BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

4月が始まり進級や新社会人デビューと新たな人生の幕開けをする人もいます。そして気付けば今年も4ヶ月が過ぎました。1年は長いようで短いです。皆様も悔いのないように1日1日を過ごしていきましょう。

今回は《死刃》ではない者が中心となります。先に言っておきますが、タイトルにある『F』とは某ジャンプ作品の『F』様ではありません。
そして今回の元の作品の原作はR18指定の作品です。しかしこの作品ではそう言った表現はしません!そこの承知の上観たい、観てみたいと言う方はお進みください。

それではどうぞ。


本編
21話 Fの逆襲 前編


デストロイヤー軍本拠地

 

 その巨大な一室───王座の間でデスロイヤー軍全勢力が集まっていた。そしてその祭壇の前に佇むデストロイヤーと側近の3人。

 

「皆さんお忙しい中、集まっていただき誠に感謝します。今回皆さんをお呼びしたのはある重要なお知らせを伝えるためです。それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ニワさんが《第6死刃(セスタ・エスバーダ)》の座を

 

脱退することを宣言しました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉に全員が驚愕する。『死刃』は数多くいる幹部達の中から選ばれた最強の証。その誇り高い称号を自ら手放すなど以ての外。

 

 何故このようなことになったのか、その経緯は少し前に遡る。

 

 『ハイスクールD×D』の世界を制圧後の宴会中、ニワはデストロイヤーに話があると宴会場から離れた後に《死刃》の座を降りたいと自ら申し出たのだ。

 流石のデストロイヤーも予想だにしなかった言葉に理由を聞いてみた。それはゲームの説明後に行われたそれぞれの《死刃》の現状を報告。そこで自分より階級の低い者が世界を制圧したことを知った。

 

 

『今の俺には《死刃》の座を背負うには役不足です。ですので《第6死刃(セスタ・エスパーダ)》の座を脱退したく思います!』

 

 

 勿論デストロイヤーも説得しようとしたがニワの決意は固く、そんな彼の意志を尊重しく承諾したのであった。しかし…

 

 

「ま、待て!本当で言っているのか!?《死刃》の座を降りるなどと!」

 

 

 …この議題に意を唱える者がいた。《第9死刃(ヌベーノ・エスパーダ)》の【サーガイン】である。

 彼はニワとは同じ武人派であった死刃の中では1番気が合った。幾らニワ自身が脱退を宣言したと言えど、友とも言える存在が同じ土俵から降格することに心を痛めていた。

 

「…他の《死刃》達は他世界の侵攻を完了しているのに対し、拙者はデストロイヤー様の命令とは言え途中で帰還してしまった。そんな拙者が《死刃》の称号を持つなど愚の骨頂なのだ」

 

「それを言うなら俺だって同じだ。お前だけではない。それにデストロイヤー様が言ったではないか。『任務の途中でも構わん』と。だから気に病む必要はないはずだ」

 

 確かにデストロイヤーからの緊急収集があり、急遽死刃含め全勢力に帰還命令が下された。その時に「任務の途中でも構わないので、戻ってくるように」と言う連絡を受けた。故にデストロイヤー本人もそのことに対してのお咎めはない。

 

「確かに。だが【テリーX】の奴は既に一つの世界の制圧を完了しておった。だが俺は制圧は疎か、ボロボロになって戻ってきてしまった」

 

 

 

ニワ(6)    と   テリーX(7)

 

 

 たった一つ違いの階級とは言え自身より下位の者が成果を上げていたのに対し、自身は深傷を負って戻ってきたのは事実。ニワはその自身の軟弱さに怒りが湧いたのであった。

 勿論制圧した世界のレベルや相性にもよると思うが、それでも武人の誇りが許さなかったのだろう。

 

「俺は《死刃》に選ばれたことに浮かれ、己の力を過信していた。故にこんな結果を残した。だから一度《死刃》としての座を退き、己を高め直すと心に誓ったのだ!!」

 

「…分かった。お前がそこまで言うなら俺はこれ以上言わん。だが約束しろ、必ず《死刃》に返り咲くと!」

 

「あぁ」

 

 サーガインはニワの固く強い意志を尊重する代わりに、《死刃》に戻って来ることを約束しこの場を引き下がった。

 

「どうやらお話は付いたようですね。では正式にニワさんの《第6死刃》の称号を剥奪とします!」

 

 

 デストロイヤーの宣言により、今この時を持って【ニワ】は《第6死刃》の座を降りた。

 

 

「しかし空席となった【6(セスタ)】をそのままにしておく訳にもいきません。ですので《死刃》候補から1人、その座に相応しい者を新たに向かい入れようかと思い「宜しいでしょうか、デストロイヤー様」

 

 デストロイヤーの発言中、1人の男性が挙手し一時中断する。

 

「おや?どうかしましたか、〇〇さん」

 

「エェ、丁度いい機会なので是非お願いしたいことがあります」

 

 その男は表情を一切崩すことなくデストロイヤーに向かってお辞儀をする。しかしその男の性格を知っている者達からすれば、くだらないお膳立てに過ぎず逆に不愉快な気持ちになる。

 

「それでそのお願いとは?」

 

「はい、よろしければその空いた【6(セスタ)】の座を───────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

僕にいただけないでしょうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 何と自身を《死刃》へ昇格させてほしいと言うかなり高度な要求であった。この発言には全員騒めきだす。

 

「なっ!?巫山戯るな!《死刃》は俺達幹部の中から選ばれた最強の戦士だ!それを候補でもない貴様が《死刃》に居座るなど言語道断だ!」

 

「その意見にはワシも同意だ。貴様の様な貧弱な奴がワシ等と肩を並べるなど虫唾が走るわ!」

 

 勿論そんな大それた要求誰も許すはずもない。特に【誇り(プライド)】の死の形を持つサーガインと、『力こそ全て』と言う考えを持っているデモゴルゴンが抗議する。

 しかし彼等の意見も尤も。いきなりシャシャリ出て「空席が出来たからその座をください」なんて図々しいにも程がある。況してや《死刃》候補でない者なら尚更。何よりサーガインにとって自身の友とも言える存在の後釜が、この男になるのが我慢ならなかった。

 

 だが男性は言い寄られても涼しい顔で冷静に対応する。

 

「確かに力は大事だと思うよ。でも優れた頭脳だって大切じゃないかな?まぁ君達のように誇り(プライド)だけが高い堅物や、力だけしか取り柄のない単細胞には分からないだろうけどね」

 

「な、何だと!」

 

「貴様…言わせておけば「お2人共止しなさい」ッデ、デストロイヤー様!?しかし」

 

「〇〇さんの言うことにも一理あります。彼のように優れてた頭脳を持っていれば多少の力の差は補えるでしょう。しかしサーガインさんとデモゴルゴンさんの言い分も尤もです。現に他の《死刃》達も納得出来ない者は多いでしょう。ですから私から一つ条件を出します」

 

 このままでは収集がつかないと判断したデストロイヤーは男性の《死刃》昇格のための条件を課すことにした。

 

「その条件を達成することが出来たら、貴方の《死刃》への昇格を認めることしましょう」

 

「分かりました。それでその条件とは?」

 

 

「一つの世界を征圧してくることです」

 

 

 課せられた条件───それは一つの世界の征圧。一般の数字持ち、況してや《死刃》候補でもない者が世界を征圧することが出来たとしたら、かなりの評価に値する。条件としては妥当であろう。

 

「この条件を見事達成出来ましたら、お約束通り貴方を《死刃》に昇格しましょう。しかし貴方は候補ではないので階級は最弱の【10】になってしまいますが、それでもよろしいですか?」

 

「はい、構いません」

 

「それでは〇〇さん、準備が出来ましたら出発してください。どの世界に行くかは、貴方が決めて宜しいですよ。では皆さん、この場は一旦解散とします」

 

 デストロイヤーの発言によりその場は一旦解散となる。

 

「フフフ、この時が来たんだ。アイツらに復讐する時が。待っていろ〇〇○共。お前達を倒しその後は…フフフフフフ」

 

 男性は内に秘める不気味な笑いをしながら、とある世界への侵攻の準備に取り掛かるのであった。

 

──────────────────────────────────

 

 

とある世界

 

 何処にでもあるような普通の朝を迎え、朝日が明るく照らす。その町中を制服を着た4人の男女が登校していた。

 

「ふあ〜あぁ」

 

「直君凄い欠伸だよ」

 

「ナオト、昨日も夜更かした」

 

「お兄ちゃん、夜更かしのし過ぎは良くないよ」

 

「そんなこと言ったって仕方ないだろう。毎日みんなに『(アモーレ)』を与えてるんだから」

 

 男性の名は【神野直人(じんのなおと)】。年頃の男子より性欲が強く下心を剥き出しな男。だが自分の大切な彼女や家族を守りたいと強い正義感を持っている。

 

「それはそうだけど、直くんそんなで期末試験大丈夫なの?」

 

 彼女の名は【真辺(まなべ)リカ】。神野直人の幼馴染にして彼女。少し天然なところがあるが、非常に真面目で面倒見がいい性格をしている。まさかに『頼れるお姉さん』と言う感じ。

 

「大丈夫、大丈夫。なんとかなるって」

 

「でもお兄ちゃん、今回のテストで赤点取ったら補習だって先生に言われたって言ってたよね」

 

 こっちのツインテールの少女は【神野(じんの)ひかり】。直人の妹で極度のブラコン。リカとは子供の頃から良くして貰っており姉ように慕われているが、大好きな兄と付き合っていることを知った時にショックを受けた。しかし偶に直人の取り合いになって揉めることはあるが、2人は今も良好である。

 

「うっ!そ、それは…」

 

「直くん。確かに『(アモーレ)』を溜めるもの大事だけど、今は期末試験に向けた勉強の方が大事だよ」

 

「ん。直人には勉強も頑張ってもらわないといけない」

 

 そしてこっちのちょっと無愛想な少女は【神野(じんの)ナギ】。彼女はある場所で作られた人工生命体、所謂アンドロイドに近い存在。出会った当初は無口で無表情、感情が薄くまさに人形そのモノと言っても過言ではなかった。だが直人とリカと関わっていいくに連れて少しずつ柔らかくなっていき、今では前よりも感情を表に出すようになった。

 

 そしてこの女子3人には人には言えないある秘密がある。嘗て悪魔からこの世界を守った天使─────【ジブリール】なのである。

 

「そうだ!だったら今日は放課後勉強会しようよ」

 

「エッ!?」

 

「あっ、それ良いですね」

 

「私も賛成」

 

「お、おい勝手に決めるなよ!?」

 

「大丈夫。分からないところは私が手取り足取り教えてあげるから」

 

 そう言ってリカは直人の右腕に抱き付いた。

 

「あっ!リカお姉ちゃん狡い!私も〜」

 

「私も直人とハグする」

 

 リカの行動に嫉妬した2人は、それぞれ直人のもう片方の左腕と胸に抱き付く。モテない男性達から見たら羨ましい光景『リア充爆発しろ!!』っと心の中で思っていることであろう。

 

 

 

「よ、相変わらず仲がいいな」

 

 そこに別の男女4人がやって来る。

 

「お!剣人」

 

「ももさん、おはようございます」

 

「葵さんにユズハさんも、おはようございます」

 

「おはよう」

 

 先ず話しかけてきた男性は【沖田剣人】。直人と同じくらいのスケベ心の持ち主だが、彼もまた直人に負けないくらいの強い正義感を持っている。

 

「直人さん、リカさん、ひかりちゃん、ナギちゃん、皆おはよう。朝から4人共元気だね、あははは」

 

 ピンクの髪の女の子は【早乙女(さおとめ)もも】。しっかり者でおっとりしたマイペースな性格をしているが、少し抜けているところがある。剣人の身の周りの世話をするのが趣味で、面倒見がよく誰にも気軽に話しかけてくれる心優しい子。

 

「全く、朝から何やってるのよ。もう少し人目を気にしなさいよ」

 

 黒髪のロングヘアーの子は【綾小路葵(あやのこうじあおい)】。生徒会長にして頭が良く運動神経も抜群、まさに絵に描いたような優等生。しかしその真面目さ故に素直になれず、手を出してしまうことが偶に傷である。

 

「でもそう言う我々もリカさん達のこと言えないと思いますよ」

 

 こっちのヤケにテンションが高いツインテールの子は【星川(ほしかわ)ユズハ】。自由奔放で自分の気持ちに素直、葵とは真逆の性格をしている。そのためよく葵のことを揶揄うことが多い。

 

 彼女達3人もまた真辺リカ、神野ひかり、神野ナギ(3人)と同じく悪魔と戦ってきた【ジブリール】である。

 

「それどう言う意味よ、ユズ」

 

「だって私達も剣人さんと『(アモーレ)』を溜める為に毎日イチャイチャしてるじゃないですか」

 

「イ、イチャイチャって…私は別に剣人とはそんなんじゃ…」

 

「とかなんとか言って、昨晩寮全体に響き渡るくらい大きな声で喘いでいたじゃないですか」

 

「わーー!ユズ何言ったのんよアンタはァ!!」

 

「あ、葵ちゃん落ち着いて!ユズちゃんも駄目だよォ〜」

 

 とまぁ、こちらの方も毎朝恒例のように元気に騒いでいる。そしてこの4人は幼馴染で現在は生徒会専用の学生寮に住んでいる。

 

「向こうも相変わらずだな。それにしてもアイツ等と出会って、もう一年くらいになるんだな」

 

 実はこの4人(もも、葵、ユズハ、剣人)は元々直人やリカ達とは別の世界の住人であった。だがとある2人の悪魔が起こした事件によってそれぞれの世界が交わり、それがキッカケで知り合い、共に戦い事件を解決した。だがその後世界はどう言う訳か統合されたままで戻らなかったので、今では同じ学校に通っており良く交流している。

 

「そうだね。あの時はまさか私達以外に【ジブリール】がいるだなんて驚いちゃった」

 

「私もだよ。それも異世界の【ジブリール】なんて」

 

「私も、初めて聞いた時はビックリした」

 

「それはこっちも同じよ。全くあの2人は本当に困ることしかしないんだから」

 

「でもそのお陰で剣人さんやリカさん達と出会うことが出来たよ」

 

「そうです。新しい友人が増えてユズは嬉しいです」

 

 そう言いユズハはリカ達に勢いよく抱き付く。確かに良い出会たキッカケは良いものではなかっただろう。それでも心強い仲間(友人)が増えたことは素直に喜ばしいことだ。

 

 

「皆さん相変わらずお熱いですね」

 

「うわっ!」

 

「ラ、ラヴちゃん!?」

 

 そこに何処から他もなく背中に小さな羽根を生やし、頭に輪っかを浮かばせた幼女がひょっこり出てきた。この幼女の名は【ラヴリエル・ド・ドットプランシェ】通常【ラヴ】。悪魔と戦うため天界から派遣されてきた天使であるが、戦闘で力を使い果たし戦えなくなった。そこで真辺リカに代わりに戦ってほしいと天使の力を与える。

 

 言うならば彼女達が戦うハメになったのは、コイツが原因だったりする。

 

 その後は主にジブリール達のサポート役にへと徹するが、己の行為を棚に上げ他者を煽りまくり、最終的には激怒され吹き飛ばされると言うトラブルメーカーと化した。現在もそれは変わらない。

 

「しかし道中で組んず解れつをするとは、朝からお盛んですの。しかも8人でなんて…皆さんかなりヤリますのぉ」

 

「な、何言ってるのラヴちゃん!?」

 

「ち、違うってば!そんなんじゃないよぉ!」

 

「でも直人さんやリカさん達とも交えてヤるのも悪くないかもです」

 

「ユズ!アンタも何言ってるのよぉ!!」

 

 …と、こんな風に毎回現れては巫山戯たことを言いその場の空気を乱してしまうのだ。何がしたいんだか、このトラブルメーカーは…。

 

「で、何のようだよラヴ公」

 

「お、そうでした。今街が大変なことになってるんですの」

 

「大変なこと?」

 

「はい。なんか見たこともない変な生き物が暴れていて、生徒の皆さんが大変な状況になっているので呼びに来たんですの」

 

 

『それを先に言わんか拳!!』

 

 

「バイオレェーーーーンス!!」

 

 一大事な状況だと言うのに、次いでように後回しにしたことで全員からアッパーを食らった。本当に何がしたいんだかコイツは…。

 

 

 

──────────────────────────────────────

 

 

 ラヴに案内され街に着くと、そこには長い手足に鋭い爪、円形の口周りに無数の牙を生やした3m程の巨大な獣のような怪物が建物を破壊しながら、身体から伸びる無数の触手で大勢の人々を縛り上げていた。

 

「何だあれ?」

 

「あれってワーム?」

 

「でもワームに手足はない筈だよ」

 

「ん。確かにワームとは違った気配を感じる」

 

「だとしたらあれは何ですか?」

 

「てっ今はそんなことは言ってる場合じゃないわよ」

 

「そ、そうだね。早く止めないと」

 

「よし、ラヴ公!」

 

「ハイですの!」

 

 直人がラヴの頭の上の天使の輪っかを投げる。輪っかは2つに別れ、1つはリカの頭部にもう一つはヒカリの頭部の上で静止。もも、葵、ユズハはそれぞれ違った髪飾りを付けた。

 

 

 

 

 

 

 

エンジェルアモーレ!

 

 

 

 

 

 

 

 6人の衣装が白を強調としたタイツにへと変化し、リカ、ひかり、ナギの背中にはそれぞれ天使を模様す羽根が生える。

 

「罪もない人達を苦しめ」

 

「純情な乙女の身体を弄り回す非道な行い」

 

「おいたも過ぎれば犯罪です」

 

「平和な暮らしを脅かし」

 

「淫乱触手振り回すエロチェカル」

 

「多少の悪は許しても」

 

 

 

 

 

 

 

Hな犯罪許しません!!

 

 

 

聖天使ジブリール、ここに見参!!

 

 

 

 

 

 

 

 人々のピンチに【ジブリール・リカ】、【ジブリール・アリエス】、【ジブリール・ゼロ】、【ジブリール・スピカ】、【ジブリール・アルテア】、【ジブリール・ユノス】、6人の歴代【ジブリール】が全員勢揃いした。

 

 

 怪物は雄叫びを上げると、生えている複数の触手を伸ばす。ジブリール達はそれぞれ散会して躱す。

 

「エンジェルカッター!」

 

 リカの放った斬撃が触手を斬り落とし捕らわれていた人達を解放させる。それを見た他のジブリール達も四方から同様の技を放ち触手を斬り落とし残った攻撃は本体に命中。しかし斬撃は怪物に当たると粉々に砕けてしまう。しかも怪物は全く無反応であった。

 

「嘘ッ!?」

 

「全然効いてない!」

 

「ならこれならどう。エンジェルキィィーーック!」

 

 アルテアが上空から急降下し強烈な飛び蹴りをお見舞いする。しかし怪物は「何かやったか」と言わんばかりに首を傾げケロッとした顔をしている。

 

「そんな!キャッ!」

 

 唖然としていた隙を突かれ、いつの間にか再生していた触手に四肢を捕まれ身動きが取れなくなる。そして怪物の鋭い鉤爪がアルテアに迫る。

 

「危ない!エンジェルミサイル!!」

 

 リカの指先から無数の光弾が放たれると、それは次第にミサイルにへと変化。それが怪物に命中し爆煙が上がり僅かに怪物が怯んだ。その隙にアリエスが【エンジェルソード】でアルテアを捕縛している触手を斬り裂き救出する。

 

「大丈夫ですか、葵さん」

 

「ありがとう、アリエス」

 

 怪物は腕を振るい風圧で煙を払い除け残っていた触手をアリエスとアルテアに伸ばす。触手が2人を捕えようとした時、間にゼロが入り素手で触手を受け止めそのまま腕力で握り潰され拳を一発顔面に食う。

 流石に今のは応えたようで身体が少しよろけるが、すぐに持ち直す。その時上空から気配を感じ取り振り向くと、スピカとユノスが猛スピードで迫ってきていた。

 

「行くよ、ユノス」

 

「はい!」

 

「「エンジェルゥゥダブルスパイラル・アロー!!」」

 

 2人は身体をドリルの回転させながら怪物の土手っ腹にお見舞いする。怪物はなんとか踏ん張ろうとするが、高空から物凄いスピードで急降下し回転力が合わさっている。しかも今回その威力は2倍。次第に怪物の腹部は凹んでいき、遂に身体は貫かれ上半身と下半身の真っ二つにされその場に倒れる。

 

「やったのか?」

 

「いえ、まだアイツの気配が消えてないですの」」

 

「なんだって!?」

 

 すると倒れていた怪物の上半身と下半身が動き出し起き上がり、それぞれの切断面部分に肉片が盛り上がっていく。そして上半身だけの方には下半身が、下半身だけの方には翼の生えた上半身が新たに形成される。

 

「復活した!?」

 

「それも2匹に増えちゃいましたよ!」

 

 予想外の事態に隙が生まれ、2体に増えた怪物はスピカとユノスに迫る。しかし上空からリカとアルテアが脳天目掛けて【エンジェルキック】をお見舞いし地面に伏せさせる。

 

「ひかりちゃん!ナギちゃん!」

 

「はい!エンジェルスラーーッシュ!!」

 

「エンジェルクロスカッター」

 

 アリエスはエンジェルソードで羽根がない方の怪物を縦に真っ二つにへと斬り裂き、ゼロは両腕をクロスさせたエンジェルカッターを羽根がある方の怪物にへと放ち上下真っ二つにする。

 

「これなら流石に「いや」」

 

「生体反応の増殖を確認」

 

 ゼロのその言葉に一同が目を向けると、先程と同じように上下の方はそれぞれ新たな上半身と下半身が、左右の方はそれぞれ新たな左右の身体が形成される。

 

「また増えた!?」

 

「何なのこの怪物。明らかにワームと全然違う」

 

 自分達の技をモロに食らっても全く受け付けない強靭な肉体、しかも倒したと思ったら分裂して復活すると言う驚異的な生命力に全員驚愕する。そんな時だった。

 

 

 

『それはそうさ。その怪物(モンスター)は僕が強化改造したワームなんだからね』

 

 

 

 突如何処からか声が聞こえ直人、剣人、ジブリール達は辺りを見渡す。すると怪物の近くに口のような出入り口【黒腔】が開き中から1人の男が現れる。いきなり現れた謎の男に剣人組の【ジブリール】達は警戒するが、神野直人とその組みのジブリール達の反応は違っていた。

 

「嘘ッ!?」

 

「そんな…どうして…」

 

「お前は!」

 

「何でお前がここに!?」

 

 彼等はその人物を見た瞬間驚いていた。それもそのはず。何故ならその人物は4人にとって忘れたくても忘れられない人物であったのだから。

 

 日焼けしたような茶色肌、頭部には闘牛に似た角を生やし、黒いローブを羽織った白髪の青年。

 

「久しぶりだね、初代ジブリール、アリエス、ゼロ、そして神野直人」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイタス

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それは嘗て3人が力を合わせて倒した魔界のマッドサイエンティスト───────【フェイタス】であった。

 

「アイツは?」

 

「アイツは前に俺達が戦った悪魔なんだ。リカやナギを苦しめやがった上に、ヒカリを連れ去って悪魔に変えやがったんだ」

 

 彼を知らない剣人とそのジブリール組は直人から事情を聞くが、その内容はお世辞でも良い話とは言えない。大切な妹のヒカリを連れ去りだけでなく、再会は悪魔となって自分達の敵と立ち塞がった。その所為でリカとゼロは本気を出さず、肉体的にも精神的にも追い詰められた。

 そのことを聞き面識がなかった剣人とジブリール達もフェイタスに嫌悪感を抱く。

 

「そっちの4人は初めましてだね。僕の名は【フェイタス】。魔界一の天才科学者さ。それにしても、僕のことを覚えていてくれたなんて嬉しいよ」

 

「俺達はちっとも嬉しくねェよ」

 

「でも何で貴方がここに!?貴方は私達が倒した筈なのに!?」

 

「そうだよ、僕は君達に倒された。でもこうして復活したんだ。以前より遥かに強くなってね」

 

 フェイタスの身体から発せられる異質な力にジブリール達はたじろぐ。まだ本気を出していないと言うのにこの威圧感。彼と戦ったことがあるジブリール組みは察する。彼が言っていることはハッタリじゃない。以前戦った時とは比べものにならない程パワーアップしているっと。

 

「あっそうだ、忘れるところだった。アリエス、君に最高のプレゼントを用意してあるんだよ」

 

 パチンっと指を鳴らすと、彼の後方に黒腔が出現。その奥から足跡が聞こえ、中から1人の少女が出てきた。だがその人物の姿に全員驚いた。何故なら…

 

「あ、あれは!?」

 

「えっ!?ひ、ひかりちゃん!?」

 

「ひかりさんがもう1人!?」

 

「どうなってるの!?」

 

 …髪や瞳の色、服装は違えど、

その顔はアリエス─────神野ひかりに瓜二つだったのだから。

 だが神野直人、真辺リカ、神野ナギ、そして神野ひかり、ラブの反応は先の4人とは異なっていた。確かに驚いてはいたが、何と言うかまるで信じられないモノを観ているような感じであった。それもその筈。その人物は本来ならこの世にはいない存在なのだから。

 

「なっ!?」

 

「嘘ッ!?」

 

「そんな…どうして…」

 

「ありえないですの!?」

 

「なんで…貴方が…」

 

 

 それは嘗てアリエスが堕天してしまった存在───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりだね、お兄ちゃん♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───────【ブラック・アリエス】であった。

 

 

 




『F』はフェイタスの『F』でした。

魔界天使ジブリール…この作品内容をもう少しソフトにすればアニメ放送出来たと思うんですよね。一応シリーズはPC版は5シリーズまで出ており、約4年前には第6シリーズがアプリゲームで登場したので私的には人気はある作品だと思っております。
因みにリカが変身するジブリールは第5シリーズまでは【ジブリール】や【初代ジブリール】、【無印】と呼ばれていたそうですが、第6シリーズでは【ジブリール・リカ】と呼ばれるようになったそうです。なので他のジブリール達と区別させるために、この作品では最初から【ジブリール・リカ】とさせていきます。
ジブリール世界の時間軸としては『5』である『戦国天使』の事件後を設定しています。
※フェイタスが登場した時に初代ジブリールとありますが、彼はそれ以外に呼び方を知らないと言う設定になっています。

強化ワームのイメージとしてはメトロイドの『オメガメトロイド 』の色違いをイメージしています。

次回はブラックアリエスとワーム軍団との戦いになります。どのような展開になるかは楽しみにお待ちください。
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