戦姫絶唱シンフォギア~I'm thinker~ 作:トライグルー
すぅ…すぅ…。
おや、疲れて寝てしまいましたか…。
ごめんよ翼ぁ…。
……全く世話が焼ける子ですねあなたは。
すみません傭兵の皆様…このような状態なので今回のブリーフィングはありません。
ですがここまで読んでいただいている傭兵の皆様に作者から報酬もといおまけの話があるそうなので最後までお楽しみください。
さて…なにか羽織るものを探しますか。
「ハハハッ!見てたよルーキ!なかなかやるじゃない?ちょ~っと時間かかったけどね!」
「翼さんに!せ、先生!?」
ノイズを生身で蹴り飛ばし自分が苦戦していたノイズを尽く殲滅した主任と翼の登場に響は驚く。
『主任!!響くんは無事かッ!?状況はどうなっている!』
「ヒヨっ子が苦戦してただけですよ風鳴司令官殿」
『そ、そうか…それはよかったが…』
「翼ちゃんなら大丈夫だと思いますがねぇ~?ま、見守りましょうや。いざとなれば俺が止めますしね」
主任は響の身を案じてか通信機から大声で語りかける弦十郎に通信を返し司令室にいる彼は安堵するが弦十郎にはもうひとつ心配事があるのか会話の雲行きを怪しくさせ主任は二人の方を見た。
「あの…翼さん…ッ!私」
「いいか立花。ノイズとの戦いは遊びではない貴女も戦場に立つと言うのならそれ相応の覚悟を持ちなさい!」
「あれっ、これちょっとヤバい感じ…?というか響ちゃん余計なこと言わなければいいけど」
翼は表情を険しくし響に対し厳しく当たり響もまた何を言っていいかわからない状態であり主任は少しハラハラしはじめる。
「…ッ」
「でもよく持ちこたえてくれた。ありがとう」
「翼さん!はいッ!ありがとうございました!」
しかし主任の悪い予想は杞憂に終わったなぜなら翼は険しい表情から一変スッと片手を出し響に握手を求め微笑みかけたからだった。
★★★★★
「全くッ!ここ一月のノイズの出現量多くないかなぁッ…!ビッキ~背中がら空きだよ~」
『うわわッ!?先生ありがとうございます!』
『立花!眼前の敵に集中しろッ!』
あれから1ヶ月が経った。周辺では相変わらずノイズは出現し尚且つまるで翼と響二人を分断するかのように出現し主任はその中間でサポートにあたっていた。
「それにしてもノイズには普通の武器は効果がないって聞いてましたけどそうでもないんですね!」
「立花、主任の銃は特別だ。たしか名前は…」
「狙撃砲。YAKUMO mdl.2。櫻井理論を基にウチの
「へ、変態ですか!?」
「比喩というか誉め言葉のようなものだよ彼等にとっては。ね、翼ちゃん?」
「確かにあそこの人達は変態というか…面妖というか…」
二人はノイズを倒し終え二課の本部でくつろいでおり、ふと響が疑問に思ったことを口にする。
そこに合流した主任が説明を加え、翼も彼の言葉にコクコクと頷くが主任が最後に言った変態というワードに反応したのか響は顔を赤くした。
「そ、そうなんですか。ところでどんな原理なんですか?了子さんに聞いた話だと攻撃が当たらないって事だと思ったんですけど?」
響は少し恥ずかしかったのか話題をそらそうと主任の持っていた狙撃銃について追究する。
「んー難しい話になるけどさ例えば翼ちゃんの技の中にある千ノ落涙もしくは形成し攻撃によって砕かれてしまったアームドギア。響ちゃんの胸の中にあるガングニール同様あれらも希に消滅せず残ることがあるんだけど…あの連中はそれを回収して再利用出来るようにって考えたんだ」
「それが…」
「こいつって訳。ま、共振というか共鳴というか…条件が揃わないと威力が高いだけの狙撃銃なんだけどね?」
「条件…ですか?」
「そ、条件」
主任は首をかしげた響にメモ帳とペンで絵を描きながら説明した。
一つ。一定の距離にシンフォギア装者が居なくてはならない。
二つ。素となったシンフォギア装者の歌でしか効力を発揮しない。
三つ。弾には限りがあるから注意とのこと。
「三つ目は判りきったことだけど一つ目二つ目が重要でねこの銃と弾には翼ちゃんのアームドギアの欠片が含まれていてそれを翼ちゃんの歌と共鳴、撃ち出してノイズの位相差障壁を突破するって仕組みさ」
「へ、へぇ~…やっぱり先生ってノイズに詳しいんですね!」
そして主任の説明が終わるといつの間にかレポートのため授業のようにノートをとっていた響ではあるが。
(先生の言ってること難しくて全然解らない…)
ほとんどの内容を理解できていなかった。
★★★★★
「よかったね響?先生も誉めてたよ?でもいつの間にノイズこんなに詳しくなったの?」
「あは…あははは…」
夕暮れ時二課の本部からリディアンへと戻ってきた響は親友である小日向未来と共に課題であるレポートを提出し終え夕日に染まった廊下を歩いていた。
「いや~…実はノイズに詳しい知り合いの人がいてその人に手伝ってもら「科学の先生のこと?」何で知ってるの未来!?」
「だって響ったら最近あの先生とよく話してるんだもん…」
未来はむすっとしながらも響がレポート提出に間に合った事に対し核心をついてゆく。
「それに先生ってリディアンに来る前はノイズの学者さんだったって話だし響のやったことはだズルだよ?」
「ぐふっ!?ご、ごめん未来ー!そんなつもりじゃなかったんだよ~!ただ今日の約束を守りたk」
だがそんなとき響の携帯から着信音が鳴り響は表情を曇らせる。
(またノイズ…未来との約束があるのに……ッ!)
「響?」
「未来ごめん!また急な予定が入っちゃって!なるべく早く帰って来るから!」
「あ、響!」
そして響は未来に再度謝るとその場を後にし残された未来はただ走り去る響の背中を見つめることしかできなかった。
★★★★★
「響…やっぱり最近ちょっと変だよ……」
響と別れた後、未来は一人俯きながら学院の廊下を歩いていた。
(もしかして危ないことをしてるんじゃ……うわッ!?)
「おっと?」
しかし考え事をしながら歩いていたせいなのか前に突然現れた人影に気づかず未来はぶつかり尻餅をついてしまう。
「えーっと…確か小日向…未来ちゃんだっけ大丈夫?」
「えっ、あっ…すいません先生!」
未来はぶつかった相手に急いで謝ろうと顔をあげる、するとそこにいたのは先ほど響との話題の中にいた先生であり彼女を起こそうと手を差しのべていた。
「なるほどねぇ~…響ちゃんが…ココアでいいかい?」
「はい…今日は大事な約束をしていたんですが…あっ、ありがとうございます」
場所は変わって理科準備室。先生こと主任は未来に飲み物を渡すと椅子に座り、二人は軽い雑談を始めていた。
「しし座流星群ね~なんか申し訳ないことしちゃったかな…」
「先生は悪くないですよ響の人助けは癖みたいなものですから」
「いやぁ…でも響ちゃんにバイト紹介しちゃったの俺だし?」
「響がバイトしてるんですか!?」
「あれ?言ってなかったの響ちゃんは」
未来は主任の発言に驚きを隠せず彼に詰め寄り詳しく話してくれと言う。
それに対し主任は嘘は言ってないのだがそれがノイズと戦う危険なことだとは言えず、かといってノイズ出現のせいで約束を破棄させた響を庇わない訳にもいかず主任は咄嗟に嘘を並べ始めた。
「い、いやぁ~…実はこの前レポートを手伝ってあげてるときなんだけどさ。響ちゃんいつも小日向ちゃんにお世話になってるからその恩返しをしたいって相談を受けたんだよ!」
「でも最近授業中でもそのバイトに行ってますよ?」
「うん、それは知らないね!何せ俺は紹介しただけだから。ま、今度注意しとくけどね~。あとは……っと!?」
「また、ノイズ警報…ッ!!」
主任は未来の質問になんとか答えきる。
彼は他に質問はないかと彼女に確認するが丁度その時ノイズが出現したという避難警報が鳴り響き、話し合いは半ば強制的にお開きとなり二人はそれぞれ移動するのであった。
★★★★★
「立花ッ!取り巻きのノイズを頼む!私は自分の不始末を…ネフシュタンを相手するッ!」
「でもッ!?」
「一人で相手するだと?アタシもナメられたもんだな!」
一方その夜各地に出没したノイズを倒していき合流した響と翼は二年前のライブ騒動の最中盗まれた完全聖遺物ネフシュタンの鎧。そして更には同じ完全聖遺物であるソロモンの杖を携えた少女と戦っていた。
「いざ参る!」
「ハッ!ちょせえ!」
翼は少女との距離を詰め一気に勝負を仕掛けようとするが少女は鎧の両肩から生える鞭を自在に使いそれを阻止する。そして今度は少女が彼女へと攻撃を開始し翼を圧倒していた。
「翼さんッ!?」
「下がっていろ立花ッ…!やつの強さは本物だ故にこいつは私がッ!」
響は苦戦している翼の援護に向かおうとするが彼女はそれを手で制し阻む。
「感動的なお仲間愛だねぇ…ケド。のぼせ上がるな人気者!ハナっから狙いはそこの融合症例であって…」
だが少女は依然として余裕を見せ高く飛び上がると。
「アンタじゃねぇッ!!」
鞭の先へとエネルギーボールを作り出し翼へ放つのだった。
おまけぷち話・しんふぉぎあ~あいむしんかー
(主任の意外な趣味)
さて、なんで落ち込んでたのかな?
えっとそれは…
まぁ、無理に話さなくてもいいさそれよりも…。
はい?
なにを飲みたい?紅茶ならダージリン、アッサム、セイロン、スリランカ!珈琲ならアメリカン、カフェオレ、カプチーノ!あぁ、もちろん豆も色々あるからね!
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