BLEACHの世界に最強になって転生 番外編 作:アニメ大好き
今年の夏は異常な暑さですね。私も人生で初めて熱中症になり掛けました。皆さんも体調管理にお気をつけください。
今回はいよいよフェイタスとの決着です。ブラックアリエスを取り込みパワーアップしたフェイタスにジブリール達は太刀打ち出来るのか。そして結末は如何に!?
※ジブリールは本来はR指定の作品です。しかし私の作品ではそういった要素はありません、普通のバトル物に近いです。「そんなのジブリールじゃない」っと思う方はブラウザバックをお勧めします。
それではどうぞ。
剣人組みのジブリール達は光となったワームの残骸が飛んでいった方へ向かっている。
「一体どうなってるんだ?」
「分からないけど、何かとんでもないことが起こりそうな気がする」
「何かってなんですか?」
「私が知る訳ないでしょ!」
「まぁまぁ、2人共。喧嘩しないで急ごうよ」
歪み合いを始めるアルテアとユノスを宥めるスピカ。その時…
… 向かっている方から突如巨大な叫び声が響き渡り、周りの建物や街灯が振動する。
「何だ今の!?」
「凄い声だったよ」
「何が起きたんでしょう?」
「兎に角行くわよ!」
嫌な予感がする4人は叫び声がした方へ急いで向かい直人、リカ、アリエス、ゼロと合流した。
「おーい、皆んなー!!」
「スピカ、アルテア、ユノス!」
「皆、大丈夫?」
「…私達は問題ない」
「皆さんも無事で良かったです」
「それよりさっきの声は一体?」
「…あれだ」
直人が顔を向けた方へ視線をやると、そこにはゴリゴリでムキムキな大柄の悪魔がいた。
「な、何あれ!?」
「何よ!あの怪物は!?」
「めちゃくちゃ大きいです!」
「おい直人、あれは一体なんなんだ?」
「あれは…フェイタスだ」
『!?』
直人の答えに4人は驚愕する。さっきと見た目や雰囲気がまるで異なっていたのだから。
「フェイタスって、さっきの男の人!?あれが!?」
「雰囲気が全然違います!」
「なんであんな姿に!?」
『…』
「それはラヴから説明しますの」
答えにくそうにしている
ブラックアリエスの圧倒的な力の前に絶体絶命に陥る3人。しかし最終的に直人がブラックアリエスを説得し心を開かせたこと。
それを見たフェイタスがもう使えないと判断し、スピカ達に倒されたワームの残骸と共にブラックアリエスを吸収したことを。
「…と言う訳なのです」
「…なんだよ、それ。使えなくなかったから処分するだなんって巫山戯るな!」
「折角
「仲間であっても要らなくなったら即捨てる…正にゲスの極みね!」
「酷すぎます!何様のつもりですか貴方!!」
仲間であるはずブラックアリエスを使えなくなったからと言って容赦なく切り捨てる、フェイタスの非道な行いに4人は激怒する。
『巫山戯るな?あんまり?酷い?何を言っている。俺は悪魔だ。自分の思い通りに、欲望のままに動くものだ!それにそれらの言葉は悪魔にとっては最高の褒め言葉だ。フハハハハハハ!!』
だがフェイタスは罪悪感の欠片も持ち合わせておらず、あろうことか自身に対する罵倒は褒め言葉だと言い張る。
『さぁ、これからが本当のショーの始まりだ。行くぞ、天使ども』
フェイタスは大剣を振り上げ力任せに振り下ろす。ジブリール達は散会してその場から離れる。振り下ろされた大剣は地面に直撃すると衝撃による余波が周囲に吹き荒れ、巨大なクレーターが出来上がっていた。
「こっちも行きます、エンジェルミサイル!」
ユノスは指先から放たれる無数のミサイルがフェイタスに直撃する。図体がデカくなった分、的も大きくなり攻撃が当てやすくなった。しかし…
『こそがゆいな』
…今のフェイタスには虫に刺されたようにしか感じらず全然効いていなかった。
「ッ!?だったら、【エンジェルカッター】!」
ジブリールの18番とも言える技【エンジェルカッター】を放つ。フェイタスは大剣を力任せに振るうと、粉々にし薙ぎ払った。
「嘘!?」
「エンジェルカッターをあんな簡単に…」
『どうした?これで終わりか?』
「だったらこれならどうです!【エンジェルフラッシュレインボー】!!」
掌から虹色の熱戦を放つ。その技は体内のグリコーゲンをやたらな怒りに任せ、エネルギーに変換したスーパー熱戦。その威力は東京ドーム23個分を埋め尽くす観客の熱気にも匹敵する大技。さらに聖なる力が加わるため普通の悪魔が食らえば致命傷は避けられない。
しかしフェイタスはまたしても動く素振りも見せず、【エンジェルフラッシュレインボー】の直撃を受け大爆発を起こす。
「やったのか?」
煙が晴れるとそこには…
…無傷な上余裕な笑みを浮かべるフェイタスがいた。
「そんな【エンジェルフラッシュレインボー】をまともに受けたのに…」
「無傷…なんて」
【エンジェルフラッシュレインボー】はジブリールが使用する技の中では上位に入る技(作者の予想)。それを悪魔であるフェイタスが食らえば、倒すまでは行かなくてもタダでは済まないと予想していたわ、しかし直撃を受けたにも関わらず無傷でいることが信じられなかった。
『もう終わりか?なら今度はこっちの番だ』
何かしてくると予想し構えるジブリール達であるが、フェイタスが一瞬にして姿を消した。すると次の瞬間ユノスとゼロが吹き飛んだ。
何が起こったのは分からず残った4人は後ろに振り返る。そこにはいつの間にかフェイタスが自分達の後ろにおり、ユノスを剛腕で殴り、ゼロを大剣で飛ばしたのだ。
4人はすかさず散会すると、フェイタスは発達した脚で飛び上がり一気にスピカの目の前まで移動し、その剛腕でスピカを殴り飛ばし墜落させる。
スピカはそのまま地面に激突し倒れる。思ったよりもダメージが大きく意識が朦朧としており起き上がれずにいた。
その間にフェイタスは急降下しながら大剣を構える。大剣がスピカに直撃する瞬間に、リカが高速で飛びスピカを抱えて救出する。
「大丈夫?」
「あ、ありがとう…」
大剣が振り下ろされた場所は砂埃が舞い上がり、中央には巨大なクレーターが出来上がっていた。
「とんでもない硬さに加えてあのスピードにパワー、化け物かよ」
尋常じゃない身体の硬さとパワーに加え、その巨体からは想像も出来ない程の速度に剣人は愚痴を溢す。
「やっぱりあの状態だとパワーも防御も増すのか」
「!?直人、お前あの姿を知っているのか?」
「あぁ、アイツは前にも同じような姿になったことがあるだ」
それは以前真辺リカの中に眠る魔王の力を手に入れようと、彼女を取り込んだ時も同様の姿になった。しかし見た目はほぼ同じだが、あの時の比ではない程の悍ましい力を感じる。
『どうした天使共。ほんの少し力を出しただけで、もう着いて来られないのか?』
自身の力に過信し粋がり出すフェイタス。そんな彼の死角からアリエスがエンジェルソードを構えて接近する。
「(まだ気付いてない。行けるッ)」
アリエスがエンジェルソードを振り翳そうとした時、左肩の眼が「ギョロ」っと動きアリエスを捉え、左手で鷲掴みにする。
「くっ」
『甘いわ、愚かな天使が。このまま握り潰してやる!』
左手に力を込めそのままアリエスを握り潰そうとする。
「アリエスを離しなさい!エンジェルキィーーク!!」
アルテアが左腕にエンジェルキックを喰らわす。それにより拘束が緩み、アリエスは急いで脱出する。
「やっぱり強い」
「おい、前にアイツと戦ったことがあるんだよな。なら弱点とかないのか?」
「…」
強靭的な身体にして死角からの攻撃も対応してしまう。そんなチート級の怪物だが、直人組のジブリールはそんな怪物と以前戦い勝利している。なら何かしらの攻略法があるはず。だが直人はバツが悪そうな顔をしていた。
『フフフ、残念だがそれは絶対不可能だ』
「どう言うことだ?」
『教えてやろう。何故俺が
以前フェイタスがリカを取り込んだ時は、手足は融合していたが身体は丸出しであった。故に直人やひかりからの『愛』の呼び掛けで目覚めたリカによって弱体化したところを倒した。浄化されかけていたブラックアリエスに同じことをすればパワーダウンすると思う。
だが前回の失敗を踏まえて、ブラックアリエスは完全にフェイタスに取り込まれてしまっている。よって以前のように呼び掛けてもその声も届かない可能性が高い。だから今のフェイタスには弱点はないに等しい。
『以前はあの様なことで不覚を取ったが、今回は違う!俺は完全に
以前よりも遥かにパワーアップしている上弱点がない、そんな相手に勝つ手段はあるのか?
「皆んな聞いて、私に考えがあるの」
アルテアが何か閃いたようで、彼女の周りに集まる。
『何をする気か知らんが、今の俺には無駄なことだ』
今が攻撃のチャンスだと言うのに、フェイタスは自分が負けるはずないと思っており、余裕綽々な態度である。…余談だがこれが後に痛み目を見ることにある。
「それじゃあ、行くわよ!」
『はい(うん)(了解)』
アルテアの合図でリカとスピカが飛び出し、フェイタスの前で散会、彼の周りを右往左往飛び回る。ただ飛び回っているだけで特に攻撃をしてくる様子もない。何を考えているのか分からないが鬱陶しく思い薙ぎ払おうとすると…
「「エンジェルチェーン!」」
…アルテアとユノスが天使の力で創り出した鎖でフェイタスを拘束し動きを封じ込めた。振り解こうとするが、流石にジブリール2人分の力で出来た鎖を解くには時間が掛かるようで悶えていた。
「今のよ、アリエス!ゼロ!」
『はい!(了解した)』
「エンジェルスラァァッシュ!!」
「エンジェリックオメガフレア!!」
アリエスはエンジェルソードを勢いよく振るい斬撃を飛ばし、ゼロは腕を振るい何重にも重なり合ったエネルギーの層を放つ。2人の攻撃が身動きの取れないフェイタスにへと迫る。
『舐めるなよ、天使ども!!』
フェイタスは身体から赤いオーラを放出させ力を込めると、拘束していた鎖は引き千切られ、迫り来る複数の隕石もオーラに触れると粉々に消失。ゼロ、アルテア、ユノスの3人を吹き飛ばされ、一番近くにいたアルテアを捕まえた。
『お前が今の案を出したのか。
「…そう。教えてくれてありがとう。代わりと言ってはなんだけど、私も貴方に一つ言いたいことがあるの。…自分の力に自信を持つのはいいけど、過信すると命取りになるわよ」
『何?』
「2人共、今よ!」
意味深な言葉に疑問を浮かべるフェイタスを余所にアルテアは彼の後方に向かって叫んだ。なんだと思い振り返ると、リカとスピカが離れた場所でエネルギーを溜めていた。そこで先の言葉の意味を理解した。思えばジブリール達を吹き飛ばした時
「準備OKだよ」
「行くわよ!」
2人の両掌からピンク色の閃光が放たれフェイタスに直撃、踏み止まっているが痛みはあるようでその顔は歪んでいた。
【エンジェルディープインパン】は体内のエネルギーを光に変え、敵に強力な衝撃を与える最強クラスの必殺技。いくら強靭な的な肉体とは言え2人のジブリールの必殺技を同時に受けては応えるようだ。
『クゥ…』
「効いてる…よぉし、スピカ一気に行くよ!」
「はい!ヤァァー!!」
「ハァァァーー!!」
リカとスピカは今出せる最大の力を振り絞り威力を引き上げ、2つの閃光は勢いが増しさらに太くなる。流石にマズイと判断したフェイタスは大剣を自身と閃光の間に割り込ませ攻撃を受け止める。しかし…
『何ッ!?』
…勢いを殺すことが出来ずそのまま閃光に飲み込まれ大爆発を起こした。
リカとスピカは全力を出したことで地面に着地すると、変身が解け息を切らしその場で座り込んでしまう。それを見た直人と剣人、ジブリール達は2人に駆け寄る。
「リカ、大丈夫か?」
「リカお姉ちゃん!」
「リカ!」
「リカお姉ちゃん!」
「ハァ…ハァ…直くん、ひかりちゃん、ナギちゃん、ラヴちゃん…心配しないで、私は大丈夫だから」
「もも!しっかりしろ、もも!」
「スピカ!大丈夫!」
「スピカ!しっかりしてください!」
「…剣ちゃん、アルテア、ユノス…大丈夫、少し疲れただから」
2人は皆を心配させまいと笑顔を向ける。そんな時何かが起き上がるような物音がして全員視線を向けると動く影があった。煙が晴れ姿が確認すると、身体の所々に焦げ跡があるがほぼ無傷に近いフェイタスが立っていた。
『…やるな天使ども。流石の俺も今のは少しは痛かったぞ。しかし相手が悪かったな。折角の頑張りもただ俺を怒らせただけだ』
ジブリール2人の必殺技を同時に食らったのに「少し痛かった」だけで済ませる。フェイタスの尋常ならぬ強さにジブリール達は戦慄し、自分達の見通しの甘さを痛感した。
『俺が受けた痛み、何倍にもして返してやろう』
突如フェイタスの背中から取り込んだ4体のワームの顔が飛び出し、その口先にそれぞれ赤、青、黄色、緑の球体型のエネルギーが凝縮されていく。自身も左掌を開けると、紫色のエネルギーが凝縮されていく。
『喰らえ、虚閃!』
5つの閃光が同時に放たれ、一つに合わさり先の「ディープインパクト」よりも巨大な閃光となり迫る。
しかしジブリール達は動かない、否動けなかった。今ここには変身が解けたリカとももがいる上、直人と剣人もいる。もし自分達は躱してたら4人は…。
アリエス、ゼロ、アルテア、ユノスはアイコンタクトをすると直人達の前に出て両腕で閃光を受け止める。
「ひかり!ナギ!」
「アルテア!ユノス!」
「クゥ…今だよ2人とも」
「エッ?」
「私達が受け止めている間に、
「ッ何言ってるんだ!?そんなこと出来るわけないだろ!」
「そうだよ、皆んなを置いてなんて…出来ないよ」
ジブリール達は4人を逃すまでの時間稼ぎをしようする。だが4人は勿論それを拒む。大切な仲間を置いていくなんて出来ない、しなくない。そんな4人にユノスが笑顔を向ける。
「私達のことなら大丈夫です。何故なら私達は正義のヒロイン、ジブリールなんですから」
「だから早く」
「で、でも…」
「いいから早くして!もう限界になってきた…」
4人の体力も先の戦闘でのダメージが蓄積しているためギリギリである。正直受け止められているのが奇跡である。
「…お兄ちゃん、剣人さん、此処はひかりお姉ちゃん達の言う通りにしましょう」
「ッ!?何言ってんだラヴ公!そんなこと出来るわけないだろう!」
「そうだ!アルテア達が身体張ってるのに俺達だけ逃げるなんて!」
「じゃあお2人は皆さんの想いを蔑ろにするつまりですの!」
ラヴのその言葉には流石の直人と剣人も黙り込む。4人は自分達にとって大切な存在、見捨てることは出来ない。しかしその4人は俺達を逃がそうと自らの身を挺して頑張っている。その想いを踏み躙っていいのか?蔑ろにしていいのか?
覚悟を決めた直人と剣人はリカとももを抱えて、ラヴと一緒に急いでその場から離れる。その直後4人は閃光に飲み込まれてしまう。
「ひかり!ナギ!」
「アルテア!ユノス!」
閃光が止むと、そこには衣服がボロボロで、身体のあちこちに火傷の後がある4人がふらつきながらも息を上げ立っていた。しかしもう既に体力が限界だった4人はそのまま地面に倒れ変身が解けてしまっていた。
「ひかり!」
「ナギちゃん!」
「葵!」
「ゆずちゃん!」
直人、剣人、リカ、ももは急いで彼女達にへと駆け寄る。息はしていたので命に別状はないようだが、ダメージが大きく意識がなかった。
『フッハハハハハハ!どうだ天使共。お前達がどれだけの力を持っていようが、この俺に勝つことなど不可能だと言うことが分かっただろ!』
フェイタスは大剣を振い突風を起こし、伸びていた4体のワームの口からはそれぞれ先程の閃光を彼等の左右に放ち爆発を起こさせる。直人達は4人を守ろうと覆い被さり身を盾にする。
『フハハハハハ!素晴らしい!これだけの力があれば俺は無敵!デストロイヤーなんて目じゃない!奴を倒し俺が全ての世界の支配者になるんだ!その第一歩としてお前達を始末し、この世界を破壊し尽くしてやる!!』
フェイタスはゆっくりとジブリール達に近付く。今の彼女達はまともに動けない。このままではヤられる。そう思った直人と剣人はフェイタスの前に立ち塞がる。
『なんだ。戦えない雑魚は引っ込んでいろ』
「リカ達には指一本触れさせねェ!」
「そうだ!俺達が相手だ!」
『何?』
いつもは外野でありジブリール達の力の供給源でしかないと認識している2人が「相手になる」と言い出し一瞬呆気に取られるが、すぐに鼻で笑い大笑いし始める。
『…フ、フハハハハハハ!!これは傑作だ!お前達のような戦うことも出来ない人間がこの俺を相手に出来ると思っているのか?』
「五月蝿せェ!俺達だってやる時はやるんだ!」
「そうだ!それにお前は前にリカ達に倒されたじゃねェか!そんな奴になんぼ言われようと負け惜しみにしか聞こえないな!」
大切な人を護るためなら自身がどれだけ馬鹿にされようが知ったことじゃない。直人に関しては一度負けていることを知っているため、逆に言い返してやった。
『ほぉ、言うじゃないか。良いだろ、なら望み通り始末してやる』
フェイタスは持っていた大剣を振り上げ振ろうとした次の瞬間、突如直人と剣人の胸の部分が光だし、それぞれの胸から光の球体が飛び出す。そして2つの光球からそれぞれ三本の光の線が流れ出し、それぞれのパートナーにへと注ぎ込まれる。
「これは…」
「凄い。怪我が治っていく」
「ん…んん」
「…りかお姉ちゃん?」
「ひかりちゃん、ナギちゃん!」
「ここは?」
「私達は一体?」
「葵ちゃん、ユズちゃんも…良かった」
注がれた光によって負っていた傷が治り、さらに4人の意識も回復した。
『なんだと!?』
その奇跡とも呼べる現象にフェイタスも驚きを隠せなかった。しかもそれで終わりではない。光球はさらに強く輝くと一つとなり、光の粒子が溢れ出し皆に降り注ぐ。
「これは…とても温かい」
「直人の想いが流れ込んでくる」
「私達も剣人の想いを感じる」
「でも剣ちゃんだけじゃない。リカさんやひかりちゃん、ナギちゃん、それにリカさん達に対する直人さんの想いも伝わってくる」
「私達も、ももさん、葵さん、ユズさん、それに剣人さんの想いが流れてくる」
「皆さんの想いが一つになったような感覚です」
6人は光に包まれ、6本の光の柱が登る。そして上空で一つに交わると花火のように光が弾け飛び、中から変身した6人が現れる。しかしその姿はいつものジブリールではない。
リカは神話や物語に出てくる天使を彷彿させるような翼が対4枚の8枚に増え…
アリエスは服や羽根が黄金に輝き…
ゼロは腕や足にプロテクターを装着し…
スピカ、アルテア、ユノスは見た目は大きな変化はないが身体が光り輝いていた。
『フン。如何にパワーアップしようと、天使如きがこの俺に勝てる訳がないのだ!』
赤いワームの首が伸び大口を開け6人を丸呑みにしようとするが、リカが手を振り上げ軽く振るうと、ワームは顔から首先が真っ二つに斬られ一刀両断される。
『何ッ!?』
思わぬ事態に焦ったフェイタスは残っている3体のワームを伸ばさせ、虚閃を同時に放たせる。するとアリエスが黄金の弓矢を出現させ矢を放つ。両者の攻撃がぶつかり合うも、一瞬で虚閃は押し返され3体のワームは貫かれ消滅、矢はそのままフェイタスの胸部に突き刺さる。
『クハッ!?何だと!?』
自身の鋼の身体に矢が突き刺さった。パワーアップしたとは言え自分の力を凌駕している、それが信じられなかった。痛みに悶えながらも力づくで矢を引き抜く。その間にゼロは大きく息を吸い込む。
「エンジェルゴッドブレス!」
ゼロの神の吐息が辺り一面に広がる。人間がこの技を受けると最高の幸福によって欲望から解放される、反対に悪魔が食らうととてつもないダメージを受ける。そして今回の効果は勿論後者。
『グワァァァーーー!!』
全身を満遍なく浴びせられ悲鳴と上げる。特に矢を抜いた傷口には、消毒液を直接掛けられている程の痛みを感じていた。
『おのれェェ!天使の分際でこの俺にここまで虚仮にするとは!絶対に許さんぞォォ!!』
フェイタスの重々しい怒りの咆哮は大気を震わせる。まるで彼の怒りに地球が怯えているかのよう。剛脚で勢いよく飛び上がり大剣を構える。スピカ、アルテア、ユノスが前に出て両掌を前に出す。
『エンジェリックシールド!』
3人の前に光輝く半透明で分厚いシールドが展開され、勢いよく振られた大剣を受け止めた。そのままシールドをぶった斬ろうとさらに力を込めるが全く微動だにしない。それどころか大剣の方に罅が入り刀身は粉々に砕けてしまった。
その反動でシールドから発せられた衝撃に吹き飛ばされ地面に打ち付けられる。
『おのれェ〜』
すぐ起き上がったフェイタスであったがその時異変が起きる。
『な、なんだ!?…身体の…自由が…』
突如身体の動きが鈍くなり自由が効かなくなった。まるで何かに押さえ付けられているかのように。すると胸部に空いた穴から光が溢れ出す。
『な、なんだ…これは!?』
突如何処からか声が聞こえる。しかもその声には聞き覚えがある。
「この声、まさか!」
「ブラックアリエス…」
声の主は何と取り込まれ消滅したと思われていたブラックアリエスであった。
『何だと!?バカな、お前は完全に俺に取り込まれたはずだ!』
確かにあの時フェイタスに取り込まれた時に彼女の意識は途絶え今の今まで失っていた。だが…
…フェイタスに取り込まれたことで2人の肉体は同化した。しかし言うならば肉体の半分程は彼女の物でもある。ジブリール達の攻撃を受け続けると言うことは「
『クソォ!!』
なんとか抗おうとするがやはり身体を動かせない。今ならフェイタスを確実に倒せるが彼女達は何故か躊躇っていた。
フェイタスを倒すっと言うことは、取り込まれたブラックアリエスも消滅してしまうことになる。先の発言からして彼女はもうリカ達に恨みはないと思われる。スピカ達も事情を聞いているため「彼女を犠牲にしたくない」と攻撃することを躊躇っているのだ。
そんな時リカがフェイタスの身体に空いた穴を見て何を思い付きゼロに駆け寄る。
「ナギちゃん、私を『ゼロキャノン』を私に打って!」
「エッ?」
「私に考えがあるの。信じて!」
「…分かった」
何を思い付いたかは分からないが、リカの真っ直ぐな目に偽りがないことを確信し彼女を信じることした。右手を大砲にへと変化させエネルギーを凝縮させる。
「ゼロキャノン、アモーレチャージ!シュート!!」
放たれたピンクの閃光はリカの背中にへと直撃。すると背中の羽根は一回り大きくなり身体もピンク色に光出す。
「エンジェルゥゥ、シャイニィィングアタァーク!!」
そして光を纏ったままフェイタスに向かって突撃。動くことが出来ないフェイタスは口から虚閃を放ち応戦する。しかしリカは臆することなく虚閃を押しのけ突き進んでいき穴から体内に入り込む。
『?何をする気は知らないが、自分から吸収されるとは愚かなッグゥ!?』
突然苦しみ出すフェイタスの身体から光が溢れ出し、背中から大量の光が吹き出す。そこからブラックアリエスを抱えたリカが飛び出した。
「リカ!」
「リカお姉ちゃん!」
「ブラックアリエスも一緒だ!」
様子を見ていた直人、剣人、ラヴも無事にブラックアリエスを救出できた事に喜ぶ。
『バカな…こんなことが…』
「さぁ、今よ!」
『はい(OK)!』
アリエス、ゼロ、スピカ、アルテア、ユノスが飛び上がり5人の「
【ジブリールスパーク】──それは複数の「
この街を護りたい。大勢の人達を護りたい。自分達の大切な人を護りたい。そしてブラックアリエスを救いたい。それ等の想いが一つになったことによって発動することが出来た。
この聖なる光は悪魔からしたら全身を太陽に焼かれているような衝撃に襲われる。
先程までのフェイタスならなんとか耐えられたかもしれないが、力の源となっていたブラックアリエスを失ったことで力や耐久力が大幅に減少した今の彼がその光に耐えることが出来るはずもなく、断末魔のような悲鳴を絶叫し大爆発が起こした。
爆発が収まると瓦礫が散乱しており周りには取り込まれたワームの残骸が散乱していた。
「やった、やったぞ!」
「やりましたのぉ!リカお姉ちゃん達が悪魔をやっつけちゃいましたのぉ!!」
「ヨッシャー!!」
直人、ラヴ、剣人はフェイタスを倒したことで喜びの声を上げる。ジブリール達も彼等の共へゆっくりと降りる。
「リカ無事か?」
「私は平気。それよりも…」
リカは抱えているブラックアリエスをゆっくり降ろす。ブラックアリエスは気まずいのか直人の顔を見ることが出来ず目を逸らしていた。
「…あ、あのお兄ちゃん…私…その「ひかり、無事で良かった!」ッ!?」
口をモゴモゴして言いづらそうにしているブラックアリエスを他所に直人は涙を流しながら抱きしめる。いきなりのことで彼女もビックリしていた。
「本当に心配したんだぞ…でも無事で本当に良かった…」
「お、お兄ちゃん。なんで泣いてるの?」
「なんでってそんなの当然だろ。大切な妹が無事で喜ばない奴なんていないがないだろ!」
「私は
「そんなの関係ねェ!お前が悪魔だろうがなんだろうが、俺の妹には変わりはねェんだ。それにさっきも言ったろ。お前があんなことをした理由が俺なら、俺が責任を取るって」
ブラックアリエスは先の自分の犯したことへの罪悪感で一杯であり、自分は一緒にいる権利等ないと批判する。たが直人はそんなこと関係なし。例えばどんな存在であろうと、自分の大切な存在であることに変わりはないと彼女を受け入れる。
「私…ここに居てもいいの?…存在してていいの?」
「当然だ。皆だってそうだろ?」
「勿論だよ」
「直人が言うなら問題ない」
「俺達は詳しくは知らないけど、
「うん。ひかりちゃんから生まれた子なら悪い子な訳ないよ」
「ゆずも新しい友達が出来て嬉しいです!」
「アンタ達アッサリし過ぎじゃない?仮にもこの子は悪魔なのよ」
「じゃあ葵さんは反対なんですか?」
「勿論よ。でもまぁ〜、このまま放っておくと何するか分からないし、監視する必要があるでしょ」
1人ギクシャクしているが全員一緒にいることを承諾してくれた。。因みに一番思うところがあるであろうひかりの答えは…
「私も色々思う所はあるけど、言うなら貴方も
…OKである。
「ほら、皆こう言ってるんだ。だからもう二度と『居なくなる』なんて言うなよ」
「ッ!?お兄ちゃァァん!!」
ブラックアリエスはワンワン泣きながら直人に抱き付いた。直人は彼女を優しく抱きしめ頭を撫でて落ち着かせる。その光景を見ていたジブリール達や剣人、ラヴも微笑ましく思う。めでたしめでたしで終わると思われた時である。
『!?』
変な物音がした瞬間瓦礫の中から一本の腕が飛び出し、中から元の姿に戻ったボロボロのフェイタスが現れる。
「フェイタス!?」
「嘘ッ!?」
「【ジブリールスパーク】を受けてまだ生きてるなんて!」
「耐え抜いたって言うの!?」
「信じられません…」
「あり得ない…」
ジブリール最強の必殺技とも言える【ジブリールスパーク】を大量に浴びたのにまだ生きていた、そのことに先程の歓喜の雰囲気から一変してしまう。
「クソ…クソ…クソッ!!」
全身の痛みに加えここまで深手を負わされたことに対しての怒りで、フェイタスの顔は激しく歪んでいた。
「…まさかこの僕が…天使如きにこんな深手を追わされるなんてェ……」
「フェイタス、もうお前に勝ち目はない」
「諦めて降参しろ」
「降参?降参しろだって?フフフ、この僕に限ってそんなこと絶対あり得ないね。でも確かに今の僕には勝ち目はないのは事実。だからここは一旦引くことにするよ」
指をパチンっと鳴らすと、後方に黒腔が出現する。
「逃げる気か!?」
「逃げる?違うね。戦略的撤退ってやつだよ。だけど僕は諦めた訳じゃない。次こそは必ずお前達の息の根を止めてやるからな!」
捨て台詞を残し黒腔に入ろうとした時であった。
突如謎の声が響き渡りフェイタスが開けた黒腔とは別の黒腔が現れ、中から赤い服を着た小さな黒髪の少年が出てきた。
「ゼ、ゼルドリス!?なんで君がここに!?」
「何故?そんなの決まっているだろ。─────お前を始末するためだ」
ゼルドリスと呼ばれた少年が腰の塚に手を掛けた瞬間目にも止まらぬ速さでフェイタスの左腕を斬り裂き、斬られた腕は宙を舞った。
「ウワァァーー!!な、何をする!?」
「言っただろ。始末しに来たと」
「何故だ!?僕は《死刃》になるんだぞ!そんな僕にこんなことをしていいと思っているのか!?」
「それなら心配するな。新しい《死刃》はもうとっくに決まっている。それをお前がしゃしゃり出ただけのこと。そもそもお前が《死刃》になるための条件としてこの世界を征圧することを言われたはず。それが出来なかったお前を《死刃》にするわけがないだろ。それに知らないとでも思っているのか。お前は
ゼルドリスは剣を振るい鞘にへと収める。その瞬間フェイタス頭部は地面に落ち、頸の断面から大量の赤い液体が噴水のように吹き出し、身体はゆっくりと崩れ落ちる。そして手に凝縮されたエネルギーを2発放ち、頭部と胴体を跡形も無く吹き飛ばした。
その光景にジブリール達や直人、剣人、ラヴは唖然としていた。負傷していたとは言え、あのフェイタスを簡単に倒してしまった。それに見ているだけでも感じるこの威圧感、今まで戦ってきた悪魔や先程のフェイタスとは比べ物にならない。次元そのものが違う。
視線に気付いたゼルドリスが自分達に視線を向ける。その向けられた目は獲物を狩るような威圧を感じ金縛りにあったように動けなくなってしまう。
「そう身構えなくてもいい。今回は
「貴方は一体…」
「…一応名乗っておこう。俺の名は【ゼルドリス】。デストロイヤー軍の《死刃》の1人だ」
「デストロイヤー軍?《死刃》?」
「なんですか?それは?」
「…
ゼルドリスは二つの用語に対して簡単な説明を始める。
デストロイヤー軍とは、デストロイヤーと呼ばれる存在によって設立され全世界の支配を目的としてある組織。そして《死刃》とは、デストロイヤーの部下の幹部達の中から選ばれた最強の集団。
「言っておくが
なんとあれだけの強さを見せたフェイタスでさえ《死刃》どころか、その候補にさえなれないとのこと。ならその《死刃》と呼ばれる連中はどれだけ強いんだって話。
「だが今回の俺の仕事は終わった。だからこれで失礼させてもらう」
ゼルドリスは再び黒腔を出現させ中にへと入っていく。
「それとデストロイヤー様が、
それだけ言いゼルドリスは黒腔を潜ると入り口は閉じていき消滅する。
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デストロイヤー軍本拠地───王座の間
「只今戻りました、デストロイヤー様」
フェイタスを処刑したゼルドリスは跪き報告をする。
「ご苦労様です、ゼルドリスさん。貴方は本当に仕事が早いですね。素晴らしいです。今後も期待していますよ」
「ハッ!」
お褒めの言葉を頂いたゼルドリスは立ち上がり他の《死刃》が並ぶ位置に付く。
「では改めまして、新たな《第6死刃》を発表します」
デストロイヤーの言葉に合わせ出て来る2つの人影。
「新たな《第6死刃》はこの方です」
黒と緑の癖毛にギザギザの歯、肋から下がガリガリに痩せているが変わりに腕が発達しており、顔に黒い斑模様がある男性。その後ろにはランジェリーじみた露出度の高くお臍が丸出しの服装、腰に赤黒い帯を巻き下駄を履いたセクシーな白髪の女性がピッタリ付いていた。
はい!フェイタスはゼルドリスによって処刑されました。前回の最後で勘付いていた人はいたと思います。原作ではザエルアポロみたいなマッドなうえ、自分が支配者になると言う野心家でもありました。なのでどんな手を使ってでも強くなり、デストロイヤーを倒すと言う野望を心の奥底で抱えていたと言う設定にしました。
本当はもう少し早く投稿したかったのですが、下書きで使用しているアプリがバグを起こしまして進められなかったのです。修正されるまで一週間以上かかりました。
そして最後に登場した男女、誰だか分かりますか?
次回はその2人を登場させる予定です。
感想などあればお願いします。それではまた次回。