やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
6月に以前から自分がやってるカードゲームとバンドリがコラボするのでそれを楽しみに毎日を過ごしてますw
中学校が始まってから1ヶ月がたった。
やはり俺の予想通りクラス内で俺は友達少ない系のやつになっていた。
しかし別に嫌がらせをされるわけではないしもとより騒ぐのも得意ではない俺は別段気にもしなかった。
この1ヶ月も俺はオーナーの元でギターを練習し前よりはだいぶ弾けるようになっただろう。
練習するたびにギターが好きになる、どんどんその先へと行ってみたくなる。
ギターのことを考えるとつい広角が緩んじまうな。
「黙りながらニヤニヤしていると不審者のようで通報したくなるからその顔をやめてくれるかしら?」
「....別に少しくらい俺が笑ってたっていいだろ.....気持ち悪いもは認めるけど」
「あはは、そこ認めちゃうんだね....」
この1ヶ月で変わったことといえばこれもそうだろう。
委員会の仕事をこの3人で放課後にすることが多くなった。
実際の話週に一回以上は活動がありその大半はクラス単位で行うので必然的にこの3人でやることが多くなる。
「それでどうしてそんな気持ち悪い顔をしていたのかしら?」
「ん、いや今日はギターを弾ける日だと思ってな」
「あーそういえばそんなこと最初に言ってたね〜」
「まぁまだ少ししか弾けないけどな」
「でも弾けるだけすごいよ!そうだ!6月にある文化祭でギター弾いてみたらどう?」
「いや、やだけど」
「即答!?」
「いや、だってよ、そんなことしたら文化祭の雰囲気が悪くなるだろ」
「そうね、賢明な判断だと思うわ」
「ゆきのんもひどいっ!?」
「「だって事実その通りだろ(でしょう)?」」
「たまに思うけど2人とも絶対仲良いよね.....」
「「いや、それはない(わね)」」
「あはは.....」
全くほんとに何を言いだすんだ。
俺と雪ノ下はどこからどう見ても犬猿の仲だろうが。
「でも普通にヒッキーのギター聞いてみたいけどな〜」
「....機会があったらな」
「そうなの?楽しみにしてるね!」
「騙されてはダメよ、由比ヶ浜さん。この男はそう言っていつまでも誤魔化すつもりなのよ」
ちっ、勘のいいガキは嫌いだよ。
「イヤソンナコトナイゾ、ホントダッテ」
「すっごい棒読みだ!」
ちっ、また気づかれたか.....
「どうせ、自信がないのよ。そんなギターなんて聞いても意味はないわよ、由比ヶ浜さん」
「それは言い過ぎじゃないか?」
「いえ、だって他にどんな理由があってそこまで弾きたがらないのかしら?」
「あーいーよ、そこまで言って後悔すんなよ!」
「ええいいわよ、だって後悔なんてするはずがないもの」
「もう撤回できないからな?」
「する気もないわ」
「え、えーと2人とも?喧嘩は良くないよ?」
「「由比ヶ浜(さん)はだまってろ(て)」」
ここまで言われて引き下がるわけにはいかないだろ。
って....俺にこんなプライドみたいなもんあったっけ?
今までならこんな感情起こったりなんて.....
「でも結局ヒッキー弾いてくれるんだね!」
「ええ、精々楽しみにしておきましょう?」
そう言うと雪ノ下はこちらを向いて挑発的な笑みを浮かべらのだった。
見てろよ.....絶対見返してやるからな......
冷静さを失っていた俺はこの時まだ雪ノ下にはめられたことに気づかなかったのだった......
*****
その放課後俺は最近恒例となりつつあるspace通いをする。
「こんにちはー」
「あ、八幡君、オーナーはもう直ぐ来ると思うからちょっと待っててね」
最近は受付の人たちとも顔見知りになりつつありこのようなやりとりも普通になってきてる。
「待たせたね、それじゃあ始めようか」
「.....はい」
「元気がないね?元気が出るようにいつもよりきつくしようかねぇ.....」
「はい!」
くそっ....いいようにしやがって.....
このババァが.....
ちなみにオーナーへの態度も変わった.....
「それじゃ、今日はこの辺りにしとこうかね」
「はぁはぁやっと終わった.....」
休憩なしとかふざけてるだろ....
精神的にも疲れるぞ.....
「それじゃ次はいつ来るんだい?」
「あーこの日なら都合がいいかな」
「そうかい、なら次はその日だね」
「あ、それとさ俺の中学校の.....知り合い?が俺のギター聞きたいって言って色々あって了承しちゃったんだけど来ても問題ないか?」
「まだギターを弾くようになって少ししか経ってないのに随分と自信があるね」
「いや、それはほんと成り行きというか....」
「まぁ....人に聞いてもらうのも必要だからね.....いいだろう」
「サンキュー」
「にしてもどうしたらこの短期間でこんなクソ生意気な態度をとるようになるのねぇ?」
主にお前のきつすぎる練習のせいだわ、このままだと俺過労死するぞ?
「じゃあまた連れてくるから、その時はよろしくな」
「ああ、わかったよ」
なんだかんだ言いつつこの時間がとても気に入っている俺は結局いつまでだってここに通うんだろうな、どんなきつい仕打ちが待っていても.....
*****
「急で悪いがその日に来れるなら聞かせてやるよ」
「ちょっと待ってて、確認するから」
「私の方も確認してみるわ」
次の日俺は2人に日にちを伝えていた。
「うん、だいじょーぶだったよ!」
「私の方も問題ないわ」
どうやら2人とも問題は無いようだ。
「まぁあんま期待はすんなよ」
「あら、こないだはあんなに威勢のいいことを言っておいて今更怖気付いたのかしら?」
「あーやっぱ前言撤回だわ、めっちゃ期待してていいぞ」
「ヒッキーわかりやすすぎるでしょ.....」
いや自分でも本当に意外なんだがギター関連のことは妙に馬鹿にされたくないっていうかさ....
なんかそこだけは譲れないっていうか.....
「で、でも本当に楽しみにしとくね!」
「まぁ、退屈しないことを期待しておくわ」
本当嫌な奴.....
「....じゃあその日の放課後に玄関で待っててくれ」
「わかったよ!」
はぁさっきはああ言ってしまったがやはり不安なんだよなぁ......
これをきっかけにみんなに馬鹿にされたりしたらどうしようかな.....
そこはあの2人を信じるしか無いか.....
*****
そしてついに約束の日となった。
その日は委員会もないので割と直ぐに玄関を通ることになる。
ちなみに俺たち3人は帰宅部であるので部活で遅れることもない。
由比ヶ浜あたりなんて友達とかと部活やってそうなものなんだがな。
とか考えてたらまずは由比ヶ浜を発見っと.....
「おう、待たせたな」
「んーん全然待ってないよ!」
「ならいいんだが....雪ノ下は?」
「ゆきのんももう直ぐ来ると思うよ〜」
「そっかなら少し待つか.....」
もう直ぐ来るんだとは分かってるけど沈黙は気まずいよな.....
なんか話すことは.....
「そういえば由比ヶ浜は部活になんで入らなかったんだ?」
「そんなこと言うヒッキーだってなんで部活に入らなかったの?」
「いや、それは純粋に向いてないからだよ」
「運動に?なら文化部とかに入ればよかったのに」
「いや、人間関係にだよ」
「そこ!?」
「俺レベルになるといるだけでその場の雰囲気を悪くするんだよ」
「そこまで!?」
「ああ、実例あるぞ例えば小4の時にな....」
「いや、いいから!そんな悲しそうな思い出話そうとしなくていいから!」
「そうか、ならいいんだが.....」
「前の学校でどんな生活してたの.....」
呆れられるようなことはないと思うんだがな.....
まぁ普通の人よりは黒歴史積んでるとは思うけどさ.....
「で、結局なんで部活やってないんだ?お前なら友達からも誘われただろ?」
「うん、まぁ何人かから誘われたんだけど....なんでだろうね?」
「いやわかんないのに断ったのかよ.....」
「なんかね、それより面白いことがあるような気がしちゃったんだよね」
「そんな理由でかよ....」
「なんかさ、あたしってこういう勘は結構当たる....方だと思う」
「自信ないんじゃねーかよ」
「あはは....」
ふーんなんか面白そうなことか.....
「当たるといいな、その勘」
「....うん!」
俺だって迷子が原因でギターと出会えた訳だしな.....
「ごめんなさい、待たせてしまったかしら?」
「ううん、全然!今来たとこだよ!」
本当は5分くらい待ってるけどそんなの誤差の範囲か。
「ああ、ほんの少ししか待ってないから大丈夫だ」
「あなたも少しは由比ヶ浜さんを見習った方がいいわね.....」
「は?なんでだ?」
「わからないのならいいわ」
「あはは.....まぁ今のはヒッキーが悪いね」
え?なんで?事実を言っただけなのに.....
「と、とにかく案内するから付いて来い」
「「うん!(ええ)」」
*****
ひとまず校門を出たところで由比ヶ浜たちを案内しつつspaceへ向かう。
「ところでさヒッキー、さっきから気になってたんだけどさ」
「ん?なんだ?」
「ギター学校に持ってきてていいの?」
「ああ、それは先生に許可とってあるから」
「部活でもないのによく許可が出たわね」
「んーまぁ相当にしつこく頼み込んだからな」
そのかわり学校でギターを一度でも弾いたら相当な罰を食らうことになっているんだが.....
「そう、まぁあなたに問題を起こすような度胸もないのだろうし問題はないのかもしれないわね」
いちいち引っかかる言い方をする奴だな......
そしていちいちその通りなので言い返すことさえできない。
絶対今日で少しくらいは認めさせてやるからな.....
「そういえばヒッキーっていつからギター弾いてるの?」
「入学する少し前だから本当に最近なんだよ、だから期待すんなって言っただろ」
「へぇーこの街に来たばっかでギター始めたんだ」
「まぁ色々あってな」
そんな風な話をしているといつのまにかspaceの近くまで来ていた。
「着いたぞ」
「へーここがライブハウス.....」
「じゃあ待ってるかもしれないから入るぞ」
「オーナーに教えてもらってるのってすごいよね」
「そうなのか?」
「一般的ではないと思うわ」
まぁそんなことはどうでもいいだろう。
「こんにちはー」
「あら、待ってたわよ八幡君....ってあらあら2人も女の子連れてるなんて八幡君モテるのね〜」
受付のお姉さんがめっちゃにやにやしてくるんだけど.....
「いえ、そんな関係じゃないですから....」
「そうね、こんな目をした男と勘違いされるなんて心外だわ」
「あたしもごめんかな〜」
「なんで俺だけが一方的にダメージ受けてるんだよ.....」
「あはは、手厳しい子達だね」
受付のお姉さんも楽しんでるしよ....
「待たせたね」
そんなやりとりをしているとオーナーがやってきた。
「あ、こんにちは!」
「こんにちは、今日はよろしくお願いします」
「ああ、まだハチのギターは人に聞かせられるもんじゃないが....それでもいいかい?」
「ええ、もとよりそのつもりで来てます」
「おい、流石に俺に失礼すぎだろ」
「自分でも期待するななんて言っていたのに?」
「ばっか、それはあれだよほらブラフとかハッタリとかネゴシエーションってやつだよ」
「???」
おい由比ヶ浜、頭から?が大量に出てるぞ....
「要するに自信がないのをごまかしたいということよ」
「なるほどね!」
なるほどじゃねぇよ.....
「ほら、そろそろ言い合いは終わったかい?それじゃ行くよ」
「すいません」
「それじゃ行くか」
その後スタジオに入り少しだけ準備をするため2人には待ってもらう。
「へーギターを弾くのにこんな準備があるんだ〜」
「まぁな」
「まだそんな長く弾いてもないのによく言うね」
「うっせ、いいだろこれくらい」
「見栄を張り続けてもどこかで剥がれるだけよ、比企谷君」
うぜぇ.....
それに元から見えなんて貼っても即剥がされるわ。
「なんかヒッキーの目がだんだん濁ってきてるような.....」
「おし、準備できたぞ」
「じゃあ少しだけだけど聞いてくれ」
そのあと俺は5分ほどの演奏をした。
練習を何度もしてあったのでもうだいぶ弾き慣れてきていたがやはり人に聞かせようと思ったらそれなりに緊張するもんだな.....
演奏が終わった瞬間俺はなんだかなんともくすぐったいような気分を味わった。
「.....すごい!すごいよヒッキー!」
すると由比ヶ浜がそんな感想を言ってくる。
嘘をつけるようなやつではないことは短い付き合いながらわかっているのでなんというか単純にとても嬉しかった。
「.....予想していたよりはマシな演奏だったわ」
雪ノ下もあいつにとっては褒め言葉という感じの言葉をかけてくる。
「サンキュー」
俺にしては珍しく素直なお礼が出たと思った。
「まさかヒッキーがあんな風になるなんて....」
え?なになにどういう意味?
「そうね、あんな風になるとは誰も予想できないわよね」
「あんたらも感じたかい、ハチのギターから」
「なんか言葉にできないんですけど、その、とにかくブワーってなりました」
語彙力どこ行っちゃったの?
「....ええ」
雪ノ下は短い返事を返す。
「なんか今の演奏見てたらあたしも何か楽器演奏してみたくなったよ!」
「なら、あんたも何か弾いてみるかい?」
「え?いいんですか!?」
「ああ、ここはそういう場所だからね」
このオーナーのこういうところは憎めないところだよな。
「何か弾きたい楽器とかはあるのかい?」
そう言われると由比ヶ浜は考え込んでいる様子だ。
「比企谷君、ちょっといいかしら?」
「なんだ?雪ノ下?」
「あなた、本当にギターを始めたばかりなの?」
「ああ、そうだけど」
「そう....」
なんかいつもと雰囲気が違う気がする。
「なんかあったか?」
「唐突に何かしら?」
「いや、なんか元気ないなって思っただけだよ」
「いきなり何を言いだすのかと思ったら勘違いもほどほどにしてほしいわね」
「そうか....それよりお前も弾いてみないか?」
「私も?」
「そうだ、せっかく来たんだしよ」
「そう、なら私も何か試してみようかしら」
そう言うと雪ノ下は由比ヶ浜の方へと歩き出す。
それが、俺のバンド生活が始まるきっかけになるとも知らず。
その後しばらく悩んでいた2人だが結局決めたらしい。
「由比ヶ浜はドラムか?」
「うん!なんかかっこよくない?」
「んーまぁわからなくもない」
「で、雪ノ下は?ギターか?」
「ええ、やはりギターがいいかと思ってね」
何がいいんだ?と聞こうとしたがなぜかやめといた方がいい気がしてやめておいた。
その後2人は少しの間オーナーに教えられながらそれぞれの楽器を演奏している。
由比ヶ浜は苦戦気味だが雪ノ下はさすがと言うべき速度で弾けるようになっていた。
.....俺はその間も当然のように個人練習だが。
「おや、もうこんな時間かい。そろそろ終わった方がいいかね」
「本当にありがとうございました!今日はとっても楽しかったです!」
「私も貴重な体験ができました、ありがとうございます」
「また弾きたくなったらいつでも来な」
「本当ですか!?ありがとうございます!」
「ありがとうございます」
なんかみたことあるような光景だなぁ.....
「そーだ!ねぇゆきのん、ヒッキー!私たちでバンドを組んでみない?」
「何を急に言いだすんだよ、そんなこと....」
ちょっといいかもしれない.....
実際俺もバンドがどういうものか知りたいと思ってたしな.....
でも雪ノ下が納得するとは思えないな......
「まだ何も知らない状況で返事はできないわ」
あれ?否定しない?
「....それじゃあバンドがどういうものか見てみるかい?」
「ん?どうやってだ」
「決まってるだろう?ライブを見るのさ。来てみるかい、spaceのライブに?」
俺のバンド生活はここからスタートしていくこととなるのだが.....
この時の俺にその実感はわかなかった。
しかし、直感で俺たちは同時に同じ返事をした。
「「「おう(はい)」」」
今回はここまでとなります。
次回は3人でバンドを始めるところを書いていこうと思います。
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