やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
もう少し過去の八幡たちをお楽しみください。
夏にはバンドリでも色々あるので今から楽しみですね!
今日は文化祭前日つまり最近多かった文化祭の準備も今日が最終日となる。
中学校ながらそこそこ自由度が高いうちの学校は他の学校より準備も多くなる。
本当に勘弁して欲しいもんだ。
.....でも来年はステージとか立ちたいかも、いやいや何を考えてるんだそんなことしたら俺のステルス性能が落ちてしまう。
え?別に大丈夫?
やめろよ、悲しくなって死んじゃうから。
「はぁ.....」
「またため息ついてるんですか?こっちまでテンション下がるからやめて欲しいんですけど」
「そう言うなよ、はぁ.....」
「全く言ったそばから....そんなんだから先輩はダメなんですよ」
「お前も相変わらず俺を否定し続けるな.....そろそろ俺泣いちゃうよ?」
「これくらいのことで何を言ってるんですか.....」
「お前にとってはこれくらいでも俺にとっては隕石が落ちてくるレベルのダメージなんだよ」
「情けないですねー」
まじで雪ノ下とは違ったダメージを俺に与えてくる一色の攻撃に耐えながら俺は作業を続ける。
「ていうかそんなことよりも早く葉山君のこと教えて下さい」
「....やっぱそれが目的か」
「そりゃそうじゃなきゃわざわざ先輩と2人で作業する訳ないじゃないですか」
「まぁそりゃそうだろうけどよ」
「先輩ってたまにめっちゃ悲しいことさらりと言いますよね.....」
「これが普通じゃないのか?」
「先輩が普通だったら世の中滅びますよ」
「そういうこと真顔で言うのやめて?」
「それより先輩話しをそらさないでください」
「いやお前だよ?そらしたのは?」
まったくなんというか最終的にそこそこ楽しんでる俺がいると言うのに驚きだな。
あってすぐにこんなふうに話せるようになることなんて経験ないぞ。
「それでなんで先輩みたいなパッとしない人が葉山君と友達になったんですか?」
「いや、友達じゃねーから」
「そんなツンデレ求めてないので早く話してください」
ツンデレで言ってる訳じゃないんだが.....
ほ、ほんとなんだからねっ!
あ、つい癖でやっちまった.....
八幡たらノリがいい!
「いや、そりゃまぁお互い共通の趣味があったっていうか.....」
実際お互いにギターという趣味を持ってなければ多分俺はここまで葉山と関わるようにはなってないだろう。
「それがなんなのか聞いてるんですから早く行って下さい」
女って怖えな.....
「ギターだよ、俺も葉山もギターを弾いてるんだ」
「ギター?葉山君はともかく先輩が弾けるんですか?」
「お前流石に失礼すぎない?俺そんなメンタル強くないよ?」
「いえ、見た目完全隠キャな先輩とギターがどうしても結びつかないだけです」
「なに?お前は俺をいじめたいの?」
本当に最近俺をみんながいじめるよぅ.....
「へーなるほど.....それなら.....」
俺の言葉を無視して一色は何やら考え込んでいる。
どうせどうやって葉山にアプローチするかとか考えてるのだろう。
「先輩、葉山君って1人でギター弾いてるんですか?」
「さぁな、最初にも言ったけど俺は別にあいつと仲がいい訳じゃないからな」
「使えないですねー」
そこまで言う?
そろそろ俺女性不信になりそう.....
「.....でも確かバンドを組む予定だとは言ってた気がする」
「本当ですか?」
「確か.....」
「肝心なところじゃないですかー。先輩今から葉山君に確認取ってきてくださいよ」
「いや自分でいけよ.....」
「ここで私が聞きに言ったら葉山君のこと知ろうとしてるとか思われてバッシング受けちゃうじゃないですか」
「女子ってそんな陰湿なの?」
「はい、まあそりゃ男の子とは段違いに」
男に生まれてよかったわ......
そもそも存在認知されてるかさえ怪しいけど.....
「とりあえず確認しとくから明日まで待ってくんない?」
「明日文化祭ですよ?そんな暇あるんですか?」
「一応連絡先は知ってるからな」
正確に言うなら無理やり知らされただが。
たまにあいつから連絡が来るが俺から自発的に連絡を取ったことはない」
「へーもうそれ友達じゃないですか」
「いや、断じて違う」
「本当なんでそんなにひねくれてるんですかねー」
「生まれつきだよ....」
「最初からこんなひねくれてるわけないじゃないですかー?なんか昔変なことでもありましたか?」
茶化すように言ってくる一色だがなんかは確かにあったな。
そりゃもうひねくれないやつなんていないくらいには。
「.....なんもねーよ」
まぁ話しても面白いようなものじゃないしな。
「よく雪ノ下さんと結衣ちゃんは先輩とバンドなんて組みましたね」
「俺自身もなんでそうなったかいまだによくわかってないけどな.....」
「なんですそれ」
そう飽きられたように一色は言う。
しかし確かにその顔は笑っていて、それはきっと演技などではなく本心からの笑みなのだろう。
だからきっと、俺は何となくこう言ってしまったのだろう。
「お前もバンドやってみればわかるんじゃないか?」
「え?もしかしてそれ私にも先輩のバンドに入れたか誘われてますか?でもちょっと先輩だと一緒にいて私がきついと言うか何と言うかなのでもう少しその濁った目とひねくれた性格を直してから1000000回くらい頼み込んでくださいごめんなさい」
「いや、相変わらずとっさによくそんな文章思いつくな......」
「先輩が私を口説こうとするからですよ」
「いや、そんな気は1μmもないんだけど.....」
「.....そんなこと言ってる内は先輩は大丈夫そうですね」
「なんか言ったか?」
「そんなこと言ってる内は先輩は絶対彼女できたりしないって言ったんですよー」
「何を今更そんな当たり前のこと言ってんだ?」
「.....それでいいんですね」
「だって俺には可愛い妹がいるからな!」
「ちょっと私から離れてもらっていいですか?」
「冗談だからそんな引かないで?」
「冗談に聞こえなかったんですけど.....」
まぁ半分は本当だからな.....
そんなたわいもない話をしながら俺たちは作業を続けた。
その時間は雪ノ下や由比ヶ浜と過ごしている時と同じように不思議な安心感を感じられた。
俺はらしくもなく一瞬こいつとバンドをやる姿を想像したがそんなことはないと即座に頭から追い出すことにした。
「はぁ.....ようやく終わったな」
「そうですねー。我ながらよくやったって感じです」
あれから作業を続けて終わっては次終わっては次とやってるうちにすっかりくたびれてしまった。
「これで片付けも手伝わないといけないとか.....」
「でも片付けは準備より楽ですよ、多分」
「だといいんだけどな.....」
そんな会話をしつつ俺たちは校門をくぐるのだった。
「じゃあな」
「明日までにしっかり聞いといてくださいねー」
「おう」
そんな会話を最後に俺たちは家路につくのだった。
その夜しっかり葉山に連絡をとる。
『お前って結局バンド組んだのか?』
すると5分と経たないうちに返信が来る。
『今はまだかな、でも俺ももう直ぐメンバーが集まりそうなんだ』
『もうメンバーは全員決まったのか?』
『ああ、近いうちに俺たちも練習しだすつもりだ』
『なるほど、頑張れよ』
『ところで比企谷何でそんなこと聞くんだ?』
『べつにただの興味本位だ』
『どのみち君達にも負けないバンドになって見せるから覚悟しとけよ?』
『馬鹿野郎、こっちのセリフだ』
俺にしては珍しく葉山とのやりとりはもうしばし続いたのだった。
*****
ー翌日ー
「それで葉山君はもうバンドを組む寸前ってことですか?」
「まぁそうなるな」
「マジですか?」
「こんなことで嘘ついてどうなるんだよ.....」
翌日の朝俺は一色に昨日の葉山とのやりとりを伝えていた。
ご丁寧に人目につきにくいところでの秘密の会合である。
「でもそんなこと知ってどうしようとしてたんだ?」
「そりゃどうにかして葉山君のバンドに入れたらとか思ってたに決まってるじゃないですか」
なるほどな、確かにそうすれば葉山とだいぶ親密な関係を築くことができるな。
「でもそんな状況ならもう意味ない考えですけどねー」
「別にそうでもないんじゃないか?」
「どういうことです?」
「いやだってさ、別に話すきっかけくらいにはできるだろ」
「確かに.....」
そう言うとしばらく一色は考え込む。
「でも、楽器って割と難しいんじゃないですか?それにモチベ持ちますかねー?」
「とりあえずさ、今日のステージで先輩のバンドが演奏するからそれまで決めればいいんじゃないか?」
きっとこいつは俺や雪ノ下、由比ヶ浜と同じく惹かれるはずだ。
「そうですね、たまには先輩に乗せられてあげます」
「そりゃどうも」
そう言って一色は歩きだす。
「.....もし、私が楽器を始めるって決めたら先輩は責任取ってくれますか?」
責任なんて大げさなやつだな。
「ああ、少しくらいなら教えてやるよ」
「言質とりましたからね?」
「ん、ああ」
深く考えずに俺はそう言うが今思えば相当なものを持ってかれたもんだ。
「ったく、しょうがねぇな」
そうぼやきながら俺も教室へと向かうのだった。
その後文化祭は予定通りに進んでいき牛込先輩のバンドの演奏も無事終わった。
相変わらず心がとても揺さぶられ俺は自分もいつかああなろうと決意を新たに今は文化祭の後片付けの途中である。
「やっぱりゆり先輩たちすごかったね!!」
「そうね、見習うべきところは多くあるわね」
この二人も俺と似たような感想を受けたようで性格が違くても音楽の方向性は同じなのは不思議な方に思えたが案外そんなものなのかもしれない。
「あっ!せんぱーいここにいたんですね」
「ん?何だよ一色?」
「いえ、ちょっと重い荷物があるので持ってもらおうかと」
「人使い荒いなお前、言っとくけど俺はそんな力ないしなんなら女子の方が強いまであるからな」
「はいはい、そんなこと言ってないで早く働いてください」
くそっ、俺は本来働かないで生きていくと言うモットーに基づいて生きているのになんでこんなに働かなきゃいけないんだよ.....
「これ終わったら直ぐいくからちょっと待ってろ」
そう言って俺は自分があと少しの仕事を片付ける。
何だかんだ言って真面目に働いている俺を世界はもっと褒めてくれてもいいと思うんだけど?
どう?ベスト働き八幡賞とか作ってみない?
ちなみにエントリーされてるのは俺だけだ。
「待たせたな」
「遅いですよ、女の子待たせるなんてさいてーですよ」
「いや、仕方ないだろ仕事なんだから」
「全くそんなこと言って、私と仕事どっちが大切なんですか?」
「うわーめんどくせー」
実際に言われるとこのセリフって本当にめんどくさいと思うんだなと1つまた学んでしまった.....
つまりこんなこと言われないためにも男子は非リアでいるべきはいQ.E.D
「もう少し面白い反応してもいいじゃないですかー」
「そんな文句は受け付けてない」
「まぁそんなことは置いといてですね、先輩」
「なんだよ?」
「私、楽器始めてみることにしました」
「そうか」
「驚かないんですね?」
「なんとなくそんな気がしてたからな」
「どういうことですか?」
「別に、ほんとになんとなくだ」
「そうですか、始めるならどの楽器がいいんですかね?」
「最初だったらやっぱベースとかがいいんじゃないか?」
「そうなんですか?」
これもオーナーの受け売りだけどな。
「じゃあ今度色々教えてくださいよ」
「なんで俺が.....」
そう言うと一色はずっと俺の前に立つ。
俺はぶつからないように急に止まったのがそれでも一色の顔はだいぶ近い。
「だって先輩.....責任、とってくれるんですよね?」
「.....覚えてたのかよ」
そこで一色は俺から離れまた前を向いて歩き出したかと思うとすぐさま振り返る。
「はい!私そう言うこと忘れないので」
そんなこと言われたら流石に、断れないよな。
「それなら今度俺たちの練習に来てみるか?」
「いいんですか?」
「ああ、オーナーに頼めばベースも借りれると思うし」
「それなら、お邪魔してもいいですかね?」
「ああ、多分あの2人も許可してくれると思うぞ」
こうして俺たちの練習に一色が訪れることになった。
*****
その後俺たちの練習の日に一色は訪れた。
やはり2人とも拒否することなくすんなり許可してくれた。
特に由比ヶ浜はむしろ大はしゃぎしたくらいだ。
「とりあえずまずベースの弾き方はね.....」
本日の練習の最初はオーナーが少し一色に弾き方を教えてその後一通り教え終わった後オーナーはスタジオを出ていった。
「なかなか難しいですね.....」
「最初にしては上出来なんじゃないか?」
「そうだよ!あたしなんて最初はすごい戸惑ったもん」
「それならよかったよー」
その後も俺たちは自分たちの練習をしつつ一色の様子を見たりする。
それから数時間練習して俺たちはスタジオを後にした。
「どうだった、楽しかった?」
「うん!すっごい楽しかった!」
「でも本当にいろはちゃん上手だったよ、ね?ゆきのん」
「そうね、最初にしてはよかったと思うわ」
「それさっき俺も言ったぞ」
「だからなんだと言うのかしら?」
「なんでもないです.....」
「あはは、2人とも相変わらずだね.....」
俺たち3人がしゃべっている様子を一色は少し離れているところから見ている。
「その、結衣ちゃん、雪ノ下さん、先輩」
「ん?どうした?」
「いえ、その」
一色は何かを伝えようとしているがなぜかしどろもどろになっている。
「一旦落ち着いて、どうしたの?」
「私も.....そのバンドで演奏したい....です」
それを聞いた途端俺たち3人は顔を見合わせそして3人で頷く。
話し合うまでもなく俺たちの意見はまとまっていた。
「歓迎するわ、よろしく一色さん」
その言葉を聞いて一色の顔に笑みが戻る。
「はい!お願いします!」
こうして俺の、俺たちのバンドはベースを加えて4人になった。
これが俺たちの、完全なスタートだった。
*****
「それでお兄ちゃんたちは4人でバンドをやり始めたんだね」
「まぁそうだな、こっからは色々あったなー」
「ふふ、でもその時のお兄ちゃんすっごい楽しそうだったよ」
「ああ、そうか」
「でもなんで一色さんは急にお兄ちゃんのバンドに入ろうと思ったのかな?」
「ああ、それはその後に聞いたんだけどな.....」
*****
「なんで急にあんなこと言い出したんだ?」
その後雪ノ下と由比ヶ浜とは別れたところで俺は一色に尋ねる。
「そりゃ葉山君に近づく口実にするためです!」
「それもあるんだろうけど、まだなんかあるだろ」
そんな動機だけであんなにも真剣な顔ができるとは思えない。
「変なところで鋭いですね.....。そうですね、なんて言えばいいのか自分でもよくわからないんですけど.....ここが落ち着いたんですよ」
「そうか」
本人がこう言うのだからそれ以上は詮索しないがきっとまだ全部は言ってないんだろうな。
そう言いつつ俺は前を歩く一色に目を向けたところでちょうど振り返り一色は最後にとっておきと言わんばかりの笑顔で言う。
「だから、まだまだ責任はとり続けてもらいますからね!」
全くあざといやつだ。
女の子は砂糖とスパイスと素敵な何かでできている
マザグースだったか?
どうやら俺は少しばかりこの少女のその割合を見誤ってたらしい。
一色いろはは、俺が思っていたより素敵な何かを持っていたようだ。
だからこう言うしかないじゃないか。
「仕方ないから、後少しだけな」
その言葉に満足そうに笑った一色を見て俺もどこか暖かい感じがした気がした.....
今回はここまでですね!
ようやくいろはを加入させられましたね.....
過去編は次かその次でラストです。
今回は初めての試みで次回予告的なことを最後にして締めたいと思います。
感想、評価など励みになるので是非お願いします!
メンバーが4人となりスタートした八幡たちはその後も長い間充実した時間を過ごす。
しかしずっとそのままということはなく彼らに訪れる波乱とは?
今、八幡たちに起こった悲劇が明らかになる。
次回やはり俺がバンドを組むのは間違っている
「Withdrawal」
どうして、理解してくれないんだよっ!