すごくがっかりだよ、トム。
—— なにが? なぜ?
もうすぐ舞踏会がある。
—— 何の?
—— それがなぜがっかりなんだ?
わたしが行けないから。
—— なぜ行けない?
行けるのは四年生以上だけ。年齢がたりない。
—— ずいぶん不公平だな。
そうだよ。ダンスは好きなのに。
—— 忍びこむ方法はないのか?
ない。年齢がたりないと、年上の人からパートナーの申し込みをもらわないかぎり、行けない。ジニーはネビルといっしょに行く。
—— なぜジニーが? きみは誘われなかったのか?
ジニーが誘ったんだと思う。
—— じゃあきみもだれかを誘えばいいんじゃないのか?
だれを? 知りあいは多くない。
—— それなら選ぶ手間が省ける。あの双子のどちらかにすれば?
どっちももう相手がいる。
—— ロルフは?
ロルフは同じ年だよ。彼も行けない。
—— ああ、そうだったな。ところでそのボーイフレンドくんはどうしてる?
ボーイフレンドじゃないよ。でも一応、元気だけど。
—— ああ、なら、きみが別の男の子とダンスに行ってもロルフは気にしないんだな?
だれとでもいいけど、この調子じゃだれとも行けそうにない。
—— ジニーのもうひとりのお兄さんは? 一番年下の。
ロナルドなら、ハーマイオニーを誘うつもりだと思う。少なくとも好きではあると思うし、誘わないはずがない。
—— どうだかな。男の子というのは、女の子に関しては、びっくりするほどアホだったりするぞ。
それは自分の経験から?
—— いや。
ほんとに? 気になった女の人がひとりもいなかったの?
—— ぼくはもっと重要なことに集中していた。
たとえば?
—— いろいろだよ。計画があった。野望があった。
何の野望?
—— 今となってはどうでもいい。ろくな成果は出なかった。
ご愁傷さま。
—— いや、いい。そうなってよかった気がする。
ダンスをしたことはある?
—— 何度か。
うまい?
—— 当然。ぼくは何をしても優秀だ。
謙虚だね。
—— 人は謙虚さにとらわれすぎだ。
それはまえも聞いた。
—— あのポッター野郎は? あいつも行くんだろ?
ハリー? きいてみてもいいな。わたしが知るかぎりでは、まだだれにも声をかけてないみたいだから。
—— 幸運を祈る。
ありがとう、トム。
—— ルーナ?
なに?
—— もし本に閉じこめられていなかったら、ぼくはよろこんできみにその舞踏会のパートナーになってくれと申し込んだと思うよ。
わたしもよろこんでOKしたと思うよ。