先導者と歌姫 -高みを目指して-   作:ブリガンディ

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友人と出かけていたので、少し駆け足気味です。

ちなみに、前回明人の使っていたデッキはブースターパック『The Destructive Roar』に出てくるカードで編集した『スパイクブラザーズ』のデッキです。


サマー13 救世の騎士

「まあ、そう言うことなら仕方ねぇか……」

 

「悪いな。俺も結構バタバタするだろうから」

 

ファイトが終わった後、貴之は明人に『ヴァンガード甲子園』の話を持ち掛けて見たのだが、彼は家庭の事情で参加が厳しいとのことで、残念ながら流すことになった。

それならばまた今度探す必要があると割り切り、ここでは今回のファイトのことを少し話していく。

まず初めに出るのは今回『ジ・エンド』を採用したことから。これに関しては『オーバーロード』を使用するにあたってどうするかの選択をしている最中であるからだった。

ここからファイトを重ねて行きながらデッキを編集し、『ヴァンガード甲子園』が始まる前には完成させる段取りである。

 

「一応今回は(ドロー)トリガーが活きたが、このデッキだと(クリティカル)12枚も視野だな……」

 

「でもその場合、今回よりファイトの時に余裕が無くなるよな……」

 

これは手札的な都合が影響しており、ある程度は仕方ない所があり、そこの取捨選択である。

貴之は今回、(ドロー)トリガーを四枚入れており、『ジ・エンド』を使う場合を考えると少々防御的でもあると言えた。

ユニットの入れ方や、この安定重視なトリガー配分がどう影響するか、それを今日のファイトで確かめられればと貴之は考えを纏める。

 

「話し聞けて良かったぜ。俺はそろそろ他の人とファイトして来る」

 

「分かった。それじゃあまたな……次やる人どうする?」

 

貴之が声をかければ一人、二人と手が上がるので、貴之はその中から一人を選んでいく。

 

「今回はかなり偏った『オーバーロード』だったねぇ……」

 

「決めれば勝ち。そうでなければ負けが、顕著になっていましたね」

 

攻撃回数が増える分、手札の制限はあるし『ドライブチェック』での手札増加が無かったことになる等、予想よりも難しい要素が多かった。

こう考えると、今まで見た『オーバーロード』の中で最も扱いが難しいのだろうと思える。

ここまで纏め終えると、もう一つの方で盛り上がりの声が聞こえたので、そちらに顔を向けて見る。

 

「(よし。上手く行っているな……)」

 

「あっ、この前の……」

 

中心にいたのは一真で、どうやら新しいデッキでの動きが上手く行ったらしい。

貴之があれだけ前置きしたこともあり一番人が集まっているので、一度見に行って見ようという話に決まり、一度場所を移動した。

そちらでは一人の気さくそうな少年と戦うことになるらしく、もう準備も終わっているようだ。

 

「じゃあ、よろしくな」

 

「こちらこそよろしく。いいファイトにしよう」

 

挨拶も程々に済ませ、ファイトの開始をすることにした。

 

「(行けるかい?)」

 

《問題ない。いつでも行けるぞ》

 

──なら、頼むよ。ユニットとの会話を済ませ、一真は『PSYクオリア』の発動をする。

今回は扱う

 

「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」

 

一真が『ぐらいむ』に『ライド』するのはいつも通り、対戦相手は殻から出たばかりの雛竜である『ドラゴンエッグ』に『ライド』する。

 

「なるほど……君は『たちかぜ』使いだったのか」

 

「『たちかぜ』……?種類が多すぎて分かんなくなる……」

 

「何か、『かげろう』と似てる……?」

 

『ドラゴンエッグ』を見たときに、まず思ったのはそこであり、理由は所属が同じ『ドラゴンエインパイア』に属していることにあった。

最大の違いは『フレイムドラゴン』と『ディノドラゴン』であり、過去はこの『ディノドラゴン』が最も数が多かったらしいが、とある事件で急速に数を減らしてしまったそうである。

それに伴って勢力としての力も減衰してしまい、勢力の立て直しをするよりも前に同じ場所にいる勢力に力で支配を強制されてしまっている。

現在は『ドラゴンエインパイア』に属する陸上強襲部隊であるが、もしかしたら今よりも勢力の強い場所になっていた可能性はある。

 

「……これ、テーマは恐竜か?」

 

「そうですね。過去に最も数を伸ばしていて、ある出来事を境に数を減らす……更に地上にいたとなれば恐竜で間違いないでしょうね」

 

地球上の歴史に関係する話しなので、比較的出所が分かりやすい。実際他のドラゴンやら騎士やら言われるより、全然想像もできるのだ。

ファイトとしては『武装ゲージ』という特殊な物を使用し、それによる強化を活かして、複数のユニットで一気に攻め立てるような傾向がある。

ファイトは少年側からの先攻で始まり、『スタンド』アンド『ドロー』を済ませ、オレンジの身体を持った四足歩行の竜『ソニックノア』に『ライド』し、スキルで一枚『ドロー』してターンを終了する。

 

《ここは様子見でいいだろう》

 

「それもそうだね……『アレン』に『ライド』!スキルで一枚『ドロー』……」

 

『アレン』はコンセプトとしているユニットの消耗を避ける事と、『ライド』時のイメージのしやすさから続投とした。

『メインフェイズ』では特にやることが無いので、そのまま攻撃に移ることを決める。

 

「まずは一回行こう……『アレン』でヴァンガードにアタック!」

 

「うーん……とりあえずノーガードで行こうか」

 

一真の『ドライブチェック』はノートリガーで、特に変化は起こらない。

対する相手側の『ダメージチェック』もノートリガーで、大きな変化は起こらないままダメージが1となり、一真のターンは終了した。

 

「『ライド』!『餓竜(がりゅう) メガレックス』!」

 

対戦相手は両手に武器を持った二足歩行の肉食竜『メガレックス』に『ライド』する。

この後の『メインフェイズ』では、前列左側に二枚目の『メガレックス』、後列左側に武装したプテラノドンを思わせる翼竜『翼竜 スカイプテラ』、後列中央には非常に鋭く伸びた爪がある二足歩行の竜『烈爪竜(れっそうりゅう) ラサレイトレックス』が『コール』された。

 

「登場時、ラサレイトレックスはスキルで山札の上から一枚、『武装ゲージ』をこのユニットに置くことができる!」

 

「……装備とか、そんな感じっぽいよね?」

 

「確かにそうかも……真っ先に思いつくの、やっぱりその辺りだよね」

 

ゲームをよくやるあこと燐子は真っ先にそれが思いついた。これはユニットごとに様々な効果を発揮するが、それはこの後見ていくことになる。

少年側の『メインフェイズ』はこれで終わりとし、攻撃に移る。

 

「じゃあ、『ラサレイトレックス』の『ブースト』、『メガレックス』でヴァンガードにアタック!」

 

《直ぐに救援が来る。落ち着いて行こう》

 

「なら、ノーガードにしよう」

 

対戦相手の『ドライブチェック』は(クリティカル)トリガーで、ダメージの増加に成功する。

対する一真の『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー。二枚目が(ヒール)トリガーで、ダメージの増加が抑えられる。

 

「次、『スカイプテラ』の『ブースト』、『メガレックス』でヴァンガードにアタック!アタック時、『カウンターブラスト』とリアガード一体退却で『メガレックス』のスキル発動!『武装ゲージ』を一枚自分の場所に置き、更にリアガードに『メガレックス』がいるなら、このターンが終わるまで、『武装ゲージ』の数だけパワープラス5000!」

 

今回は『ラサレイトレックス』が退却対象に選ばれ、イメージ内では『ラサレイトレックス』を巻き込みながら『メガレックス』が進撃する一面が見られた。

なお、『ラサレイトレックス』は退却する際に『ソウルブラスト』をすることでスキルを発動し、『武装ゲージ』の内一枚を手札に戻していた。

 

「うわぁ~……弱肉強食だぁ……」

 

自然の摂理だなぁ……と思いながらも、リサは容赦なく巻き込む姿に若干の抵抗を覚えた。『ネオネクタール』が『プラント・トークン』を集め、一緒に戦うという真逆の性質も影響しているだろう。

 

《無理に対抗する必要はない》

 

「そうだね。ならば、ここもノーガード」

 

一真の『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが2になってターンが終わる。

 

《再び我が剣を手に……》

 

「無論、そのつもりだとも……その剣で光の道を切り拓け!『ライド』、『ブラスター・ブレード』!」

 

この時、余裕があるのでスキルを使ってリアガードの『メガレックス』を退却させておく。

『メインフェイズ』では前列左側に『ブラスター・レイピア』、後列中央に『ブラスター・ダガー』、後列左側に『ブラスター・ジャベリン』が『コール』された。

 

「……あら?あの三体は『シャドウパラディン』側にいたはず……」

 

ここで真っ先に気づいたのは友希那で、自分が使う時と比べ、鎧や武器が白を基調とし、青のラインが入っているものになっていた。これは『ロイヤルパラディン』側に合わせたものとなっているのだろう。

後で資料集を引っ張り出して気付くことになるのだが、『クレイ』の危機に乗じて『ロイヤルパラディン』へ助太刀する際に格好を統一させもらったそうだ。

もう一体を出せばスキルで『ブラスター・ブレード』の(クリティカル)を2にすることが可能だが、ここは無理せず『メインフェイズ』を終わりにした。

 

《まずは確認からするといいだろう……》

 

「ならば、まずは『ブラスター・ジャベリン』の『ブースト』、『ブラスター・レイピア』でヴァンガードにアタック!アタック時、こちらのヴァンガードに『ブラスター』、または『アークセイバー』の名が付いているのなら、『ブラスター・レイピア』のスキルで山札の上から一枚を確認し、山札の一番上か下か、どちらかに置くことができる」

 

「……ノーガードにするか」

 

このスキルを聞いた時、どこか『オラクルシンクタンク』っぽいと思ったのは分かる話しであり、今回一真は一番下を選んだ。

なお、この時『ブラスター・レイピア』と同じ条件で『ブラスター・ジャベリン』はパワーをプラス2000しており、痒い所に手が届く様な状態でもあった。

対戦相手の『ダメージチェック』は(ドロー)トリガーで、手札の確保に成功する。

 

 

「この剣に、保険はかけるか?『ブラスター・ダガー』の『ブースト』、『ブラスター・ブレード』でヴァンガードにアタック!」

 

「パワーは足りてるんだよな……だったらノーガード」

 

現在『メガレックス』のパワーは19000、『ブラスター・ダガー』の『ブースト』を得た『ブラスター・ブレード』のパワーは18000で、トリガーが引けないと足りない状況にあった。

そんな時に行った『ドライブチェック』は(ドロー)トリガーで、山札操作が功を奏した。

一方で相手側の『ダメージチェック』も(ドロー)トリガーで、二枚目の手札確保を済ませて一真のターンが終わりとなった。

現在一真ダメージが2、対戦相手のダメージが3であり、この対戦相手スピードを考えると、次のターンで大きく動きそうな予感が出てくる。

 

「やるっきゃないか……『ライド』、『餓竜 ギガレックス』!」

 

対戦相手は赤、橙と言った暖色系の色の身体を持った複数の武装を持つ竜『ギガレックス』に『ライド』する。

『たちかぜ』が持つ『イマジナリーギフト』は『アクセル』で、彼は今回『アクセルⅠ』を選択した。

 

「手札確保を捨てたのは……後が無いのかな?」

 

「ある程度は強引に手札を保てるのもありそうだよね……」

 

「……?ⅠとⅡは何が違うんですか?」

 

貴之と燐子がファイトした時に『アクセル』は使われなかったので、香澄は一回聞いてみることにした。

違いはパワー増加が大きいのか、パワー増加が小さい代わりに手札の一枚ドローがあるのか。共通はサークルが一つ増え、攻撃回数も増やせることにある。

これだけ聞くとどう考えても『アクセルⅡ』の方がいいのではないかと思うが、今回相手はやるしかないと言っており、そこが『アクセルⅠ』を選ばせた理由にあるのだろうと推測できた。

『メインフェイズ』では前列右側に少々機械的な印象のあるマンモス『アンテプトマンモス』、後列中央に『ラサレイトレックス』、後列右側に『ソニックノア』、そして『アクセルサークル』に黒い身体を持つ巨大な肉食竜『暴君 デスレックス』が『コール』される。

本来、『ギガレックス』は『メインフェイズ』時に『カウンターブラスト』と『武装ゲージ』を五枚使うことで前列リアガード三枚のパワーをプラス5000し、相手のダメージが4以下なら1ダメージを与えることができたのだが、これは一真が上手く退却させて行ったことで阻止している。

 

「……乗り切る準備は?」

 

《既に出来ている。後は切り返すぞ》

 

相手が攻撃して来るよりも前に、一真はユニットに確認を取っておく。これならば心配無いので、後はしっかりと凌ぐだけである。

 

「まずは『ラサレイトレックス』の『ブースト』、『ギガレックス』でヴァンガードにアタック!この時、『ギガレックス』のスキルでリアガード全てに『武装ゲージ』を一枚追加し、このバトル中『ギガレックス』のパワーをプラス5000!」

 

《まだ慌てる時ではない……》

 

「ならば、ここはノーガードで行こう」

 

──さあ、貴方のイメージを見せてくれ。口には出さないものの、一真は相手の動きを注視する。

相手の『ドライブチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が(クリティカル)トリガーで、パワーは『メガレックス』、(クリティカル)はヴァンガードに回された。

イメージ内では、『ギガレックス』が『ブラスター・ブレード』となった一真に肉薄し、背にある武装群を押し付けながら通り抜けていく、言わば通り魔とも言える行動を二回行う。

 

「め、めっちゃ痛そう……」

 

「だ、大丈夫かな……」

 

声を出したりみと香澄を筆頭に、ポピパの五人が心配した様子を見せる。確かに、あれだけの質量にぶつかられたらひとたまりも無いので、その気持ちは大いに理解できるし、Roseliaの五人もそうなる自分を想像(イメージ)するのは少し気が引けた。

一方で、一真の『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が(ドロー)トリガーである為、一先ずやり過ごすこと自体は可能になったと言える。

 

「こっちは届かないから……『ソニックノア』の『ブースト』、『アンテプトマンモス』で『ブラスター・レイピア』にアタック!」

 

「頼むぞ!『エポナ』、『うぃんがる』」

 

『ブラスター・レイピア』は次のターンで決めるのに必須な為、意地でも防ぐことを選んだ。

なお、『ソニックノア』は『ブースト』した時にスキルを発動しており、『アンテプトマンモス』の『武装ゲージ』を一枚増やしている。

 

「『アンテプトマンモス』はスキルで自分の『武装ゲージ』を一枚捨てる……これは付け焼き刃だけどな」

 

なお、これを行わない場合は退却する羽目になるので、ここはやっておきたい場面である。

『ソニックノア』を後ろに置いた理由もこれにあり、相性の良さを物語っている。

 

「次は『スカイプテラ』の『ブースト』、『メガレックス』でヴァンガードにアタック!この時、『メガレックス』のスキル発動!」

 

退却対象は再び『ラサレイトレックス』で、『ラサレイトレックス』も退却時のスキルを発動する。

この行動に対して一真はノーガードを選び、『ダメージチェック』がノートリガーで、ダメージが5になった。

 

「最後は『デスレックス』でヴァンガードにアタック!ヴァンガードにアタックした時、『ソウルブラスト』と自分のリアガードを一体退却して『デスレックス』のスキル発動!退却させたリアガードが持つ『武装ゲージ』一枚につき、パワーをプラス10000!」

 

「ここは『イゾルデ』で『完全ガード』!」

 

この時、『スカイプテラ』を対象に選んでおり、退却した『スカイプテラ』は『カウンターブラスト』をすることで退却の代わりに手札へ戻っていった。

ここを防ぐことで攻撃は終わり、少年側のターンの終了を意味し、この時少年は如何にもやらかしたと言わんばかりの表情をしていた。

 

「……それだけ凄いのかな?」

 

「今日の朝まで練習をしていたくらいだから、それはありえそうね……」

 

恐らく労力を出した意味があるものになることは間違いない。大事なのは、それがもたらす周りの反応であろう。

 

《全ての用意は整った……後は行くのみ!》

 

「この戦いに終止符を打つは、『クレイ』の大地へ救世を行う光の騎士……!『ライド』!」

 

イメージ内で一真が白を基調とし、青のラインが入っている鎧を身に纏う、青い光が刃となった剣と頭頂部から髪のように伸びた炎のを宿す兜を被った騎士になる。

このユニットこそ、彼が丸一日と今日の朝を掛けて必死に使いこなせるように練習していた存在である。

 

「『メサイアニック・ロード・ブラスター』!」

 

その名は『メサイアニック・ロード・ブラスター』。『クレイ』の危機が迫った時に現れる、救世の騎士である。

 

「(来たか……!)」

 

「『イマジナリーギフト』、『フォースⅠ』!」

 

対戦相手が気を引き締める中、一真は『フォースⅠ』をヴァンガードに設置することを選ぶ。これは『メサイアニック』のスキルが関係しており、これ以外選びようが無いのも影響している。

『メインフェイズ』では前列右側に『ブラスター・ブレード』、後列右側に『ブラスター・ダガー』、そして後列中央には白と青の二色を基調とした鎧を身に纏う弓兵『ブラスター・アロー』が『コール』された。この時、『ブラスター・ブレード』のスキルで『メガレックス』を退却させることも忘れない。

今回『コール』した三体と『メサイアニック』、『ブラスター・ジャベリン』、『ブラスター・レイピア』の計六種類の『ブラスター』の名を含むユニットが揃ったことにより、『メサイアニック』の真の力が発揮されることになる。

 

「自分の場に『ブラスター』の名を含むユニットが六種類いる時、『メサイアニック』はスキルでリアガード全てが持つ元々のパワーと(クリティカル)を得る!」

 

「(蓄積、もう既に揃ってやがったか……!)」

 

もう既に完成していたことで、対戦相手は額から嫌な汗を流し、周りの人たちは歓声を上げる。もしこれで『完全ガード』を持っていない場合、これだけで勝負が決ってしまうような状況であった。

 

「えっと……パワー10000が三体、パワー8000が二体。それから(クリティカル)は全員1。更に『フォースⅠ』があって、これの合計を『メサイアニック』に与えるから……」

 

リサが確認も兼ねて呟きながら計算し、その結論が出たのか表情が固まったので皆で計算してみると、恐ろしい数値になっていることが確認できた。

 

「ぱ、パワーが69000で……(クリティカル)が6だ……」

 

もうこの段階で攻撃を当て、(ヒール)トリガーを引かなければルールの都合上勝ちが確定している状況であり、これだけでも尋常じゃないのに、更なる死刑宣告が待っていた。

 

「えっと……他にも六種類揃ってるとスキルを発動するのがいるよな?」

 

「ああ。『ブラスター・レイピア』は自分のパワーをプラス15000。『ブラスター・アロー』は『ブラスター』の名を含むユニットが相手の効果による対象に選ばれない。そして……『ブラスター・ダガー』は、『ブラスター』の名を含むユニット全てに『ブースト』を与える」

 

つまり、『メサイアニック』の攻撃には『ブラスター・アロー』の『ブースト』も乗ることになるのだ。もう何がどうなっているんだといいたくなるが、そもそも条件が厳しすぎるので、これくらい無ければ使う視野に入れられないだろう。

 

「この後、『ツインドライブ』もありますよね?これが二枚とも(クリティカル)トリガーだった場合……」

 

「パワー99000。そして(クリティカル)が8ね……」

 

──流石にやり過ぎじゃないかしら?そう思ってしまう友希那だが、これは労力に会う成果だろうと思えた。

 

「では、救世の一振りを見せよう……『ブラスター・アロー』の『ブースト』、『メサイアニック・ロード・ブラスター』でヴァンガードにアタック!」

 

「だ、ダメだ……このまま受けるしかない!」

 

どうやら『完全ガード』を持っていなかったらしく、攻撃がそのまま通されることになった。

そして、今回の『ツインドライブ』でものの見事に二枚とも(クリティカル)トリガーを引き当て、効果を全てヴァンガードに宛がった。

イメージ内で『メサイアニック』となった一真は剣を頭上に掲げてから光の刃を巨大化させ、それを上から下へ真っ直ぐに振り下ろす。

それは『ギガレックス』となった対戦相手に直撃し、光となって消滅させる。

『ダメージチェック』の結果はそれを表すかの如く全てノートリガーで、ダメージが6になったことで一真の勝ちを示した。

 

「あ、あれはもう受けたらどうしようもないな……」

 

(ヒール)トリガー四枚引いても、最低4ダメージだからね……いや、今回も無事に決められて良かったよ」

 

二回連続で成功させることができたのだから、ほぼ間違いないと見ていいだろう。今回の練習は大成功で収められたと言える。

対戦が終わったので、「ありがとうございました」と挨拶をしながら握手を交わし、今度こそ対戦を終わりとした。

その後も何度かファイトを重ね、時間になったのでこれで交流会が終わりになる。

 

『ではこれにて交流会を終わりにします。ゲストの皆さんも、ありがとうございました』

 

この直後拍手が幾つも飛んできたことから、この交流会は成功とみて間違いないだろう。




一真が使ったのはトライアルデッキ『先導アイチ』をブースターパック『救世の光 破滅の理』で編集した『ロイヤルパラディン』のデッキ。
対戦相手はブースターパック『The Destructive Roar』に出てくるカードで編集した『たちかぜ』のデッキです。

次回はこのまま続きを書いていき、海のイベントが終わると思います。
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