ヴァンガードifはエミがこのままの歴史でもいいかと考えるシーンや、サンクチュアリができたきっかけが判明したりと、ますます見逃せない展開になって来ましたね……。
D4DJのアニメの方、前回の次回予告を見て響子たちがりんくたちと関わると勘違いしてたみたいですね……(汗)。私の節穴目に惑わされた人は本当に申し訳ございません。
「うへぇ~……誘い出されちゃったよぉ~」
「お疲れ、あこ。あれは辛かったねぇ……」
準決勝終了後、あこは見ていた皆がいる所まで戻ってきていた。何が原因だったかは十分に理解しているので、そこは反省して対策を積んで行くことが大事と結論づいた。
あこのファイトスタイルを踏まえて、後日貴之が自分がやっている対策法を紹介することが決まり、そのことにあこが深く感謝することになる。
「あこちんの戦い方って、何か弱みがあるんですか?」
「一番分かり易いのは、『どうしても手札を使っちゃう』ことかな……。『ダークイレギュラーズ』は『ソウル』を集めて置きたいんだけど、それをやるにはユニットを出さなきゃ行けないから、そこが動きを縛ることになっちゃうんだ……」
「そう言えば、白金さんは結構手札に余裕を残してましたね……。勿論、意図的に抑えてはいたんでしょうけど」
「白金さんの使う『オラクルシンクタンク』は、手札を使ってもある程度は補充する手段があるから、そこの差が出てきたんですよ。山札操作以外は無理に手札を使わなくてもいいですしね」
こうしてみると、戦い方にかなりの差があることを伺える。同じ高パワーで圧倒するスタイルでも、貴之の使う『かげろう』は基本『オーバーロード』に宛がったパワーで連続攻撃。俊哉の使う『ディメンションポリス』は『グレートダイユーシャ』のスキルで上がったパワーを使った一斉攻撃か、『ダイユーシャ』か『ダイライナー』のスキルで一撃必殺を狙う為、いい例である。
次の決勝戦は比較的バランス型ではあるが、『味方を犠牲にし、恩恵を得る』と言う少々諸刃の剣な要素がある『シャドウパラディン』と、山札操作でトリガーを安定させ、『不足しがちな打点を補いながら、粘り強く戦う』傾向がある『オラクルシンクタンク』の戦いであり、これは恐らく『シャドウパラディン』側のアプローチが重要になってくると推測される。
スキルの使いどころを間違えると無駄にユニットを退却させてしまうことになる為、ある程度慎重に対応する必要があるだろう。
「白金さんがどちらの『イマジナリーギフト』を使うか。そちらでも左右されそうですね?」
「安全にやり過ごす為の『プロテクトⅠ』か、切り返しを強力にする『プロテクトⅡ』か……ここでも結構変わってくるな」
友希那はユニットとの相性の都合で『フォースⅠ』を基本形にしているが、燐子はあくまでも『プロテクトⅡ』がトリガー効果も相まってシナジーがあると判断して選んでいるので、場合によっては『プロテクトⅠ』を選んでくることが示唆される。
選択の基準としては、『速攻性の強いデッキなのか』、『パワーで圧倒するユニットがいるのか』。この二点が主だと考えられる。あこのデッキでは、どちらかというと前者が当てはまるだろう。彼女は自分の三ターン目に決めに行けるように調整しているデッキだからだ。
こうして色々考えている最中、俊哉はとあることに気が付く。
「……貴之は下に降りたか?」
「はい。さっき飲み物買って来るって言ってましたよ」
春香は貴之が財布を取り出したタイミングで確認していたので、そこで把握できていた。
それを聞いた俊哉もそんなに時間かけず戻ってくるだろうと判断し、これ以上は気にしないことにする。
「緊張している……貴之が初めて決勝に進んだ時は、こんな気持ちだったのかしら……?」
「やっぱり……初めてのことだと、そうなっちゃいますよね……」
その一方、会場フロアから出てすぐのベンチに腰をかけ、友希那と燐子は少し話し合っていた。
互いに緊張してしまっているのを確認し、少しだけ安心する。どちらかだけが緊張していた場合、もう片方が引きづられるか、緊張していた方が更に緊張を……と悪循環に陥りそうなので、これは幸運であったと言える。
「(あの様子なら……そうだな)」
その光景を偶然見かけた貴之は、予定を変更し、本来のやろうとしていたことの前に一つ行動を挟み込むことにする。
無難にスポーツドリンクを二本買い、彼女らの下に歩みを進める。
「ピアノ時は、一回弾いてしまえば後はそのまま進めるんですけど……こっちだと、どうするのがいいんでしょうね?」
「悩みどころね……ライブする前は、今までやって来たを信じて落ち着かせていたけれど……」
「俺も最初の頃は分かんなかったけど、友希那が言ったそれをヴァンガードの方法に落とし込むのが一つだと思うぜ」
「「えっ……!?」」
彼女らはいきなり自分たち以外の声が聞こえたことで、思わず彼の方へ顔を向ける。
反応してもらえた貴之は差し入れであることを伝え、友希那と燐子は有難く頂戴して一口つけた。
「ところで貴之。私が言ったことをヴァンガードに落とし込むって言ってたけれど……」
「ああ、それか……。まあ早い話し、編集したデッキとファイトで得た経験、そしてここまで勝ち上がって来た自分を信じるんだ」
──勿論、自分が最後も勝利するイメージをセットでな。そう言われれば非常に納得であり、友希那と燐子は公明が見えたのを確信する。
「そっか……じゃあ、私がオーディションをお願いしに行った時みたいにすればいいんだね?」
「ああ。それを自分なりに、ヴァンガードに上手く落とし込む。そうすれば大丈夫だ」
燐子はあの時踏み出すことができたことが功を奏したのと感じており、それを肯定してもらえたおかげで更に安心できた。やはりと言うか、大きなきっかけを認めてくれることは非常に嬉しいことである。
「ありがとう、貴之君。大丈夫な気がしてきたよ……」
「私からもお礼を言わせて。どうすればいいかが分かったから」
「その様子なら心配無さそうだな……じゃあ、決勝頑張れよ」
彼女らの様子を見て確信を得た貴之は、応援の言葉を送ってから上に戻る。
そこから少ししたタイミングで休憩時間が終わり、二人は会場に上がる。
「いや悪い。ちょっと二人と話し込んでたら遅くなった」
「まあ、お前ならそんなところだろうとは思ってた」
何しろあの二人は貴之の支えが影響して最も大きく変わったのだから、俊哉としても大いに理解できる。
慣れない場所で、しかもいきなり決勝なら緊張もするだろう。それを見かけた貴之がフォローに走るのも納得であった。
「まあ正直なこと言うと、五人の中で一番そう言うフォローが必要になるのはリサかも知れねぇけどな……」
「……リサが?ああ、いや。そう言えばそうだったっけ?」
「紗夜、リサはコンテストの時に緊張していたか?」
「ええ。自分に言い聞かせて落ち着かせようとするくらいには……」
「リサ姉、大丈夫そうに見えて結構緊張に弱いみたいなんです……」
五人にここまで言われたリサは恥ずかしかったのか、顔を赤くして下に向ける。
これに関して蘭とモカ、春香の三人は意外だと思った。
「友希那さん、行けそうですか?」
「ええ。そちらも問題なさそうね?」
二人ともデッキをシャッフルし、引き直しまで完了しているので後は開始するだけであった。
ならばと、二人は呼吸を合わせ──。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」
ファーストヴァンガードを表返してファイトの開始を宣言した。
友希那が『フルバウ』、燐子が『ロゼンジ・メイガス』に『ライド』するところまではもう承知の上であり、大事なのはこの先の動き方にある。
ファイトは友希那の先攻で始まり、このターンは『ブラスター・ジャベリン』にライドするだけにとどめる。
「『サークル・メイガス』に『ライド』!スキルで一枚『ドロー』して、『クォーレ・メイガス』を『コール』して、スキルも発動します」
上から二枚を確認し、自身の望む
これ以上はあまり無駄に行動する気にもなれないので、一先ず攻撃へ移行する。
「行きますよ……『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『サークル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「そうね……ここはノーガードで行きましょう」
燐子がどのトリガーを仕込んだかは分からないが、仮にトリガーが来るようにしていた場合は防いでも割に合わないので、まずは割り切って行動する。
そして燐子の『ドライブチェック』は
ただし、友希那の『ダメージチェック』も一枚目がノートリガー。二枚目が
今回は攻撃が一回だけなので、ここで燐子のターンが終わる。
「二人とも、いいイメージをしてますね?」
「ああ……さっき話しできて良かったよ」
最初から強いイメージを持って行動している二人を見て、貴之は一安心だった。
後々春香からどうやって教えているかが知りたいと言われたので、連絡先の交換と、ファクトリーにおける講習会の予定が決まり次第連絡することを約束する。
最初から比較的動きがある中、友希那の二ターン目が始まる。
「影の剣は覚悟の意志……『ライド』!『ブラスター・ダーク』!」
スキルを発動して『クォーレ・メイガス』を退却させ、『メインフェイズ』で前列左側に『ダークボンド』、後列中央に『ネヴァン』を『コール』し、スキルで『ソードブレイカー』を『コール』する。
その後は『ブラスター・ダーク』のスキルを発動し、『ツインドライブ』を狙えるようにする。
「では、こちらも攻撃……!『ブラスター・ダーク』でヴァンガードにアタック!」
「まだ大丈夫……ノーガードで行きます!」
『ツインドライブ』の結果は一枚目が
対する燐子の『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が
「次は『ダークボンド』でヴァンガードにアタック!」
「そうですね……これもノーガードで行きます。『ダメージチェック』……」
次の『ダメージチェック』は
これにより友希那のダメージが1。燐子のダメージが2になって友希那のターンが終わる。
「『プロミス・ドーター』に『ライド』!この時、『サークル・メイガス』のスキルを発動します」
『メインフェイズ』では前列左側に『レクタングル・メイガス』、後列左側に『クォーレ・メイガス』を『コール』する。
この時『レクタングル・メイガス』のスキルを発動し、トリガーで引きたい方を下に置き、そうでない方を手札に加えた。
「ここまでかな……『プロミス・ドーター』でヴァンガードにアタック!」
「まだ余裕があるわね……ノーガードにするわ」
ダメージが1で攻撃は二回まで。更に『ツインドライブ』も無し。ここまで考えれば素通しの方がいいと思えた。
燐子の『ドライブチェック』、友希那の『ダメージチェック』は共にノートリガーで、特に大きな変化は起こらない。
「次は『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『レクタングル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「ここもノーガードで行くわ。『ダメージチェック』……」
『カウンターブラスト』のコスト稼ぎに選んだ行動は功を奏し、『ダメージチェック』では
ダメージ量だけで見れば燐子が優勢だが、トリガーの引き具合では友希那が有利な為、まだ何とも言えないところである。
「(ファイトを通して燐子の想いが伝わってくる……これは恐らく、私に近いもの)」
「(伝わってくるのは……友希那さんの?私に近いから、多分きっと……)」
片や自身が行き道を踏み外し、必死に戻ろうとしていたところを。片や踏み出すことができず、そのまま諦めそうになっていたところを。それぞれが
そんな彼の支えに恩義を感じている二人は、このファイトを全力でやりきることを恩返しと定義しており、偶然それが重なったのだ。
伝わった想いに関しては両者とも非常に共感できるものであり、同時にこちらも負けられないと火をつけることになった。
「(俺が助けたことが、ここまで繋がってくれるとは……)」
──歩き続けて良かったな……。笑みを浮かべる貴之の瞳は潤んでおり、それに気づく。
「えっ?えっと……遠導さん?」
「何かありました~?」
「いや、ちょっと最近のことを思い返してた……」
「(そっか……貴之さん、嬉しいんだ)」
蘭とモカは事情を知らないから仕方ないところはある。ただ、それだけ貴之が感銘を受けた証拠でもある。
春香も友希那と話したことで貴之の方針については更に理解を深めており、自分が彼ならそうなるだろうと思えた。
「同じもの……なのかしらね?」
「きっとそうだと思います。そして、それを感じ取ったなら……」
──尚更、全力で戦うだけ。友希那と燐子が考えたことは全く同じであった。
こうなればもう何も気にすることは無いので、このままファイトを継続していく。
「呪われし竜の力……今、解き放つ!『ライド』!『ファントム・ブラスター・ドラゴン』!」
『イマジナリーギフト』は『フォースⅠ』を選択し、ヴァンガードに設置する。
『メインフェイズ』で『マーハ』を『コール』し、スキルで『ジャベリン』を『コール』した後、一度『ファントム・ブラスター』のスキル使用の判断で手を止める。
現状手札に余裕が残っていることと、燐子の『ペンタゴナル・メイガス』を考えると、ある程度強引に手札を使う機会を作らせたいところであった。
「ここは強気に行きましょう……『ファントム・ブラスター・ドラゴン』のスキル発動!」
「……!リアガードは揃っていないのにってことは……」
友希那の選択肢に、燐子も感じることがあって気づいた。間違いなく自分の行動を警戒していると。
あまりにも攻撃を受けすぎるのは不味いので、燐子はある程度防ぐことも考えた。
このスキルで退却させたのは『マーハ』、『ソードブレイカー』、『ジャベリン』の三体であり、これによって燐子のリアガードは一度全滅する。
また、友希那はネヴァンのスキルを発動させ、後列左側に二体目の『ネヴァン』を『コール』している。
「さて……『ファントム・ブラスター・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「うーん……ここはノーガードで行きます」
防いだ方がいいかも知れないが、ここで使ってしまうのが一番危険な気がしたので、我慢を選択した。
友希那の『ツインドライブ』は一枚目がノートリガー、二枚目が
対する燐子の『ダメージチェック』は一枚目が
「どっちにするのかしら?『ダークボンド』でヴァンガードにアタック!」
「『クレセント・メイガス』で『ガード』!」
イメージ内で『プロミス・ドーター』となった燐子の前に金色の鎧に覆われた、月を元とした杖を持つ魔術師の女性『クレセント・メイガス』が立ちふさがる。
このユニットは『カウンターブラスト』を多発した時の為に採用しており、そのスキルは『クレセント・メイガス』が『トリガーチェックゾーン』に置かれた時、自分のヴァンガードのグレードが3以上なら『ソウルブラスト』することで『カウンターチャージ』をするものであった。
友希那としては手札を補充されてしまったものの、手札の差をつけられたので、燐子としては手札を使ってしまったものの、トリガーで被害を抑えられたので、そこは良しとなった。
攻撃が終了したので、友希那ターンも終わりとなり、燐子にターンが回ってくる。
「私の望む
スキルで山札を操作した後、『プロテクトⅡ』を前列左側に設置する。
「最後の詰めを優先……でしょうか?」
「ギリギリ耐えきれるって考えたからかもな……」
『ガスト・ブラスター』を確実に耐えるのなら『プロテクトⅠ』もあったが、今回は耐えた後の反撃まで考えた結果になる。
『メインフェイズ』で前列左側に『レクタングル・メイガス』を『コール』し、スキルで山札操作をした後、前列右側に『ロンバス・メイガス』、後列左側と後列右側に『テトラ・メイガス』を『コール』する。
今回はトリガーが望む順番で来てくれていたので、『テトラ・メイガス』のスキルは使わずそのまま攻撃へ移る。
「行きます……!『ヘキサゴナル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「『マクリール』で『完全ガード』!」
現在のダメージが3なので、万が一を考えて防いでおく。
燐子の『ツインドライブ』は二枚とも
ただ、防がれてしまった場合も燐子は想定しており、今回はリアガード二体にそれぞれ一回ずつ効果を回して圧を掛ける選択を取った。
「次は『テトラ・メイガス』の『ブースト』、『レクタングル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「……!そっちはノーガード!」
『レクタングル・メイガス』はスキルで更にパワーを上げていた為、こちらを防ぐことにした。
『ダメージチェック』の結果は一枚目がノートリガー、二枚目が
「このターン最後の攻撃です……『テトラ・メイガス』の『ブースト』、『ロンバス・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「『デスフェザー・イーグル』で『ガード』!」
合計パワー32000の攻撃を合計パワー38000で防ぎきる。
これによって、現在のダメージは互いが4になった状態で燐子のターンが終わる。
「(恐らく、勝負は殆どこのターンで決まる……)」
「(結構ギリギリになっちゃったけど、これを耐えきれば……!)」
状況が状況なので、お互いに考えていることが似通ったものになる。
ここで『プロテクトⅠ』を選んでいれば燐子はまだまだ余裕のある対応をできたが、それだと友希那の余裕ある手札を崩せない可能性が上がるので、今回はこうするしかなかったのである。
また、友希那もそれを逃す手は無く、ここで勝負に出ることを選ぶ。
「暴虐の力も、正しき力に……『ライド』!『ガスト・ブラスター・ドラゴン』!」
再び『フォースⅠ』をヴァンガードに設置し、『メインフェイズ』に前列右側に『ブラスター・ダーク』、後列右側に『ジャベリン』を『コール』し、両者ともスキルを発動する。
この時燐子は後列右側にいる『テトラ・メイガス』の退却を選択し、防ぐ手段を減らさないようにした。
「燐子、行くわよ……!」
「ええ、どうぞ……!」
ここで決まるからこそ、友希那は一回声をかけるし、燐子も答える。
「まずは……『ネヴァン』の『ブースト』、『ダークボンド』で『レクタングル・メイガス』を攻撃!」
「『ロンバス・メイガス』で『インターセプト』!」
『プロテクトⅡ』の効果を使えるのは『レクタングル・メイガス』である為、ここは守っておきたかった。
「次、『ジャベリン』の『ブースト』、『ブラスター・ダーク』でヴァンガードにアタック!」
「『サークル・メイガス』で『ガード』!」
スキルの都合上、リアガードから先に攻撃してくるのが分かっていたので、ここまでは自分が決めておいたパターンに従って止める。
「これで決めるわ……『ネヴァン』の『ブースト』、『ガスト・ブラスター・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!この時、『ガスト・ブラスター・ドラゴン』のスキル発動!」
「ここは『テトラ・メイガス』を退却させます……攻撃は、『サイキック・バード』と『オラクルガーディアン ニケ』で『ガード』!更に『レクタングル・メイガス』で『インターセプト』!」
この後の切り返しも考えるとここがギリギリの手札使用になり、これ以上は防ぎたくても防ぐ為に使えないのが現状だった。
現在、『ガスト・ブラスター・ドラゴン』のパワーが合計48000。『ヘキサゴナル・メイガス』のパワーが合計57000なので、トリガーが一枚でもくるとそこで突破されることが決まっている。
正念場となった『ツインドライブ』は、一枚目がノートリガー、二枚目が
「(
貴之に促された時のことを思い出しながら、燐子は自分を落ち着かせてイメージに集中する。
イメージ内で『ガスト・ブラスター・ドラゴン』となった友希那から、『ヘキサゴナル・メイガス』となった燐子は連続攻撃を貰うが、消滅することは無く、どうにか踏みとどまっていた。
『ダメージチェック』の内、一枚目は
二枚目が
「つ、次が最後の『ダメージチェック』……」
状況で見れば友希那が有利だが、先程見えたイメージではそうとも言い切れない。
誰もが静かに見守る中、燐子は「行きます」と宣言して三枚目の『ダメージチェック』を行う。
その結果は
「あなたのイメージが上だったみたいね……」
「そんなことないですよ……私は、イメージすることで精一杯でしたから」
本当にギリギリだったと燐子は思う。後少しでもずれていれば、この結果は起こらなかっただろう。
正にイメージが呼び出した奇跡を目の当たりにして、友希那のターンが終わる。
「私の望んだ
二回目の『プロテクトⅡ』は前列右側に設置し、残った手札六枚で……『ペンタゴナル・メイガス』のことを考えれば実質的に残り三枚でこのターンにできる最後の準備をする。
その状況下での『メインフェイズ』で、前列右側に『ヘキサゴナル・メイガス』、後列右側に『クォーレ・メイガス』を『コール』し、ここで一度山札の確認を行う。
「(……!これならどうにかなるかも)」
上二枚が分かったので、前列左側に『レクタングル・メイガス』を『コール』して自分が望む順番に整理した後一枚を引き、その一枚であった『クォーレ・メイガス』を後列左側に『コール』する。
最後の山札操作を行い、手札が残り三枚になったところで燐子の『メインフェイズ』は終了を迎える。
「では、行きます……!『ペンタゴナル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「『マクリール』で『完全ガード』!」
『フィフスドライブ』が待っているのに防がない理由はない。ここのトリガー次第では耐える余地が残っているので、まずは防ぐことから始める。
友希那の宣言を聞き届けて始まる『フィフスドライブ』は、一枚目と二枚目が
四枚目も
と、泣いても笑ってもここで最後のような状況下で、五枚目の『トリガーチェック』が行われる。
『……!』
「
「なっ……!?」
引かれてもおかしくはないと考えていたが、本当に引いてきて、それも
仕方が無いので、片方は防ぎ、もう片方は素通ししてトリガー勝負へ出ることにした。
先に『クォーレ・メイガス』の『ブースト』が乗った『レクタングル・メイガス』での攻撃が来たので、こちらを『マクリール』で防ぐ。
「勝負です……!『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『ヘキサゴナル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「望むところよ……!ノーガード!」
イメージ内で『ヘキサゴナル・メイガス』が、『ガスト・ブラスター』となった友希那へ巨大な光の球を飛ばし、『ガスト・ブラスター』となった友希那はそれに飲み込まれることになる。
球が持っている光の奔流に耐え切れなくなり、やがて『ガスト・ブラスター』となった友希那は、光となって風に吹かれるかのように消滅していった。
『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が
どうなるかが分からない。そんな状況で行われた三枚目は『ブラスター・ダーク』……つまりはノートリガーが出てきて、ダメージが6になって勝敗が決まった。
「あと一歩……届かなかったわね」
「そんなことないですよ。私があの時踏みとどまれなかったら、こうはできませんでした」
咄嗟に燐子がイメージできたかどうか。それが全ての分かれ目だった──。全力で戦う最中に生まれた一つの閃きが、燐子を勝利へと導いたのである。
負けて悔しい想いは確かにあるが、お互いが最後まで全力で、持てる力全てを使ってファイトをしたので後悔は無い。
「……次は負けないわよ?」
「はい。またこうやって、思いっ切りファイトしましょう♪」
──ありがとうございました。二人が握手を交わしたの合図に周りから拍手が送られ、大会の終わりが告げられた。
* * *
「さて、どうだった?今日思いっ切りファイトしてみて」
「やっぱり、最後の詰めをもう少し上手くやりたかったかな……あそこ、本当にやるしかないって感じで選んじゃったし」
「私は……イメージの練習かしら?もう少し強く描けていれば、燐子にトリガーを許さず押し切れていたかもしれないから」
「そうだな。それは今度練習して、次に活かせるようにしよう」
その日の解散した後の夜──。テスト勉強をやった日のように友希那とリサ、貴之の三人は遠導家の同じ部屋に集まっていた。
明白に反省点を挙げられるのはしっかりとファイトをした証拠であり、これは特に心配ないと思えて貴之は一安心する。
ただ、もう一つ聞きたい言葉があるので、そちらを引き出しに掛かる。
「もう一つ聞くが……大会って場所で緊張してたかも知れねぇけど、楽しめてたか?」
「「
ならよかったと、貴之は今度こそ満足する。こう言ってもらえればまた教えてやりたいと思えるのだ。
その後少し話していると誰かが欠伸をした。時間を確認すれば、もうすぐで日が回ろうかと言う時間である。
「大会の後だからな……早いところ休むか?」
「あはは……みんな電車で結構疲れた様子してたしね……」
「話すことは明日でもできるのだから、今は休みましょう」
示し合わせてから消灯を済ませ、三人は眠りにつく。並びは左からリサ、友希那、貴之で、これもテスト勉強をした時と同じである。
こうして大会は終わり、その長いようで短かった一日は静かに終わりを告げるのであった。
一先ずファイトイベント完走です。長かった……
燐子に軍配を上げる決めてとなったのは、『貴之の支えにより、短期間で変わった度合いの大きさ』でした。長期的に見れば友希那なのですが、メンバー探しの時、最も大きく前に進めたのが燐子だったと言うことで、今回この様な形になりました。
次回からはアニメ1期のOVAでやった海イベントへ突入します。