やはり俺がバンドを組むのはまちがっている   作:静寂な堕天使クロノス

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多分今月からまた今までのようなペースに戻りますが気長に待っていてくださいね。

ありがたいことにUAが15万件超えてました!
いつも読んでくれてありがとうございます!


第53話

なんだろう.....

なんだか....心地よい感触が後頭部にある.....

ずっとここで寝ていたいような.....

と言うか俺こんないい枕使ってたっけ?

 

「ううん....」

 

そして俺が目を開けるとなぜか俺を上から覗き込む彩の顔があった。

てかこの体制おかしくね?

普通に考えてこうやって彩の顔が見えるなんて....

 

「.....これ、俺死んでない?」

 

状況を理解した俺は最初に出てきた言葉はこんなものだった。

いやだってさ、今俺アイドルに膝枕されてるんだよ?

死んで神様が俺に幻覚見せてきてるんじゃないの?

 

「し、死んでなんてないよ!」

 

「じゃあなんでこんな状況なんだ?」

 

ってかはやく起きないと.....

 

「あ、まだ安静にしてて....八幡君。さっき倒れちゃったんだから....」

 

俺が起きようとすると彩がそれを制する。

その顔は本当に俺を心配してくれてるようだ。

 

「いやでも.....」

 

「いいから、お願い」

 

「お、おう」

 

真剣な顔されると言い返せない.....

 

「で、どうして俺はこんな状態なんだ.....」

 

「いや、それはあの.....」

 

なんか話しにくい事情でもあるのだろうか?

 

「八幡君が倒れちゃって....それで練習もやらなくちゃいけないから誰かが看病しようってなったんどけど.....」

 

「なるほど、それでじゃんけんにでも負けたのか」

 

「ううん、その....看病を名乗り出る人が多くて....じゃんけんに勝った私が看病することになったの」

 

いやみんな優しすぎるだろ。

 

「悪い....迷惑かけたな」

 

「ううん、気にしないで」

 

こんな時どうしようもなく俺は自己嫌悪に陥りたくなる。

こういう行為をなにか意図があるのではないかと思ってしまう俺がどうしようもなく嫌いだ。

 

「で、でも私が膝枕したことは黙っていてね?」

 

「ああ、俺なんかにそんなことしたいなんて思わないもんな」

 

「そ、そんなんじゃないんだけど.....」

 

そしてこんな時その感情を抑えられない俺が。

それで前も失敗してるのに.....

それなのに....やはり俺は.....

 

「無理しなくていいぞ、俺はもう1人でも大丈夫だ。練習にもどれ」

 

「で、でも」

 

「いいから、こんなところ誰にも見られたくないだろ」

 

俺は無理やりにでも起き上がり、そしてまちがいを、繰り返す。

優しさを受け入れられない受け入れたら勘違いをしてしまうのだろうから。

だから俺はどうしても.....優しい女の子は.....キライだ。

 

「でも.....」

 

「やめてくれ、もう無理して俺に優しくしないでくれ」

 

完全にとどめの一言だった。

俺ははっきりと彩の優しさを拒絶したのだ。

 

「うん.....それじゃあ練習、先に戻ってるね」

 

そう言って彩はスタジオへ戻っていく。

ただ俺はその目に涙を溜めているのを見てしまった.....

 

「ほんと....懲りないな、俺は」

 

最悪だ.....

なにが不安だよ.....1番邪魔してるのは....てめぇじゃねぇか。

 

「戻りにくいな....」

 

ここで俺が戻っても雰囲気を壊すだけだよな.....

 

「俺は....この場にはいらないな」

 

その後俺は受付の人に体調がよくないから先に帰ったと伝えてかれるように頼んでおいた。

 

そのまま帰る気にもならなかった俺は街を歩きまわりそして公園を見つけそのベンチに座り込む。

 

「....結局逃げてばっかなんだな」

 

だがこのままいけば俺が悪者になるだけで済むだろう。

その後....雪ノ下たちが俺を許すとは思わないが.....

 

「まちがえない方法がわかればいいのにな.....」

 

そうすれば最短で本物に辿り着けるのだろうか.....

 

「はぁ.....」

 

今思えばあそこでスタジオに戻って謝れば良かっただけだというのに.....

 

「結局俺はみんなを信じれてないんだな.....」

 

俺は人を信じるのを無条件だ怖がる。

いつか裏切られてしまうのではないかと心の底にそんな思いがあるからだ。

やはり、昔の記憶ってのは嫌なもんだな.....

いつまでも俺を縛って忘れさせてなどくれないのだから.....

 

「はぁ.....」

 

「相変わらずでかいため息だな」

 

この声は.....

 

「うるせーよ、葉山」

 

今は誰とも話したくなかったんだけどな.....

話してたら気分も紛れるかもな。

 

「どうしたんだ、ずいぶん浮かない顔だな」

 

「お前にバレるんじゃそりゃひでぇ顔だ....」

 

皮肉でもなく本心の言葉だった。

 

「何かあったのか?」

 

「....話したくない」

 

「そうか、それなら聞かないよ」

 

「そうしてくれ」

 

「何があったかは聞かない、ただ君が話してくれるなら別だ。相談したくなったら言ってくれ」

 

基本的にこいつはいいやつなのだ。

俺なんかとは違う、周りの人のことを気遣いその場で的確な判断をし周りの誰も傷つけない方法を探し出す。

それは....俺にはないものだった....

俺には葉山みたいな優しい嘘つきにはなれない、俺は悪い真実ばかりを見つけてしまうから。

 

「....君はそう言っても相談なんかしないだろうから言っておくよ、今の君の顔、バンドにもどる前に戻ってしまったかのようだ」

 

「そうか....」

 

そりゃ、また....そうなるんだろうからな。

 

「今の君の顔は見ていたくない、だから俺はもう行くよ」

 

「慰めるわけじゃないのかよ」

 

「それは今の君に必要なのかい?」

 

「....そうだな」

 

そんなことをされる資格があるわけないな.....

 

「君に必要なのは変わる勇気さ、自分がそうなりたいと思っててもそれをすぐ自分で否定してしまっては....変われるはずがない」

 

「....」

 

言葉を返せない俺をもう一度見て葉山はその場を去って行った。

 

「変わる勇気.....そんなんどこにあるんだよ.....」

 

しかし、俺にそれを見つけるのは難しそうだった.....

 

*****

 

それからさらにしばらくの時間がたったが俺はどこにも行く気にならずにそのままベンチで座っていた。

 

「はぁ.....」

 

さっきからため息をついてばかりだ、俺はこれからどうすればいいだろうか。

 

「.....探したわよ、比企谷君」

 

下を向いて考えていたら聞き覚えのある声がする。

しかも携帯の電源も切ったから連絡もできないから.....

手当たり次第探したのか.....?

 

「何してるんだよ.....練習は.....」

 

まだ時間的には練習をしてるはず.....

 

「どこかの誰かが急にいなくなってしまったのが原因かしらね?」

 

今のところいつもと同じような態度だが明らかに声がいつもよりも冷たい。

 

「俺なんかいなくても練習はできるだろ.....」

 

「あら、そうだとしてもあなたには聞かなければならないことがあるもの」

 

なるほど、俺は彩を結局傷つけてしまったからな.....

 

「そのことは本当に俺が全て悪い、彩には合わせる顔もない.....」

 

「.....丸山さんに聞いても理由は教えてくれなかったわ。なぜ彼女を泣かせたのかしら?」

 

「.....いいだろ、そんなの」

 

「悪いと言っておきながらその態度はどうかしら?」

 

「お前に.....何がわかるって言うんだよ」

 

わかっている、俺は止まるべきなんだ。

なのに、なんで.....

 

「.....丸山さんにもそんなことを言ったのかしら?」

 

驚いたようにそう言ってくる。

 

「.....」

 

「黙ってないで答えなさい」

 

「.....ああ」

 

「.....なんてことを」

 

「そんなの言われなくてもわかってるんだよ.....」

 

頼む、雪ノ下お前もどこかは早く行ってくれ。

出ないと俺は.....また.....

 

「.....あなたがただそんなことを言うとは思わないわ、だから理由を教えて.....そうしないと.....」

 

ああ、これはあの時と同じだ積み上げたものが崩れかけている音。

ここは、俺の人生でも大きな.....特異点だ。

 

「理由か....聞いたとしてお前はどうするんだよ。俺を責めるのか、蔑むのか......あいつらみたいに」

 

言ってからしまったと思った、雪ノ下に言わなくていいことを言ってしまったから.....

 

「....いいえ、私もあなたと一緒にいた.....だから、あなたが蔑まれていい人間でないと思ってるわ。絶対に私たちはあなたたちを蔑みはしない」

 

ここまで言われてなおこう思うのだ、口で言われた言葉など信じれるだろうか、と。

 

「.....つまらない話だ、俺の昔話なんて」

 

「何を言ってるの?」

 

察しのいい雪ノ下でもとっさに俺の言葉が理解できないらしい。

 

「俺が転校してきたのは知ってるだろ、その前に俺がどんな生活をしてきたかってことだ」

 

「それが?」

 

「俺の考えを固めちまった思い出だ。言い訳するわけじゃないが.....それはこれからもお前たちに迷惑をかけ続けるもんだ」

 

「なら.....教えて、あなたの考えとは.....なんなの?」

 

「.....人間への、不信感」

 

ここまで言ったらもうどうなってもいい。

どう転ぼうと....話さないのはやめたから。

 

「それは.....私や由比ヶ浜さん、一色さん....他のみんなにもなの?」

 

「.....ああ、お前たちのことは99%信頼してる」

 

ただその足りない1%が決定的なのだ。

信用しようとする瞬間に叫ぶのだ、それはまちがいだ、信じるな、自分を守れと。

 

「.....教えてくれよ、俺はどうすればいい」

 

心は思ったより静かだった、さっきまでの感情は消え虚無感が湧き出てきた。

 

「それは.....私には答えられないわ」

 

「そうか、変なことを聞いて悪かった.....」

 

「ただ、このまま終わりたくない.....それだけしか考えられない」

 

「.....俺もだ、でももう俺はダメだ」

 

「お願い.....私たちを今すぐ信じてなんて言えないけれど.....」

 

「それでも.....俺がここにいるのは....」

 

俺がそう言いかけた時だった。

 

「あ!ヒッキー本当にいた!みんな、本当にいるよ!」

 

そこに由比ヶ浜を先頭にして一色、白鷺が公園の入り口からこちらに向かって走ってくる。

 

「どうして.....」

 

「あなたを見つけた時に.....みんなに連絡をしておいたの」

 

それにしても雪ノ下と話してでもそんなに時間は経っていないはず.....

 

「探しましたよ.....先輩、なんて言ってる雰囲気じゃなさそうですね」

 

そう言いながら俺を見る一色の額には汗が滲んでいる、他の人たちもみな汗を浮かべている。

 

「2人とも顔色悪いけど大丈夫?」

 

由比ヶ浜も気を使ってそう言ってくれる。

なぜ、俺の周りにはこうも俺の嫌いな優しい女の子ばかりなのだろうか?

なぜ.....こんな俺を探しにきてくれるのか.....?

 

「それよりも八幡さん、話してくれるかしら。彩ちゃんになにをしたの?説明してもらえるかしら?」

 

白鷺.....そりゃ怒るよな。

口調もいつもと違って丁寧なものじゃなくなっているしな。

 

「.....わかった」

 

「ちょっと待って......ここでは目立つわ。一度CiRCLEに戻りましょう」

 

「.....そうね、そうしましょう」

 

こうして俺はもう一度CiRCLEに戻ってくることになった。

何人かはスタジオで俺が戻ってきた時のために残っていたらしくスタジオに入るのはスムーズだった。

 

「彩.....」

 

その中の1人は彩でスタジオに入ってその姿を見た瞬間罪悪感に駆られる。

 

「彩ちゃん、聞きたくなければ外にいてもいいのよ?」

 

「ううん、ここにいる.....」

 

「.....まず話す前に彩に謝らせてくれ、さっきは本当に悪かった」

 

彩はなにも言ってくれない。

いっそここで許さないと言ってくれた方が楽だったんだけどな.....

 

「.....お願い八幡君、私が何かしちゃったなら話して.......」

 

俺は間違いを強く自覚させられた。

いや、させてもらった.....なのか。

 

「いやお前はなにも.....口で言ってもわかってもらえないかもしれないけど......なにも隠さずに話す。だから聞いててくれ」

 

そして俺は彩に対しての行動を話す。

それとさっき雪ノ下に話した話もしてしまう。

 

「なにがそこまで.....あなたを歪めてしまったの?」

 

話し合えたタイミングで白鷺がそう聞いてくる。

色々と複雑な感情を抱えているのだろう、疑問、怒り、戸惑い不思議と普段より表情が読み取れる。

 

「そうだな.....」

 

「お兄ちゃん、やめて」

 

話始めようとしたその瞬間に小町が止めてくる。

その顔はとても辛そうで今すぐに状況を忘れて頭を撫でたくなってしまう。

 

「やめて.....お兄ちゃん、お兄ちゃん.....」

 

小町は泣き出してしまった。

 

「.....悪い、小町これは.....必要なことなんだ」

 

そういえば小町はうなずくと知ってやっているのだから本当に俺も性格の悪い兄だな.....

俺のことを知ってしまったその後どうするかはこいつたちに委ねよう、そうすることしかできないのだ。

 

「先に言っておくが絶対に同情するな、それだけはやめてくれ.....」

 

「うん.....」

 

「面白くない話だ、聞きたくない奴はここから立ち去ってくれ」

 

そう警告するもだれも動こうとしない。

 

「はぁ....いいんだな」

 

俺はこうして語り出すのだ、といってもそれに具体的なエピソードなどない。

それは日常の中で当たり前に行われてしまったものだから......

 

「オレは、中学からこの街に来たんだが.....小学生の頃、周りの奴らにいじめられてたんだ。毎日のように物は無くなったし、悪口は隠れもせず言われた。ひどい時には水をかけられたり、殴られることもあったな」

 

「.....」

 

世の中にいじめというのはどの学校にも1つは存在するものだ、そんなことはだれもが知っているそしてそれをいけないことだと知っている。

なのにいじめはなくならず、それどころか手法は複雑化し教師や周りの大人に気づかせないようになってきている。

気づいたら気付いたで大抵の大人は保身のために大事にしたりしない。

それに気付いた俺はいつしかだれにも相談しなくなった。

 

「その間にもずいぶんひどい目にあったな.....上履きは小学校だけで10足以上買ったし、親に変な言い訳しなきゃいけなかったし.....」

 

俺が優しい人間を嫌うようになったのは優しくされるたびにこの思い出が辛いもののような気がしてしまうから。

ああ、なのにもう話していて悲しいとも思わないな。

それが普通の日々であるかのように。

 

「.....まぁ、こんなところだ。それ以来俺はほとんどの人を信用しきれてない」

 

信用できるのは俺のことを心配し続けてくれた小町くらいかもしれない。

そこまで長い時間話したわけではない、しかしみんなの雰囲気は明らかに変わっていた。

 

「.....八幡君」

 

話終わった後に彩が声をかけてくる。

瞬間的に俺は身構えてしまう。

 

「....うう」

 

「なんでお前が.....泣くんだよ」

 

「だって....八幡君が八幡君が....」

 

「.....同情はしないでくれ、そう言っただろ」

 

「でも....涙が....止まらなくて。八幡君に信じてもらいたくて.....」

 

「ヒッキー.....すっごい余計なお世話なのかもしれないんだけどさ.....辛かったならそう言って欲しいの.....あたしたちに.....慰めさせて欲しいの......」

 

「そうやって辛くないって言い聞かせ続けたら先輩どこかで壊れちゃいます.....私たちにくらい先輩の弱さを見せてください.....」

 

もう散々見せてきたというのに....それ以上見せろというのは......

 

「.....私もこのバンドで散々自分の弱さを見つけてきたわ、その度にあなたたちは受け入れてくれた.....今度は私の番よ」

 

「お前たち.....」

 

俺は.....変わってもいいのか?

 

「私だって.....八幡君が悩んでるなら絶対に八幡君を助ける.....だから.....」

 

彩まで.....

 

「八幡さん、私からもお願いします。彩ちゃんのお願いを聞いてあげてください」

 

白鷺.....

 

「俺は.....過去を辛いものにしたくはない。ただ.....これからのことは....本物の日々を過ごしたい.....」

 

「....もう、過去を無理に1人で受け入れようとしないで。そうすればきっと.....叶うわ」

 

「....なら、少し....少しだけ時間をくれ」

 

今、ここで少し泣いたのなら.....

 

「きっと....大丈だから」

 

なぜなら俺はこの日から、確かに何かが変わるのだろうから.....




今回はここまでになります。
なんか八幡ばかり辛い目に合わせてとてつもなく申し訳ない.....
しかしこれからは八幡はあまりある日常が来るのだろうと思います。
なのでよければこれからさらに充実するだろう八幡の話をよければ見てください。

感想、評価など励みになるのでよければ残していってください。

それでは次回予告行ってみましょう。

「お兄ちゃん.....よかったね」

「おう、小町も....悪かったな」

「ううん、小町はお兄ちゃんが幸せになれたならなんでもいいんだよ、あっ!今の小町的にポイント高い!」

「....そのポイントが貯まると何かいいことあるかもな」

「それは小町にはわからないよ?でも、そう思ってればいいんじゃない?」

「そうか....それじゃあ次回予告しちまうか」

「うん、次回やはり俺がバンドを組むのはまちがっているは
『そして比企谷八幡は....』です!」

「さて、それじゃあイベントに向けて頑張りますか」

「お兄ちゃんが珍しくやる気になってる!?」
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