やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
それと葉山の設定を少し変えさせていただきますのでご了承ください。
川崎の件から少したってついに今日はRoseliaの前でギターを演奏する日だ。
ただいまの時間は午前9時、俺はspaceにいる。
Roseliaの練習は午後からだが、川崎の件であまり練習ができていなかったので少しでも練習しようと思って午前からスタジオで練習している。
...のだが
「なんでいるんだよ...川崎、花園そしてババァ」
なぜかspaceの従業員の3人が俺の練習風景を眺めている。
「いや、午前はあんたともう一組の予約しかないから」
「そうけち臭いことを言うんじゃないよ、ハチ」
「うっせ、ババァ」
「オーナーをババァ扱い...」
うわっ!花園に引かれた、何がショックだな...
こいつに引かれるとか...
「あんた、さすがだね...」
川崎も呆れ顔だ。
しかし、ここのオーナーとは俺はだいぶ長い付き合いだし...
今更態度を変えることもできるはずもない。
「いいんだよ、2人とももう慣れたことだ」
ほら、ババァ自身がこういっているのだ。
「というか、八幡先輩とオーナーっていつから知り合いなの?」
花園は不思議そうに聞いてくる。
まぁ確かにこんな風に話してたらそう思われるのも仕方ないな。
「俺が...中学校に入る少し前くらいからかな?」
「そうだね...あんたはほとんど変わってないけどね」
このババァは俺に罵声を浴びさせないと気が済まないのか?
「ババァはシワが増えたんじゃないか?」
とりあえず俺も嫌味の1つくらい言い返しておく。
「まったく、ほんとにあのときあんたに声をかけるんじゃ無かったよ」
「どういうことですか?」
ババァの言葉に川崎がそう質問する。
「まぁ、俺とこのババァには色々あったんだよ」
「私、その話聞きたい!」
「また時間があったときにでもババァに聞け、じゃあ俺は練習するからそろそろ1人にさせてくれ」
「それじゃあ2人とも仕事に戻るよ」
そういってババァたちはスタジオから出て行った。
*****
あれから1時間は練習しただろうか、すると不意にドアが開いた。
「やっぱり、お前が弾いてたんだな...」
聞き覚えがあるその声は俺の数少ない男の知り合いのものだった。
「だからどーしたんだよ、葉山?」
「そう言うなよ、友達だろ?」
「俺はお前と友達になったつもりはねーよ」
「まったく相変わらず釣れないやつだなぁ」
こんな会話をしてるが葉山はニヤついている、こいつとこんなやりとりするのも久しぶりだな...
多分俺の顔も葉山と同じような顔になっているだろう。
「ほんとに、また弾き始めたんだな...」
「ああ」
急に真面目な雰囲気にしてくるな、こいつ...
でもこいつも俺を心配してくれていた1人なのだ、多少思うところもあるのだろう。
「これでようやくお前と勝負の続きができるな」
「おいおい、冗談はやめろよ。あの頃は俺の圧勝だっただろ?」
「お前こそ寝言は寝て言えよ、俺が本気出してなかったのにも気づいてないのか?」
なぜかこいつと話しているとこんな軽口の応酬になってしまう。
きっとそれは本心ではこいつのことをライバルと思っているからなんだろう。
実際自分たちで言うのも難だが俺たち2人は天才と言われよく比べられていた。
まぁ俺の方が技術あると言われてたけどな?
ほんとだよ、八幡嘘つかない。
「てか、なんでお前がここにいるんだよ?」
「そりゃ、バンドの練習に決まってるだろ。お前こそなんでここにいるんだ?」
なるほどババァたちが言っていたもう1組の予約とはこいつらのことか。
「俺はまぁ、色々あってな」
そう言って俺は葉山にRoseliaの前で演奏することになった経緯を話した。
「なるほどな。でも、Roseliaの前で演奏するとは、なかなか緊張してるだろ?」
くそっ!楽しそうな顔しやがって。
「じゃなきゃ俺がこんな時間から練習なんてするわけないだろ」
実際俺は練習が午前からだとよく寝坊して遅刻して雪ノ下からよく怒られていたものだ。
「確かにそうだ」
そんな風に俺たちが話していると不穏な声が聞こえてきた。
「ぐふふっ、やっぱりはやはちはいいね」
げっ!海老名さんに見られてたのか...
「久しぶりだね、比企谷君」
「久しぶり」
なんというか俺は海老名さんの雰囲気が苦手だ。
何考えてるか分からないし...
「隼人くーん!早く練習しようぜ!ってヒキタニ君じゃん!久しぶりー!」
「おう、久しぶり。お前も変わらないな」
相変わらず少しウゼェ
「ヒキタニ君はまたバンドやるの?」
「まだ分からん...」
「そっかー。やるんならまたよろしくねー!」
でも、こういうところがあるから嫌いになれないんだよな。
てかこの2人が来たってことは...
「3人とも遅いし、早く練習しよーよ。ってヒキオじゃん、ギター弾いてるなんて久しぶりじゃん」
「み、三浦...」
やっぱり来たか...
三浦はなんかちょっと怖いイメージがあるんだよな...
「結衣たちとは仲直りしたの?」
「いや...まだだ」
「そっ、別にあんたのことはどーでもいーけどさ、また結衣たちを泣かしたら許さないから」
「それだけはもう絶対にしない...」
そう、二度と...
「じゃあ俺たちはそろそろ練習をしてくるよ。それと比企谷、俺も後でお前のギター聞きに行っていいか?」
「それは俺じゃなくて湊に聞けよ」
「じゃあそうするかな」
こうして俺と葉山たちは別れた...
*****
ー午後ー
そして午前はあっという間に過ぎRoseliaの面々も集まってきた。
「こんにちは、比企谷さん」
最初にきたのは氷川か、やっぱ見たまんま真面目なんだな...
「こんにちは、八幡」
「こんにちは〜八幡!」
次に湊と今井が
「あっ八幡さん!こんにちは!」
「...こんにちは...」
そしてそれから間も無くあこと白金がこれで全員揃ったな...
「比企谷、もうすぐに弾くのか?」
葉山もほんとにあの後残ってるし...
「あなたは...葉山さんですよね?」
さすが氷川葉山のことも知ってるようだ。
「こんにちは、俺もこいつのギターを聞きたいんだけど、聞いて行っていいかな?」
「別にいいわよ」
「ありがとう、湊さん」
葉山も湊とは知り合いらしい。
てか湊、葉山に許可出すんじゃねーよ
「はぁ、言っておくがほんとに期待はするなよ?」
「それなんだが比企谷、俺と勝負しないか?」
勝負?葉山は一体何をいつまでいるんだ。
「せっかくお前がギターを弾くんだ、久しぶりに勝負と行こうぜ」
そんなのまぁ湊が却下するだろう。
と、たかをくくっていたのだが
「それは面白そうね」
「確かにそっちの方がカッコ良さそう!」
「2人ともギター上手いんでしょ〜。楽しみだな〜」
「...それも...面白そうですね...」
おい、4人揃ってなんで受け入れ態勢バッチリなんだよ。
まったく、どこぞやの大統領もこの4人を見習った方がいいな。
「たくっ、仕方ねーな」
と言いつつ俺もかなりワクワクしているのだ、俺もまだガキだな。
こうして俺と葉山は勝負をすることになった。
*****
その後結局、川崎たちも来てスタジオの中にはかなりの人数がいる。
「八幡さんと葉山さんって前からライバルだったの?」
あこの質問に対して俺らは
「「いや、俺の圧勝だったぞ(よ)」」
2人揃ってそう返事をする。
「おい葉山嘘つくなんてみっともないぞ」
「その言葉そっくり返してやるよ」
ちなみに実際にはほとんどどっこいどっこいだったが若干俺の方が勝っていた...はず
「2人ともほんと仲良いね〜。」
「いや、別によくない」
「即答するのね...」
今井の質問に即答したことに対して湊は呆れ顔だ。
「この2人はずっとこんな感じだよ、まったくもう少し仲良く出来ないのかねぇ」
おいババァ勝手なこと抜かしてんじゃねーぞ。
「...羨ましい...です...」
「あんたらがこんな仲よかったなんて意外だね」
白金と川崎まで...
「とにかくはやく聞かせてよ」
花園も相変わらずのマイペースだな...
市ヶ谷の苦労が目に見えるようだ...
「じゃあそろそろ始めるか、準備はいいか比企谷?」
「いつでも来いよ、先はお前からでいいぜ」
「じゃあ行かせてもらうぜ」
*****
ー葉山演奏終了後ー
「すっごーい...」
「さすがね...」
湊やあこはそんな言葉をつぶやいた。
他の人たちも皆葉山の演奏に圧倒されている。
「また腕を上げたね、隼人」
「ありがとうございます。オーナー」
「かっこよかった!」
ババァや花園も満足しているようだな。
てかババァ葉山には甘いのかよ。
「比企谷、これが今の俺の全力だ、次はお前の演奏を見せてもらうぞ」
「...おう」
そうして俺はみんなの前に立つ。
...はっきり言う、予想外だった。
まさかあそこまで葉山のギターが成長しているとは...
今の俺でこいつの演奏に釣り合う演奏ができるのか?
このあと弾いて俺は...ここにいる人たちを...満足させられるのか?
「ハチ、変なことは考えずにやりな、変な演奏をしたら2度とうちのステージには立たせないよ」
ババァ...ほんとこういう時に人の心を読んだみたいに...
「八幡、あなたの音私たちに聞かせて」
湊も...
ここまで言われて変な演奏はできないな...
今やれる全てを...出し切る。
瞬間、俺の頭の中に扉が現れる。
とても、大きく重々しい扉が
しかし俺は臆することなく、その扉に手をかけ
...俺の全力を...見せる...
一気にその扉を...開いた。
俺を、まばゆい光が包んだ。
*****
ー八幡演奏終了後ー
はぁはぁ、やりきった...
俺の持てる全てを出した...
正直演奏中のことはほとんど覚えてない。
それだけ俺は集中していた。
心なしかいつもよりも体力消耗が激しい...
そして、演奏が終了したというのに、あまりにも静かだ...
「...比企谷...お前...」
葉山が何かを伝えようとしている。
「...あんな八幡見たことない」
湊も驚いている。
「こないだより、すごい...」
花園も
「これが...比企谷の...」
川崎も
「カッコいい...」
あこも
「...すごく...激しい演奏...」
白金も
「あんな演奏初めて見た...」
今井も
「.....」
氷川も
みんな言葉を続けようとしているがうまく言葉にできないようだ。
そんな中
「ハチ、あんた入ったね」
入った?何に?このババァは何を言ってるんだ?
「究極の境地、ゾーンに」
ゾーン?そういえば昔ババァがそんなこと...
「やっぱりか...まだ、俺は入れてないのにな...負けたよ比企谷」
どうやら俺の勝ちらしい。
「...あの...ゾーンって...何ですか...」
「ゾーン、おびただしいほどの練習を重ねたものだけがその扉の存在に気づくことができる。だが、それでも限られた者にしか入ることは許されない。ゾーンに入ると集中力が限界を超え普段よりも凄まじい演奏を可能とするんだよ」
白金の質問にババァが答える...
「ここまでだとは思ってなかったわ、いい刺激になったわありがとう八幡」
「本当にかっこよかった!すごいよ八幡さんっ!」
どうやら俺はこの場にいる全員を満足させられたようだ...
よかっ...
ここまで考えて俺は意識を失った...
*****
目を覚ますと湊と今井がそばにいた。
「あっ!八幡目を覚ました!よかった〜」
「気分は大丈夫?」
「ああ、気絶していたのか、、俺は?」
「ええ、演奏が終わった直後にね」
「でも本当にすぐ目を覚ましてよかったよ〜」
「リサみんなを呼んでくれる?」
「うん、ちょっと待ってて〜」
今井はそうしてみんなを呼びに行く。
どうやらみんなに心配をかけたようだな...
「八幡...」
「なんだ?」
「ごめんなさい、私のお願いのせいで無理をさせてしまったようね」
「いや、お前のせいじゃないから気にするな」
「...でも謝らせて」
「じゃあ受け取っとくわ」
「八幡さん大丈夫!?」
「うわっ!あこ、飛びついてくるなよ...俺なら大丈夫だから心配すんな」
「...よかったです...」
白金も心配してくれていたのか...
「全く相変わらず比企谷は無茶するな」
「誰のせいだと思ってるんだ?」
「誰だろうな?」
こいつ...
とにかくこうしてみんなに一通り体調が問題ないことを伝えると俺は念のため早く帰って休むことにした。
しかしこの時俺は気づいていなかった。
その場で1人とても複雑な思いを抱いた者がいたことを
また俺が知らぬ間に人を傷つけたことを...
「...どうして...こんなに努力しても追いつかないの...」
夕焼け直後の曖昧な闇が空を覆おうとしていた...
Roseliaの前で演奏させることができました。
無理やり多くのキャラを出しすぎて変な感じになってしまっていますが...
ゾーン、その設定はまた詳しくどこかで書きます。
いまは、とにかく八幡のギターがもっと凄いものになる程度で考えてください。