やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
そして、皆さんにあらかじめお知らせです。
この度私はこの小説において1人オリキャラを登場させることにしました。
今回からそのキャラにも登場してもらいます、ただ完全オリキャラというよりバンドリで存在を運営に消されてしまったキャラを勝手に登場させるだけです。
不快に感じる方がいたら本当にすいません.....
第44話
spaceでの夢のようなラストライブから3日がたった。
俺はいまでもあの時の興奮を容易に思い出せる。
え?結局あの後どうなったかって?
そりゃあのあとはアンコールの演奏が終わったあと予定通りみんなでステージに上がって.....それ....で.....
あれ?頭が.....なんかもやがかかったみたいに.....思い出すな.....俺。
「みなさん今日は本当にありがとうございました!」
全バンドを代表して雪ノ下がそう言った後に全員それに続いて頭を下げてお礼を言った。
「.....」
そして退場してる途中に俺は気がつかないうちに涙腺が決壊したらしい。
勝手に涙が出てきて....それでしかも.....
「結局、耐えられなかったのね」
「でも、ヒッキーが泣いちゃうのもわかるな」
「そうだね、だから今だけは泣いていいですよ先輩」
「俺は....俺はようやくお前たちと本物を見れた気がする.....」
涙ながらに俺は言葉を語る。
その場に大勢の人がいるのを忘れて.....
「俺はずっと探してんだよ.....それを今日初めて....掴めた気がする....」
そのあとは喋れないくらいの号泣である。
せめてもの理性が声をあげて泣くのを阻止したとはいえ.....
あああああああああ!!!!!
死にたい!しにたい死にたいしにたい!
何言ってんの!
本物ってなんだよ!
とりあえずしね俺!
「ちょっとお兄ちゃん、うるさいよ」
ベッドでのたうちまわっていた騒音を聞きつけた小町が部屋へとやってくる。
「妹よ、俺はもう生きていけない....」
「全くまたそんなことを言って、いいから静かにしてよね」
「おう、静かに逝くわ」
「はぁ、いいお兄ちゃん。確かに昨日の台詞は正直今思えば相当くさかったよ?」
「いいのか小町、俺はこのままいったら死ぬぞ?」
「ちょっと斬新な脅し方しないでよ.....でもさ、あの時は誰も笑ってなんていないし小町だって素直によかったねって思ったよ?」
「そういう問題じゃない....あんな泣いてまでいるところを見られて.....」
「全くぐちぐちいってないで早く支度しなよ、今日このあと雪乃さんたちと待ち合わせしてるんでしょ?」
あ、やべ悶えてたら忘れかけてた。
時間は.....まだ少しくらい余裕はあるな。
さすが小町兄の予定まで完璧に把握してるとは。
これなら将来養ってもらうときも心配ないな。
「ほら思い出したならさっさと動く!」
「はいよ」
「相変わらず手のかかるごみぃちゃんなんだから」
あっという間にテンション戻した俺は小町は呆れ気味だが今思えば黒歴史などもう数え切れないほどあるのだし長く恥ずかしがってるのもただの時間の無駄と言える。
「そりゃ俺は一生俺のままだからな」
「小町的にはそんななんの役にも立たないアイデンティティはドブにでも捨てて欲しいな」
「いい笑顔で俺の人格全否定とかしてくるのやめて?」
最近妹の兄扱いが雑すぎてつらい.....
「とにかく!お兄ちゃんはいつも通りでいいの!」
「はいはい」
小町の兄離れはもしやもうすぐそこなのかもしれない。
そんなことあったら今度は違う意味で死にたくなりそう。
「じゃあほら!さっさと支度!」
結果としてだいぶ騒がしいことになったがまぁたまにはいいか。
なんて思ったりもするのだった。
*****
今日はspaceの代わりにこれから利用することになるライブハウスに行くことになっている。
そして初っ端から現地集合なのである程度迷っても大丈夫なようにある程度時間に余裕をもって家を出たが道が割とシンプルなので迷うこともなくこのままでは早く着きすぎてしまいそうだ。
「おっ!八幡じゃん、こんなところで会うなんて奇遇だね〜」
「よう、今井最近はよく会うな」
いや3日に1回くらいあってるからな、リアルに。
そこで俺は今井の横に立つ1人の男子の存在に気づく。
これはいわゆるあれか、デートってやつか。
今井なら顔も可愛いし性格明るいし彼氏が3人くらいいても驚きはしない、いやありえないけどさ。
「悪い、邪魔してるか?」
「あははっ!八幡勘違いしちゃった?大丈夫だよ」
勘違いってじゃあ隣の男子は誰だ。
なんというか、普通にイケメンだが口数はあまり多そうじゃないな.....
それに線も細くて若干中性的な印象が.....
「こっちはあたしの弟のケントだよ」
「.....」
紹介をされても黙ってるあたり人見知りなのかもしれない。
あら、なんだか親近感.....
「弟いたんだな」
いや、確かに今井は姉って感じで実際あことかリサ姉って呼んでたりとかするけどさ.....
「ほーらケント挨拶しなよ」
「.....今井ケントです」
緊張のためか若干声が上ずっていてなんだか初々しい。
あれ?俺そっちの趣味はないんだけどな?
「俺は比企谷八幡だ、よろしくな」
最近いろんな人といやおうでも自己紹介する機会が増えたからそこだけはもう慣れて普通にできるようになってたおかげでここでもナチュラルに返せた.....
「ほら、ケント言いたいことあるんでしょ?言っちゃいなよ」
「....でも、緊張しちゃって.....」
「ほら、八幡だって忙しいんだからさ」
「いや、むしろ練習までまだ時間があるからゆっくりでいいぞ?」
これで文句とかだったらもう俺恥ずかしさとか色々なもので走り出すまでにある。
「あ、あのこの間のライブ見ました....」
俺が最近出たライブは一つしかないので考えることもなくspaceでのライブのことが思い当たる。
「どうだった?」
ライブとかに限らず人前に出るとそれを見ていた人間の評価というのは気になるものである。
だがそれも聞きたいような聞きたくないような.....といった感じで不安を多く含んだ期待である。
「その、すっごい感動しました!」
「そうか....ありがとな」
面と向かって言われると普通に照れるな.....
「ケントったらあれ以来すっかりアブアルのファンなんだよ〜」
「リ、リサ姉」
あ、リアルな弟はリサ姉呼びなんだ.....
とか考えてる場合じゃないな。
「いや、すげー嬉しいぞ」
「そ、そんなこちらこそアブアルみたいなバンドを知れて良かったです」
話してるうちに緊張が溶けてきたのか喋り方が普通になってきたな。
「今井はなにか楽器やったりとかしてないのか?」
「うーん八幡今のならわかるけどあたしも今井なんだから紛らわしいよ〜」
「それもそうだな.....それじゃあケントでいいか?」
「はい、大丈夫ですよ」
年下で同性なら呼び捨てもそこまでの抵抗はないからな。
「てか別にあたしも名前で呼んでくれていいんだよ?」
「いや、それはなんというかな.....」
普通に恥ずかしいんだけど.....
「リサ姉、みんながみんなリサ姉みたいにできるわけじゃないんだから.....」
姉に似て気がきくやつなんだなぁ.....
「そう言わずにまずは試してみようよ、紗夜とかは名前で呼べてるんだし」
こんなコミュ力いったいどこで手に入るの?
わかるんなら今すぐそこに行くんだけど?
「わかったよ.....リサ」
「.....」
え?なに黙られるとなんかきもがらてるみたいで傷つくんだけだ.....
「えーと、どうした?」
「いや、あたしも父親以外の男の人に名前呼び捨てにされた方ないからさ.....少し照れちゃった」
なんだその理由ラブコメがなんかか現実でそんなことあるわけないけどさ。
「そ、そういえばさっきの質問に戻るけどケントは何か楽器やってたりとかするのか?」
日和った俺は一度場をリセットするためにケントに話を振る。
「オレはピアノを.....」
「結構小さい頃から続けてるんだよね?」
「ま、まぁ.....」
この姉弟も仲が良さそうだなぁ.....
それにしてもピアノ経験有りか.....
「すごいな、俺はギター歴そんな長くないからな」
「いえ、八幡さんのギターは本当に凄いですから!」
なんか本当にいい子だな、まじで俺の弟にならないだろうか?
「ありがとな」
「それで八幡はどこに向かってるの、見たところこれから練習?」
「ああ、今日からCiRCLEってところで練習することになってる」
「え?あたしたちもちょうどCiRCLEに向かってたんだよ〜!」
「自主練か?」
「それもあるけどケントほっとくとずっと部屋にいちゃうからさ。あたしの自主練に付き合ってもらおうかと思って」
「リサ姉はいつも強引......」
なんだ、本当にケントと俺は気が合うな。
俺も部屋大好きで必要ない限りは引きこもりがちだし.....
あれなんだろう、涙が......
「八幡どうしたの?」
「いや、気にするな」
「そっか、それじゃあどうせ向かうところ同じだし一緒に行こうよ」
いや姉も気がきくな、深い詮索はしないでスムーズに話を変えやがった.....
「ああ、じゃあそうするか」
別に断る理由もないしな。
「ケントもいいよね?」
「うん」
こうしてかなり珍しい組み合わせとなってしまった俺なのだが不思議と前のような不安とかがないんだよな。
人と関わるのが怖く無くなってきたっていうかさ。
「そういやケントに練習を手伝ってもらうって言ってたけどケントは
キーボード引けたりするのか?」
「あ、はい一応.....ですけど」
「ふふ、ケントはね八幡たちの演奏を見た後突然キーボードの練習をし出したんだよ?」
「リサ姉、余計なこと言わないでよ......」
ケントは照れているが俺はさらに嬉しいような気分になっていた。
俺たちの演奏がきっかけでまたどこかでこうやって新しい音が生まれる.....これって幸せなことだと思うんだよな。
それとなんだろうな.....俺にさっきから一つの衝動が生まれてるんだよな。
ほんと感覚的な話でしかないのだが......
「お前と演奏してみたいな、いつか」
なんかこいつとはうまくいきそうな気がする、証拠なんてないけどな。
「おおーケント八幡から誘われるなんて超レアじゃん!」
「おい、まるで人をコミュ障男みたいに言うな......」
あれ?間違ってなくね?
「そ、そんな恐れ多いというか......」
「せっかく誘ってもらったんだし演奏してみればいいじゃん」
「で、でもまだオレ初心者だし.....」
「そんなの関係ない、俺がただそう思っただけだからな」
自分でも驚くほどに俺はケントに話しかけていた。
「そこまで言うなのなら......オレにとって願ってもない話ですし.....」
「最初から素直にそう言えばいいのに〜」
「リサ姉、うるさいよ......」
そんなこと言ってながら照れてリサの顔を見ないあたりこいつも姉のこと好きなんだろうな。
「八幡はCiRCLE初めてなんだっけ?」
「ああ、Roseliaはそうじゃないのか?」
「うん、あたしたちはspaceの予約が取れない時とかに使ってたよ」
「ほんとリサ姉もユキ姉も毎日のように練習してるからちょっと不安」
うっわなにこのいい子!
てかユキ姉って誰だ?
「友希那とか紗夜は本当に休まないからあたしも不安だよー」
あ、湊のことね。
ユキ姉.....なんか響きいいな。
「いやユキ姉が練習するときリサ姉も練習してるんだからさ.....」
まぁどっちも心配にはなるわな。
....うちも似たようなブラックバンドだが.....
「あははケントは心配しすぎ、あたしは大丈夫だからさ」
「無理しすぎないようにね....」
うーんもしかしたらケントはシスコンの気があるのかもしれない.....
その点でも俺と同じだな!
「おっちょうど着いたね」
時間的にも話してたぶんちょうどいいくらいかな。
「あっ先輩!それにリサちゃん?先輩.....どういうことですか?」
「いや、ここに来る途中にたまたまあっただけだぞ」
怖えよぉ、なんでこいつらは俺が女子といると怒るんだよ.....
「そうだよ、それにケントもいるしね!」
「こ、こんにちは」
「え?もしかしてリサちゃんの弟?すっごくかっこいいね〜」
「い、いえそんなこと.....ないです」
だんだん喋りながら声が小さくなっていく様子はなんというか.....
「か、可愛い.....?」
なんか一色も変なスイッチ入っちゃいそうになってるんだが.....
「と、とにかくそういうことだからな」
「むぅ、それじゃあケント君に免じてそういうことにしておいてあげます」
「なんでそんなに怒ってるかつ上から目線なんだよ.....」
「別に.....怒ってないです」
絶対怒ってるじゃん。
でもそれを指摘すると余計に機嫌を損ねそうなのでやめておいた。
「ふふっ......八幡.....大変そうだね.....ふふ」
お前はお前でなにをそんな笑ってるんだ。
「それより一色後の2人はまだ来ないのか?」
特に雪ノ下がまだいないのはかなり意外なんだけど......
「なんか少しギリギリになるかもしれないって言ってましたよ?」
「そうか、ならまた後で揃ってから話したいことがあるけどいいか?」
「断ってもたぶん勝手に話しますよね.....」
「別になんか悪いことがあるわけじゃないしむしろ得な話だぞ」
「ええー」
こいつ信じてないな、全くなぜ多くの人は真実ほど目を背けるのだろうか。
「それじゃああたしはもういくね、練習しないとだし」
「ああ、またなリサ」
「うんまたね八幡」
そう言うとリサはCiRCLEの中へと姿を消した。
てかここにケントがなかった時点で俺の話したいこととか見え見えだよな.......
「......」
とか思ってたら一色さらに不機嫌なんですけど?
なんで?
女の子の機嫌で山の天気より不安定くらいじゃないの?
そんなレベルですらなくて普通に理由がわからない。
「あの、一色?」
「なんですかね?」
うっわー言葉の要所要所にトゲが見え隠れしてる......
「いや、なんかあった?」
「別に、先輩には関係ないです」
地味にこう言う態度ショックだからやめて欲しいんだけど......
「まだ私たちは名前呼んでくれないのに......」
「ん?何か言ったか?」
「なにも言ってないです!」
「お、おうそうか」
怖え怖えよぉ......
「大変なんですね.....」
あ、なんか俺奥沢の気持ち少しだけわかったかもしれんわ......
「比企谷君、一色さん遅れてごめんなさい.....あら?比企谷君、その子は?」
「あれ?いろはちゃんなんかご機嫌斜め?」
「そんなことないよ」
「あはは......」
どうやら一色は感情の手綱が効かないらしく由比ヶ浜に対しても若干トゲが残ってしまっている。
「もう一度聞くけれどもその子は誰かしら?」
「あ、ああこいつはケント、リサの弟だ」
「こ、こんにちは」
「リサ?ああ今井さんのことね。いつの間に名前で呼び捨てにするほど仲良くなったのかしら?」
あ、やべまたなんか地雷を踏んだかも.....
雪ノ下の機嫌も氷点下に......
「あの、由比ヶ浜?」
困り果てた俺はとりあえず由比ヶ浜に助け舟を求める。
「しーらないっ!」
あっれー?なんか由比ヶ浜まで不機嫌だぞ?
なんで?
そうか、つまりこう言うことなのか......
やはり俺が名前を呼び捨てにするのはまちがっている......
今回はここまでです。
今回から参加した新キャラ、ケントの登場で八幡たちがどうなっていくのかお楽しみください。
そして、やはりオリキャラが無理、という方は申し訳ないですが前回の話を最終回としておいてください......
そうなってもいいように書いてきたつもりなので......
感想評価など励みになるのでよければお願いします。
それでは今回の最後はケントの自己紹介を.....
「あ、あのみなさんこんにちは今井ケント.....です」
「ほーらケントそんなに緊張しないで」
「そ、そんなこと言ったって.....」
「それじゃああたしからいくつか紹介するね」
「い、いいよオレが任されたんだから.....」
「おっ!珍しかやる気だねーそれじゃあケント頑張ってね」
「オレは今中学3年生で.....来年は相武高校を受験するつもりです.....小さい頃からピアノをやっていて.....最近八幡さんたちのライブをみてキーボードを始めました......」
「ちなみにケントはピアノでいくつも賞をとっちゃうくらいの実力なんだよ〜」
「リサ姉余計なことは言わないで......そんな大したことじゃないから.....」
「そんなこと言って〜」
「ほら、もう尺がないから.....」
「いやーそれにしてもケントも成長したねー、よしよし」
「ふにゃ.....ってやめてよリサ姉に撫でられると力抜けちゃうんだから.....」
「えーだって撫でたいしいいじゃん」
「そういうことじゃないんだって.....とにかくこれからよろしくお願いしますね」
「ケントのことよろしくね〜」
「もう、やめてってば.....」