騎士見習いの立志伝 ~超常の名乗り~   作:傍観者改め、介入者

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ガンダム小説のリオンのように、理知的かつ冷徹な人間でもなく。

ダイヤのエースの大塚栄治のようにコンプレックスを抱えているわけでもない。


年相応?なクソガキメンタルと、自分からアクションを起こす鬼メンタルを備える男。

それが今作の青葉です。


第五話 やっぱりドS?

代表決定戦から数日後、江ノ島サッカー部として始動を始めたのだが、やはりというか練習の空気というものが違う。

 

 

「こっちだ、早く!」

 

 

「遅いっ!」

 

練習から緊張感をもってやっているのはSCの面々。特に沢村と織田といった面々は紅白戦においても実戦さながらの動きでいい集中力を保っている。

 

「すみません!!」

 

その空気に触発されて、逢沢も果敢にドリブルを仕掛けるも、フェイント時に方向を見てしまう弱点が露見し、現在癖を修正中だ。

 

「まだボールを見ているぞ! どんどん仕掛けて数をこなせ、逢沢!!」

 

ボールを取った織田は逢沢に対して積極的に声をかける。

 

一方―――

 

 

 

「しかし、統合とはいったが――――――」

現在青葉は悩んでいた。統合を果たし、総合力ならば確実に増したであろうサッカー部が誕生したのに、まだまだ課題がたくさんあることに。

 

前線でいい崩しをしているにもかかわらず、ゴールキーパーにパスするようなシュートを放った荒木に対し、青葉は呆れていた。

 

詰め寄る海王寺を制し、青葉は荒木の前に立つ。

 

「―――――荒木先輩」

 

「――――どうした、青葉?」

 

紅白戦での緊張感がない。FCで感じていたのはそれだ。それぞれの部活に所属した青葉だからこそわかる、長所と短所。

 

「ループシュート。確かに意表を突く良い技です。ですが、今ループを打つ場面ですか?」

 

 

「練習だからこそ、色々試せるんでしょ? 試合になれば芸術的なループシュートを決めるためにな」

 

当たり前のように実戦で使うためと説明する荒木。

 

「――――なら、キーパーに事前に話してください。個人技を出すことに一切の不満はありませんが、キーパーが飛び出してくるプレッシャーがなくて、何がループの練習ですか?」

相手へのパスするようなシュート。点取り屋の精神が根付く、青葉には看過できないプレーだ。

 

「事前にコミュニケーションを取りましょうよ。話し合うことで、有意義な練習は生まれます」

まず発言する。提案する。自分勝手なプレー。チームの為にエゴを出すとは違う、華麗な足元に酔ったプレーは、青葉が酷く嫌悪するものなのだ。

 

「ああぁ!?」

 

「紅白戦で状況を考えて使ってください。キーパーの牛尾さんが飛び出して来たらループを使う。本物を経験しないと、実践で使えるわけがない」

 

睨みつけるように荒木に対し文句を言う青葉。試合で見せた冷静な表情ではなく、心底呆れているといった怒りの表情。

 

「お、おい! よせ宮水。わかった、もういいんだ……」

海王寺が止めにかかる。最初は自分も頭に来ていたが、自分以上にキレている青葉を見て怒りが沈んだのだ。

 

「それに、減量したと思えばなんですかその体は――――選手寿命をこれでもかというほど縮めたいようですね」

 

荒木のお腹を見て指をさす青葉。正直チームの構想では彼を真ん中に置くというが、サイド専門の自分がいたほうがいいのではないかと思うようになった。

 

「こ、これはだな。練習の疲れをいやすための―――――」

 

ぶちっ

 

 

青葉の頭の中で、何かが切れる音がした。

 

「あ・ら・き・せ・ん・ぱ・い? 俺は今晩ひき肉が欲しいんですけど、協力してくれますよね? 幸い、この辺りに丁度よさそうな油の乗った肉があるみたいなんですけどぉ!」

削ぎますよ、そのぜい肉。手段は選ばないという血走った目で、狂気的な笑みを浮かべる青葉。

 

「ひ、ひぇぇぇぇぇ!!」

そんな嗜虐的な後輩に恐れをなす荒木。おたおたとアザラシのように素早くその場を後にする彼の姿を見送る海王寺と青葉。海王寺は表情が青くなり、同時に頼もしさを覚えていた。

 

————あぁ。こいつは逸材だ。あの荒木を一喝できる存在はありがたい。

 

対して青葉は、

 

—————ドロップアウトした分、俺が地獄を見せてやりますよ、荒木パイセン

 

テクニックは恐らく自分すら上回る逸材でもある彼だが、メンタル面で課題が多すぎる。

 

 

そんな青葉の姿を見ていたマネージャーは、

 

「やっぱり、青葉君ってドS?」

 

「—————聞かないで。思い出したくないから」

私は知らないと、過去にドリブル技を真似られ、敢えて得意技で負かされた経験のある颯は知らぬ存ぜぬを貫く。

 

「けど、荒木さんの手綱を握れる人は貴重よ。それに、あの脂肪はちょっとカッコ悪い」

美島も、青葉ほど攻めッ気はないが、同じ考えであると主張。

 

そんなマネージャーたちの「青葉ドS?談話」を無視する本人は、辺りをちらりと見る。

 

 

練習でもスライディングでボールを刈り取る堀川の動きはまだ十分許容範囲。むしろ、練習でガツガツいかなければ本番で出来るわけがない。

 

 

制限のない状態で、プレーを選択し、自分にとって、チームにとっての最善は何か。

 

考えるサッカー。勝つために何が出来るのか、何をすればいいのか。

 

その意識がやはり重要なのだが、なかなかうまくいかない。

 

SCにはその下地が不十分で、FCは下地があるのに緊張感のなさが邪魔をする。しかし反対に体力面ではSCに大きく分がある状態。

 

「高瀬さん。少しよろしいですか?」

 

的場にまた抜きで手ひどくやられていた高瀬に声をかける。

 

「――――なんだ」

 

「リーチの長さの弱点を現在つかれていますが、必要以上に相手を追う必要はありません」

 

足元の技術に難はあるが、このフィジカルは武器だ。江ノ島の中で一番ポストプレーの成功率を上げられる可能性を秘めている。

 

青葉は公平なようで不平等だ。彼は見込みのある闘志を持っている選手が好きだ。先ほど的場を思わず掴んでしまったが、あれぐらい緊張感があっていい。

 

行動自体は褒められたものではないが。

 

「高瀬さんは多少反応が遅れても、一歩目の歩幅で簡単に追いつけます」

 

その足の長さ。フィジカルの当たりの強さ。それらをまだ彼は活かしきれていない。

 

体格に劣る選手がいくらスピードで抜いても、2メートルもない距離での加速など、並の選手なら知れている速度だ。

 

ならば、手足の長さという天賦の才能を持つ高瀬ならばどうだ。多少遅れたところで、一歩目の差ですぐに詰めることも可能だ。

 

説明を聞いた高瀬は、心の中で強く燃え上がる感情を感じた。

 

 

「なんだと? 反応が遅れても、追いつける、だと?」

高瀬にとっては、スピードのある相手に対し、難儀していた経験があるので、青葉のアドバイスはありがたい。

 

さらにいえば、青葉はチームの中でも対人能力に優れている。そんな彼のアドバイスだ。

 

「―――――後の先。そのフィジカルを持つが故の特権。存分に活かさない手はない」

 

「!!!」

 

凍えるような眼で、断言する青葉。同学年とはいえ、これほどのオーラを見せる選手は初めて見る高瀬。練習中でも、ここまで真剣に取り組む選手はなかなかいないだろう。

 

あの沢村や織田すら上回る、サッカーに対する貪欲さ。

 

――――こいつについていけば、俺は―――――

 

「そして、経験を積み重ねていけば、相手に何もさせずに潰すプレスを手に入れられる」

 

それはフィジカルの差を存分に活かす、非情なまでの才能。青葉は悪魔のような取引を彼に持ちかけた。

 

「来週から、君の練習に付き合う。他にも誰か来るかもしれないけど」

 

 

「やらせてもらう。俺はもう、テクニックに翻弄されるのは嫌なんだ」

 

強い意志を感じさせる高瀬の決意。満足げな笑みを浮かべる青葉だが、目は朗らかなものではない。

 

獰猛なほど選手の眼をしている戦士の眼だ。

 

 

その後、反対に的場の方へ行って発破をかけるなど、選手同士の緊張感を高める青葉。

 

しかし、教えを乞うものを決して拒まない。

 

「ここの守備だが、お前はどう思う、宮水」

 

沢村も、ボランチでプレーするようになった際に青葉に意見を求める等、SCとの関係性もいい。元々、沢村は選手としても、性格的にも彼のことは嫌いではなかった。

 

「セーフティにフォアチェックを行いつつ、二人目の動きを封じるためにまず相手選手にマークしたほうがいいですね。遅らせれば、陣形も人数もそろいます。深追いすれば、バランスは崩れ、ディフェンスは崩壊します。」

 

「今回のようにサイドから相手選手に切り込まれた場合、やはりボランチが相手のプレースピードを落としつつ、サイドアタッカーの下がりまで粘るのがベストでしょう。この3バックの陣形はサイドアタックに対して脆弱な一面を抱えています。本来ならば、サイドの選手の交代枠をいくつか用意するべきですね」

 

「新チームの現状は、カウンター対策が急務か」

 

「なので、3-5-2の陣形は恐らく公式戦では採用されない可能性が高いですね。可能性があるとすれば4-2-2-2、もしくは4-2-3-1が望ましいと思います。ただ後者はCFWに求められるフィジカルが最大限求められます。現実的に考えれば前者だと思いますね」

 

 

「なるほど、現実的に考えれば4バックがいいのかもしれないな」

3バックでは常にカウンターの際にサイドが手薄になる弱点はあった。

 

沢村は、それぞれの陣形に対しての利点、短所について青葉とともに話し込み、織田もその談議に加わるなど、本気で勝ちに行く空気を醸し出していた。

 

「――――なるほど、あの時では勝てないわけだ。それだけ陣形について、守備について知識があるならばな」

 

織田も、青葉とともに談議に参加した際にいろいろと気づかされることもあり、あの試合で青葉にいいようにやられたのは仕方ないと感じた。

 

しかし、あの時ではという言葉が青葉には引っかかった。

 

「へぇ。その言葉は期待できそうですね、織田先輩」

 

「力は認めているが、お前を止めることに生きがいを感じれそうなんだ。お前に近づけば見えてくるものもある。精々活躍していろ。必ず追いついてやる」

 

挑戦的な先輩の言葉に満面の笑みを浮かべる青葉。ぞくぞくするような緊張感がたまらなく好きなのだ。

 

そしてそんな選手が味方でいる。それはとてつもない利点だ。

 

「いいですねぇ。やっぱり空気だけは好きでしたよ、SCは。あの緊張感はこのサッカー部に必要ですからね」

 

 

「ふっ、言ってくれる」

 

 

 

しかし、岩城監督は使える選手だけを優遇するのではなく全員にチャンスを与える指導。荒木に対しても少し甘いように感じる。

 

 

そのことについて、織田は岩城に詰め寄る。

 

「もうトップ下は青葉でいいのではないですか? 彼が適任だ」

 

もう不摂生を繰り返す司令塔には期待できないと織田が荒木に対して苦言を呈す。

 

「いえ。今後彼が代表召集を受ける際に彼は必然的に外れることになります。それに、彼が一番真価を発揮するのはサイドのポジション。宮水君がトップ下をやっていることが、チーム力の低さを物語っています」

 

「なら―――――」

 

自分を、と言おうとした織田。しかし岩城の言葉を待つ。

 

「―――――ですが、私もただ甘いだけの指導をするつもりはありません。水分補給もさせます。休憩も入れます。しかし、彼にはどんな体型であろうと必ず練習に参加してもらいます」

 

ゾクリとするような、平坦な声がした。つまり、途中交代は認められないということだ。

 

 

「荒木はスタミナがない選手です。試合中盤のサブとして使えば――――」

 

 

「都道府県リーグで、試合はまだたくさんあります。スターターとして彼には全試合に出てもらいます。走れなくなっても出てもらいます」

 

つまり、限界を迎えても戦えという岩城の荒木への指導。岩城は荒療治ではあるが、彼のスタミナの問題を克服するために、地獄を見せるつもりだ。

 

「――――――鬼ですね、岩城監督は」

 

 

「ですが、まだ近藤監督には及びませんよ」

人懐っこい笑みを浮かべる岩城。先ほど平坦な声を出した人物と同一人物なのが信じられない。

 

 

「それに、青葉君のクロスボールを見たいという私のエゴもあるのですがね。代表で幾度となく得点を演出した芸術的なクロスボールとカットイン。それが彼の代名詞です」

 

そうだ。確かに江ノ島高校で彼は実戦でそれを見せていない。江ノ島SC時代に少し見ただけで、高瀬が高確率でヘディングシュートを決め、ポストプレーで波状攻撃を生み出す。

 

新たな江ノ島の武器になり得ると考えていた織田。

 

 

「それに高瀬の高さと逢沢の反応の良さが加われば―――――」

 

織田はそれで納得した。青葉が高瀬や逢沢を優遇する理由。気にかける理由は岩城が先ほど言った彼のクロスボールをより活かすための布石。

 

恐らく、工藤や火野など、フィジカルの強い選手を前線にいれ、サイド攻撃を活性化させる狙いがあるのだ。

 

先ほどから、自分のクロスについて自己紹介をしている青葉は、やはり彼らとのコミュニケーションを真っ先に行っていた。

 

「その通り。彼らの高さと強かさは、貴重な武器です。そして、足元の技術も向上すれば、彼らは化けますよ」

 

 

分裂の危機が生じるのではないかと思われていた江ノ島高校だが、岩城監督の荒木への優遇に見えた鬼指導。海王寺や沢村などの守備陣に指示を出せる選手も彼の指導に賛同し始め、順調なスタートを切る。

 

 

「ほら、早く走ってくださいよ、荒木先輩♪」

 

自転車をこぎながら、笑顔で猟犬のごとく荒木を追い散らす青葉。

 

「この、おにぃぃぃ!!!」

 

「お菓子は没収で~す♪」

そしてすかさず荒木のお菓子を没収する美島。青葉は見限った相手に対してここまで厳しいことは言わない。

 

―――――彼には生き地獄を見てもらいます

 

岩城監督の指導に同意した青葉は、真剣な目で語っていた。

 

――――何が何でもモノになってもらいます。泣き言は許さない。泣いても許さない。死んでも許さないよ

 

年上だろうが、年下だろうが、ピッチでは関係ない。青葉はその独特の流儀を持っていた。

 

「くそぉぉぉ!!! 鬼っ! 悪魔!! 美島ぁぁぁ!!」

 

半泣きになりながら、ランメニューをこなす荒木。その翌日はリーグ戦第3節である。予定では、荒木はフル出場である。

 

 

それを見ていた逢沢と中塚らはというと―――――

 

「セブン、なんだかノリノリだね……」

遠い目で青葉と一緒に荒木をいたぶっている彼女を見ている駆。

 

「あの声であんなドSなプレイ。うっ、ふぅ……」

中塚は、美島の眩しいほどの笑顔とは正反対な仕打ちに興奮してしまっていた。

 

 

なお、颯はあくまでマネージャー業務は副業なのでここにはいない。今頃はトップチームに合流し、先輩方を驚かせているだろう。

 

「でも凄いよね。小野寺さんは高校入学してすぐにプロチームにスカウトされて」

正直悔しいと感じていた駆。自分はまだ高校サッカーでチャンスを貰い始めた立場。しかし彼女はプロという舞台で戦っている。

 

しかし、やはり連携面での課題が当初はあり、ベンチ入りは先だという。

 

「なんでも江ノ島に来る前からある程度形にはなっていたみたいだね。僕も1対1で勝負してみたけど、男だと思ってやらないと勝負にならなかったよ――――」

 

しかも勝率も悪いし、と落ち込む的場。

 

「お前がそこまでの相手なのか―――――」

的場の気落ちした姿に驚きを隠せない高瀬。自分を翻弄する相手が翻弄される相手。サッカーの世界は広く、レベルが高いのだと悟る。

 

 

「うん。どうやら先になでしこ代表の方にベンチ入りするみたいだし、途中出場はするんじゃないかな?」

雑誌の中に移る小野寺颯の記事を見せる的場。

 

 

――――新世代のスピードスターがついに招集を受ける

 

 

――――クラブチームでのデビューも秒読みか!?

 

 

――――来週のマイアミヴァルキリーズ戦でついにデビューするか!?

 

 

縦への推進力を備える彼女への評価は高い。

 

 

「丁度静岡の合宿のときかぁ。リアルタイムで見たかったなぁ」

 

そして江ノ島サッカー部のチーム力強化もかねて、静岡に遠征することになった一同。その際に、なぜか美島も席を外す予定だが、颯が深入りはするなと暗に言っており、なでしこに関するものではないかと噂されている。

 

「セブンも上手いから、もしかしたら選ばれていたかもしれないなぁ。でも、なんであんなに昔から上手いんだろう」

駆は気にならなかった今更な疑問をぶつける。小学生の時から足元の技術は高かった。しかし、中学生から高校生になるまでチームに所属はしていない。

 

そう考えると、駆は美島のことを良く知らない。小学校時代の幼馴染で、アメリカに親の仕事の都合で日本を離れ、中学時代に戻ってきた。

 

「おいおい。幼馴染のお前が知らなかったら、誰も知るわけがないだろう」

高瀬も少しだけ呆れながら、駆に笑いかける。一同はなんでもなさそうに笑うが、

 

 

言い様の無い感情が渦巻く駆。

 

――――僕は一度も、セブンには勝てていない

 

性格もよく、可愛くて、面倒見もいい。サッカーはうまくて、その華麗なテクニックは周囲を魅了する。

 

 

しかし、選手として悔しい。自分は選手なのに、彼女はマネージャーなのに。

 

 

――――強くなりたいんだ

 

彼女に参ったと言わせるぐらい。だからこそ、彼についていけば自分を変えることが出来るかもしれない。

 

翌日の都道府県リーグでは、新生江ノ島サッカー部が相手高校を蹂躙。6対2と快勝。しかし守備陣形の連携に課題を残し、その問題点を消化するための合宿が迫る。

 

 

 

来週の静岡での合宿で、県外の実力校との試合が待っているのだ。江ノ島のスケジュールは一転してハードになっていた。

 

 

 

青葉が予想しているフォーメーションは、4-2-2-2と4-2-3-1を使い分けるものらしい。

 

 

奇策を使う必要もない。トーナメントは守備力も重要だと考える青葉の考えは現実的だ。

 

 

静岡合宿を目前に控えた翌日。ついにベンチ入りメンバーが発表される。

 

 

そして夜。

 

 

「約束通り来たな。」

 

青葉の目の前には、高瀬。そして、いつもは美島と一緒だったはずの逢沢。

 

「――――彼女さんを放っておいていいのか?」

 

「――――今、僕はサッカーが上手くなりたい。青葉君のようじゃなくてもいい。僕は、“ドリブルも武器である“選手になりたいんだ!」

 

真剣な瞳で、頼み込んだ駆。

 

「一人増えたが、構わないか、高瀬」

ちらりと窺うように高瀬に尋ねる青葉。

 

「構わん。練習相手は多いほうがいい」

 

 

「――――よし、なら始めようか」

 

不敵な笑みを浮かべ、3人の特訓が始まる。

 

 




青葉「俺は期待しているんですよ。だから早くランニング再開しましょうよ」

荒木「」

青葉「返事がないな。仕方ないからロープ持ってきて、美島さん」

セブン「わかりましたぁ!」

駆「セブンが怖い・・・・」

颯「期待してるだけ。荒木さんに期待をしているだけだよね、青葉(畏怖)?」


天国―————————

逢沢傑「」

初代青葉「俺、あそこまで鬼だったかな・・・」
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