やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
バンドリキャラも新しく出すかも...
最近はいろいろなことがあり少々疲れた...
これ以上働いてしまうと社畜になってしまう!
それは勘弁だ、だからしばらくは平和に過ごしたい...
そう思ってた夜のこと
『八幡先輩!少し相談したいことがあるので明日有咲の家の蔵まで来てくれませんか?』
さっそく面倒ごとが起こった...
戸山の場合断っても無駄そうだし...
仕方ない
『了解、ただ学校の後だから少し遅くなるぞ』
と、返信するしかないだろう。
はぁ大して面倒なことでなければいいのだが...
*****
ー翌日ー
俺は放課後に市ヶ谷家の蔵を訪ねていた。
俺が蔵に入ると4人はすでに練習をしていてよほど集中しているのだろう、俺が入ってきたことにさえ気づいていないようだ。
そのまま戸山たちが一曲演奏し終わるのを待ってから俺は4人に声をかけた。
「しっかり練習してるんだな」
「うわっ!八幡先輩!いたの!?」
おい戸山、いたのはひどいだろ。
いや、昔からよく言われてたからいいんだけどね...
ってんなわけあるか!何回言われようと傷つくわ!
「びっくりしたぁ...いるなら声をかけてよ八幡先輩」
花園、お前も相変わらずだな...
「こんにちは、八幡先輩」
「久しぶりだね、八幡君」
市ヶ谷とりみはやさしいなぁ
少しは戸山と花園も見習ってもらいたいものだ。
「それは置いといて!私たちの演奏どうでした!?」
「あ、ああ前のライブの時よりも格段に上手くなってるな」
「やったぁ!」
戸山もいつもこんな騒いで疲れたりはしないのだろうか?
何回か見て思ったがやっぱりこのバンドはドラムがいない分リズムが少しあってないところがあるな、いたらドラマーが加入したらより良くなるだろう。
「それと!八幡先輩こないだのギターおたえに見せてもらいましたよ!八幡先輩こそすごかったです!」
「お、おうサンキュ」
何回話してもこいつとの会話は慣れねぇ...
「香澄〜そろそろ先輩困ってるから本題に入れよ〜」
ナイス市ヶ谷、戸山のコントロール上手くなったな。
その調子でお前くらい空気読めるやつにしてやれ。
...無理か
「だって本当にすごかったんだもん〜!」
「そうだよ有咲」
「ああ〜!本当にこの2人があると話が進まね〜!」
「ま、まぁまぁ3人ともそれくらいにして話しないと...」
前見たときはりみと市ヶ谷だけで2人を抑えきれるかと思ってたがそれはとんだ誤算だったな...
こいつらには後1人常識人が必要だ...
「で、そろそろ用を言わないと帰るぞ」
「わ〜!待ってください〜!」
それから戸山の話は相変わらず要領を得ないものだったので簡潔にまとめると...
戸山たちは文化祭でライブをすることにしたらしいのだが
それに当たってバンド名などは決まったもののドラムを使いたい戸山はドラムが弾ける人を探していたときこないだのクライブに来ていた山吹沙綾という少女がかつてドラムをやっていたことを聞いてスカウトしたところ断られた。そこには山吹のいろんな思いが混ざっているようでどうしたらいいのかをバンドを組んでいた経験のある俺に相談してきた...
ってところだ。
「ていうか、山吹本人はバンド自体はやりたがってるんだよな?」
そもそもその意思がなければ打てる手はない。
「...うん、その思いはさーやの中に絶対あるはず」
「そうか、ならやれることは1つだろ」
「え?どうするの八幡君?」
「決まってるだろ、本人と話をしにいくのさ」
「でも、それならもうやったよ?」
花園でなくてもそう思うだろう。
しかし俺が言いたいのはそういうことではない。
「バンドをやりたいって思いがあるならそれを爆発させてやればいい」
「結局どういうことですか?」
「つまりだ、市ヶ谷お前はキーボード弾いてらとかどんな気分だ?」
「すごい...楽しいです」
「俺が思うお前らのバンドの良さはみている人を笑顔にさせるような演奏ができることだと思ってる、お前らが山吹に真剣に頼み込んで見るんだ。お前らがどれほど本気でやってるか...お前らがどれだけそいつを必要としてるのか、それが伝われば山吹のバンドへの思いが...悩みなんて吹き飛ばしてくれるさ」
「八幡先輩が真面目な話をしてる...」
おい、戸山珍しく人が真面目にって俺自身が珍しくって思っちゃダメだろ...
「と、とにかくだなお前らが本気であいつと向き合ってやれ。それがきっとあいつを救うことにもなる」
「はい!そうなったら善は急げですよね!みんな今からさーやのところに行こう!」
「え?い、今から!?おまっ流石にそれは山吹さんが迷惑だろ」
「そ、そうだよ香澄ちゃん沙綾ちゃんとなら明日でも学校で...」
「でも、今行かないと、上手く伝えられなくなっちゃいそう!」
「私も今行くべきだと思う、だから行こう香澄」
はぁ、戸山と花園の無鉄砲さには呆れるが、こんなにも人のことを思ってのことなら無理に止めることなどできやしないだろう。
「待て、俺も行く」
「先輩まで〜!」
こうして俺たち5人は山吹の家に向かうことにした。
*****
それから俺たちは山吹の家のまで来た。
しかし、戸山が最初は2人で話したいと今俺たちは山吹家の一階で待っている。
俺たちの間に会話は一切なかった。
そのうち上の方から戸山と山吹の声が聞こえてくる。
「できない!」
「できる!なんでも1人で決めちゃうのずるい!一緒に考えさせてよ.....」
2人とも自分の思いをぶつけ合っているようだ。
こうなること実は想定内だ。
これが1つ山吹の心に響くこととなればいいのだが...
*****
それからしばらく2人はお互いの意見をぶつけ合っていた。
その後2人して下に降りてきた。
「おつかれ」
市ヶ谷が2人を気遣うようにそう言う。
「下まで聞こえてたぞ、お前らの声」
俺がそう言うと2人とも若干気まずそうだ。
「純くん、びっくりしてお店に逃げちゃった.....」
「じゃあそろそろ帰るか」
「えっ、で、でも.....」
「その状態で話すだけ無駄だ」
「新しいメンバーが入るなら知らない人より山吹さんの方が私は楽かな」
市ヶ谷は立ち上がりながらそう言う、どこまでも素直ではない奴だ。
しかし、その言葉には確かな優しさがある。
「私も!沙綾ちゃんとできたら、すっごく嬉しい!」
「.....携帯に曲のデータ送った。聞いてみて」
りみに花園も想いを伝える。
「だから、無理だってば.....」
「待ってる。待ってるから」
もはやダメ押しとばかりに想いを伝えていく戸山、その目には他の3人同様優しさのこもった笑みが浮かんでいる。
そうして戸山たちは部屋から出ていく。
あそこまで必死なあいつらを見た、ここまで関わっておいて手助けしないのもなんだか心苦しい。
「.....お前の事情は俺はよく知らない、でもな自分の気持ちを押さえ込んだ気遣いなんてなかけられた方は心配になっちまうんだ。後悔しない道を選べよ」
「そんなのできるわけない!だって私だけが、私だけが楽しむだけでいいわけない!」
先ほど戸山と言い合っていた時と同じようなことを言う山吹、なるほどこいつは俺と...同じような性格をしているようだ。
「お前は、仲間のことを甘く見過ぎだ。あいつらが迷惑に感じてると本気で思ってるのか?」
「香澄たちが思ってなくても...私が、私が嫌なの!先輩に分かるわけない!」
「分かるに決まってんだろ!俺だって同じように思って、あいつらのためと思って選択した答えが結果的にあいつらを苦しめちまった!いいか、お前が思ってるよりな仲間ってのは助け合えるもんなんだよ。お前だって感じただろ、あいつのキラキラをよ?最後にもう一度言っておくぞ後悔だけはしないよう、本当に自分のやりたい道を選べよ」
「.....」
そうして俺も部屋を出ていくのだった...
*****
その後店の外で待ってた戸山たちと合流し俺たちは歩き出した。
「私たちの想いしっかり伝わったかなぁ」
「大丈夫だ、りみ。きっと山吹にお前らの気持ちは届いたさ」
「あとは、信じて待つしかないね」
「さーやはきっと来てくれる、私はそう信じてる!」
「そーだな、きっと来てくれるよな」
俺はもうできることをやりきった、あとはこいつらの問題だ。
だが俺は大丈夫だと不思議と確信できた。
さっき山吹と話した時確かに感じたからだ、あいつの中にあるバンドに対するキラキラとした鼓動が...
まだこれから戸山たちのバンドがどのような形で完成するのかはわからない、だがその分可能性に満ちているその姿は俺にとっても忘れかけていた熱い想いを目覚めさせてくれた。
そうした戸山たちの輝きは俺自身の答えにも大きな影響を与えてくれている。
先ほどの山吹との会話の後に俺はあることを思い出した。
それは、かつてババァから聞いた扉の先の領域、ゾーンについてのことだ。
前から引っかかっていたがようやく思い出した。
あの時ババァは...
「いいかい、ハチお前には他の人間にはない才能がきっと眠っている。その才能を持つお前ならいつか入れるかもしれない領域がある」
「なんだよそれ、そんなもったいぶらずに教えろよ!」
まだ幼かった頃の俺は純粋にまだギターが上手くなれると思うとドキドキが止まらなくなっていた。
「そう急かさんじゃないよ。いいかいその領域はね本当に限られた人しかその扉の前に立つことさえできない」
「俺は立てるのか?」
「それはこれからのあんた次第だ、その扉の前に立つことができるのは途方も無い練習を重ねた者だけだ」
「うっ、それはきついかも...」
俺の練習嫌いはこの頃のやたら厳しいババァの練習によるものだ。
「それでも立つことができたとして扉を開けるかはまた別の問題だ。その扉は気まぐれにしか開かない」
「運次第ってことか?」
「いいや、違う。その扉を開けるのはね、限られた才能を持つ者だけだ。その扉は非情なもんだ。一般人が開くことは絶対できない」
「そんなもん本当に俺に開けるのか?」
「だから言っただろう、これからのお前次第だって。ほらそうとなったら入れるように今日の練習はいつもよりきつくいくよ」
「おい!それはやめろって!」
...今回思い出したのはここまで、俺は数回にわたって説明を受けた記憶がある。それら全てを思い出すことができたら俺はゾーンに自由に入れるだろうか?
そうなったらまた俺は...あいつらを傷つけたりしないだろうか...?
やめよう、こんなこと考えても仕方ない。
「...まん先輩、八幡先輩!」
「うおっ!なんだ戸山?」
「さっきからずっと呼んでるのにぼーっとしてたよ、八幡先輩具合でも悪いの?」
「いや、ちょっと考え事をしていただけだ」
「今日実はもう1つ話があったんですけど...」
市ヶ谷も俺を気遣うような目をしている。
「ん?なんだ?」
「今度の文化祭のライブ八幡君も来てくれる?」
「おう、行かせてもらう」
「やったぁ!」
ここまできたらこいつらの結末を最後まで見届けたい。
その先に俺自身の答えもある気がするから
それぞれの決意が混ざり合った1日は星空の煌めきに導かれある結末を迎える。
その先にある輝きを俺たちはまだ知らない...
八幡の記憶はただ思い出せないだけですがこれからいろんなバンドと関わっていく中で思い出していく予定です。
次回はポピパの文化祭ライブの話ですかね。
それが終わったらシリアスな話以外も書いていこうと思います。