀕死に近い状態まで追い込んでいる。
そしてルーチェモンは神の如く黄金に神々しく輝く姿にへと変貌、サーゼクスの本気の滅びの力さえも凌駕してしまう。隠していた実力に差があり過ぎた。そしてルーチェモンはサーゼクスを倒して勝利した。
「どうです皆さん、分かっていただけたでしょう。我々の力を持ってすれば魔王は勿論、冥界その物を葬り去ることさえ可能なのです。しかし貴方達をここで葬ってしまうのは惜しい。そこで提案があります。我々の仲間になる気はありませんか?」
その光景を見せスフィンクスは改めて勧誘を申し込む。
今世最強と言われる魔王を相手にほぼ無傷で勝利してしまう程の実力、そして神にも匹敵する程のあの神々しい姿に『逆らってはいけない、歯向かってはいけない』と本能が支配される。だが…
「我々がお前達の仲間になる?ハッ、笑わせるでない!」
「別世界の魔王だか知らないが、そんな奴に従うつまりなどない!」
…シャルバとクルゼレイは誘いを即断った。魔王の血を引く自分達が誰かの下に付くなどそんなこと断じてあってはならない、何より魔王としてのプライドが許さない。
「あ、あの〜。一つ聞きたいことがあるんだけど、良いかしら?」
しかしカテレア・レヴィアタンだけは少しオドオドしながら、も言うより恥ずかしいそうに質問してきた。
「何でしょう?」
「さ、さっきのゲームでサーゼクスを倒した殿方なんだけど…お、お会いすることは可能なのかしら?」
「エェ、我々の仲間にならば可能でしょう」
「そうなの…いいわ。私は貴方達の仲間になるわ」
なんとカテレアは勧誘にOKを出したのだ。勿論彼女のその言葉に2人は黙っていない。
「何を言っているカテレア!?」
「貴様魔王としての誇りを捨てるのか!?」
別世界とは言え、ぽっと出の魔王に従うなど初代魔王の血を引く者の恥晒しと言っても過言ではない。
「貴方達こそ分からないの?あの絶対的な力、そしてあの美しくも神々しいお姿…まさにあの殿方こそ、この世界を支配するのに相応しいお方だわ!」
しかし今の彼女にはそんなことどうでもいい。ルーチェモンのあの神々しい姿の前では現魔王のことも、新世界の魔王になることも、世界を支配することも全てがどうでも良くなっていた。ただ彼の方の側に仕えたい、それだけである。
実はカテレアはルーチェモンに惚れてしまっていた。今世最強の魔王をも凌駕する力、更にはあの黄金に輝く神々しい姿、それを見た瞬間完全に惚れてしまったのだ。
今の彼女の顔は恋する乙女になっていた。
「それで、そちらのお二人はどうするのですか?」
「ふん、そんなの決まっている」
「これが…答えだ」
シャルバとクルゼレイが掌を向けると魔法陣が展開され魔法が放たれる。スフィンクスはライオン顔の大型砲【ウィズダムカノン】を構え、緑色の火炎で砲撃し相殺させる。
「ほぉ。我々の攻撃を受け切るとは、少しはヤれるようだな」
「成程、これが貴方達の答えですか。…なら仕方ありません」
スフィンクスは【ウィズダムカノン】の銃口を2人に向ける。
「我等が主人、デストロイヤー様の障害に成りかねない貴方達には消えてもらいしょう」
「ふん、我々に戦いを挑むとは愚かな」
「後悔させてやる」
そしてスフィンクスvsシャルバとクルゼレイの戦闘が開始されるのであったが…
「何だ…この強さは…」
「オーフィスの力を得た我々が手も足も出ないなんて…」
…結果は見ての通りスフィンクスの圧勝であった。2人は戦闘を開始する直前に【蛇】と言うアイテムを使い力を増大させ、2対1と言う完全に自分達が有利な状況だと言うのにほぼ手も足も出なかった。
シャルバとクレゼレイは【蛇】を使用後それぞれ魔法陣を展開させ、より強力になった魔力を放つが、スフィンクスは【響転】を使用し姿を消す。
予想外のことに戸惑う2人、その時突如クレゼレイの背中が爆発し吹き飛ばされる。シャルバが振り向くとスフィンクスが後方から【ウィズダムカノン】を向けていた。
反撃しようとするも、スフィンクスは【ウィズダムカノン】の上部から一本の刃【ライオニックブレード】を出し、その身体から思えない程の腕力で【ウィズダムカノン】を振り回しシャラバを斬り付け吹き飛ばす。
そしてスフィンクスは【ウィズダムカノン】の銃口を向け、一球の火球を放ち2人を吹き飛ばし現在に至る。
「何故だ…何故だ何故だ何故だ…私はベルゼブブの正統な後継者なのだぞ…それがこんな訳の分からん奴に…」
特にシャルバには現状は屈辱であった。初代ベルゼバブの末裔であり真の魔王である自分が突然現れた何処の誰だか分からない奴にコテンパンにされているのだから、彼のプライドは大いに傷付いた。そんなシャルバを他所にスフィンクスは彼等に衝撃的な言葉を語り出す。
「言い忘れていましたが、私は先程ゲームを行っていたルーチェモンもより階級は上、つまり彼の上司に当たります」
サーゼクスをアッサリ倒したルーチェモンの上司、簡潔に言うなら彼よりも強いと言うことになる。そんな奴に勝てる訳がない。自分達は触れてはいけない者に触れてしまったのかもしれない。
「これ以上時間を費やす訳にもいきませんので」
【ウィズダムカノン】の銃口を倒れている2人に向け、そこに黄色球体型のエネルギーが凝縮されていく。
そして黄色い一筋の閃光が放たれシャルバとクルゼレイを一瞬で飲み込んだ。
その光景には同じ立場にいたカテレアも驚きを隠せなかった。初代魔王の血を引き【蛇】を使用し強化し、2対1と言う圧倒的有利な状況なのにほぼ何も出来ずに終わったのだから。
「では、カテレア・レディアタンさん」
「は、はい!?」
「今から貴方を私達の拠点へ案内します」
スフィンクスは黒腔を出現させ中へ入っていく。カテレアは戸惑いながらもその後を付いて行く。
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とある神社、ここは姫島朱乃の家。そこは今結界に閉じ込められていた。その中には朱乃と悪魔はと別の黒い翼を持った男性が地面に倒れ伏せていた。
「あ、朱乃…」
「どうしたんですか?もう抵抗しないんですか?お父様」
男性の名は【バラキエル】。堕天使の幹部の1人にして姫島朱乃の実の父でもある。何故実の父親にこんなことをしているのか。それは──────彼女の復讐対象だからである。
彼女は幼い頃、堕天使の血を引いていると言う理由で始末され掛け、母親が自分を庇って命を落とした。その後駆け付けたバラキエルによって襲撃者達は皆殺しにされたが、その時には既に母は生き絶えてしまっていた。
どうして母が死ななくてはならなかったのか。どうして自分が殺されそうになったのか。どうしてあんなことが起きたのか。──────それは
自分を襲撃してきた者達は「自分が堕天使の血を引いている」と言う理由で襲ってきた。だから
そう全ては
サンダールJr.との会話で内に秘めていた嫌悪感が膨れ上がり、堰き止めていた憎悪が解き放たれた。そして朱乃はバラキエルを自分達の家に呼び出し、それに釣られてやってきた父親を結界に閉じ込める。
『朱乃!?これは一体どう言うことだ!?』
『気安く呼ばないでください。貴方の血を引いていたからあの日私は殺されかけた。そして貴方の血を引いていたからお母様が死んだ。全て貴方から受け継いだ醜い血のせい、全て貴方がいけないよ!』
『朱乃…』
『だからその根源である貴方を私の手で葬ることで全てに終止符を打つ』
朱乃は特大の落雷を落とし先制攻撃をする。だがバラキエルは堕天使の幹部、そう簡単にはヤられない。
上手く回避し朱乃傷付けないように、威力を最小限まで落とした魔力を放つ。しかし朱乃はニヤリっと笑うとその場から消えた。
『なっ、消えた!?』
『こっちですわ』
バラキエルは振り向いた瞬間、朱乃に顔を捕まれそのままゼロ距離で電撃を流され悲鳴を上げる。その後電撃を止め朱乃が手を離すと、今度は電撃で作った縄でバラキエルの首を閉められる。そして地面に何度も何度も叩き付ける。
その後も朱乃の予想だにしない攻撃に翻弄されるバラキエル。しかし本来幹部クラスなら力づくでも跳ね除けることは出来るだろうが、実の娘が相手と言うってこともあり意識してしまい抵抗することが出来ず良いように痛めつけられ、結果現在の状況に至るわけである。
「それにしても堕天使の幹部ともあろう者が、こんな醜態を晒すだなんて…情けないですわね」
蔑む朱乃の右手に堕天使が使う光の槍が出現する。
「せめてもの情けで、貴方と同じ堕天使の力でトドメを刺して上げます」
「ウッ…グッ」
「さようなら、お父様。
そして勢いよく振り下ろし、頭部を串刺しにする。堕天使バラキエルは実の娘の手によってこの世を去った。
「フフフ…これが復讐をやり遂げる感覚…最高の気分ですわ」
自身の復讐をやり遂げた彼女の顔は、うっとりした表情で熱っていた。
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一方木場の方は、何処か暗い施設で眼鏡を掛けた肥えたおっさんと対峙していた。
「貴様何者だ!何故私を襲う!?」
「何故だって?忘れたとは言えせないよ。お前の所為で人生を狂わされた、あの【聖剣計画】ことを!」
彼の本当の名は【イザイヤ】。嘗て『聖剣計画』と言う実験によって集められた被験者の1人であった。
『聖剣計画』とは、僅かでも聖剣使いの因子を持つ子供達を集め、その因子を抽出し人工的に聖剣使いを生み出すと言うモノ。しかし彼は因子不足とみなされ、他の候補者達とともに処分されそうになった。しかしその直後他の候補者達の手によって逃がされ、その後リアス・グレモリーと出会ったのである。
いつも爽やかな王子様を演じているが、その内には聖剣に対して激しい憎悪を抱いていた。そして今あの計画の首謀者にして復讐者が目の前にいる。
「ほぉ、あの時の生き残りがいたのか。なら丁度いい。コイツの実験台になってもらおう」
バルパーは近くにあった一本の聖剣を手に取り振り翳す。すると物凄い衝撃波が起こり辺り一面を吹き飛ばす。
「どうだ聖剣の力は。まだ不完全とは言え貴様を葬るには充分だろう」
「…」
バルパーはニヤニヤしながら言うが木場は答えない。と言うより彼はバルパーを見ていない。今の彼に見えているもの、それは自分にとってこの世で最も憎む存在。
「聖剣を前にして声も出ないか。なら今直ぐ仲間の元へ送ってやろう」
バルパーはもう一度聖剣を振り翳し衝撃波を発生させる。それを木場は同じように剣を振り翳すと同様の衝撃波を発生させ打ち消してしまう。
「何ッ!?」
聖剣の攻撃が鈍の剣に掻き消されたことに驚愕する。だがそんな彼を他所に木場は目にも止まらぬ速さで周りを移動し撹乱させる。何とか捉えようと辺りを見渡すも【騎士】の頃の速度も含め目で追うことが出来ず気付いたら時にはもう既に目の前に木場がおり、刀身が赤く輝く剣を振り上げていた。
「無駄だ。貴様の鈍な剣ごとにでは聖剣は切れ…」
「…ハッ?」
…バルパーは聖剣で木場の剣を防ごうと翳したが、何と木場の剣から赤い斬撃が繰り出され聖剣は真っ二つに切断される。さらに聖剣を貫通しバルパーの身体も斬り裂かれる。
何が起こったのか状況が追いつかないバルパーを他所に、木場は目にも止まらぬ速さで斬り裂いていく。何度も、何度も、何度も何度も何度も。そして数秒後にはバルパーだった細かく刻まれた無数の肉片が散らばっていた。
「…フ、フフフ…フッハハハハハハハハハ!!やった、やったよ皆。仇は取った、これで君達も浮かばれるはずだ。そして僕の、いや僕達の力は聖剣を超えたんだ!!僕達の力が聖剣を打ち破ったんだ!!アハハハハハハハハハハ!!」
己の復讐をやり遂げた木場は狂ったように高笑いした。
今の彼の姿は学園で王子様と言われていた爽やかでクールな面影はなく、その顔は狂気に取り憑かれているようであった。
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そして子猫は冥界に残り、デストロイヤー軍の者達と共に悪魔を全滅していた。倒れていた1人の悪魔の頭を鷲掴みに自身の顔まで持ち上げ睨み付ける。
「た、頼む…助けて…」
「五月蝿いですよ、穢らわしい悪魔が」
命乞いをするが子猫は表情一つ変えず、その悪魔の頭部を握り潰した。
サンダールJr.の話を聞き、姉が苦しい目に合うことになった原因が悪魔であることが分かった。しかも自分を救ってくれたと思っていた
故に彼女の復讐の対象は、『姉』からその姉を苦しめるきっかけとなった『悪魔』にへと変わった。
今の彼女には悪魔に対しては一切の容赦はないだろう。
「私や姉様を利用した穢らわしい悪魔達を…全て葬る」
その後も彼女は向かってくる者は勿論、逃げ惑う悪魔達にも女、子供関係なくその拳を振るうのであった。
リアス眷属の3人には復讐、憎悪、嫌悪している存在がいた。
朱乃は父親、木場は聖剣及び聖剣計画に関わった者、子猫は姉に対してそれ等の感情がありました(子猫の場合は色々あり対象が悪魔全体に変わりましたが)。そこをサンダールJr.の後押しによって爆発、対象を葬る力を与える条件として仲間になったのです。その後3人は自分達を悪魔の呪縛から解放してくれたこと、復讐をやり遂げる力をくれたことに感謝し自らサンダールJr.の従属官になることを望んだ…と言う経緯です。
無理矢理感があるかもしれませんが、朱乃と木場に関しては原作でも相当毛嫌いしていたし、子猫に関しても最初は姉が全て元凶だと思っていたのが、実は姉がヤっちまった元主人の悪魔の方が元凶だったと知ったら疑いたくもなるでしょう。そこに最後の手を加えればこうなっていたと思います。
次回は前話の最後の部分でニワがデストロイヤーに言った要望についてと、《死刃》ではない人物が中心(?)となります。ニワが要望した事とは何か、そしてどんな人物どんな世界の話か楽しみにしていてください。感想等お待ちしまいます。
本年も私の作品を宜しくお願いします。