また、ファイトの内容が大まかに見るとアニメ(2018版)2話のオマージュだったり、元の世界に戻った後で記憶を持たないとは言え、シュカちゃんにまた会えたのはエミに取って救いなのかも知れません。
合宿初日が終わった翌日の朝──。今日の空は立派に青空が広がっており、とても良い交流会日和だと言える。
「一足先に行ってくる!」
「最初から中に着てたのか!?」
「よぉし、私もっ!」
「ま、待った待った!」
「香澄ちゃん、おたえちゃんみたいに準備していないよね!?」
ポピパの五人も海に来ており、たえが思いっ切り人前で服を脱ぐから大慌てしたが、事前に水着を着用していたらしいので、想像していたことにはならなかったようである。
それを見て香澄も勢いで──となった時、咄嗟に沙綾が抑えたことで最悪の事態が避けられた。
「さて、これで午前の前半が終わりましたが……」
その一方で、昨日から来ている九人はそれぞれの準備を行っている。
Roseliaの方は友希那が紗夜程の技量はないが、弾けるのでギターを手に持って今日から本格的に作曲を始めているのだが、現在はかなり難航していた。
テーマは『Roseliaでできる夏を意識した曲』なのだが、これが思いの外難しくて難儀しているのだ。
現に、今日の午前中の前半全てを使っても一向に進む様子が無く、それぞれの練習をしていた四人が様子を見れば、彼女が難しそうな顔をしているのが見える。
このまま練習するのもいいが、そのままでは難儀する友希那を中心に空気が重くなってやりづらい状況もできそうであり、リサが少し考えてから提案を出す。
「そうだっ!今日は予定変更して、海に行かない?」
「海……ですか?」
余裕が出来たらそちらへ行く時間も入れていいだろうと考えていたので、紗夜もそこまで反対はしないが、理由は聞いておきたいと思った。
そこでリサは『夏と言えば真っ先に出るのは海なので、友希那の作曲にヒントを掴めるかも知れない』。『一人で行くよりも、全員で行った方が心置きなくいられる』。『今日はファイター四人が参加する交流会もあるので、休憩も兼ねてそちらを見に行ってしまうのもいい』──と、三つの理由を出した。
全てが納得できる理由であり、紗夜も「なるほど……」と、多少乗り気な様子が見られる。
「そうなると、少し窮屈な予定になってしまいますが……行くこと自体は可能ですね。どうしますか?」
「詰まっちゃうくらいなら、いいんじゃないですか?気分転換もできますし……」
「後、せっかく海に近い場所来てるし、やっぱり行きたいですからっ!」
確認を取れば、燐子とあこは賛成を出してくれたので、多数決的にこれは行くでいいだろうと紗夜は考えた。こう言う時に奇数なら簡単に決まるので助かる。
「友希那~。みんなで海に行くって話しになったんだけど、来る?」
「海に……?構わないけれど、今日の練習はいいの?」
気になった友希那が確認するも、紗夜はリサが出してくれた理由を説明し、予定を変更しても大丈夫と判断したので自分たちもことを話せば、友希那も同行する旨を返した。
「お?今日は結構素直だね?」
「私一人だけ行かないと言うのはどうかと思うもの。それに……」
──少し、動かなければいけないわ……。一ヶ所に包み紙が纏められているのが証明している通り、友希那はかなりの数の飴を舐めて糖分を補給していたので、その分動いておきたかった。
幸い、普段からある程度甘いものを取り過ぎたら動くを守っている為、腹が出てしまっていると言う事は無い。これは貴之への恋心を抱いて以来ずっと守っている事なので、苦にはなっていないし、やってよかったと胸を張って言える。
そう言うことなら着替えに行こうと話しが出て、荷物を持って部屋のドアを開けると、同じタイミングでドアを開けた玲奈と鉢合わせになる。
「あっ、玲奈たちはそろそろだっけ?」
「うん。一真君も無事にあのユニット使いこなせるようになったし、ちょっと早いけど現地に行こうって話しになったの」
現に部屋を覗かせて貰うと、一真と貴之でファイトをしている様子が見え、一真が最後の攻撃に出ようとしていた。
「条件は全て整った……これでヴァンガードにアタック!」
「これ防ぎようがねぇな……ノーガード。んで、
「もう大丈夫だな。後は本番でやれるかどうかだけど……まあ心配ないか」
貴之相手にも一回勝利を取れており、使いこなしたの一言は証明されていた。
「おお……ホントに大丈夫そう」
「まあそんなこともあって、そろそろ行こうってことになったの」
話しが決まれば全員で着替えと、ファイター四人はデッキも手に取って更衣室へ向かう。
「(あっ、一真君大丈夫かな……?)」
着替えている際、玲奈は男子更衣室にいる一真の身を案じた。何しろ残り二人は体を鍛えているので、筋肉量格差がもう始まっているはずだからだ。
それを気にしていても仕方ない面はあるが、こちらもこちらで格差が始まりそうであった。
「りんりん……あこ、凄く肩身が狭い……」
「えっ?だ、大丈夫だよあこちゃん……まだ全部決まったわけじゃないよ?まだ……」
胸回りで言えば、この六人は間違い無く燐子がトップ。あこが最下位になるだろう。
時期が時期なので、流石に燐子もフォローするのが難しいのか、言葉も自身が無さそうなものになっている。
「う~ん……男の人って、そんなに胸ばっかりで決めない気がするんだよねぇ~。ほら、貴之なんてその代表じゃん?」
「後は、俊哉もそうかもしれないわね?」
「あ、あの……どうして私を見るのですか?」
完全に含んだ目で友希那がこちらを見るので、紗夜は一瞬だけ言葉が詰まりかけた。
しかしながら、自分も彼のことはそうであって欲しいとは思うので、反対はしない。
「で、全員揃って上着は用意してきていると……」
「何もないと日差しに当たり過ぎて痛くなるしな……」
合流するや否、俊哉の言い分には大いに納得できた。夏の日差しを直に浴びすぎると痛みに苦悩させられる羽目になるので、対策はしておきたいのである。
これ以外にも、お互いにそれぞれの理由で上着は購入していた。
「交流会の時に上着を脱ぎ捨てりゃ、ちょっとしたパフォーマンスになりそうだしな」
「なるほど……井口さんみたいな人がいたらファンサービスできるし、それは面白そうだ」
「それを堂々とできるのは、やっぱり羨ましいよ……」
貴之は自分が述べた通りちょっとしたパフォーマンス用としても考えていた。これは鍛え抜いた体があるからこそできる芸当である。
俊哉は単純に日焼け防止だが、暑くなり過ぎたら脱ぐつもりでいる。結果として二人と比べて真ん中に位置する決断になっていた。
一真の場合は二人の筋肉量を見て、隠したくなったと言う少々後ろ向きな考えもあるが、やはり基本は日焼け防止である。
「後江の制服を見ていた時もそうだけれど、貴之は青も十分に合うわね?」
「ならよかった。友希那が選んだのも、お前くらい顔と体格を揃えると更に似合うんだな……」
友希那は貴之と共に互いの格好を褒め合う。ちなみに男子陣は全員膝の近くまであるパンツに上着のセットで、上着が被り物付きなのか、胸や腹を隠しているのか、或いはそのどちらでもないの三つであり、前から順に一真、貴之、俊哉であった。
対する友希那は黒のビキニと非常にシンプルなものを選んでおり、彼からすれば絶賛物であった。これには時折運動していたことも功を奏している。
ちなみに貴之はこの時、パフォーマンスをやれるかどうかを考えていることを明かした。
「えっと……それやった場合って……」
「ダメだよ貴之!それやったらあたしにファイトを申し込む女の子が減っちゃうよ!」
──えっ?そっち?と疑問に思ったリサだが、玲奈のことを考えたらその危惧が出るのは仕方ない。
まあファイトをしに来ている女子は、寧ろ同じ女子ファイターであり、その中でも国内最強の玲奈に行きたくなるのは道理だった。
最悪、貴之に行き過ぎたらそんなことがあったと言えばいい程度に考え、これ以上は深く考えないようにしている。
「えぇ……?ダメったって、やるタイミングそこくらいしかねぇんだけど……?」
──つか、まだ女子がどれくらいいるか分かんねぇだろ?そう突っ込みたかった貴之だが、これで玲奈が止まるわけがないと分かっているので、それは断念した。
「まあ、余程のことさえ無ければわざわざこっちに来てくれた玲奈とのファイトを逃す考え何て無いだろうし、気にし過ぎじゃないか?」
「そ、そう言えばそうだね……」
──貴之がそれやって食いつくのは肉体美を気にする人たちだった……とは思っても口に出さない。面倒ごとになる予感がしたからだ。
それを考えると俊哉も中々……否、付き合っている相手がいないので下手をすれば貴之よりも可能性があった。
「(ちょっと紗夜に促そうかな?)」
貴之のことを考えれば全く気にする必要が無いので、後々リサにも手伝って貰おうかと考えた。
「うーん……これは赤のカラコン買って、右目に付けるのもアリかな……」
「……?何故カラコンなのですか?」
これに関して、俊哉はとあるゲームにいる人物の真似事やれるのに気づいたからであり、気になるなら今度その元ネタを教えるどころか、家に招いて体験するのもいいと答えた。
その提案に紗夜は少し考え、お互いに大丈夫な時に頼む旨を返し、また一つ進めるだろう様子が見えた。
「(ぱ、パーカーで隠すのは目を引くな……)」
「(ほ、本当に私を見てる……貴之君の入れ知恵は本当だったのね)」
俊哉が顔を赤くしながら紗夜の格好を見ているので、紗夜は信じて良かったと思う。他の女子も水着姿になっているのだが、紗夜はそれをパーカーで隠しているので、どんな水着を隠しているのかが分からない。
強いて言えば、玲奈がカットパンツを重ね着しているが、泳がないことを前提にしているからである。
中で話しているのも難だと思い、一先ず外に出て、片や海を満喫しつつ作曲のヒント獲得。片や海を満喫しつつ交流会の前準備から参加になる。
「あっ!ポピパのみんなも来てたのっ!?」
「おおっ!あこに燐子先輩だっ!ひょっとして、Roseliaのみんなも来てるの!?」
「元々は合宿として来ているんですけど、友希那さんが作曲のヒントを得るのも兼ねて小休止です」
ポピパの方は夏の思い出作りとして来ているらしく、これも何かの巡り合わせだと思えた。
また、夕方にはポピパがここでライブすることを決めたらしいので、友希那は彼女らから何かを掴めればと考える。
「そう言えば、あの四人はどうして裏側に行ったんですか?」
「今日はあそこでヴァンガードの交流会やるんだって。秋津君が今日の為にって凄い頑張ってたよ♪」
ちなみに、話しが終わればすぐに戻ってくるらしいので、あまり移動しすぎないようにした。
やるなら覗きに行こうかと話しが出たところで、貴之らも戻ってきた。時間にして十分程度だろう。
「待たせたな。俺らは時間猶予としては一時間くらいだな……まあ、飯を食う時間も考慮してってことにはなるが」
「それくらいあるなら十分じゃないかしら?」
開始が午後一である為、確かに幾分か程余裕がある状況だった。
そうと決まれば少しの間皆で遊ぼうと言う話しが出るわけで、紗夜と友希那、玲奈の三人を省いた女子陣営は早速海辺まで走って行った。
残った三人はそれぞれ意識している相手が残るから一緒にいたいと言うのもあるが、移動の時に先に集まっていれば苦労しないと言う考えもあった。
「どうしたよ?そんなに脇腹つついて……」
「だって、この後それの全貌が見えるのよ?知っている身としては、周りの反応が楽しみなの。特に、Poppin'Partyの五人が」
友希那は貴之の左腕に両腕を組んだ後、左の人差し指で脇腹を何度かつついていた。この時少々愉悦を含んだ笑みになっているのは、今後を想像してのものだった。
「貴之には是非とも成功してもらいたいところだよ……。引き立てとしてもコレ選んだしな」
「友人の為、ですか……いいと思いますよ。私にはそう言う機会、あまりありませんでしたから……」
自分が投げ出してしまったのが原因とは言え、そう言う機会が殆ど無かったからこそ、紗夜はその機会を大事にして欲しいと思った。
俊哉もそれには頷いて答え、これからもできるときはやっていこうと思ったのである。
「(そう言えばさ、一真君は今日アレを使うの?)」
「(使うつもりでいるよ。彼らと約束したからね……)」
ここで言う彼らとは『ロイヤルパラディン』のユニットたちである。元より、『PSYクオリア』の補助なしで一回は使えるようにするだけであり、ファイトの時にどうするかはあまり決めてなかった。
途中から使うことを誓い現在に至っているので、今回は出し惜しみ無しの全力状態である。
当然ながら声を大にして話せる内容じゃないので、囁くような声量で話していた。
「きゃっ……!あこ、やったなぁ~!」
「わぁ~!リサ姉が来る~っ!」
「い、今井さん……!私にも来てますよ……!」
近くではRoseliaの三人が海水の掛け合いに興じていたり──。
「あ~り~さぁ~っ!」
「なっ……おわぁっ!」
他には、海面に忍んでいた香澄が、背後から有咲に抱きついたりしていた。
なお、この瞬間に有咲がバランスを崩して尻餅を着いた後、起き上がろうとしたらたえに出鼻をくじかれて再び尻餅を着き、こうなったらと香澄とたえに一回ずつやり返す姿が見えた。
「……後で混ざろうかしら?」
「もうすぐ時間ですし、また後でですね……」
もう時期昼食を取るべき時間になるので、少し遅かったのだろうと言える。
「いやぁ~……動いた動いた。ちょっと思い切ってはしゃぎすぎちゃったかな?あはは……」
「こう言う場所ですから、いいんじゃないですか?ってか、有咲大丈夫?」
「大分振り回されてたよね……香澄ちゃんとおたえちゃんに……」
歩いている人数比率が11対3でかなりの差があるものの、これくらいなら男子陣がそこまで大変な想いをすることは無い。一真が少し不慣れそうにしているくらいであり、これくらいなら問題にはならないだろう。
また、ここまでで有咲がかなり翻弄されていたらしく、沙綾に少し支えてもらっている。
「な、何とか……お前ら覚えてろよ……!」
「えっ?覚えてた方がいいの?」
「だぁぁっ、何でそんな普通にしてるんだぁ~っ!」
また、こうしてケロっとしているたえを見て、有咲が唸ったのは無理もないだろう。
「玲奈はもう決まってるだろうけど、この挨拶どうすっかな……」
「えっ?何で分かるの?」
『だって、女子の勧誘をするんでしょ?』
もう全員に確認されてしまうくらいにはバレバレであった。
そんなこともあって少ししょぼくれる玲奈だが、そこまであからさまにやっていると分かるので、慰める者はいない。
「あっ、一真。今日はお前に前振りやってもいいか?」
「なるほど……そう言うことなら構わないよ」
交渉成立したので貴之から主催者に話しを通しておくことになった。
そうなると一真は最後に回して貰うことにして、俊哉と玲奈が先に挨拶をすれば良いだろうと話しが上がる。
「パフォーマンスをするのはいいけれど、終わった後はどうするの?」
「そうだな……。コレ、誰かにプレゼントしてもいいかって考えてるけど、この中でいる人は……」
いないよな──?と確認たら案の定だったので、誰かの手に渡ったらその時とした。
サインやその他諸々のことは後で考えるとして、気分でそっちに投げるかも知れない為、一先ず観るのなら十人に固まって貰い、手を振るなりして位置を教えて貰うことにした。
こうして話しも纏まったので、後は談笑しながら昼食を済ませ、ファイターたちは指定されている場所へ、残りの十人は近くで見れる位置に移動を始める。
「昨日一日で大急ぎに練習するくらいだし、どれくらい大変なんだろ?」
「貴之から聞いた話しだと、動きと構築をかなり縛る必要があるらしいわ」
これは後で教えてもらうのだが、一真は軸としたユニット以外はグレード3が存在しないと言う非常に潔いデッキを構築している。
その思い切った構成には全員して啞然したが、貴之らファイターたちは『特化させようとした結果でこう言うことはよくある』と教えてくれた。
「うわ……割合的にも考えたくねぇ事故率……」
デッキからそのユニットが引ける確率は12分1以下なので、非常に低いし、『ダメージチェック』の時に引き当ててしまったら目も当てられないことになる。故に有咲が苦い顔をした。
実際、一真は一度だけそんなことが起きて、グレード3に『ライド』出来ずに大失敗を練習中に起こしているので、どれだけ大変な事かは容易に想像できる。
ちなみに、他の人のデッキはちらほら内容が出てくるものの、貴之の方は全く出てこない。
「えっと……遠導先輩のは……いいんですか?」
「いいのって言われても……貴之さんのって、『オーバーロード』があるのは決定事項だし」
聞いてみたりみも、ここまで丸わかりじゃ話さないはずだと納得できた。
故に、話すとしても中身と切り札たる存在が何かと言うくらいにしかならず、貴之のデッキは話題性が少し弱い面がある。
『さて、参加してくれた皆さん。お待たせしました。これよりヴァンガードの交流会を始めたいと思います』
皆に聞こえるようにマイクで宣言するのと同時、参加者と周りの人から拍手を送られる。
開始の前に本日の回し方を教える。内容としては二時間程の時間を使って様々な人とファイトしていくと言う非常にシンプルなものである。
『では早速開始……の前に、本日のスペシャルゲストをご紹介しましょう。皆さん、よろしくお願いします』
そうして四人が入ってきた瞬間に、参加者のファイターたちは驚きながらも大喜びであった。
自己紹介のお願いをされる際、前もって話し合っていたように俊哉から自己紹介を始める。
『今日は色んな人とファイト出来ればと思っているので、遠慮なく声を掛けてくれると嬉しいです』
こうなったのも、貴之が一真のことを振る、玲奈が女子の歓迎と目立つことをするし、一真は流れ的に最後にすることを決めていたから消去法である。
俊哉の紹介が終わったので、次は玲奈へと回す。彼女はゲストの中でも紅一点であることから、最初の段階で複数の意味を持って注目を集めている。
『女の子とファイトできると更に嬉しいから、是非是非声を掛けて下さいね♪』
──言うと思った。参加者の中に二割程いる女子の中でもそうしたい人は結構多いらしく、玲奈の言葉には喜んでいた。
気になって見ていた人たちも、同胞がいればそうなるかと大体の人が納得していた。
『デッキ新しく弄って来たんで、みんなとファイトを楽しみながら確認していきたいと思います』
ファイトを楽しむ方が本音──と言うのは、貴之の方針を知っていればそうなることは分かっており、誰も文句を言う事は無い。ここでも名が通っていることが追い風になっている。
ここで終わりかと思えば違い、予定通り一つ催促をする。
『今日の為に一真がいいもの用意してるんで、期待してください』
その振り方による盛り上がり具合に、一真は思わず「うげっ」と言いたそうな顔になる。貴之が前振りしたのもあるが、予想以上だった。
『貴之が言った通り、今日の為に練習していたので、この場で成功させたいと思います』
全員が概ね好評な状態で自己紹介を終えたので、ここからは場所を割り振ってファイトを始めていく。
ちなみに今回ゲストとして来た四人は固定の位置として、予め用意されている四ヶ所に、それぞれが話し合って陣取る。
この時貴之がポピパとRoselia十人の近く、玲奈が女子ファイターの集まっていた場所の近くに移動していた。貴之の所はアドリブだが、玲奈の場所は最初から決めていた。
「あっ、俺とファイトいい?」
「よし。自己主張早かったからやろうか」
開始宣言された直後、貴之は自分と同年代だろう明るめな印象を持つ少年とファイトすることを決めた。
Roselia側メインの視点でやると、どうしてもポピパ側の描写が減りがちになってしまうなと感じたこの頃です……。
本編からの変更点はRoselia陣が海へ行くときの反応が、友希那と紗夜も乗り気だったことが大きいでしょう。自らが体格を気にしているので、リサに弄られて半ば諦め半分でないこともあります。
次回は貴之のファイト回かと思います。