ルーナ・ラブグッドと闇の帝王の日記帳   作:ポット@翻訳

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60「ダンス」

 


60「ダンス」

 

すごくがっかりだよ、トム。

 

—— なにが? なぜ?

 

もうすぐ舞踏会がある。

 

—— 何の?

 

冬至祭(ユール)舞踏会。競技会(トーナメント)の開催を祝う舞踏会。

 

—— それがなぜがっかりなんだ?

 

わたしが行けないから。

 

—— なぜ行けない?

 

行けるのは四年生以上だけ。年齢がたりない。

 

—— ずいぶん不公平だな。

 

そうだよ。ダンスは好きなのに。

 

—— 忍びこむ方法はないのか?

 

ない。年齢がたりないと、年上の人からパートナーの申し込みをもらわないかぎり、行けない。ジニーはネビルといっしょに行く。

 

—— なぜジニーが? きみは誘われなかったのか?

 

ジニーが誘ったんだと思う。

 

—— じゃあきみもだれかを誘えばいいんじゃないのか?

 

だれを? 知りあいは多くない。

 

—— それなら選ぶ手間が省ける。あの双子のどちらかにすれば?

 

どっちももう相手がいる。

 

—— ロルフは?

 

ロルフは同じ年だよ。彼も行けない。

 

—— ああ、そうだったな。ところでそのボーイフレンドくんはどうしてる?

 

ボーイフレンドじゃないよ。でも一応、元気だけど。

 

—— ああ、なら、きみが別の男の子とダンスに行ってもロルフは気にしないんだな?

 

だれとでもいいけど、この調子じゃだれとも行けそうにない。

 

—— ジニーのもうひとりのお兄さんは? 一番年下の。

 

ロナルドなら、ハーマイオニーを誘うつもりだと思う。少なくとも好きではあると思うし、誘わないはずがない。

 

—— どうだかな。男の子というのは、女の子に関しては、びっくりするほどアホだったりするぞ。

 

それは自分の経験から?

 

—— いや。

 

ほんとに? 気になった女の人がひとりもいなかったの?

 

—— ぼくはもっと重要なことに集中していた。

 

たとえば?

 

—— いろいろだよ。計画があった。野望があった。

 

何の野望?

 

—— 今となってはどうでもいい。ろくな成果は出なかった。

 

ご愁傷さま。

 

—— いや、いい。そうなってよかった気がする。

 

ダンスをしたことはある?

 

—— 何度か。

 

うまい?

 

—— 当然。ぼくは何をしても優秀だ。

 

謙虚だね。

 

—— 人は謙虚さにとらわれすぎだ。

 

それはまえも聞いた。

 

—— あのポッター野郎は? あいつも行くんだろ?

 

ハリー? きいてみてもいいな。わたしが知るかぎりでは、まだだれにも声をかけてないみたいだから。

 

—— 幸運を祈る。

 

ありがとう、トム。

 

—— ルーナ?

 

なに?

 

—— もし本に閉じこめられていなかったら、ぼくはよろこんできみにその舞踏会のパートナーになってくれと申し込んだと思うよ。

 

わたしもよろこんでOKしたと思うよ。

 

 

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