BLEACHの世界に最強になって転生 番外編   作:アニメ大好き

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どうもアニメ大好きです。

新年明けましておめでとう御座います!本年も宜しくお願いします!
今回は尚文&妓夫太郎が弓と槍の英雄と屑王、糞女との決着を付けます。果たしてどのような結末を迎えるのか。
そして今回最後にちょっとした報告があります。辞めるとかではないので安心してください。

それではどうぞ。


25話 盾の悪魔と兄妹鬼 後編

 梅が剣の勇者を追った後、尚文と男性は残ったメンバーにへと視線を向ける。

 

「よし、こっちはこっちで始めるとするか」

 

「そうだなぁ。しかしぃ、一目見た時から思ってたんだが、いいよなぁお前等ぁ。その顔いいなぁ。シミ一つなくて顔色もいいぃ。嘸かしに他人から持て囃されるんだろうなぁ」

 

 男性は顔を掻きながら槍の勇者の容姿を褒めて讃え始める。

 

「フフフ、その通りだ!見ろこの私のパーティを!私は彼女達と共にこれまで多くの魔物を討伐してきた!!そんな我等がそこの盾の悪魔などに負ける筈などないのだ!!」

 

 槍の勇者は男性の煽てに便乗して、これまでの自身の武勇伝を語り出し最大にアピールし調子に乗り始める。

 

「…お前の仲間全員女なのかよぉ。いいなぁ羨ましいなぁ」

 

 すると男性の雰囲気が次第に変化していき、顔を掻く速さや力が上がって遂には爪を立てて強く身体を掻き出す。

 

「妬ましいぃな、妬ましいぃなぁぁ…死んでくれねぇかなぁぁ!」

 

 掻いた部分から血が流れ出すが、そんなの関係ないと言わんばかりに強く引っ掻く。だが引っ掻き傷跡は逆再生するかのように元に戻り流れていた血は止まる。その光景に観ていた女性達は血の気が引いた。

 

「それになぁ、尚文(コイツ)は俺達が特訓させたぁ。言うなら弟子のようなもんだぁ。だからなぁ弟子が受けた仕打ちはしっかり返さねェとなぁ。ヤラれた分は取り立てるぅ。俺の名は【妓夫太郎】だからなぁ!!」

 

 男性───【妓夫太郎】は何処からか取り出した肉片で創り上げられた不気味な2本の鎌をぶん投げる。1人の魔術師が防御魔法を展開させ防ぐ。しかし鎌は回転しながら勢いを付けバリアを粉々に打ち砕いたそして鎌はブーメランのように再び妓夫太郎の元へ戻る。

 

「へぇ〜、防ぐかぁ。少しは出来るみたいだなぁ。ならこれはどうだぁ。血鬼術【飛び血鎌】!」

 

 持っていた鎌に赤い液体が溢れ出て振るうと、それが無数の斬撃となり放たれる。全員本能で『この攻撃は食らってはいけない』と判断し全員咄嗟に回避する。空振りにとなった液体の斬撃は消滅せず上空でウネウネ動きながら待機している。

 

「それで躱したつまりかぁ?曲がれ【飛び血鎌】!」

 

 妓夫太郎が叫ぶと上空に浮遊していた斬撃は再び彼等に襲い掛かる。槍の勇者は長槍を振るい、弓の勇者は矢を放ち斬撃を相殺していく。他のパーティメンバーも武器や魔法を使い相殺していく。しかし数が多過ぎて全て相殺することが出来ず、槍の勇者のパーティの1人に攻撃が当たってしまった。

 

「ッ!!エレナ!!」

 

「大丈夫少し掠っただk…ガハッ!?」

 

 その女性は槍の勇者を心配させないように笑顔を見せるが、その顔色が一瞬で悪くなったと思ったら口から血を嘔吐してしまう。

 

「アンナ、早く回復魔法を!」

 

「はい!…ッこれは!?」

 

「どうした?」

 

「これは…毒です。今までに見たこともない程強力な!…何これ魔法が効いてないの!?」

 

 アンナと言う女性は全力で解毒魔法を掛け治療しようとするが、何故か魔法による効果がない。その光景に妓夫太郎はニヤ付き笑う。

 

「当然だぁ。俺の毒は特殊でなぁ、お前みたいな奴に解毒出来るわけねェんだよぉ」

 

 妓夫太郎の血鎌には強力な毒があり、当たれば勿論少し掠っただけで全身に毒が回り軈て死に至る。つまり当たれば確実に命はない。

 

「そいつはもう終わりだなぁ」

 

「この…巫山戯やがってェェェ!!」

 

「待ってください元康様!」

 

「止めるなマイン!アイツはエレナを「待つのだ槍の勇者よ!」ッ!?」

 

 大切な仲間を殺されたことに激怒し、今にも襲い掛かろうとする槍の勇者を同じく仲間の1人である女性マイン(以後糞女と表記)が止めようとするも効かない。そんな彼をオルトクレイ王(以後【屑王】と表記)が無理矢理止める。

 

「なんで止めるのです!アイツの所為でエレナはッ!」

 

「其方の気持ちは良くわかる。だが君達今が倒すべきは妓夫太郎()でなく【盾の悪魔】ではないのか?」

 

 その言葉に槍の勇者は少し冷静さを取り戻した。大切な仲間を殺されたことは許せない。だが見方を変えればあの男を連れてきた【盾の悪魔】が発端。だったら自身の仲間の1人を強姦しただけでなく殺す原因を作った全ての元凶である【盾の悪魔】を優先して倒すべきだと。

 

「…確かにその通りです。分かりました、先に【盾の悪魔】を倒します」

 

「うむ、皆んなも勇者達を全力でサポートするのだ!【盾の悪魔】を葬りされ!!」

 

『おう(はい)!』

 

 屑王の言葉に全員尚文目掛けて魔法や武器を用いて攻撃を仕掛ける。それに対し妓夫太郎は尚文の後方へ下り尚文本人は動こうとせず盾を構える。

 2人を除いて誰もが『諦めたのか』と思い一気に勝負を付けようとする。それぞれの攻撃が尚文に直撃しようとしていた時、突如目に見えない何かに阻まれる。そして次の瞬間物理攻撃をしようとした者は激しい衝撃波により吹き飛ばされ、魔法弾や弓も同様に跳ね返されそれぞれの使用者達に直撃する。

 

「うわァァ!!」

 

「な、なんだ今の!?」

 

「攻撃が跳ね返された!?」

 

「アイツいつの間にあんな力を!?」

 

 尚文の思いもよらない力に全員驚愕する。

 

「フン、何を驚いている。まさか俺がこの数ヶ月ただ遊んでいただけだと思っていたのか?」

 

 尚文はあの日妓夫太郎達と出会ってからの数ヶ月、彼等の住処で付きっきりで訓練し自身の長所を伸ばしてきた。彼の力は防御に特化している。それを応用し、攻撃を倍返しにして反射させるカウンター技を身に付けた。これなら防御特化の尚文でも戦況を優位に進めることが出来る。

 

「俺は数ヶ月、妓夫太郎と梅(コイツ等)に徹底的に鍛えられた。そして()()()()を満たしていれば、凡ゆる攻撃を無効化し跳ね返す力を手に入れたんだ!」

 

「まさかアイツがそんな力を手に入れていたなんて…」

 

 尚文の予想外の力に動揺が走る。()()()()と言うのは不明だが、下手に強力な攻撃をすればこちらが全滅してしまう恐れがある。

 

「だっら奴が跳ね返すことが出来ない程の威力の技を放てばいい!」

 

 槍の勇者はエネルギーで槍を形成させそれを2人目掛けて投げ飛ばす。

 

 妓夫太郎は飛び上がって回避、尚文も自慢の盾で防ぐ。先程とは違い尚文は攻撃を跳ね返すことなく防いでいることから『今アイツは防ぐことで精一杯。無防備だ』と思い弓の勇者とそのパーティは尚文を狙う。

 

 弓の勇者は一本の矢を上へと放つと、それが上空で無数の流星のようなエネルギーへと変貌し降り注いだ。パーティメンバーも次々と魔法や斬撃を飛ばして一気に攻め立て砂埃が舞う。軈て埃が晴れると、そこには尚文の姿はなかった。何処へ行ったと周りを見渡そうとした時、屑王が弓の勇者に向けて叫ぶ。

 

「弓の勇者よ!後ろだ!」

 

 その言葉に振り向くと真後ろに尚文がおり、右手で頸を捕まれる。パーティメンバーは彼を助けようと動こうとした時、尚文が地面を強く踏み付ける。すると地面から鋭く尖った金属が飛び出し弓の勇者のパーティメンバーを串刺しにしてしまう。

 剣の勇者同様に自分のパーティが全滅したことにショックを受ける弓の勇者に対し、尚文はお構いなしに次の行動に移る。左腕の盾の宝玉が光ると形を変えていき、手の甲に宝玉が埋め込まれた籠手にへとなる。そして尚文は放心状態の弓の勇者の腹に一発の拳を打ち込む。全くの無防備だった彼は胃の中の物が全て吐き出されそうな痛みを受け吹き飛び床を転がる。

 尚文は倒れたままの弓の勇者に近づき、頭を掴んで無理矢理立たせ自分の顔へと近づける。

 

「どうだ?痛いか?だがな、俺がお前達から受けた痛みはこんなモノじゃないぞ」

 

「な、なんで…」

 

「?」

 

「なんで自分から攻撃を…君は防御専門の筈…なのになんで…」

 

「確かに今までの俺はそうだった。だが妓夫太郎と梅(アイツ等)に特訓のお陰で、近距離だけだが自分からも攻撃出来るようになったんだよ!」

 

 すると近くで爆発音が聞こえ目を向けると、槍の勇者とそのパーティ御一行が倒れている姿が目を入り、弓の勇者を彼等と同じ場所にへ投げ飛ばした。

 

 

 

 

 少し遡り槍の勇者とそのパーティは回避した妓夫太郎を狙った。パーティメンバーが魔法や飛び道具を使って妓夫太郎を攻撃するが、尋常じゃない反応速度で全ての攻撃を回避若しくは鎌を使って相殺する。

 

「おいおいぃ、こんな攻撃が俺に通用するとでも思っているなかぁ?」

 

「勿論思っていませんわ。でも目を逸らさせることは出来ましてよ」

 

 後方から気配を感じ視線を向けると槍の勇者が自身の横を素通りする。通過した瞬間腕に「チク」と刺された感覚があった。だが特に何ともなかったので虚仮威しか思い気にしなかった。しかし地面に着地した瞬間身体が痺れ動けなくなる。

 

「どうだ、この俺の【パラライズランス】は!如何にお前が強くても動けなければ造作もない!これでトドメだ!

 

 槍の勇者はエネルギー状のランスを上空へ投げると、それが数千本に分裂する。

 

「エレナの仇!喰らえ!!」

 

 そして大量の流星のようになって降り注ぐ。身動きが取れずこれだけの攻撃を一斉に喰らえば流石の妓夫太郎もタダでは済まないだろう。だが彼は焦る様子はなく寧ろ口をニヤリと笑い腕に力を入れる。

 

「血鬼術【跋狐跳梁(ばっこちょうりょう)】!」

 

 両腕を高速で動かし大量の血鎌がドーム状となって無数の流星を打ち消してしまう。

 

「なっ!?俺の技が!?それに何故動ける!?」

 

「結構良かったぜェ、さっきの技はぁ。でもなぁ、俺からすればあのほんの少し痺れたくらいだからなぁ」

 

 自分の攻撃が防がれ、さらには先の技も全く通用していなかったことに驚いていると別の場所で爆発音が聞こえた。視線を向けると弓の勇者が尚文(【盾の悪魔】)にヤラれているのが映る。

 

「なっ!?何故アイツが!?」

 

「おいおい、余所見してる暇があるのかぁ?」

 

 残っていた血鎌が散開し槍の勇者とその仲間の女性達に襲い掛かる。彼等は武器や魔法を使用し相殺していく。全ての血鎌が相殺し終えた時、いつの間にか妓夫太郎が目の前におり鎌の柄側の方で殴られる。さらに信じられない程の脚力で彼のパーティメンバーを蹴り飛ばす。

 痛みに耐え起き上がり妓夫太郎の方へ視線を向けると自分達を観ながらニヤニヤ笑っていた。しかもあの顔は他人を見下す時の顔。つまりさっきまで攻撃は全然本気じゃない、手加減されたと言うことだ。プライドが高い槍の勇者はそのことが我慢ならなかった。さらにこそに手傷を負った弓の勇者が投げ飛ばされてきた。

 

「おい大丈夫か?」

 

「な、なんとか…」

 

「クソッ、アイツ全然本気出してねェ」

 

「それだけじゃない。まさか【盾の悪魔】が自分から攻撃してくるだなんて」

 

「当然だろぉぉ。《死刃》である俺とその《従属官》の梅が鍛えたんだからなぁ、それくらい出来て当然なんだよなぁ」

 

「《死刃》?《従属官》?」

 

 聞いたことの無い単語に一行は「?」を浮かべる。妓夫太郎は何か思い付いたようでニヤニヤ笑いながら説明を始める。

 

「そうだなぁ。どっちみち死ぬお前達は死ぬんだぁ、教えてやるぜぇ。俺達はなぁ、ある御方に仕えてるんだぁ。そしてその中でェ最も強ェ奴等が強い順に【10】からの数字が与えられる。それを《死刃》と呼ぶんだよなぁ。そしてそいつ等は自分達の専用の部下を選ぶことが出来るぅ。それを《従属官》って言うんだよぉ。因みに俺はなぁ…」

 

 妓夫太郎の左肩に数字が浮かび上がる。そこに刻まれていた数字は…

 

 

 

 

 

 

 

 

6

 

 

 

 

 

 

 

 

「第6の死刃ァ─────《第6死刃(セスタ・エスパーダ)》【妓夫太郎】だぁ。さらに言うなら俺は一切全力を出していないぜぇ」

 

 

 これ程の力を見せたコイツで6番、しかも全力を出していない。だとしたら始めから全力を出されていたら自分達はどうなっていたのか。そしてそれ以上の数字を持つ者達はどれ程強いのか気になる。

 

「しっかしぃ、勇者って如何ってた割にこの様かぁ。弱いなぁお前ぇ。それに今ので分かったが、お前等ぁ尚文(コイツ)より弱いなぁ」

 

 勇者ともあろう者がこんなに弱いことに落胆したことより、遊び相手にすらならないことに滑稽し妓夫太郎はニヤニヤと笑い彼等を蔑み終いにはとんでも無い事を言い出した。

 

「巫山戯るな!我々がそいつに【盾の悪魔】より劣っていると言うのか!」

 

「そうよ。元康様が本気を出せばアンタ達なんてあっという間に倒してくれるわよ!」

 

 自分達が【盾の悪魔】に、自分から攻撃することが出来ない奴に劣っている。そんなことあってはならない。その言葉に全員抗議し怒りの感情をぶつけた。

 

「そうかぁ?だがなぁ、お前等が尚文(コイツ)より弱いってはぁ、もう決まっちまってんだよなぁ」

 

「その通りだ。教えてやる。俺の力を発現させるある条件はな─────自分より弱い奴の攻撃だ!」

 

 なんと尚文の攻撃反射の条件は『自分より格下の相手』だった。皆の攻撃は全て跳ね返されていた。そのことから三勇者含めその仲間達全員、尚文より実力が劣っていると言うことが証明された。

 

「も、もしそれが本当ならさっきはなんで攻撃を跳ね返さなかった!?可笑しいじゃないか!?」

 

「なんでだ?そんなの決まっているだろ。ハンデだよ、ハ・ン・デ。そうしないと面白くないからな」

 

 先の戦闘で勇者一行の実力が自分より劣っていると確信した尚文は、あの時の槍の勇者の攻撃を(わざ)と跳ね返さず自分は動けないと錯覚させた。そうすることで一気に調子付くだろうと予測し、案の定自分の予想通りとなった。そして戦闘面に於いても自分の方が優っていると知らしめ弓の勇者の鼻っぱしをへし折ってやった。

 全ては尚文(【盾の悪魔】)の掌の上で踊らされていた。そのことに弓の勇者は悔しくて悔しくて歯を食い縛り涙を流す。

 

「〜フ、フハハハハ!笑える冗談だ」

 

「あぁ?」

 

「そんな根拠もないことを言って俺の動揺を誘おうって魂胆だろうが無駄だ。何故なら…この俺が【盾の悪魔】に劣っているなど決してあり得ないからだ!」

 

 だが槍の勇者はそれを真っ向に否定した。スキルにも仲間にも恵まれている自分が【盾の悪魔】に劣っている、そんなことはある筈がないっと。…それこそなんの根拠もないと思うが…。

 

「まぁいい。こうなったら俺の本気を見せてやることにしよう」

 

 相変わらずの見下した口調で演説するが、現状からすればただの強がりにしか見えない。そして槍の勇者は調子付いてとんでも無い事を口走ってしまう。

 

「そして梅ちゃんっと言ったか?彼女をお前達のような悪魔から解放してみせる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あぁ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 その言葉を聞いた瞬間、妓夫太郎の雰囲気が変わる。

 

「…お前今なんて言った?俺から梅を…妹を奪って言ったのかぁぁ

 

 先程までの冷やかし口調から一変、今にも飛び掛かりそうなくらい目が血走り逆上していた。その迫力に口走った本人は勿論弓の勇者やその仲間達、さらには尚文でさえ辟易ろぐ。

 

「許させねェなぁ。俺から妹を取り立てようとする奴はぁ、許せねェなぁぁ!!

 

 逆上した妓夫太郎の身体中の血管が「プチプチ」と音を立て全身から少量の血が噴き出す。

 

 

血鬼術

【円斬旋回・飛び血鎌】!

 

 

 螺旋状の大量の血鎌が部屋全体に放たれ、残っていたパーティメンバーや周囲の柱を吹き飛ばす。その際弓の勇者を始め血鎌に触れてしまった者がおり、その者達は即命を落とすことになった。勿論弓の勇者も。

 

 槍の勇者も血鎌を受けてしまったが何かの加護によるモノか、毒に対する耐性があるのは不明だが辛うじて耐えていた。身体を起こそうとした時妓夫太郎が跨り、険しい顔で睨みつける。

 

「お前だけはぁぁ…絶対許せねェェなぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!

 

 槍の勇者の腕に鎌を刺して動けないように固定する。槍の勇者は激痛で悲鳴を上げる。

 

「お前は毒で殺しはしねェ。そんな直ぐ殺しちゃつまんねェからなぁぁ!」

 

 あまりの迫力に恐怖する槍の勇者だが、残っていた片腕で槍を取り妓夫太郎の頭部に突き刺した。流石に頭部をヤラれては倒しただろうと思っていると、次の瞬間妓夫太郎の目が動き此方を睨み付ける。そして右手で槍の柄を掴み「バキン」と力づくでへし折り、刺さっている頭部から引き抜く。空いた穴は引っ掻き傷同様即再生し塞がる。

 

「こんなモンでこの俺が殺せると思っているのかぁぁ!」

 

 妓夫太郎は鎌を使って槍の勇者の右腕を斬り落とした。

 

「ウワァァーー!!お、俺の腕が!腕がァ!!」

 

「五月蝿セェなぁ」

 

 痛みで叫び声を上げる槍の勇者に妓夫太郎は片足を突っ込んで無理矢理黙らせる。

 

「沢山の女に囲まれてェ、美味い飯食ってェェ、周りからチヤホヤされてェェェ…これまで良いように恵まれてきたような奴がぁ、たかが腕1本無くしたくらいで……騒ぐんじゃねェよぉ…」

 

 今の妓夫太郎にとって槍の勇者は存在そのモノが不快に感じる。何の苦労もなく欲しい物を手に入れ好き放題してきた。そんな『恵まれている奴』と言うだけでも許せないのに、自分の妹を奪うなど発言をした。彼にとって妹の梅は唯一の宝にして命よりも大切な存在、それを奪うなど許せる筈もない。

 妓夫太郎は殺さないように血鎌は使わずただ純粋に鎌で斬り付けていく。その度に槍の勇者の悲鳴が響き渡る。 

 

 だがそんな妓夫太郎の後方からレイピアを持った女性が迫っていた。まだ辛うじて意識が残っていた槍の勇者の仲間の1人が最後の力を振り絞り、レイピアで彼の頭部に突き刺そうと突っ込んだのだ。

 怒りで自分のことに反応していないから捉えたと思ったその瞬間、なんと妓夫太郎の頭部が梟の様に180℃回転し歯で先端を咥えて受け止めた。

 

「ッ!?」

 

「邪魔するじゃねェェ!!」

 

 妓夫太郎は力任せに咥えていたレイピアを噛み砕き後ろ蹴りで女性を吹き飛ばした。女性はかなりの衝撃を受け内臓をヤラれ毒を喰らっていたこともあり程なく息を引き取った。

 頭部を回転させ槍の勇者に睨み付け、再び槍で身体を斬り刻んでいく。そんな中運良く(?)血鎌が当たらなかった糞女は死角から魔法を放ち妓夫太郎を攻撃する。

 

 魔法は妓夫太郎に命中するが全く動揺していない。それならと魔法を連発するが、それでも妓夫太郎は気にすることなく槍の勇者の身体を鎌で突き刺していく。いい加減鬱陶しくなってきた糞女は特大の魔法を放とうとした時、腕に何かが巻き付きそのまま身体を縛り上げ魔法を解除させる。

 

「私のお兄ちゃんに何してんのよ、この不細工!」

 

 視線を向けるとそこには剣の勇者を追っていた【梅】が7本の触手を靡かせながら立っていた。

 

「梅ぇ、お前も終わったのかぁ?」

 

「エェ、コイツ勇者だけあって少しは楽しめたけど所詮私の敵じゃなかったわね」

 

 そう言って一本の触手を見せると、そこには身体に大穴が空いている剣の勇者の姿があった。

 

「そうかぁ。じゃあこっちも終わらせないとなぁ」

 

 梅が戻ったことで冷静さを取り戻した妓夫太郎は『妹の視界にこんな奴を入らせる訳にはいかない』と遊ぶのを止め、槍の勇者の頸を斬り落とした。そして大量の赤い液体が噴水のように噴き出す。これにて三勇者は全滅した。

 

「これで残るはこの女(糞女)と屑、アンタだけだ。勇者は全滅し、兵士達も全員死んだ。随分脆いモノだ、アンタの国は」

 

「お、おのれ…」

 

「最後に何か言い残すことはあるか?」

 

「…こ、この【盾の悪魔】め!こんなことをしてタダで済むと思っているのか!!我が国の勇者を殺し、この世界を破滅へ追いやるなど許されはしないぞ!何れ貴様には制裁が降る!覚悟しておけ!!」

 

「…それが最後の言葉か。なら…死ね!」

 

 尚文の盾の宝玉が怪しく光ると、突如屑王の周りに黒い壁が出現し包み込み縦長の箱となる。

 

『なんだこれは!?グッ…ガッ…ガァァァ!!』

 

 突然のことで戸惑う屑王であるが、いきなり苦しみだし断末魔に似た悲鳴を上げる。それから数秒後声が聞こえなくなったので箱を消すと、そこには胴体や腕、足が有られもない方向へ折れ曲がり、大量の赤い液体を流し絶命した屑王の姿であった。

 

「あぁ…あぁ…」

 

 糞女は父親である屑王や取り合っていた槍の勇者が目の前で無惨にも殺され震えていた。尚文は触手で縛られ身動きが取れない糞女に近づく。

 

「お、お願い許して!貴方から盗んだ財宝は全部返します!だから「黙れ」グフッ!」

 

 謝罪する糞女にお構いなしに尚文は盾を使って殴り倒す。

 

「許してくれだと?巫山戯ているのか。お前みたいな糞女の物なんて汚らわしくて触れるか!それにお前の謝罪なんてそれ以下の糞なんだよ!」

 

 尚文がこれ程彼女を憎んでいるのも無理ない。何故ならこの女こそ自分を陥れた元凶だから。

 

 自身が冤罪を掛けられたあの日、この女は『あっかんべー』をして嘲笑い馬鹿にした。そんな奴を許せだなんて余程のお人好しでない限りあり得ない。糞女は殴られた痛み、尚文から発せられるドス黒いオーラ、そして殺されるかもしれないと言う恐怖に怯え涙を流していた。

 

「だが今ここでお前を殺しても俺の気が済まない。だからもっと相応しい場所で制裁を加えてやる」

 

 その瞬間梅の触手が糞女の身体を覆っていき、一気に口元まで巻き付き物凄い力で締め付ける。

 

「うぐ…ぐぅ」

 

「本当は不細工なアンタを入れるのは嫌だけど、今回は特別よ。感謝しない」

 

 身体はドンドン触手に呑まれていく。

 

「へへへ、心配するな女ぁ。お前は殺さねェよぉ。死んだ方がまだマシって思えるくらいの苦しみを味合わせてやるからなぁぁ」

 

 そして糞女は完全に触手に取り込まれ彼女の意識は途絶えた。

 

 

────────────────────────────────────

 

 

デストロイヤー軍本拠地

 

 王座の間を始め《最上級幹部》、《上級幹部》、《死刃》それぞれの自宮、会議室や治療室、食堂等多くの設備がある。その中の一つにトレーニングルームがある。

 

 ここのトレーニングルームは2つの設備に分けられている。1つは名前の通り自身の実力を上げるために自主訓練する謂わゆる普通の設備。そしてもう1つは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

 

「おい立て。まだまだ俺の復讐(トレーニング)は終わってないぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…連れて来た者を使っての実践訓練─────と言う名のストレス発散部屋。そこに今数日前連れて来られた糞女【マイン】が尚文のトレーニングに付き合わされていた。

 

お願い…もう…許して…

 

「ハ?何言ってる。今ので俺に冤罪を掛けたことへの制裁(第一の訓練)が終わったところだ。次は俺を馬鹿にしたことへの報復(第二の特訓)だ」

 

 今にも消えそうなくらい小さな声で許しを請うが、勿論聞き入れられる訳もなく髪を掴み持ち上げ、土手っ腹に重い一撃を喰らわせる。

 台詞からしてかなりの時間ここでストレス発散(トレーニング)に付き合わされているようである。しかし不思議なことに彼女の身体には何処にも外傷は見られない。それもそのはず、今の彼女は【死なない身体】になっているのだから。

 

 意識を失った後、次に目を覚ましたのがこの本拠地のこの部屋であった。あの後何が起きたのか頭をフル回転させようとした時に、尚文がこの部屋に入ってきた。何処なのか聞こうとした時、いきなり顔面を思いっきり殴られ吹き飛ばされた。

 

 突然の行動に抗議しようとするが、再び顔面を殴られる。それから尚文は殴り続けた。何度も、何度も何度も何度も何度も、それは原型がなくなるくらいぐしゃぐしゃに。

 だが不思議なことにぐしゃぐしゃになっていた顔は元に戻った。何が起こったのか分からず戸惑っていると尚文が口を開いた。

 

『傷が治って驚いているな。何をされたか知りたいか?お前に【死なない呪い】を掛けたんだよ』

 

 【死なない呪い】それはつまりどんなに傷付けられようが、例え身体をバラバラにされようが、内臓を抉られようが決して死ぬことはない。言うなら不死身に近い肉体を手に入れた。

 

 最初こそ『馬鹿じゃないのコイツ等』内心馬鹿にし、あの時殴られた分の痛み含め自分に与えた屈辱を何倍にもして返してやろうと考えた。だが三勇者よりも実力の劣る彼女が、その三勇者以上の実力を身に付けた尚文に勝てるはずもなく結果はご覧の通り。得意である魔法は跳ね返され、仕方なく近距離で挑もうとすれば殴られと惨敗。

 

 普通ならもう死んでいても可笑しくない。だが【死なない呪い】によってどれだけ致命傷になる程の傷を負わされても直ぐ復活する。

 

 ここに来てどうして自分を【死なない身体にした】のかその意図が分かった。

 

 【岩谷尚文(コイツ)】は気の済むまで自分を痛め付けるつもりだ。

 

「まだ俺の復讐(特訓)は終わらない。もっともっと付き合ってもらうぞ」

 

 死にたくても死ねない、生き地獄を未来永劫味わう。そんな事実に絶望する糞女を他所に尚文は口を吊り上げ笑うのであった。

 

 




もし奴隷商人でなく、妓夫太郎達のような存在に出会っていたらあり得たいかもしれない結末です。
因みに尚文に手を差し伸べてくれた武器商人のおっちゃんは王城を攻め落とした後、商人のおっちゃんの店にへと出向き尚文が「俺の仲間にならないか?アンタは殺したくない」と勧誘する。しかし「済まない兄ちゃん。有難い誘いだが、それは出来ない」と断る。事情を知っていた妓夫太郎達も、尚文を信じてくれた者を手に掛けたくないし、何より彼を殺せば尚文が悲しむ、そんな姿を見たくない。だから見逃す代わりに「今回の出来事のことは誰にも話さず、自分の心の淵に閉まってほしい」と約束してもらい何処かへ去って行きました。

そして皆様お気付きかもしれませんが梅が【死刃】ではありません。それは彼女が【死刃】の座に拘っていないからです。私の作品の梅はデストロイヤーの側近を始めとした多くの女性キャラと触れ合い性格が原作より柔らかくなっています。それにより「兄を支える存在になりたい」と言う考え方になっているからです。立場的には原作の1番さん達と似たような感じです(多分)。


そしてここで皆様にちょっとしまお知らせが。この作品のアイディアが切れ掛けています。
今までは登場させるキャラを、成るべくそのキャラにあった世界にしてきました。しかし私が知っている世界(作品)が切れ掛けているのです。
なので投稿が遅くなると思います。もし良さそうな作品があればメッセージでお教えいただきたい。出来る範囲で今後の参考にさせていただきます。

但し強さが異次元的過ぎる作品(例:ドラ〇〇〇ール、ワ〇〇ース、ワン〇〇〇ン等)戦闘が全くない日常的な作品(例:ちび〇〇〇ちゃん、サ〇〇〇ん等)ギャグ中心的な作品(例:でん〇〇〇〇じいさん、妖〇〇〇ッチ等)はNGとさせていただきます。

色々長くなりましたが改めてまして、本年も宜しくお願いします。
感想等お待ちしています。
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