やはり俺がバンドを組むのはまちがっている   作:静寂な堕天使クロノス

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第15話

山吹の家に行ってから時は流れ

今日は花咲川女子学園の文化祭当日だ。

 

周りを見る限り人が沢山いる、普段は入れない女子校の空気に俺は呑まれていた。

...それもそのはずだ、俺はぼっちで文化祭に来てしまったのだから。

戸塚?誘ったよ、そうしたらな

 

『ごめん、、実はその日は部活の練習があって行けないんだ...』

 

と、断られてしまった。

戸塚と一緒に文化祭デートしたかった...

 

その後雪ノ下たちを誘おうかとも考えだが女子3人に男1人というのは流石にキツイ。

 

葉山も用があるとか気持ち悪い笑い顔で言ってたし...

 

小町も勉強があるからステージの始まる時間くらいに来ると言ってたし...

 

そんなわけで俺は1人でいるわけだ。

べ、別に寂しくはないからな!

ちょっと目から汗が大量に出そうなだけだからな!

ううっ...

 

結局俺はぼっちで文化祭を過ごす羽目になってしまったのだった...

 

その後することも無いので俺はとりあえず戸山たちのところに行くことにした。

 

「いらっしゃいませー!1-Aカフェで休憩していきませんか〜?」

 

あいも変わらず戸山はテンション高いなぁ

文化祭みたいなイベントの時にあいつほど人の呼び込みに適任なやつなどいないだろう。

 

「あ!比企谷先輩!来てくれたんですね!」

 

「まぁ、暇だったからな...」

 

「本当に素直じゃないですね〜」

 

「うっせ」

 

「それで何名様ですか?」

 

...戸山その質問だけは今俺に対して絶大なダメージを負われるぞ。

 

「.....」

 

「あっ...すいません!先輩は友達少ないんでしたね...」

 

もうやめて!八幡のライフはもう0よ!

マジで泣きそうだ...

 

「戸山...言わないでおいてくれ...」

 

「わわっ!本当にすいません!ではお席に案内しますねー!」

 

こうして俺は文化祭開始からすぐに絶大なダメージを負った...

帰ろうかな....

 

本当にやることも無いので、戸山たちのカフェで少しのんびりとさせてもらっている。

 

「おすすめはどれ?」

 

「ん〜、メロンパン、クリームパン、チョココロネ、あんパン、ミルクデニッシュ.....」

 

「あはは、それって全部ってこと?」

 

「えへへ!はい、全部です!」

 

本当に戸山ってずっとあんな感じなのか...

学校の人の態度から見ても友達も多そうだな〜

...羨ましいとか思ってないからな

 

「あ、あれ?また失敗しちゃった。うう、ラテアートうまくできない〜」

 

「かわいい、たぬきだ」

 

どうしてりみってあんなにかわいいの!

失礼、取り乱した。

 

こうしているうちに戸山たち1-Aの生徒たちは何か集まってワイワイしている。

...なにやってるんだ?

と思ったがみんなが騒いでいる内容から山吹に電話でもしてるのだろう...

 

ここはやっぱり...

 

*****

 

その後俺は戸山たちのカフェを後にして1人で文化祭をできる限りでエンジョイしていた。

 

「お?そこに1人でいるのは比企谷君じゃないか?」

 

あ?この異常にムカつく声は...

 

「おやおや、誰かと思ったら腐る程友達のいらっしゃる葉山さんじゃないですか」

 

と言ってもなぜか今葉山は1人だが

 

「相変わらず俺には口が悪いなぁ、お前」

 

「イケメンにかける優しさは持ってねーよ」

 

「なら仕方ない」

 

ぐっ!気づいたらこいつを褒めちまってるじゃねーか...

 

「で、俺と文化祭に行けないとか言ってたくせになんでいるんだ?」

 

返答によってはギルティだ。

 

「ん?ああそれは俺たちのバンドがこの文化祭のステージに立つからだよ」

 

「は?お前のバンドは全員うちの高校の生徒だろーが」

 

「花女の文化祭は外部からの有志も受け付けてるんだよ」

 

「なるほど、でもならなんでメンバー戸部たちと一緒にいないんだ?」

 

「さっきまで一緒にいたんだが...ちょっと気を抜いたらはぐれた」

 

え?その年でその見た目で迷子ってこと?

 

「おい、見た目は関係ないだろ」

 

なんで最近みんな俺の心を読んでくるのかな...

俺ってそんなにわかりやすい?

 

「それで俺に声をかけてきたのかよ...」

 

「まぁそんなとこだ、あいつらに連絡したんだけどステージに直接集合しようってなっちゃってそのまま暇してたんだよ」

 

そういえばステージまでの時間もかなり近づいてきてるな。

仕方がないから葉山とともにステージに向かってやるか...

別に、ぼっちじゃなくなって嬉しいとかは思ってないから

そういう勘違いはやめてくれよ?

 

*****

ー病院ー

 

「なんでもなくてよかった.....」

 

「だから、ただの貧血って言ってるじゃない。沙綾は心配しすぎなの」

 

「だって....」

 

心配するに決まっている。

もう、前みたいなことにはなって欲しくないから.....

 

「文化祭は?香澄ちゃんから連絡来てるんじゃない?」

 

「あ、うん、留守電入ってるみたい。ちょっとごめん.....純と紗南見てて」

 

保存されたメッセージは3件です

 

なんだろう?

 

1件目と2件目は香澄からのメッセージだった....

朝届いた手紙を見るとそこには香澄たちと考えた歌詞が載っていた。

 

「タイトル決まったんだ....」

 

私だってバンドしたい、したいよ.....

 

そして、3件目のメッセージが流れ始める....

 

「山吹、こないだは少しきつく言い過ぎて悪かった」

 

そこから聞こえてきた声は予想もしていなかった人物の声だった。

香澄たちとともに自分を説得してくれた人...

 

「だが、俺はこないだ言ったことを訂正する気はないぞ。やっぱりお前はバンドをやるべきだと思ってる。その上でお前に先輩として少しアドバイスを送ってやるよ」

 

似合わないこと言うなぁ.....

一見他人に興味のないふりをして....本当にお節介な人....

 

「俺にもな、妹がいる。そいつは本当わがままでよ、だいぶ子供っぽいと思ってるんだけどよ.....俺の知らない間にどんどん成長してるんだよ。ふとした瞬間に唐突に大人になったんだなって思わされる。要領を得なくなっちまってるけどさ、つまりお前の周りにいる人たちだって変わってきてるんじゃないか?お前の兄弟はお前が思ってる以上に成長してるんじゃないか?それにさ、お前のお袋さんだってお前にバンドやって欲しいんだろ?その期待に答えてやるのが親孝行ってやつなんじゃねーか?親ってのは子供に迷惑かけられるのが好きらしいぜ、俺の親も俺がギターやりたいって言った時は自分のことのように喜んでくれたもんだぜ?.....1人で背負うのはしんどいだろ?ここで誰かに頼ったって誰もお前のことを責めたりしねーよ。俺も待ってるからな、お前らが5人でステージに立つのをよ」

 

そこでメッセージは終わっていた。

 

「行って、沙綾」

 

「母さん....」

 

「沙綾は優しいね。お母さんにもみんなにも優しい。その優しさをもっと自分に向けて」

 

できるわけ....ないよ

 

「できるよ、沙綾はもう1人じゃないんだから」

 

母さん....

 

「さーながいるから大丈夫」

 

紗南....

 

「俺も。もう泣かないから.....」

 

純.....

 

「さっきの人の言う通りよ。純も沙南も守ってもらってばっかりじゃないのよ。だからもう、1人で背負わなくていいの」

 

全部....先輩の言う通りだったんだね.....

 

「沙綾も好きなことをもう我慢しないで。母さんは平気だから安心していってらっしゃい」

 

「なんか私、全然ダメだね、ありがとう純、紗南、母さん行ってくるね.....!」

 

私は走り出した、香澄たちと同じ輝くステージに立つために.....

 

*****

ーステージー

 

もうすぐ戸山たちのステージが始まる予定の時間だが、山吹はまだ現れない。

くそっ!このままで間に合うのか?

 

「先輩!沙綾今、ステージに向かってるって沙綾のお母さんから連絡が!」

 

「間に合うのか!?」

 

「わからない....」

 

もうすぐ葉山たちの演奏も終わっちまう....

できるだけ伸ばしてくれと頼んであったがそれももう限界だ....

 

頑張って間に合わせてくれ.....

 

「楽しかったぜ!今日のステージ!!」

 

葉山たちの演奏が....終わってしまった。

こうなった以上....もう仕方ないか。

 

「葉山、頼みがある」

 

「どうせ、そう言うと思っていたよ」

 

「お前のギターを....貸してくれ」

 

「いやだ....と言ってやりたいが、戸山さんたちのためだ」

 

こう言う時だけはホントにイケメンなやつだ。

 

「俺がもう少しだけ時間を稼いでやる」

 

「でも、どうやってそんなことを....」

 

そう思う市ヶ谷の疑問も最もだ。

だが、俺にできることなんて1つしかないだろうに

 

「俺だってギター弾けるんだぜ?」

 

「でも、そんなことしたら八幡君すっごい怒られちゃうよ!?」

 

俺のやろうとしてることが分かったのだろう。

りみが俺を心配そうに見ている。

 

「大丈夫だりみ、その覚悟くらいできてる。自分で言うのもアレだが俺は叱られることには定評があるからな」

 

「ありがとうございます....八幡先輩」

 

花園に真面目な顔してお礼されるとむず痒いな.....

 

「礼ならしなくてもいい、そのかわり5人で最高の演奏をしてみせろ!」

 

「はいっ!絶対先輩をキラキラドキドキさせてみせます!」

 

俺はこうしてステージへと歩き出した.....

 

「なんか次のバンド遅くない?」

 

「どうしたんだろうね?」

 

会場は次のバンドが出てこないことでざわついている。

俺はそんな中ステージに立った。

 

「えー、会場の皆さんただいま次のバンドのメンバーが諸事情により遅れてしまっています。なので、準備ができるまで俺のギターでも聞いていて下さい」

 

「そーだったんだ、でもあの人ホントにギター弾けるのかな?」

 

「さっきのギターの人すごかったもんね〜」

 

まぁこれも当然の反応だよな....

 

「では、いきます」

 

でもそんなことは関係ない、あいつらのために俺にやれる精一杯のことをやるだけだ。

 

*****

 

俺の演奏はほどなくして終わった。

 

「ありがとうございました」

 

俺はそう言って舞台袖に歩いていくのだった。

 

「どうだ?山吹は....」

 

「.....」

 

力なく首を振る戸山、どうやら間に合わなかったらしい....

 

「さーやは間に合わなかったけど、できる限りの演奏、してみせます!」

 

戸山は気丈にもそういうがやはり残念そうだ。

 

「そうか、やり切ってこいよ」

 

「「「「はい!」」」」

 

戸山たちポピパは全員そう返事をする。

 

そうして全員舞台に上がり演奏を始めた。

そして一曲目が終わった後

 

「ありがとうございました!次は今日のために作った曲です!」

 

戸山たちの演奏は宣言通り全力のものでなかなかのものだ。

 

「みんなで作った曲.....今日は1人いないけどいつか一緒に歌おうって約束しました。いつかはまだだけど.....信じてる。一緒に歌うことできるって」

 

「「「.....」」」

 

戸山以外は沈黙を保ったままだが思いは同じようだ。

 

「そんな気持ちを込めて歌います。聞いてください」

 

「みんなっ!」

 

その思いは、1つの奇跡を起こした....

まったく、ヒヤヒヤするタイミングだな。

 

「さーや」

 

「沙綾」

 

「沙綾ちゃん」

 

ポピパメンバーは一斉にその名前を呼ぶ。

 

「えへへ、待ってた!」

 

「ありがとう、香澄、みんな」

 

さぁ、聞かせてもらうぜ

 

「聞いてください!『STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜』」

 

5人になったお前たちPoppin'Partayの音をよ!

 

*****

演奏が終わった時そこにいる誰もが感じた。

とてもキラキラしていて胸をドキドキさせる、熱い思いを

 

5人になったお前らならもっとキラキラドキドキできる、そう期待を込めてあいつらのステージに立つ姿を見る。

 

その時に彼女たちは自分たちの始まりを宣言する。

やはりその姿は眩しくて...

今はまだ俺には出せない輝きで彼女たちは自分たちの始まりを告げた。

 

「私たち5人で....」

 

「「「「「Poppin'Partayです!」」」」」

 

 




本当に更新が遅くなってしまってすいません!!
これからも更新が遅くなることが多々あると思いますが気長に待っていただけるとありがたいです!
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