やはり俺がバンドを組むのはまちがっている 作:静寂な堕天使クロノス
なんていう話を短編集でどうぞ〜
分かりにくくならないよう言っておきますが*****を区切りに話が変わってます。
俺は全力でここまでバンドを仲間と楽しんできた。
その楽しい日々の中で俺は、1人の女の子に、恋をした。
「オレは.....お前のことが.....その...好きだ」
あの日、俺が思いを伝えた相手.....
それは.....
「まん、八幡、起きて」
「ん....誰だ?」
幸せな微睡の中で声をかけてきてる人の顔が鮮明になってくる。
「誰だなんてひどいわよ.....」
まだ意識がはっきりしない....
さっきまでのは夢か?
「まったくしっかりして頂戴、もう直ぐ....父親になるのだし」
父親?俺が....?
「まだ寝ぼけているのね、顔を洗ってきたら?」
「お、おう。湊」
「急に私の旧姓を言うなんて本当に大丈夫かしら?」
旧姓....?
いやだって目の前にいるのは.....
その時俺の頭は急に覚醒する。
そうだ、俺はもう高校生なんかではない。
あれはもう10年近く前のことなのだから.....
「悪い、寝ぼけてた」
「本当に忘れられたのかと思って少し不安になってしまったわ」
「わ、悪かったって」
目の前で可愛らしく拗ねているのは....3年前に俺と結婚した俺の奥さん、旧姓、湊友希那今は比企谷友希那だ。
1年前に俺との間に子供を授かり今は2人で仕事を休んで準備をしているところだったんだよな。
「今日はみんながうちに来るのだからしっかり準備をしましょう」
それで今日はお互いのバンド.....Roseliaとアバアルのメンバーと久しぶりに会うことになっている。
そう、俺たちは互いに今やそれなりに有名なバンドとなりメジャーデビューもした。
そんな中突然俺たちが結婚したから世間ではかなり話題になった。
「久しぶりって言ったって1週間ぶりだろ.....」
一応プロのミュージシャンなので曲の制作であったりギターの練習をお互いしてるのだが俺たちに付き合って活動を休止しているあいつらも練習以外の時間はそれなりに暇らしくちょくちょく我が家に遊びに来るのだ。
「そうだったかしら?」
こいつも高校生の頃よりはるかに丸くなり素がこうなのか今は割と天然である。
もちろん音楽に対する姿勢はなんら変わっていないが。
「....とか言いつつ料理とかは俺がやってるだろ」
「私だって手伝ってるわよ」
「頼むからもう少し家事を身に付けてくれ.....」
結婚してから判明したことだが音楽に全てを捧げてるかのように生きてきた友希那は家事が全くと言うほどできない。
俺も教えてるのだが未だ完璧にできるものは少ない。
「それじゃあ早く支度をするためにも身支度をして」
そう言って友希那は驚くほど俊敏に俺の部屋から出ていく.....
「逃げたか.....」
だけど.....俺の嫁だけあってさすが可愛い。
だから家事ができないことも許してやろう。
惚れた弱みというのは恐ろしいものだが....案外悪くないものだ。
「さて、じゃあうちの歌姫様の機嫌を損ねる前に支度しますか」
そう言い俺はとっとと支度をすることにするのだった......
「八幡、起きてちょうだい」
「ん....友希那....?」
「め、目が覚めたのねそれより突然どうして名前で呼んだのかしら?」
「だってお前は俺の.....」
そこで俺は本当の現実を思い出す。
俺は今日湊にかまくらに合わせる約束をしていて猫と戯れている友希那を見ているうちに居眠りしてしまったらしいり
「な、なんでもない寝ぼけてたみたいだ」
「そ、そう」
「あれかまくらはどうした?」
「ついさっきどこかへ行ってしまったわ」
「また探してこようか?」
「いえ、自由な猫を束縛したくはないわ」
何そのポリシー
「だから....またここにきてくれるまで、話をしましょう?」
本当にさっきの夢はなんだったのだろうか?
何はともかく、やはり俺にあんな未来が訪れるのはまちがっている.....
*****
俺は全力でここまでバンドを仲間と楽しんできた。
その楽しい日々の中で俺は、1人の女の子に、恋をした。
「オレは.....お前のことが.....その...好きだ」
あの日、俺が思いを伝えた相手.....
それは.....
「ねーねー八幡君!」
「どうしたんだ日菜?」
「ううん、呼びたくなっただけ!」
「なんだそれ.....」
俺は高3の時に日菜から告白をされ....自分の気持ちに気づいた俺はその告白を受けた。
「いいじゃん!だって....今日はあたしたちが付き合い始めて3年の記念日なんだし!」
「そうだけど周りの目が....」
高校卒業後音楽の道へと進んだ俺は20歳でメジャーデビューを果たした。
アブアルは話し合いの末卒業をもって解散した。
みんな悔いはない選択だった。
今、俺は新しいバンドと頑張っているところで他の4人もそれぞれの道を進んでいて今でもたまに会っている。
「だって八幡君さっきからあたしのことあまり見てくれないんだもん.....」
この後のことを思って照れてるだけなんだけどな.....
ちなみに俺たちの関係は公表していないというか日菜がアイドルという立場の以上公表したら俺が殺されかねない.....
「わ、悪い」
それでも日菜がこんな表情になるとやたらと罪悪感を刺激されるしついでに可愛すぎて余計に直視できない。
「もーそのかわりこれからもあたしを大切にしてね?」
「.....」
「どうしたの?何か言ってよ.....」
さすがに日菜も反応がないと恥ずかしくなってしまうようだ。
「いや、俺の彼女超可愛い」
「....ううう」
やったぜ、珍しく俺が日菜から一本取れたようだ。
だがこれは可愛い日菜が悪い、よってこれは日菜の自爆。
「それで八幡君は今どこに向かっているの?」
そして立ち直りの早さも流石としか言えないな.....
「まぁその、秘密だ」
そう、俺はこれから日菜に、プロポーズする予定なのだ。
そのために人が少ないところをあらかじめ調べておいて今はそこに向かっているところである。
「なんだか人が少ないけど道あってる?」
「大丈夫だ、多分」
「そっか!」
純粋!疑うことを知らない.....
だけどそんな日菜に影響されてか俺は見知らぬ人たちとバンドを組めたのかもしれない.....
「.....」
そしてついに目的地にたどり着いた、調べておいた通り景色もよく人が少ない。
「わーキレイだねー!」
日菜は喜んでくれたが俺は緊張でどうにかなってしまいそうだ。
「八幡くんも見てみなよ!」
そこで日菜がこちらを向く。
俺も男だし、告白は日菜にさせてしまったのだ覚悟を決まるしかない。
「.....日菜」
「なに?」
「その....お前と付き合い始めてずっと楽しいことばかりだったし....辛い時も頑張れた.....」
「やだな〜急な照れちゃうよ」
まだ日菜は俺がプロポーズしているのだとは気づいていないらしい。
「それで....これからもお前には俺のそばにいてほしい、だから.....俺と結婚してくれ!」
用意しておいた指輪を出して俺は自分の願いを伝える。
「....」
反応がないのが怖い.....
「うう.....」
「え?日菜どうした、なんで泣いてるんだ?」
「だって.....嬉しくて....八幡君がそう言ってくれて嬉しくて.....」
「もちろん俺たちの立場的にもすぐにはできないけど....返事....してもらってもいいか?」
「.....決まってるじゃん!よろこんで.....」
そのまま俺に抱きついてくる。
「八幡君、いつまでも大好きだよ.....」
そう言って顔を近づけてくる日菜を受け入れる。
こんな幸せを俺はずっと感じていたい。
そのためにも彼女をいつまでも大切にしよう。
そう改めて決意する俺だった.....
「....くん!はち...くん!八幡君!」
「ん?」
「あ!やっと起きたー!」
そこで俺の意識ははっきりと現実に引き戻される。
「なんでお前がここにいるんだ?」
「それがね〜あたし急にお仕事がお休みになったんだけど暇だから八幡君と遊びたいなって思ってつい来ちゃったよ〜!」
ついじゃないだろ.....
「てか小町止めろよ.....」
「ん?小町ちゃんならすぐに部屋まで案内してくれたよ?」
後できつめのお説教が必要だな。
「だから八幡君、出かけよ!」
「....はぁ支度するから下で待っててくれ」
「うん!」
断っても無駄なのは明白だしなにより.....夢のせいかなんとなく日菜と出かけたいと思ってしまったしな。
「八幡くん....はやくしてね!」
しかしどうしてあんな夢を見たのか.....
やはり俺にあんな未来が訪れるのはまちがっている。
*****
俺は全力でここまでバンドを仲間と楽しんできた。
その楽しい日々の中で俺は、1人の女の子に、恋をした。
「オレは.....お前のことが.....その...好きだ」
あの日、俺が思いを伝えた相手.....
それは.....
「八幡さん、注文入ったのでお願いしていいですか?」
「ああ、任せろ」
まさか高校生の頃はこんなことになるとは思わなかったな.....
俺は3年前だから....24歳で1歳年下の女の子と結婚した。
「八幡さん!ちょっと本格的にやばいのでそろそろ手を動かしてしもらってもいいですか!」
「あ、悪い悪い」
そう、俺は今かつての後輩であるつぐと結婚したのだ。
そして俺とつぐでこのお店を継いだのだ。
といってもまだ義父さん、義母さんにも手伝ってもらっているが.....
「八幡さん!また注文入りました!」
「なんか今日はやたらと忙しいな」
「クリスマスシーズンですからね.....だからこそ頑張りましょう!」
「つぐってるなー」
「八幡さんもその言葉を使うようになってもうだいぶ経ちましたね」
「万能だもん、つぐってる」
ちなみにこの言葉の意味は結婚式の時に青葉からつぐがつぐりすぎないように気をつけてね〜という言葉とともに教えてもらった。
なぜそのタイミングまで教えなかったのか.....
そんなことを考えながらもその日の営業をなんとか俺は乗り切った.....
「お疲れ様です、八幡さん」
「.....前から思ってたんだがそろそろ俺に敬語を使うのやめないか?」
「なんかもう癖になっちゃってて.....」
「なんか敬語を使われてるとつぐとの間にまだ距離がある気がするんだよな」
「そんなつもりはないですよ!でも今更直すのもなんか.....」
「それじゃあサンタにでも頼めば敬語が抜けるかな?」
「そんなことでサンタさんを使わないでください!」
「じゃあ言ってくれよ」
「で、でも....なんだか恥ずかしいですし....」
「俺の嫁超可愛い」
「か、からかわないでください!」
「いやまじで」
「もう....」
どうやら信じてもらえてないらしい。
悲しいぜ....俺の愛は本物なのにな。
「まぁとにかく美竹たちと話すみたく気軽に話してくれ」
「ど、努力するよ」
「おう、つぐってくれ!」
「全く調子がいいんだから.....」
そう言いながらもつぐの顔にも笑顔が浮かんでる。
「だから、私もお返しするね」
「え?なにを?」
普段怒らないつぐがそういうこと言うと普通に怖いんだけど....
「たまには私もデートしたいなーなんて.....」
やっぱ俺の嫁超可愛い。
「でもそのしばらくクリスマスシーズンで忙しいからな....」
つぐのためならいくらでもつぐってやるが。
「私だって.....たまにはプレゼント欲しい」
「予定を立てよう、今すぐ立てよう」
こんな可愛い嫁にプレゼントを渡すのは当たり前のことだからな!
「うん!」
それでこんなにも喜んでくれるなら.....
俺も多分つぐれるからな.....
そんなことを思いながら俺たちは予定を立て出すのだった.....
「先輩!....まん先輩!八幡先輩!」
「ん?」
「よかった.....起きてくれましたね」
ここは羽沢珈琲店?
あれ?でもさっきまで俺はつぐと.....
「練習終わりで疲れちゃってたみたいで起こすのも申し訳なかったんですけど....先輩が風邪をひいてしまうと困るので.....」
あ、そういえば俺は練習終わりにふとコーヒーが飲みたくなって羽沢の店に訪れて.....
それで寝てしまったのか.....
カフェイン仕事しろよ.....
「悪い....迷惑かけた」
「気にしないでください、先輩にはお世話になってますから!」
本当にいい性格してるなぁ.....
だからこそ、やはり俺にあんな未来が訪れるのはまちがっている.....
今回はここまでです!
紗夜さんや彩ちゃん、花音先輩の話を待っていた方すいません.....
エイプリルフールのうちにこの話を上げるために泣く泣くこの3人の話だけになってしまいました.....
みなさんがみたいなら今後また番外編で書くかもしれませんが.....
感想評価など励みになるので良ければ残していってください!