ルーナ・ラブグッドと闇の帝王の日記帳   作:ポット@翻訳

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94「機嫌とり」

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94「機嫌とり」

 

(ルーナ): 盗み聞きはよくないと思う。

 

(ジョージ): 今回はしかたないだろ?

 

(フレッド): そうそう。なんせ、いたずら仕掛け人四人のうち三人がそろってるんだから!

 

(トム): そう。で、その三人のうち一人が裏切ったせいで、四人目が死んだんだったな。

 

(ジョージ):

 

(フレッド):

 

(ジョージ): それでも結論は変わらない。

 

(ルーナ): この道具はなに?

 

(フレッド): 伸び耳。

 

(ジョージ): おれたちの最高傑作。静かにしてくれよ、聞こえない。

 

(トム): きみらがそこまでファンだとはな。あんなのただのいたずらっこじゃないか。

 

(フレッド): 丸一年ミスター・ムーニーがおれたちの先生だったなんてな。

 

(ジョージ): まったくだ。おれのヒーローが先生だと分かってたら、心底まじめに授業受けてたのに。

 

(フレッド): 同じく。

 

(ジョージ): 宿題もぜんぶやったのに。

 

(フレッド): 期限内に。

 

(ジョージ): おまけ問題の回答もつけて。

 

(フレッド): 遅刻もなし。

 

(ジョージ): 皆勤賞。

 

(フレッド): 居眠りもなし。

 

(ジョージ): よそ見もなし。

 

(フレッド): 制服もきっちりと。

 

(ジョージ): 着くずさずに。

 

(フレッド): 私語もなし。

 

(ジョージ): 余計なことを考えない。

 

(フレッド): 余計なことをしない。

 

(ルーナ): よく退学にならなかったね。

 

(ジョージ): 毎朝机にピカピカのリンゴを届けたりもする。

 

(フレッド): でもリンゴが好きじゃなかったら?

 

(ジョージ): 好きに決まってる。教師はリンゴが好きなもんだ。

 

(ルーナ): チョコが好きだって聞いたよ。

 

(フレッド): じゃあリンゴチョコにするか。

 

(ジョージ): リンゴチョコってなんだ?

 

(トム): マグル世界にはオレンジチョコレートという商品がある。

 

(ジョージ): 教師の机にオレンジを置くなんて聞いたこともない。

 

(トム): ぼくはフルーツのチョコレートの実例を教えただけだ。

 

(ジョージ): いいかもしれないな。フルーツの栄養はそのままで、味がチョコレート。

 

(フレッド): 健康的なのに食べたくなる。

 

(ルーナ): いいアイデアだと思う。それで会社を起こせるんじゃない。

 

(トム): 種類も増やせるな。ブドウとか、ナシとか、バナナとか。

 

(ジョージ): ピーチとか。

 

(ルーナ): なんで二人とも笑ってるの?

 

(フレッド): なんでもないよ。

 

(ジョージ): ……ピーチ。

 

(ルーナ): あーっ!

 

(トム): それはぼくが付けた名前だから、ぼく以外は使用禁止だ。

 

(フレッド): 理由は?

 

(トム): 元闇の帝王であるぼくがそう言っているから。

 

(フレッド): グリフィンドール生はそういう脅しに屈しない。

 

(ルーナ): じゃあトム・リドルを闇の帝王から元闇の帝王に変えたのがわたしで、わたしがそう言ってるから。

 

(ジョージ): フレッドはどうか知らないけど、おれはこっちの脅しなら屈してもいいかな。

 

(フレッド): 降参する。

 

(トム): もうちょっとがんばれよウィーズリー。ルーナはまだ杖も出してないぞ。

 

(ジョージ): 話がそれてるような。なんの話だったっけ?

 

(トム): きみらがどこまで浅ましく先生のご機嫌とりができるかっていう話だった。

 

(フレッド): そうだった。おれならあらゆる場面で助手役を買って出るね。

 

(ジョージ): せめて地図のお礼は言いに行くべきだったな。

 

(フレッド): それといろいろ真似させてもらったことも。

 

(ジョージ): せめてせめてあんなに迷惑をかけなけりゃよかった。

 

(ルーナ): そんなに迷惑じゃなかったと思う。

 

(フレッド): いつも行儀よくしてたとは言いがたい。

 

(トム): えっ、そんなことはないだろう? きみたちに限って。

 

(ジョージ): 悪い印象になってないといいなあ。

 

(ルーナ): 人狼だっていうことを知ってからも、秘密を告発したりなかったし、スネイプ先生の手伝いをしてウルフスベインを改良して飲みやすくして、少しは負担を軽くした。それで十分、模範的な生徒でなくてもルーピン先生は感謝してると思う。

 

(フレッド):

 

(ジョージ):

 

(フレッド): あのときはいたずら仕掛け人だと知らなかった。いい人だと思ってやっただけ。

 

(ジョージ): そう、いい先生だから助けようと思っただけ。

 

(トム): それならなおさらいい。たかが一枚の地図のために崇拝しすぎるんじゃなくて、一人の人間として助けようとしたんだから。

 

(フレッド): 崇拝しすぎだって?

 

(ジョージ): そりゃ崇拝はしてるよ。でもちょうどいいくらいの崇拝だ!

 

(トム): あの詩を読ませてもらった。

 

(ルーナ): 詩って?

 

(ジョージ): 詩って?

 

(トム): 「いたずら仕掛け人への讃歌」。「偉大なるいたずらイリュージョニスト」。

 

(フレッド): おれには関係ないね。

 

(ジョージ): おれにも関係ない。ていうか、フレッドと違って、いま初めて聞いた。

 

(ルーナ): フレッド、詩が書けるんだ。知らなかった。

 

(トム): わりといいもの書くじゃないか。

 

(フレッド): それでも関係ない。

 

(ジョージ): 恥ずかしがるなよ兄弟。

 

(フレッド): ない。ない。ない。

 

……

 

 セブルスは羊皮紙をじっと見たまま、そこに浮き出てくる会話を読んで、それなりに興味を感じていた。ただし、お気に入りの生徒のうち二名がいたずら仕掛け人のファンだったと知って、ぞっとしてもいた。子どもたちの会話を盗み聞きする習慣はないが、今回はむこうも盗み聞きしているのだから、おたがいさまだろう。そう考えて、日記帳から取った一枚の羊皮紙に例の書き起こし呪文をかけなおし、部屋の外にいる彼らの口から出たことばが文字になるのを手元で見ていた。

 

 部屋の中では、ルーピンとブラックがダンブルドアと向き合って、ペティグリューの処遇について言い争っている。

 ペティグリュー本人は(すみ)にひそんで、怖ごわと二人を見ている。

 同席するのは本意ではない。だが、ブラックがルーピンにフクロウを送って状況を知らせてしまい、収拾がつかなくなりそうだということで、セブルスもダンブルドアに呼ばれたのだった。

 

「なに読んでるんだよ?」

 唐突にブラックがそう言って、セブルスをにらんだ。

 

 セブルスは片眉をひそめて、にらみ返した。

「宿題の採点をしているだけだ」

 

「宿題?」

 

「そちらの話が終わる気配がないから、少しは有意義な時間の使いかたをしようと思ってな」

 

 ブラックは歯ぎしりをしてからダンブルドアへと向き直った。どうやらこちらと話す意味はないと思ったようだ。セブルスは生徒たちの観察をつづけることにした。

 

……

 

(トム): こんどはなんの話だ?

 

(フレッド): うーん。宿題がどうとか。

 


95「An ode to the Marauders」

〔訳注:この回はフレッド・ウィーズリー作の詩だけがそのまま載ってるんですが、思ったより技巧的で翻訳をギブアップ。仕掛け人を褒め称える内容です。〕

 

https://www.fanfiction.net/s/12407442/95/Luna-Lovegood-and-the-Dark-Lord-s-Diary

 

 

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