やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
ちなみに今回から過去編に入っていきます。
最近バンドリの調子が悪くてちょっと萎えてます、フルコン数が全然伸びない.....
ババァと話を終えて俺は家路へとついていた。
不思議とそんなに錯乱はしていない。
人はショックなことがあった時最初は案外現実味を感じられないものだとつくづく思う。
それからも俺はどこか上の空という感じで家に着き、自室に入り、それからしばらくして夕飯となった。
「なぁ、小町お前spaceのこと聞いたか?」
「うん、小町も昔から知ってる場所だから寂しいよ....」
「お前はライブにもよく来てくれてたしな」
「それに最近は練習させてもらってもいたから余計に残念だよ〜」
「ほんとに他のライブハウスに行かなかったからな」
「え?この街他にもライブハウスあったの?」
「知らなかったのか?この辺にはライブハウスがなぜか多くあるんだよ」
「へーてことはひとまずバンドの練習場所は確保できそうだね」
「その点は心配いらないけど、もうあそこでライブやれなくなるのはな....」
「小町たちもダメ元だけど今度やる最後のオーデションに参加するつもりなんだ」
「そっか、頑張れよ」
「お兄ちゃんはさ、それでいいの?」
ふと小町が真剣な顔でそう尋ねてくる。
「.....なにがだよ」
「お兄ちゃんはさ、spaceの最後のライブに出なくてもいいの?」
「.....あそこに出れるのは"バンド"だけだ、俺みたいなぼっちギタリストの立てるところじゃねーよ」
「ふーん、ならいいんだけど」
小町の言おうとしてることは本当は分かってる。
でも、なぜかそのことをすぐやろうとは思えなかった。
結局俺は過去の思い出に鎖で繋がれているらしい。
進んでも、それは鎖が伸びる範囲まででしかない。
しばらく思い出してなかったから忘れかけてたがそんなことが許されるはずもないのだから.....
その夜俺は自室で昔のことを思い返していた。
俺とあいつらの出会いから全てを.....
*****
「やべぇ....」
何がやばいかって?
なんと驚きなのだがもう直ぐ中学生になろうという俺が迷子になってしまったことだ。
冗談抜きでこれはやばい。
マジで引っ越してやることなくて暇だからって家から出て散歩しようなんて考えるもんじゃないな、うん、やっぱり次からは暇な時はゲームかアニメを見ることにしよう。
もう八幡は外に出ないからな!
引きぼっち最高!!
なんて考えながら歩いても全く知らない道が続くだけである。
本当になんで知らない街を1人で歩こうと思ったんだよ.....
そんなことを考えながら歩いていると不意に一軒の店を見つける。
あそこで道を聞けば帰れるかもな.....
そう思った俺はその店を目指して歩いた。
えっと店の名前は...space?
なんの店だかよくわからないな。
まぁ道がわかればなんでもいいや。
そう思って店の中に入ったのだが人の姿が見当たらない。
だが受付らしいものがあるので待ってればすぐに人が来るだろう。
それよりもあそこにある通路がどこに繋がってるか気になるな.....
自分で言うのもなんだが今は好奇心の強い時期だし....
立ち入り禁止とかも書かれてないし少しくらいなら....いいよな?
その通路を進むとそこにはいくつかの部屋があった。
その一つを覗くと.....
あれは、ギター?ドラムなんかもあるな、てことはこの店はあれかライブハウスってやつか。
へー前の街にはこんなところなかったから新鮮だな。
それよりも中でどんな音が奏でられているのだろうか?
これもまた気になるな.....
少しくらいなら扉をあけてもバレないよな?
そして扉を開けた俺はその音を聞いた瞬間体に電流が走ったかのような衝撃に襲われた。
なんというか全身の血が熱くなる感覚、俺は一瞬でその音の虜になっていた。
これが....音楽の力ってやつなのか?
こんな風な音が....俺にも出せたりするのか?
「あんた、そこで何をやってるんだい。ここはガキの来るところじゃないよ」
あ、やべ、俺としたことが夢中になりすぎて後ろから来てる人に気づかなかった.....
あー絶対怒られるよなぁ....
「なんであんたみたいなガキがここにいるんだい?」
「いや、それはですね.....」
そして俺はこの店に入った理由を話すとこの店のオーナーだと名乗ったその老人は少し顔の表情というか雰囲気を幾分か柔らかくした。
「でも、なんで道を聞くだけでここまで入り込んでいるんだい?」
と、思ったらすぐにまた元に戻る。
俺この人たぶん苦手だわ。
怖いもん.....
「....それは興味本位というか」
「なるほどね.....今回は不問にするけど次からは気をつけるんだね」
「はい....」
よかったぁ....許してもらえたみたいだな.....
「....あんた、ギターに興味を持ったのかい?」
え?
オーナーからの質問はあまりに唐突で最初は理解できなかったが.....
「はい、なんというか全身が痺れるような感じがして....」
俺が興味を持ったことはまぎれもない事実だった。
なんでこの人わかるんだよ.....
「....この後もまだ時間はあるかい?」
「はい」
「ならついてきな」
「え?」
「ぐずぐずしないで早くしな」
「は、はい」
もう俺とかのオーナーとの間には多分二度と変わることのない上下関係が出来上がったことを悟った.....
「あんたギターを弾いたことはないんだろう?」
「えっあっと、はい」
「少しだけ教えてやるよ」
「え?いいんですか!?」
「そうだって言ってるんだよ」
「本当ですか?」
「くどいよ、早くしな」
「は、はい」
こうしてからしばらく俺はオーナーからギターの基本的な弾き方を教えてもらった。
自分がギターの音を鳴らしているそう感じるたびにテンションが上がって仕方なかった。
「驚いたね、この短時間でここまで弾けるようになるなんて」
「ありがとうございます」
俺がお世辞だと思ってそう言うとオーナーは不意に考え込むような仕草をして
「あんたこれからも定期的にここに来てみないかい?」
「え?それって?」
「ギターを始めてみないかってことさ」
「でも俺ギターを買ってもらうことができるかなんて.....」
「しばらくはここのを貸してやるよ」
そのオーナーからの申し出は俺にとってとても魅力的なものであった。
しかしそれと同時に少しの不安もあった。
しかしそれは天秤にかけるだけ無駄なことだった。
俺はもうすでにギターという楽器の魅力に取り憑かれていた。
「はい!それなら是非!」
「いい返事だね、これからは今日より厳しくいくからね」
「.....お手柔らかに」
オーナーの顔を見て俺は若干師匠にする人ミスったかもと思ったがこれからのことを考えたらそんなものは何処かに行ってしまった.....
それから店を出た俺は優しい春風に吹かれて舞う桜に包まれた.....
「あ、道聞くの忘れた.....」
*****
その後、俺が家に帰るまでに1時間くらいかかったんだよな.....
その日は親も家にいたからめちゃくちゃ怒られたんだよな〜
そのあと俺がギターを買って欲しいと言った時の親たちのキョトンとした顔は今でも笑えるけどな。
最初は子供遊びだろうと思って頑なに買ってはくれなかった親だったが必死に頼み込んだら買ってくれたんだったっけ.....
すでにここまでだけで相当な思い出量な気がするけどやっぱあれ以来充実してたのかなぁ.....
あーなんかギター弾きたくなってきた、次にspaceに予約入れてたのいつだったかな〜。
あ、明日じゃん。
*****
翌日俺はspaceを訪れていつも通りにスタジオで時間を過ごしてスタジオを出ると.....
「あ....こんにちは、八幡さん」
「おう、白金今はひとりなのか?」
「はい....今日は私が....1番でした」
「そっか、白金は真面目だよな」
「もっと....上手になりたいですから」
「まぁ湊とやってたらなぁ....」
「湊さんに....置いていかれないよう....みんな必死です」
あいつも、俺と同じように天才と言われてるし当然メンバーもついていくのも大変だろうに、それでもRoseliaはそんなものを微塵も感じさせない。
こいつらに聞けば少しくらいわかるかもな......
「.....お前たちは湊とバンドをやっていて、どんなことを感じるんだ?」
「.....そう....ですね....私はやっぱりいつもすごいと思います.....私にはできないことを湊さんはさらっと.....やっていってしまいますから」
「やっぱり羨ましいとか思ったりしないのか?」
「それは.....もちろん....羨ましいです」
「やっぱりそうなのか.....」
やっぱり誰に聞いても答えは一緒なのかもな.....
「....でも....最近はそこまで思ったりもしません....」
「え?」
「最近....こんな風に思うようになったんです.....みんなが.....それぞれ違う個性を持つ人が....みんなで全力で演奏すらからこそ....見ている人は感動するんじゃないかって....」
違う個性を.....
全力で.....
「思い違いだったら.....悪いですけど.....もし何か悩んでるのなら....お話程度でしたら....聞きますよ?」
「どうして俺が悩んでると思ったんだ?」
「いえ....いつもと.....少し雰囲気が違ったので....」
これは素直に見抜かれた俺の負けだろう。
1人で抱え込むのは.....疲れるしな。
「いやな、これは俺の話ではない....なんて言い訳ももういいか。いやなspaceの最後のライブがあるだろ?」
「はい....Roseliaも....出演します」
「俺もそれに出たいところなんだけどご存知の通り俺はぼっちだろ?」
「....たしかに1人では....ステージには立てませんね」
「それで昔のバンドに戻ろうと思ったんだけどよ、だいぶひどい別れかたしててな」
「まだ....話してないんですか?」
「いや、もう戻りたいとはだいぶ前に伝えてある」
「....ひとまずどういう状況か....教えてください」
「わかった」
それから俺は今年の4月からの雪ノ下たちとの状況をかいつまんで話した。
「情況はわかりました....それでは....なぜ八幡さんは戻らないんですか?」
「いやだからそれは俺のせいであんなことがあったからで.....」
「私は....八幡さんたちに何があったのかは知りません.....よければそれも聞かせてもらえますか?」
ここまで話して最後まで話さないのは信頼してないみたいだよな.....
白金もすごい親身になってくれているし......
そうだよな.....
もう、他の人に相談してもいいよな?
そう思った瞬間俺の口からはもう言葉がこぼれ出ていた。
「そうだな.....あれは.....」
そうして俺は俺自身長く、ほとんど話したことのないことを話した。
白金は時折頷きながらも最後まで静かに聞いていた。
「まぁ....こんな感じだな」
話し終えた時にはたいした時間も経っていないのにとてつもない疲労感に襲われた。
気づけば少し汗もかいているようだ。
「....そうでしたか....まずは八幡さん....私は、私たちRoseliaは雪ノ下さんたちとすでに面識があります」
考えてみればそれは別に不思議なことではない、練習の前後に会ったのかもしれないし、ライブを一緒にやった可能性だってある。
「そうか、それで?」
「失礼なのかもしれませんが.....八幡さんは深く考えすぎていると思います」
「そりゃ俺のせいでこうなってるんだから、軽く考えることなんて許されるはずがない」
「....本当は私の口から言うべきではないのですけど.....雪ノ下さんたちも同じようなことを言っていました、あの時は意味がわからなかったけど今ならわかります」
「どういうことだよ?」
「お互いにお互いが悪いと思ってしまっている....ということです。どちらかが一歩を踏み出せばすぐに....元に戻れると思います」
そんなこと....できるのか?
「八幡さん、私たちも....似たようなことが前にありました。その立場から言うなら.....仲間を信頼してるならきっとできます....仲直り」
そっか、そうなのかな......
深く考えすぎか.....
「サンキュー白金、お前のおかげでだいぶ楽になったわ」
「それなら....よかったです」
別れを告げて俺は格段に軽くなった足で進み出した....
*****
その夜、俺はまた昔のことを思い出していた。
白金と話してふと思ったのだ。
どうやって俺はあいつらと出会ったんだっけって
そうあれは....俺とその少女が出会ったのは、今日のような穏やかな春の1日だった.....
今回はここまでです。
次回は雪ノ下との出会いを書いていきます。
これから夏休み前半は多分ほとんどこんな感じで進みます。
それと今回超ご都合主義で八幡が転校生だと言う設定を追加してしまいました、作者の気まぐれをどうか許してください。
評価、感想などよければしていってください。