ルーナ・ラブグッドと闇の帝王の日記帳   作:ポット@翻訳

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話の番号が飛んでますが、「82」は原文では「秘密の薬学クラブ」が投稿されたというお知らせスペースだったので省略しました。


83「ダンブルドア」


83「ダンブルドア」

 

D: トム・マールヴォロ・リドル。

 

—— ああ。フルネームで呼ばれるということは、きっとお小言だな。

 

D: この日記帳のそちらがわにいるのはトム・マールヴォロ・リドルだという話だが、相違ないか?

 

—— 生身のぼくだ。しかも新品だ。

 

D: セブルスからは、元分霊箱(ホークラックス)だと聞いている。

 

—— そのとおり。

 

D: 悪いが、この一連の状況は全体的に奇妙に感じられてならない。

 

—— おたがいさまだな、アルバス。あんたこそ、いつも奇妙な人間だった。

 

D: どうやってホークラックスが人間になった?

 

—— スネイプから聞いていないのか?

 

D: 当人のことばで聞かせてもらいたい。

 

—— ヴォルデモートを弱体化させるポーションを作った。ついでに、あいつのエネルギーを奪って、自分の体を作れる仕掛けをしておいた。

 

D: ヴォルデモートは自分と別個の人間だ、と言っているように聞こえるが。

 

—— 別個の人間だ。

 

D: つまり、もはやヴォルデモート卿と呼ばれたくはない、ということか?

 

—— その名前はだんだん気に食わなくなってきた。

 

D: その名前に付随した目標も?

 

—— なくなった。

 

D: もうあのときの憎悪に満ちた少年とは違う、そう信じよと言うのか?

 

—— ぼくは変わった。スネイプや、ルーナや、あの双子に聞けば分かる。

 

D: すでに聞いてある。真実薬も飲ませたうえで

 

—— 真実薬には魔法省の規制があったはずだが?

 

D: 何年もまえにセブルスに調合してもらったものだ。戦争のあと、死喰い人の残党が潜んでいたころに。処罰を逃れようとしているだけの残党と真の味方とを、区別するための手段が必要だった。

 

—— ずるいな。あんたらしいよ。それで、その四人を訊問した結果、なにがわかった?

 

D: 彼らはおまえのことを信じている。

 

—— そう言うあんたは?

 

D: かつては信じていた。気にかけていた。おまえが化け物に変わっていくのを見ていながら、止められなかった。おまえは変わったと言う。それがまた変わって、もとに戻らないと、なぜわかる?

 

—— いまのぼくには、あのときなかったものがある。

 

D: たとえば?

 

—— 心と魂の安らぎ。人間に対する希望と信頼、友情。

 

D: 友人なら、以前もいたのではないか。

 

—— 信奉者ならいた。おなじ目標を信じる人は簡単にあやつれた。

 

D: おまえが友人と呼ぶあの無垢な子どもたちも、また信奉者になるのか?

 

—— ちがう! もうそういうことはしない。

 

D: どうしてそのことばを信じられようか?

 

—— なにをすれば証明になる?

 

D: どんな手段がありうるか、想像もつかない。

 

—— ……ぼくの魔法力でどうだ。

 

D: なに?

 

—— これが嘘であれば魔法力を失う、という誓約をしよう。

 

D: それだけの覚悟があると?

 

—— こんなことを軽がるしくは言わない。以前より柔軟に考えるつもりではいるが、自分がスクイブになるなど吐き気がする。

 

D: ではなぜそんなことを言いだした?

 

—— いまは魔法力よりも大事な、失いたくないものがあるからだ。知ってのとおり、たった一人の友だちとぼくを引きはなすだけの力があんたにはある。それを止めたい。ルーナとの出会いは人生最高のできごとだった。もう数人も気に入った。それを守るために自分の魔法力を担保にする必要があるというなら、かまわない。これでぼくが本気だという証明になるか?

 

D: 本当にそれでよいのか?

 

—— しつこいな。ルーナはぼくにとって大切な存在だ。彼女のためなら、なにを失うことも覚悟する。

 

D: 目覚ましい点のある女の子ではある。以前からもっと注意をむけておくべきだったのかもしれん。もっと気を配っておきさえすれば、危険なホークラックスとの接触を察知し排除して、このような事態になる前に止めることができたかもしれん。

 

—— それを言うなら、あんたが気を配っておきさえすれば、逃亡中の囚人にルーナが誘拐されることもなかったんだよ!

 

D: ミス・ラブグッドはミスター・ブラックの保証人の一人になってくれた。

 

—— ああ、結果的にはよかったんだが、当時はそうだとは分かっていなかっただろう?

 

D: 捜索隊は出した。

 

—— いつだ、その捜索隊を出したのは? ぼくの記憶では、二人の生徒の失踪に気づいて叫びの屋敷のなかを調べるというまともな感覚の持ち主はルーピンだけだったぞ。

 

D: リーマスは有能な男だ。

 

—— 有能? 学校近くにある唯一の廃屋で、学校に秘密の抜け道がつながっている場所を見に行くのがか。それは有能じゃなくて常識的というんだ! そのルーピンでさえ三日もかかった! あんたが気づくべきだったんだよ。ふつうは初日に乗り込んでいる!

 

D: 残念ながら行動に時間がかかってしまった。

 

—— うかつすぎる。

 

D: ミス・ラブグッドとミスター・ロングボトムには謝罪した。

 

—— ネビルについて言えば、寝室にはいらせずに放置したのはどういうつもりだ? 殺人鬼がうろついているというのに?

 

D: あれは不幸な事故だった。やはり謝罪はしてある。

 

—— もう一度謝れ。

 

D: そうしよう。

 

—— よし。

 

D: 本当にルーナの身を案じているようだな?

 

—— そのことはもうはっきりさせたはずだ。彼女はぼくの親友だ。

 

D: この話は対面の会話にしたいのだが。

 

—— 会った瞬間にぼくが闇祓いのところへ連行されないという保証がどこにある?

 

D: トムよ、自分を信じてくれと言いたいのであれば、まずこちらを同等に信用してもらわないことには、話は進められん。

 

—— いいだろう。スネイプと話させてくれ。

 

……

 

S> トム?

 

—— あいつを隠れ家に連れてきてくれ。片をつけるときがきた。

 

 

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