やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
今から楽しみでうずうずしてます。
なので毎日モニカの曲を聞いてますw
spaceでのラストライブの次の日さすがに雪ノ下も練習を休みにしてくれたのはよかったのだが.....
「やばい.....最近練習ばっかだったからすごい暇だな.....」
まさかこの俺が練習のしすぎで休日なにをすればいいかわからなくなる日が来るとはな。
「まったくお兄ちゃんもこういう日に一緒に遊ぶ友達くらいいい加減つくったら?」
「そんな簡単に友達ができるならぼっちはやってない」
「それ、完全にお兄ちゃんの問題じゃん」
妹の厳しい意見が耳に痛いぜ
「小町はお兄ちゃんご大学生とかになってもそうやって1人でいそうで心配だよ.....」
「今からそんな先のことを心配されても......」
「そんなこと言ってるからいつまでも友達できないんだよ」
「そんなこと言われても今の暇がなくなるわけじゃないし.....」
「それなら商店街にでも行ってきなよ、家にいたって邪魔なだけだし」
「そんな風に扱われてお兄ちゃん悲しい」
「ほらそんなこと言ってないで早く行ってきてよ」
「本当に追い出すのね.....」
こうしてせっかくの休日も目的もなく商店街をぶらぶら彷徨うことになるのだった.....
*****
「で、商店街に着いたのはいいもののなにするか.....」
引っ越してきてこの方この商店街を俺ほど愛してるやつはなかなかいないと思うが......
「逆になにすればいいかわからねぇ.....」
いやほんとねこの商店街好きだから、好きすぎてもう逆になにすればいいかわからないだけだから。
断じて限られた所にしか行ったことないとかないから。
「.....あれ?八幡先輩?」
「ん?羽沢か」
「はい、どうしてここにいるんですか?」
「いや、練習がないと暇でな」
あれ?このセリフ俺なんだか社畜に一歩近づいてないか?
このまま俺も有給を取らずに働きまくる男になってしまうのか......
「八幡先輩どうしました?なんだか顔色が急に悪くなりましたよ?」
「ん、いやなんでもない......って」
羽沢に声をかけられ我に返ったものの羽沢の顔がその.....思ったより近い.....
「どうしました?」
「その、そんなマジマジ見られるとな?」
「っ.....す、すいません!つい心配で.....」
自覚せずにやってたのか.....
でも照れてるの本当にいじらしい。
「心配してくれてありがとな」
「い、いえ八幡先輩が大丈夫ならいいんですけど.....」
「いや心配されるのに慣れてないもんでな」
「そんなことないですよ、きっと雪乃先輩たちだって.....」
「.....」
「そこは黙らないでください!」
いやだってな、由比ヶ浜とかはともかく雪ノ下とかが俺を心配するところなんてまったく想像ができないからな。
「本当に羽沢がいるってだけでアフグロは羨ましいわ」
「えっとそれってどういうことです?」
「バンドに1人そうやって優しく気配りできる人間がいると楽そうだなって思っただけだ」
はいそこ、お前が言うなとか言わない。
「い、いやそんなことないですよ」
また照れてるあたり本当に謙虚な性格なんだな。
「むしろ、私がみんなに助けてもらってばっかりです」
こいつらは幼なじみで組んだバンドというのもあって他のバンドより特に仲がいいような印象がある。
俺は昔隣の家のやつとさえ友達になれなかったなぁ.....
「ど、どうしましたか?なんと言うかその、目が.....」
「ああ、悪い昔のことを思い出してたらな.....」
「その、そんな目になるような昔のことがあったんですか?」
「いや、聞いてて面白い話は一個もないぞ?」
いや、本当に特に羽沢なんかが聞いたらまた心配されるだけだからな。
「それより羽沢はなんでここに?」
「いや〜実は.....私も手持ち無沙汰で.....」
「アフグロも休みなんだな」
「はい、特に予定もなくて店を手伝ってたんですけど.....」
ちょっと待て、それ羽沢休んでなくね?
休日だよ?なんで進んで働いてるの?
「そしたら父にたまには休みなさいって.....」
なんでだろうな、すぐにその場面が想像できる......
「なんか納得だな.....」
「なにがです?」
「いや、羽沢がみんなから頼られる理由がだよ」
「え?」
「そうやって全部のことを頑張ろうとしちゃうんだもんな」
あと頼んだら断らなそうだし......
「ほぼ働かない俺が言うのもあれだがたまには休めよ、じゃないといつか体調崩すぞ」
「八幡先輩.....」
「それに、たまにはお前が周りにわがまま言ってもいいんじゃね?」
特にアフグロの4人にはな。
青葉とか上原には特に....
いやね、別に羽沢としては苦痛ではないんだろうけどね?
「えーと....その八幡先輩」
俺が考えていると羽沢が歯切れ悪く声をかけてくる。
「ん?どうした?」
なんか妙に顔が赤いし.....
本当に体調でも悪いだろうか?
「その....早速で申し訳ないんですけど.....今から私先輩にわがまま言ってもいいですか?」
「いいぞ」
俺にしては珍しいレベルでの即答だ。
というか自分で言った手前断れるわけない。
さらにどうせ暇だし、羽沢なら問題を起こすこともなさそうだし.....
「あ、ありがとうございます.....」
俺の即答が予想外だったらしくちょっと動揺してるのひどくない?
俺だってたまにはそういうことあるよ?
「で、俺になにをして欲しいんだ?」
俺にわがまま言ってくるのなんて小町ぐらいしかいないからなにを頼まれるのかよく分からないんだよな。
「その....もし良ければ....この後私と.....」
え?なになにそんな言いにくいほど大きいことなの?
「買い物でも.....行きませんか?」
「そんなことくらいでいいのか?」
てかむしろ俺と出かけるとかもはや罰ゲームなまでにある。
「は、はい」
「それくらいならいくらでも付き合うぞ」
俺もやることなかったしな。
「あ、ありがとうございます!」
そんなことでこんなに喜んでくれるとは.....
なんかこういう妹も欲しかったなぁ.....
もちろん1番可愛い妹は小町だがな!
「それじゃあ羽沢はどこに行きたいんだ?」
「その、実は特に決まってないんですけど.....」
そうなるととりあえずいろんな店があるところとかがいいかもな.....
「それじゃあとりあえずショッピングモール行くか、あそこならいろんな店があるしな」
「じゃあそうしましょう」
こうしてなぜか俺は後輩の女子と出かけることになったのだった.....
*****
「今日はアフグロの奴らとも一緒にいないんだな」
なんかいつも一緒にいるような感じがあるし。
「なんだかみんなすでに用事があったみたいで......」
なんでみんなそんな用事があったりするの?
俺とか誰からも誘いとかきたりしないよ?
「他の4人はバンド以外にもいろんなことをしてるんですよ、蘭ちゃんは華道をやってますし、巴ちゃんは和太鼓....なんていうふうに」
「え?美竹が華道?」
普通に以外なんだけど......
「お花とかすっごい詳しいんですよ!」
まぁ本人の名前が蘭だしなぁ.....
「宇田川の方はなんか想像しやすいな.....」
「巴ちゃんは小さい頃から和太鼓をやっててお祭りの時とかに毎年演奏してるんですよ」
「祭りとかはあんま行かないから知らなかったな」
「雪乃先輩たちと行ったりしないんですか?」
「いや、あいつらは女子でいくからな。俺の方から断ってる」
「そうなんですか.....もし良ければわた.......」
「ん?」
「い、いえなんでもないです!忘れてください!」
なにを言いかけたのかよく分からないがなんでもないならいいか。
それに全く行かないわけでもないしな。
「そう考えるとアフグロの奴らはみんな色々頑張ってるんだな」
「そうなんですよ!私もみんなのことを見習わなくっちゃです」
なんか羽沢って自分のことを認められてないのか自己評価が低いんだよな.....
羽沢も他の4人に負けないどころか1番頑張ってる気がするけどな......
「俺は羽沢を1番見習わなきゃだけどな」
「私なんて.....見習うところないですよ」
「いやお前みたいに俺はなんでも頑張ったりできないっていうかな」
「私はそうしないと気が済まないってだけで」
「俺はそういうのがすごいって思うだけだから気にしなくていいぞ」
「あ、ありがとうございます」
「あと俺はそんなふうにすぐお礼言ったりもできないな」
それで何回小町に怒られ雪ノ下たちを不機嫌にさせてきたことか.....
「そうですか?」
「みんなが羽沢みたいな性格だったらきっと今の3倍はいい世界になるな」
これに関しては確信して言えるまである。
「さ、さっきからそんな褒めないでください......」
だって褒めるところしかないし。
「あ、もう着きますよ」
「そうだな、どこか行きたい店とか思いついたか?」
「そうですね.....小物を見たいです」
「じゃあ小物店に行ってみるか」
えーと小物店は何階だったかな.....
3階か......
「先輩、エレベーターがちょうど来たので乗ってきましょう」
「そうするか」
エスカレーターで移動するよりそっちの方が早そうだしな.....
「本当にいいタイミングで来たな....」
「ラッキーでしたね」
そう言いつつ2人でエレベーターに乗り込む。
他に人はいなく快適に3階まで行けそうだ。
人が多くなってるとエレベーターとか窮屈すぎてもはや地獄なまである。
「おわっ.....」
フラグだった......
2階に着いた瞬間8人くらいがエレベーターに乗り込んでくる。
必然的に最初から乗ってた俺と羽沢は奥に押し込まれるわけで.....
「わ、悪い.....」
そして混雑したエレベーターの中では密着度がかなり上がるわけで.....
「い、いえ仕方ないですから.....」
少しの間のはずなのに時間が長く感じる.....
顔が熱い.....
「おっと.....」
その瞬間俺のすぐ後ろにいた人にぶつかられて俺は体勢を崩す。
そうすると....
「はわわわわわわ.......」
俺が羽沢に至近距離壁ドンを炸裂させてしまうわけだ.....
「わ、悪い」
しかもそのまま俺にぶつかった人が動かないせいで元の体勢に戻れない.....
なんだこの羞恥プレイは.....
それから時間にして5秒ほどで着いたが周りの視線がなんだか痛かった......
でもリア充気分、味わえました。
*****
「さ、さっきは悪かった.....」
「い、いえ不可抗力ですから.....」
エレベーターを降りてからお互いに羞恥心からさっき会話して普通に話せてたのがまたぎこちなくなってしまった.....
「そ、それじゃあ行くか.....」
「はい.....」
その空気に耐えれなくてそのまま羽沢の方を振り返ることなく歩き出す。
そのまま小物店にたどり着きその頃には流石に顔も熱くはなかった。
そのまま2人で店内を見ていく。
「こういう店はあんま来ないからなんか新鮮だな」
「見ていて楽しいから私は定期的に来ちゃいます」
「俺もなんか小町に買っていってやろうかな」
「八幡先輩も小町ちゃんと仲良しですね」
「まぁそりゃ世界一の妹だしな」
「なんか真顔でそういうこと言われると感心しちゃいますね.....」
なぜ俺の妹愛は誰にも理解をされないのか.....
羽沢にすら引かれたらもう誰がこの大いなる愛を理解できるというんだ.....
「でもこれだけ色々な種類があると目移りしちまうな」
「そうですね、全部欲しくなっちゃいます」
てか今更だけどこれってなんかデートっぽくね?
いやてか状況だけ見ればこれってデートに当たるんじゃないか?
なんか意識し出したらそうとしか思えないんだけど。
だっていくら暇だからって男と出かけようとするか?
これはもしかして.....
「八幡先輩良いものが見つかったんですか?」
「あ、ああこのマグカップとかいいかな〜ってな.....」
そんなわけないですよねー、こんないい子が俺にそんなことあるわけないですよねー。
羽沢は純粋な子なんだから、他意なんてあるはずなく暇だっただけ。
はいQ.E.D。
「確かに可愛いですね!これなら小町ちゃんも喜びますよ!」
「そうだといいんだけどな」
小町と俺って基本的に趣向が逆方向だからな.....
「八幡先輩が選んだんですから!」
「そうか....じゃあ買っていってやるか」
最近は勉強の方も頑張ってるしな.....
「ついでに俺も新しく欲しかったしちょっと違う柄のやつ買ってくか.....」
ちなみにここで似たような柄にすふと小町が本気で嫌がることを知っているのでやめておく。
「それじゃあ俺ちょっと買ってくるわ」
「はい、私はあと少し見たいので先に行っててもらえますか?」
「おう、わかった」
羽沢にそう言われた俺はマグカップ2つを持ってレジへと向かうのだった.....
*****
ど、どうしようかな八幡先輩に先に行ってもらったけど.....
せっかく一緒に買い物に来てるんだからなにか思い出になりそうなものを買いたいし.....
「うう〜八幡先輩待たせてるだろうし早く決めないと.....」
迷ってたって仕方ないし何か買わないと.....
でも思い出になりそうなもの.....
こ、こっそり八幡先輩と同じマグカップを買うくらいいいよね?
八幡先輩だってわがまま言っていいって言ってたもんね!
それで言えばデートに誘った時点で一生分のわがままを言ってしまった気もするけど.....
でも.....やっぱり八幡先輩と一緒だと楽しいな。
いつか普通にこうやってデートできるようになれたらいいのに.....
「よしっ!せっかくだし買っちゃおう!」
そう決心して私は八幡先輩とお揃いのマグカップをレジへとこっそり持っていったのだった......
*****
小物店で買い物を終えた俺は羽沢を店前のベンチで待っていた。
なんか考え込んでたけど果たしてどんなものを買ってくるのか?
「おまたせしました」
「お、羽沢はなにを買ったんだ?」
ちょっと興味があるので聞いてみたり。
「そ、それは......秘密....です」
「......」
え?なんかその表情めっちゃ可愛い!
元から俺の心のストレスを消し去ってくれる天使だったけど俺の天使の浮かべた表情の中でも1、2を争うほどのかわいさ.....
軽く俺のライフの99%をもってたぞ。
「ど、どうしました?」
「いや、なんでもない」
あまりのかわいさにフリーズした俺を心配してくれるなんて.....
これは俺のエンジェル序列でも1位は確実か.....
いやだが戸塚や小町も......
「本当に大丈夫ですか?疲れたならちょっと休憩しましょう」
「そ、そうするか」
ちょっと今は頭がラリってるから落ち着く時間を作らなければ.....
「それならこの間ひまりちゃんがすっごい美味しいスイーツを教えてくれたのでそこに行きましょう!」
スイーツ、それは女子を狂わせる魔性の食べ物。
羽沢とてスイーツとあらばテンションが上がるのか......
「じゃあそうするか」
だが、俺も甘党の派閥なのだ。
そこらへんの女子じゃあ俺の甘党レベルには追いつけまい。
「じゃあ行きましょう!」
そうして2人でその店に着いた時.....
「なんだかカップルが多いな」
「そうですか、なんででしょうか?」
そうやって不思議に思ってると看板が目につく。
えーとなになに......
『本日カップルデー!!カップルのお客様は様々な特典をご用意してます!』
へー割引きに特別メニュー、他にもなにかとサービスがあるみたいだな。
「次のお客様はカップルのおふたりですか?」
なんて目を通してると俺たちより3組ほど前のカップルらしき2人がそんな質問を店員からされている。
「あ、はい」
さらりと彼氏が答える、なんとなくそういう手の質問に慣れてる気がする。
「人前であんな堂々と答えられるなんてすごいですね.....」
俺と一緒に看板を読んでいた羽沢はその様子を見て驚きの表情だ。
「それではカップルの証明であっつーいハグを.....お願いしますね?」
「人前だと照れくさいなぁ.....」
「ねー」
どこがだよ、普通にやってるじゃねーか。
でもやっぱり2人とも若干顔が赤いわ。
いやそれでもすげーよ。
爆ぜないかな、あいつらというかここにいるカップル全員。
「ありがとうございま〜す!こちらがカップルの証明書でございますお受け取りください!」
なるほどアレをもってるカップルだけがサービスを受けれるシステムか。
しかもその証明書自体が思い出になると、よくできてるシステムだ。
ただ一つ周りの非リアが死ぬほど腹が立つ以外は。
「は、はわわわわわわ」
おっと純粋な羽沢にこれは刺激が強いかな?
「大丈夫だ、羽沢俺たちがやるわけじゃないんだから」
「で、でもここで答えれば......いやでもぉ......」
なんか完全に自分の世界に入ってしまっている......
俺が否定すればいいだけの話なんだけどな。
「それでは〜あっつーいハグをお願いしますね?」
気づけばもう俺たちの一つ前のカップルたちまできておりその2人はかなり恥じらいながらもハグをしていた。
「ありがとうございました〜!」
そしてついに俺たちの番が来る。
「あなたたちもカップルですか〜?お似合いですね〜」
「いや俺たちは.....」
「は、はい!」
え?ちょっと羽沢さんなに言ってるの?
自分がなに言ってるかわかってるの?
あなた今こんな俺みたいな腐った魚の死体みたいな目をしてるって言われてる男とカップルだって言ったんだよ?
あれ?なんだろう涙が.....
「それでは〜あつーいハグで証明をお願いしま〜す!」
「お、おい羽沢」
ここでなんとかハグをする前に羽沢を正気に戻して店員からの誤解を解かないと......
「おい見ろよ、あの彼氏彼女がおんなに勇気を出してるのに自分は逃げ腰だぞ」
「まじでないわ」
「女の子が頑張っているのに.....」
「あの子かわいそう......」
おい周りのカップルたち、俺の逃げ道を塞ぎに来るんじゃない。
だがまだ負けないからな、俺はどんな視線を投げかけられようとここで否定するからな!
「......」
「.....やります」
羽沢の視線には耐えられませんでした......
嫌だって考えてみろ、目の前にめっちゃ可愛い女の子が照れて顔が赤くなって不安そうな目で見てくるんだよ?
耐えられる男はいるだろうか、いやいるはずない。
「.....じゃあいくぞ」
なんか羽沢の目が正気なように思えないというかなんかとろんとしてるというか.....
なんかアニメとかでこんな表情見たことあるな、そうなんか真面目な子が考えすぎで思考がショートしてアホになっちゃった時みたいな.....
なんか羽沢がそんな調子だから不思議なくらい頭は冷静だ。
いや顔はマグマくらい熱いけど。
「......」
羽沢からの返事は特にないのでめっちゃためらいがちに抱きつく。
「おや〜まだまだ抱きしめられますよ〜」
この店員性格悪すぎるだろ!
楽しんでるよこの状況!
「......」
羽沢さんもなにも喋ってくれないし!
もうこの際どうにでもなれ!
もはやヤケクソになった俺はより強く羽沢を抱きしめる。
ああ、神様サービスしすぎだって.....
「......きゅう」
あれ、なんか羽沢の体から力が抜けた....
「あれ?お客様!大丈夫ですか!?」
え?なにがあったの?
そう思って羽沢の方を見てみると.....
「おい!大丈夫か」
ショートしすぎて気絶をした羽沢の姿があった.....
*****
それからショッピングモールの休憩室を借りて羽沢が目を覚ますのを待つ。
まさか気絶するとは......
「お客様大丈夫ですか?」
するとさっきの店の店員が入ってくる。
仕事の時間は終わったのか制服ではなく私服になっている。
「はい」
まじで初対面だからなにも話せん。
「いや〜さっきはごめんね、私が変におもしろがっちゃったからこんなことになっちゃって.....」
私服になってお仕事モードが終わったらしく敬語抜きで話しかけてくる。
「いや、気にしなくていいです」
俺は否定できなかったわけだし.....
「いや〜2人とも照れてて可愛かったからついね〜」
見てておもしろがってたのは明白なので今更怒る気にもならない.....
「あ、そうそう君たちにこれを渡そうと思って来たんだ〜」
そういい何かを差し出してくる。
「これ、カップル証明書そこの女の子の分もね」
なんて律儀な人なんだろうか、わざわざ渡しに来てくれるなんて。
「ありがとうございます」
「ま、少年仮にそこの子とカップルじゃなくても女の子に恥は描かざるものじゃあないよ?」
この人まさか最初から気付いた上で......
「まずその証明書は必ずその子に渡してあげなよ、じゃないとその子が頑張った意味がなくなっちゃうから」
「はぁ.....」
どういう意味なのかわからない。
そもそも羽沢がなんであんなことをしたのかわかってないのだ.....
「その顔は意味が分からないって感じだね。その子も茨の道を選んだな〜」
「?」
もうなにがなんだか分からないがこの人はこの短い時間だけで俺よりも羽沢のことを理解してしまったらしい。
「それじゃあ私はお邪魔になっちゃうからその子の目が覚める前に行くね」
「.....わざわざありがとうございました」
「気にしなくていーのその代わりまた今度その子とまた店に来てね?」
「わかりました」
そのままその女の人は嵐のように去っていった。
「う、ううん.....」
それからおよそ10分後に羽沢が目を覚ました。
ただ気絶しただけにしてはちょっと眠っていた時間が長かったのでおそらく今までの疲労も出たのだろう。
「目が覚めたか?」
「八幡.....先輩?」
まだ若干意識がはっきりしてないみたいだが目を覚まして何よりだ。
「えっと、私......」
そうして辺りをキョロキョロと見渡しているうちに意識がはっきりしてさっきのことを思い出し始めたらしい。
「あ、あのえっとわたし.....その......」
一瞬でまた顔が真っ赤になる。
そんな顔をされると俺も思い出して恥ずかしくなってくるんだけど.....
「その、なんだ体調は大丈夫か?」
「はい......」
なんか声が小さい。
まぁきっと恥ずかしさでやばいんだろう。
「さっきはその.....すいませんでした.....」
「いや気にするな.....」
「その上こんな迷惑までかけて.....」
「別に.....迷惑じゃないし.....」
やばい、めっちゃ空気が気まずい。
「なんで....あんなことを?」
聞いてしまってから俺は自分が聞かなくてよかったんだろうと気づく。
「そ、その.....あの.....限定のメニューがき、気になって......それだけです!」
なるほどそういうことか、そう言われたら割と納得な理由だな。
まさかスイーツは女子をここまで変えるのか......
羽沢のそれは俺の想像を上回ってたってことか。
「あの、八幡先輩今日のことは.....絶対!絶対!秘密でお願いします.....」
「もちろんだ......」
こんなこと俺も恥ずかしすぎて人に話せるわけない。
あ、そもそもこんなこと話す友達がいないわ。
「それじゃあ、そろそろ行くか」
「はい.....」
こうして俺たちは貸してくれた人にお礼を言ってショッピングモールをあとにした。
*****
「すいません....わたしのせいで結局ほとんどお店を回らなくて......」
「いやなんだかんだ楽しめたぞ?」
「そう言ってくれてありがとうございます.....」
家でゴロゴロしてるよりはよっぽど充実はしてただろう。
「そういや、羽沢これ」
「なんですか、これ?」
「ほら、あの店の.....カップル証明書だ」
そう言った瞬間に羽沢の顔が一瞬で赤くなった。
「.....ありがとうございます」
だが証明書を受け取った瞬間に羽沢は笑顔を浮かべる。
「.....」
まさか1日に何度も印象に残る表情を見ることがあるなんてな.....
その顔は夕陽に照らされてとても綺麗だった......
「それじゃあ私はこっちなので」
「あ、ああ、またな」
「今日は本当にありがとうございました」
そうして俺と羽沢は別れるのだった.....
*****
-その夜-
「はぁ.....今日はいろいろなことがあったなぁ.....」
家に帰ってきてからずっとこんな調子で思い出してるなぁ.....
「ちょっとわがまま言い過ぎちゃったよね.....」
八幡先輩はすごい優しいからつい甘えてちゃうけど.....
「.....どんどん好きになっちゃうなぁ」
その優しさに触れるたびに八幡先輩を思う気持ちが強くなってく.....
そこで私は机に置いた2つの思い出を見る。
「ふふっ」
マグカップはこっそり同じものを買ったけどもしかしたら今頃八幡先輩も使っているかもしれない.....
そう思うとなんだか笑ってしまう。
「それに....私.....今日頑張ったよね」
それこそ普段したこともなかったことを.....
「このままいつか....」
この気持ちを伝えられたら....
今度はちゃんとこの証明書を受け取りに行きたいな。
今回の話はここまでです。
正直な話番外編は皆さんが望んでる組み合わせを書きたいので良ければこんな組み合わせの話が見てみたいっていうリクエストとかよければしてください。
感想、評価など励みになるのでよければ残していってください。
それでは本編の次回予告に行きましょう!
「はぁ.....」
「まだため息、ハチ兄?」
「いや、気にするなちょっと気が重いことがあるだけだから.....」
「どんなことごあるの?」
「いや、ちょっと個性がめちゃくちゃ強い奴らにオファーしなくちゃならなくてな.....」
「ああ、ハチ兄はあと二つのバンドにオファーしなきゃだもんね」
「ああ、どちらもこの前のバンドよりも面倒なんでな.....」
「そう言わずに頑張ってハチ兄!」
「ああそれじゃもう次回予告しちまうか....次回やはり俺がバンドを組むのはまちがっているは『また比企谷八幡のため息は増える』だ」
「本当に大変ならオレを頼ってね?」
「ああ、サンキュー」