やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
リゼロコラボでりんりんが当たった喜びで舞い上がっています。
皆さんはどうでしたか?
「いやー楽しかったね〜、海」
雪ノ下たちと話して小町より少し遅れて家に帰った俺は現在小町が用意してくれた(だいぶ手抜きだが)夕飯を食べている。
「ああ、でもまさか戸山とか湊とかに会うとは思わなかったわ」
「本当にびっくりしたよね〜。でも楽しかったからOKでしょ!」
「まぁな、でも久々にあんな運動したからあしたは筋肉痛確定だな.....」
「まったくもうこれだから引きこもりのごみぃちゃんは.....」
「まぁ前の方が体力はあったかもな」
バンドをやってるときには体力つけようと多少は運動したからな。
ちなみに雪ノ下の指示だ、断じて自分からやろうとしたわけではない。
いやーなんか俺だけメニューが3倍だったなー。
それまで運動などほとんどしてこなかったため中学入学当初俺の体力は普通にその辺の女子と同じかそれ以下だったためだ。
「どしたのお兄ちゃん?なんか遠い目しちゃってるけど?」
「いや、ちょっと思い出したくないことを思い出しただけだ.....」
もしまたあいつらとバンドやるならまた体力づくりさせられるのかなぁ.....
そう考えるととてつもなく憂鬱だな.....
「どうせお兄ちゃんのことだからロクなことじゃないんだろうけどさ、それも本当に嫌だったの?」
「小町、お前いつの間に人の心を読めるようになったんだ?」
「そんなんじゃないよ、ただお兄ちゃんって昔のことっていうか雪乃さんたちのことを考えてる時っていっつも同じ表情するんだよ」
まじか。
さすが我が妹、俺のことをよくわかっていらっしゃるようで頭が本当に上がらない限りだ。
実際今思えばあのキツかった体力づくりだってあいつらがいたから乗り切れたんだろうし本気で嫌だったなんてことはないのだろう。
「ほら、またしてる」
「え?まじ?」
「うん、普段お兄ちゃんの笑い顔なんてキモすぎて見てられないけどさ.....」
ナチュラルに傷つく言葉を使うのやめて?
そういう言葉は使っちゃいけないってお兄ちゃん教えたはずだよ?
「その笑顔だけは、好きだよ」
「......」
「どうしたのお兄ちゃん?もしかして照れちゃった?」
「いや、そんなこと言われるとは思わなかったから面食らっただけだ」
実際照れてもいるんだけどな。
「ふっふっふっー隠さなくてもいいのに〜」
いつからだっけ?俺と小町のパワーバランス崩れたの?
「そういうお前もなんか増えたよな、笑ってること」
「え?そう?」
「なんていうか、前よりさらに楽しそうにしてる」
「それもきっと、バンドのおかげだよ」
「そう考えると偉大だな、バンドって」
「うん、だからさ.....お兄ちゃんもまたやろう?」
「ああ、あと少しなんだ。もう一度あの輝きを掴むまでは」
普段ならこんなこと言った時点でキモいとか言われて俺のメンタルが死んでただろうが、こういうときに茶化してくるやつではない。
本当に俺にはもったいない妹だな.....
「じゃあそれまでにお兄ちゃんと一緒にステージに立てるくらい一生懸命練習しておくね」
「おう、楽しみにしてる」
今や俺のバンド復帰は俺だけの望みじゃなくなった。
明日、必ず雪ノ下たちに伝えよう俺の、俺たちの思いを。
*****
駅で比企谷君と別れて家に帰ってきてから私は由比ヶ浜さん、一色さんと電話で話していた。
「.....どうしてゆきのん駅でヒッキーと話そうとしなかったの?」
「といっても私たちだって賛成したんだしそれを聞いても仕方なくない?」
「それはそうだけどさ.....あたしたちの中で考えが違ったらって思ったら少し不安になっちゃって.....」
由比ヶ浜さんの不安も痛いほどに分かる。
正直なところあの瞬間私は怯えてしまった。
「.....そうね、あの瞬間だと頭の中が整理できそうになかったから」
比企谷君がなんと言おうと、きっとまともに話せなかったと何度考えてもそう思ってしまう。
「.....正直私も同じ理由で賛成しました」
「確かにあたしもこんがらがっちゃったと思う....けどさ」
「けど?」
「それよりもあたしたちの思いが正しく伝わらなかったらやだなって.....」
「そうね、だから明日までみんなで考えましょう。私たちの気持ちが伝わる言葉を」
「そうですね」
「うん!あたしもいっぱい考える!」
「空回りしないように気をつけてね、由比ヶ浜さん」
「えーなにそれゆきのんひどい!」
「あと、無理して難しいことを言わないようにね」
「いろはちゃんまで〜!」
きっと、今不安に感じているのは私だけではないと思うのだけれど全員がそれを出してしまわないように振る舞っている。
明日、どんな結末になるのかそれを考えると居ても立っても居られない気持ちになるけれど3人ならきっとどんなことでも受け入れられる気がした。
*****
そして翌日遂に俺たちにとっての運命の1日となるだろう日の朝が来た。
現在の時間は午前8時30分。
普段休みの日に俺がこんな早くに起きることはないのだが(日曜を除く)なんか今日は寝てる気にならないのだ。
「いやーこんな感じになったのなんていつ以来だかな」
思わず呟いてしまうほど久々なのは確かだった。
ライブの時にはほぼ毎回こんな感じだったけどな......
「あとの時間なにしてるか」
それでも時間は流れてといってもまだ1時間程度だが。
結局本読んでいたが約束の時間まではまだかなりあるがもうほとんど片付いている課題をする気分でもないし。
「おーい!おにい.....ちゃんがもう....起きてる?」
考えていたところに小町が相変わらずノックもせずに開けて入ってくる。
「そんな意外みたいに言わないでくれますかね」
「だって意外だし、だって普段10時までは絶対起きてこないじゃん」
「ばっかお前日曜だけはちゃんと早起きしてるだろ」
「いい加減日曜の朝にアニメ見るためだけに早起きしないでほしいんだけど.....」
「これは昔からの日課だからな、今更変えられるわけないだろ」
だってあの時間のために毎週学校とかに耐えてるんだから。
「もっと違う楽しみ見つければいいのに.....」
「で、俺になんの用だ?」
「あ、そうそう小町も今から出かけてくるから留守番よろしくね」
「.....お前受験生なんだから程々にな」
「今日は勉強会だからだいじょーぶ!戸塚さんたちが教えてくれるって言ったから!」
「お前らも仲良いなー」
「そりゃあね」
まったくいい顔してるよほんと。
「.....しっかり教えてもらってこいよ」
材木座はともかく川崎とか戸塚は真面目だからしっかり教えてもらえるだろう。
「うん!まぁ2人に対して高校生3人なんて贅沢な話だしね!」
「ん?小町以外にも誰かいるのか?」
「うん、大志君もいるよ」
「おいこら、誰だそいつはお兄ちゃん許しませんよ?」
「沙希さんの弟だよ.....前あってるじゃん」
「ああ、あいつか確かに人畜無害そうだがそれでもダメだ」
「あーはいはいじゃあ行ってくるね〜」
「無視はひどくない?」
「お兄ちゃんがいつまでも続きそうだからだよ、あとお兄ちゃんも頑張んなよ」
「言われなくてもだ」
別に昨日のことを話したわけでもない。
それでも小町はわかってしまうんだな。
そんなことを考えると柄でもないが嬉しく思ってしまう。
「それじゃあ鍵はしっかり閉めていってね!」
「子供じゃないんだぞ.....」
さて、1人で特にやることもない状況も変わらないしそうだな.....
「とりあえず家にいてもすることないし.....商店街で時間を潰すか」
*****
とりあえず商店街に来たのはいいのだが別段やることないんだよな。
目的もないしこれじゃ家にいるのとほとんど変わらない。
「あれ?八幡先輩?」
「ああ、美竹か」
「なにしてるんですか?」
「いや、まぁ暇だったからうろうろしてるだけだ」
「そうですか」
「お前はなんか用でもあるのか?」
「これからモカたちと勉強です」
「あー上原あたりが溜め込みそうだな」
「本当に毎年手伝わされるこっちの身にもなってほしいですよ」
「毎年溜め込むのかよ.....」
なんとなくいろんなやつと遊びに行った結果最後にその分泣きを見るタイプと見た。
「だから普段からちょくちょくみんなで勉強しないと」
「なるほど、それなら今年は大丈夫なんじゃないか?」
「......」
なにその苦笑い.....
「2人してさっきからひどいよ〜!」
「うおっ!いつからいたお前!?」
「あー上原あたりが....からです!」
ほとんど最初からじゃねーか。
「でもほんとのことじゃん」
「そうだけど〜.....」
「あはは!やっぱみんな同じことを言うな」
気づけばなんか全員アフグロ揃ってるんだけど。
「まぁひーちゃんが最後必死に課題やってるところ見てるのも面白いけどねー」
「ちょっとモカ〜!」
「お、落ち着いてひまりちゃん」
相変わらずの雰囲気だな。
さすが子供の頃からの幼なじみというだけある。
「なんかお前ら喧嘩とかしなさそうだよな」
「まさか、喧嘩ばっかりですよ」
え?美竹の言葉に割と驚いてしまった。
「たしかにちゃくちょくだな」
「喧嘩してるのはだいたい蘭と巴じゃん!」
「確かに〜」
「まぁそこは確かに.....」
「否定できない.....」
本当に喧嘩なんてすることあるのか?
どっちも思いやり強いしそんなことにはならなそうなもんだけど。
「ついこないだだって喧嘩してたじゃん!」
「だってあれは蘭がなにも言わないから.....」
「言い訳無用!」
「本当にひーちゃんママみたい〜」
「確かにいつもひまりちゃんがなだめてるよね」
「つぐまでそんなこと言わないで〜!」
「見ての通りだけどあたしたちだって喧嘩くらいしますよ」
「でも、その度にもっと仲が深まってる気がするよな!」
「確かに今まですれ違ったりしてきたけど最後には必ず仲直りできるって信じてますから」
「だから、私たちって感じだよね!」
「ひーちゃんたまにはいいこと言うね〜」
「たまにはは余計だって〜!」
なんか羨ましいな、そんなふうに言える人がいるっていうのは。
現に今も楽しそうにしてるがきっとこれからもこいつらは喧嘩しながらだっていつだって5人一緒にいるんだろな。
「そうだ!八幡先輩私たちに勉強教えてくれませんか?」
「え?」
「無理にとは言わないですけど.....」
まぁ別に暇だからいいんだけど。
「別にいいぞ」
「そういえば八幡先輩って勉強できるんですか?」
「数学以外ならそこそこだ」
「えー私数学も聞きたかったのに.....」
「あれは人間のやることじゃない」
「少し分かるような気が.....」
「そう言ってひまり毎年数学が最後まで残ってるじゃん」
「それは言わないで.....」
「それじゃあ数学はモカちゃんが教えてあげよー」
「モカ神様〜」
「ふっふーパンを献上するのだ〜」
「それじゃあそろそろ行こうぜ!」
「それじゃあつぐの家へゴー!」
こうして俺は12時ごろまで勉強を5人に教えた、といってもそこまで大したことはしてないのだが。
そこで知ったが青葉はかなり頭がいいらしく普通に俺よりも教えるのもうまかった。
何はともあれ結構いい感じに時間をつぶせてよかった。
あとは昼を食べてspaceに行けばちょうどいいくらいだろうか。
「あ!おーい八幡君!」
なんか知り合いに今日よく会うなぁ。
「なんだよ、彩?」
「ううん、用はないんだけど見かけたから話しかけちゃった」
「いや、それは構わないんだがバイトに行くのか?」
「ううん、今終わったところだよ」
「そうか、お前も芸能活動しながらバイトもしてるなんて大変だよな」
「それも、自分がやりたいことだもん。頑張るのは当たり前だよ!」
「お前を見てると自分が何にもしてないふうに思っちまうな」
まぁ実際なにもしてないんだけど.....
「そんなことないよ!私は八幡君にあってからもういっぱい助けてもらっちゃってるし」
「いや、それだって成り行きだし」
「それでも私は嬉しかったから.....」
なにも考えてなかったけどきっと時間が近づいてきて少し暗い気持ちになっている自分に今更ながら気づく。
ただそれを彩は晴らしてくれた。
「いや、なんつのそういうこと言われたことなかったし.....嬉しかったサンキューな」
普段言い慣れていないお礼は彩へと伝わっただろうか。
「え?あのえっとこっちこそありがとうね....?」
「なんでお礼を言われたことにお礼を言うんだよ....」
少し苦笑いしながらになってしまったが少し胸にあった不安がなくなっていくのを感じた。
「え?えっとだって.....なんでだろう?」
「お前に分からなくて俺に分かるか」
「それもそうだね....はぁーまたトチっちゃったなー」
「いいんじゃないか、もうお前の名物みたいなところあるし」
「そんなこと言わないでよ〜」
といっても本当に面白いのでそのままであることをこっそり祈っておくか。
「なんかお前と話せてよかったわ」
あれ?なんか俺相当キモいこといってないか?
「.....わ、わたしこそ話せてよかったっておもっちぇる」
「噛んだな」
「ううううう、と、とにかくまたね!」
最後の最後まで彩は彩だったな。
でもあいつになんだかんだいつだって俺は救われてるんだよな。
あいつほどアイドルって感じのやつはきっとこの先も見ないだろうな。
さて話してたら昼食食べる時間は無くなったけどまぁいいか。
こうして思ったより充実した時間を過ごせた俺は遂にspaceへと歩きだすのだった.....
*****
「いよいよね」
「ええ、私たちの気持ちをきちんと伝えましょう」
「そうだね!もう一度みんなで.....」
その先を由比ヶ浜さんがなぜ言わなかったのかはきっと言葉にしなくても分かると思ったのだろう。
「当然よ、そのために今まで必死に練習してきたのだから」
「そうですね!きっと大丈夫ですよね!」
「ええ」
それでもごめんなさい、2人とも私はあなたたちにも全てを話していないの。
私はあの時本気で.....
だから、私は彼と共に謝らなければならない。
だから、私は.....まちがっていても彼の話を全て聞こうと思う、そして自分のことも.....全て話そうと
私が1日待ったのは心の準備の問題、ただし受け入れるだけでなく嫌われるかもしれないという準備も兼ね泣いたものだけれど。
「今日で、終わらせましょう」
たとえどんな結末だってきっと受け入れられる。
自分に再びそう言い聞かせながら私は彼が来るのを待っていた.....
今回は若干短いですが次の話とつながると長くなり過ぎそうなので一度ここで切りますね。
よければ感想、評価などしていってくれると励みになりますので残していってくださると光栄です。
それでは最後に次回予告いってみましょう。
「いや〜八幡先輩意外に教え上手だったね〜」
「モカ、意外は失礼じゃない?」
「特に国語なんてモカちゃんに迫るものがあったね〜」
「そりゃ先輩なんだし」
「機会があったらまた教えてもらいたいね〜」
「まぁそれはそうだけど、それじゃあモカ時間もあれだから予告しちゃうよ。次回やはり俺がバンドを組むのはまちがっているは『たとえまちがっていても比企谷八幡は進む』です」
「お楽しみに〜」