ちなみにラスバレ初期選択は夢結お姉さまにしました
追記……ヴァンガードはライドデッキやら
時は進み、夏も後半となってきたある日──。普段自力で起きるのならほんの少し遅めだろう時間に携帯電話の着信音が聞こえたので、貴之はそれを手に取って電話に出る。
「……もしもし?」
『朝早くからごめんなさい。瑞樹だけど、この後時間空いてるかしら?』
「ええ。空いてますよ」
電話の主は瑞樹であり、電話越しにやや真剣そうな声が聞こえた。
その為貴之も至って真面目に答え、先を促す。
『実は、とあるデッキ……正確にはそのデッキに存在する一つのユニットと言った方が合ってるわね……。それの検証に協力して欲しいの』
「検証……?いいですけど、取り敢えずそのユニットを見せてもらってから決めてもいいですか?」
『大丈夫よ。そう言うことなら、どこかのお店で集合しましょうか。頼み込む以上、『レーヴ』に来いは言いづらいから……』
瑞樹の提案には了解の旨を伝えて、集合場所を決めてから電話を切る。そうと決まれば選択は早く、顔を洗って朝食を済ませ、そこから歯を磨いてから着替えて家を出る。
今から行けば集合場所が開店するタイミングで合流できる為、人が集まり過ぎないタイミングで話し合いを始められるだろう。
「(……と言っても、どんなユニットなんだ?)」
題に上げていたユニットを意識しながら、貴之は歩を進めて行った。
* * *
「お待たせしました」
「大丈夫よ。今来たばかりだから……」
家を出てからものの三十分後に二人は店前で合流し、早速中に入った。
普段からよく行く羽沢珈琲店は自分と友希那のことを知っている人が多くて選べなかったので、別の喫茶店にしている。
「ここにはよく来るの?」
「いえ、普段は別の場所です」
こう言うことは素直に答えておく、自分と瑞樹の関係を知る人は少ないので、考えなしに選ぶと面倒ごとが起こりそうだったのだから。
それならばと瑞樹も責めることは無く、寧ろその選択をしてくれたらことに安心する。
「今回、私が検証を頼もうとしたのはこのユニットよ」
「このユニットですか……って、こいつは……!?」
貴之はそのユニットの特徴に驚愕する。あまりにも分かりやすすぎる程の未知がそこにあった。
そして、これを確かめるのに自分が選ばれた理由は何となく分かっている……というよりも、消去法で自分以外選べないが正確だった。
「厳しいとは思うでしょうけれど、これが使えると分かれば……」
「新しい選択肢が生まれる、か……」
新しい選択肢が生まれることは、コンテンツとしての寿命が伸びることも意味することがあるので、これは是非ともやっておきたいと思った貴之は引き受けることにした。
こうして交渉が成立し、それならばと早速『レーヴ』へ向かうことにした──。
「……貴之君?」
「あら……」
「……ああ、分かった。取り敢えず話しをしようか」
まさかの瑞樹と面識のない燐子と鉢合わせすることになり、誤解を避ける為にも事情説明をすることにした。
* * *
「えっ……これを使うの?」
「まあ、何が起きるか分からねぇままだけど……」
事情を聞いた後『レーヴ』で件のユニットを見せてもらった燐子が啞然とした。
実際、貴之も正気を疑ってしまったが、これを使った時にどうなるかは間違いなく意識しておく必要のあることだった。
どうしてこれを貴之に頼み込んだかと言われれば、瑞樹の知る限りでは彼しかグレード4を自力制御できるファイターがおらず、他のファイターに頼むのは不安要素が大きすぎたのである。
強いて言えば一真も行ける可能性はあるが、今回は自然な対応ができる貴之の方が適任であった。
「えっと……貴之君、一つだけいい?」
「な、何を……?」
燐子に声を掛けられるのはいいが、何やら凄みを感じた笑みだったので、貴之は引きつった笑みを返してしまった。
「友希那さんには……話したの?」
「い、いや……話せてない……」
自分があの表情を見せた段階でもうボロが出ているし、噓をついても反感を買うしかないので、ここは正直に話す。
ただし、今回はどちらもいい回答でないことには変わりなく、燐子はこんなことを言ってきた。
「少なくともこう言うことは……友希那さんに話そう?ね?」
「はい。そうします……」
何だかリサのような圧を感じ、素直に従うしかなかった。
また、この直後燐子はお騒がせしましたと秋山姉妹に詫びているが、こちらも急な頼みだったのでと余り気にしていない。
「貴之って、他にも女の子と交流があったりするの?」
「まだ何人か……こっちに戻ってきてから、増えすぎたと言ってましたけど……」
正直なところ、十数人増えた人間関係で、半数以上が女子だと言うことを考えればその範囲は圧倒的すぎる。
先が思いやられるのかと考えたが、結局友希那のことを考えたらそんなことはないだろうと結衣はそれ以上考えないことにした。
「じゃあ、準備はいいですか?」
「ああ。今日はよろしくな」
今日の対戦相手は留美で、貴之は彼女と指定されたデッキを使用してのファイトとなる。
「(こいつを使用した時にどうなるか……それが問題だな)」
──あの負担が来なけりゃいいが……。そんな不安を感じながら、貴之は準備を終える。
終えたタイミングでは留美も準備を済ませていたので、後はこのままファイト開始となる。
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」
貴之は笛を持った和服の少年である『新風のパーン』に、留美は帽子を被ってメガネを付けたどことなく教授を思わせるオウムである『ブラックボード・オーム』に『ライド』した。
「あのデッキ……『ジェネシス』ですか?」
「うん。貴之に頼んだユニットは、『ジェネシス』にいるとあるユニットじゃないと使えないから……」
貴之が今回使うのは、『ユナイテッドサンクチュアリ』に所属する、『オラクルシンクタンク』が予知した予知された絶望的な未来を塗り替えるために創設した複合企業体である。
ファイトとしては『ソウル』を多く活用する『クラン』の一つであり、『ペインムーン』のように展開するタイプでも、『ダークイレギュラーズ』のように溜め込んでから一気に爆発させるタイプでもなく、何らかの形でアドバンテージを取っていくタイプである。
「留美は『グレートネイチャー』のままか」
「まあ、変に変えるよりはこっちの方がいいと思うので」
──使い慣れてると安心しますよね?留美の問いかけに貴之も肯定を示す。
留美が使う『グレートネイチャー』は『ズー』にある動物たちの総合大学である。
ファイトとしては山札の残量を減らすディスアドバンテージの代わりにパワーや追加効果でアドバンテージを得るという、リスクリターンの考慮して戦うものになる。
「じゃあ私から……『ライド』、『モノキュラス・タイガー』!」
留美の先攻でファイトが始まり、彼女は右目にレンズのようなものを掛けた虎の『モノキュラス』に『ライド』してターンを終える。
「『ライド』!『天球のアトラス』!ヴァンガードに登場時、スキルで『ソウルチャージ』」
貴之は二つの球体を持った和服姿の青年『アトラス』になる。
ここではもうやることが無いので、そのまま攻撃へ移ることにした。
「一旦攻撃……『アトラス』でヴァンガードにアタック!」
「……ノーガードで」
流石にここで防ぐのは早すぎと言う判断で素通しに決めた。
貴之の『ドライブチェック』、留美の『ダメージチェック』は共にノートリガーで、大きな変化がないまま互いの一ターンが終わる。
「じゃあ、行きますね?『パイナキュラス・タイガー』に『ライド』!」
留美は背中に巨大な双眼鏡をつけた虎の『パイナキュラス』に『ライド』した。
『メインフェイズ』では前列左側に鉛筆風の武器を持った、二足歩行するハムスター型の戦士『
「うーん……『
「あっ……確か今回って、ヴァンガードも対象のユニットじゃないですね」
「うん。『ソウル』にも対象のユニットがいないし、『ソウルチャージ』も間に合わないから、今回は効果なしでの運用になっちゃったんだ」
──いくら普段使わないデッキだと言っても、貴之相手だもんね……。留美の悩みはよく理解でき、結衣も彼女の立場に立って考えた。
ヴァンガードで活用しようにも『ソウル』に対象ユニットがおらずに断念、リアガードのスキルを得るにはまだ対象のユニットに『ライド』できるターンじゃない。そうなると後者の運用ができるように賭けるしかないのである。
ただ、そのユニット自体はサブプランに近いので、本当に最終手段だと留めて留美は攻撃に移る。
「じゃあ行きますね……『タンク・マウス』の『ブースト』、『パイナキュラス』でヴァンガードにアタック!この時、『カウンターブラスト』して『パイナキュラス』のスキル発動!山札の上から一枚を『ドロップゾーン』に置きますね」
「あっ、これがさっき言ってた……」
「ええ。『グレートネイチャー』の持ち味よ」
この後、出て来たユニットの種類に応じてスキルが選択され、留美はそれに合わせた動きを、貴之は対応を求められることになる。
今回はトリガーではなく、『ノーマルユニット』が引き当てられた。
「『ノーマルユニット』が出たので、山札から一枚引きますね。更に、一ターンに一度、山札から『ドロップゾーン』に置かれた時、『タンク・マウス』のスキルでそれを手札に加えます!」
「あっ、補填手段もあるんだ……」
仮にこれで『トリガーユニット』を落とした場合、強力なスキルを得ながら、『タンク・マウス』のスキルで防御手段確保にも繋がるのである。これは中々便利だなと燐子は思った。
貴之は今回ノーガードを選択し、『ドライブチェック』を促すと、留美は
対する貴之は一枚目がノートリガー。二枚目が
「次は『シルバー・ウルフ』の『ブースト』、『
「それもノーガードで行くか。『ダメージチェック』……」
留美が『はむすけ』と言う呼称で略さないのは、その名を持ったユニットが複数種類いるのが影響している。
イメージ内で鉛筆の見た目をした爆薬入り弾丸と言う、奇妙なものを受けた後に行われた『ダメージチェック』の結果はノートリガーで、貴之のダメージは2になった。
「流石に使えるのは四ターン目からかしら?」
「いや……これやろうと思えば三ターン目で使えそうです」
返ってきた回答に瑞樹は「あら……」と思わず声を出した。どうやら手札の揃いがかなりいいらしい。
「『ライド』!『白妙の魔術師 コルツ』!」
貴之が『ライド』したのは、白の道義と帽子に、黒の上着を来た男性魔術師だった。
『メインフェイズ』では前列左側に和服を着る青髪の男性『舞灯のプロメテウス』、後列左側に月を思わせる金色の髪が目を引く和服の女性『月光のダイアナ』が『コール』される。
「登場時、『プロメテウス』のスキルで山札の上から二枚を見て、一枚を『ソウル』に、もう一枚を山札の上に置くことができる……」
どことなく『オラクルシンクタンク』に近いスキルであり、燐子はデッキの軸に合わせて決めればいいんだろうなと察する。
この辺りは山札操作を経験している都合から、非常に素早く理解に及ぶことが出来ている証拠であった。
「よし。『コルツ』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガードで」
ダメージが1なので、まだ余裕を持っていいと言う判断だった。
ただ、この思惑は貴之の『ドライブチェック』が
「通してくれるか……?『ダイアナ』の『ブースト』、『プロメテウス』でヴァンガードにアタック!」
「相手のターンに発揮できるものじゃないし……ノーガード!」
次のターンで決着を着ける気持ちで留美は割り切った判断をする。
この時の『ダメージチェック』は
「『ブースト』した攻撃がヒットした時、『カウンターブラスト』と『ソウルブラスト』で『ダイアナ』のスキル発動!『イマジナリーギフト』、『フォース』を『ヴァンガードサークル』に設置できる!今回選ぶのは、『フォースⅠ』!」
「速い……!二ターン目から『イマジナリーギフト』が使えるなんて……」
このデッキ以外にできるのは紗夜が使っている『ブロンドエイゼル』を組み込んだ『ゴールドパラディン』のデッキだが、攻撃ヒット依存などがあるので、安定性まで求めたら『エイゼル』系のデッキ以外不可能だろう。
また、この時『フォースⅠ』を選んだのは、デッキコンセプト上、こちらを選ばないと有効活用ができないという問題点が存在していた。
それに歯がゆさを感じながら、貴之はターンを終えるのであった。
「……どうですか?まだ本領にはなってないけど、一応確認です」
「取り敢えずここまでは何も問題ないぞ。後は、この後どうなるかだな……」
現状、まだ本気のユニットが出せていないので、大した変化はないに越したことはない。
留美からすると、ファイト的に勝つならこのターンしかないが、ここで決めてしまってやり直しはちょっと貴之に申し訳ないと一瞬考え──それをすぐに否定する。
何故なら貴之は全力のファイトを望んでおり、手加減する方が失礼に当たる行動だからである。
「じゃあ、行きますよっ!『ライド』!『学園の狩人 レオパルド』!」
留美は口と背に斬撃用の武器を携えている豹の『レオパルド』に『ライド』した。
このユニットは登場時にスキルを発動し、山札の上から一枚を『ドロップゾーン』に送る。
その結果は『トリガーユニット』で、こちらを引き当てた時の効果が発動される。
「『トリガーユニット』を引いたので、このターンの間『レオパルド』はパワープラス15000に
なお、『ノーマルユニット』を引いた場合は、山札の上から四枚を見て、グレード2以下のユニットを二枚まで『コール』してから山札をシャッフルするものになっている。
つまり今回は、かなり攻撃に寄ったスキルを発動したことになる。また、この時『タンク・マウス』のスキルを使うことも忘れない。
「『イマジナリーギフト』、『アクセルⅠ』!」
『グレートネイチャー』の『イマジナリーギフト』は『アクセル』で、Ⅰを選んだのは『タンク・マウス』で『ドロップゾーン』に落とす分を補えるからであった。
『メインフェイズ』では前列右側に二体目の『パイナキュラス』、後列右側にこれまた二体目の『モノキュラス』、そして『アクセルサークル』には地球儀を思わせる球体で寝そべるようにしているパンダ『ジオグラフ・ジャイアント』が『コール』された。
『ジオグラフ』は追加された『リアガードサークル』──早い話が『アクセルサークル』にいるとパワーがプラス8000される。
「行きます!『モノキュラス』の『ブースト』、『パイナキュラス』でヴァンガードにアタック!この時、『モノキュラス』と『パイナキュラス』のスキル発動!」
それぞれ山札から一枚を『ドロップゾーン』に置き、『モノキュラス』は『ノーマルユニット』、『パイナキュラス』は『トリガーユニット』だった。
『モノキュラス』はこのバトル中、相手に『
この時、退却させたのは『プロメテウス』で、『インターセプト』封じを優先した。
貴之の『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが3になる。
「次は『タンク・マウス』の『ブースト』、『レオパルド』でヴァンガードにアタック!」
「『希望の管理人 パンドラ』で『完全ガード』!」
ここのトリガー次第で防ぐ必要が無くなる為、貴之は『完全ガード』しつつ様子見にする。
『ツインドライブ』の結果は二枚とも
その後の『ダメージチェック』の結果はそれぞれノートリガーで、ダメージが5になってターンが終わる。
「よし、じゃあ行くぞ……ライド・ザ・ヴァンガード!『煌天神 ウラヌス』!」
貴之は和服と背まで伸ばした髪が特徴的な男性になる。
ここでも『フォースⅠ』をヴァンガードに設置するのだが、もう一つ追加で設置できるスキルがある。
「登場時、二枚『ソウルブラスト』することで、『フォースⅠ』をヴァンガードに!」
これにより、『フォースⅠ』が合計三枚となり、後二枚で完成となる。
更に『メインフェイズ』では前列左側に『プロメテウス』、前列右側にはメガネを掛けた黒髪の女性『詩聖のパルテノス』、そして後列左側と後列右側に『アトラス』が『コール』される。
「『カウンターブラスト』と自身を『ソウル』に置くことで『アトラス』のスキル発動!ヴァンガードの種族に星詠があるなら、『フォースⅠ』をヴァンガードに!」
これを双方共に行うことで、『フォースⅠ』がヴァンガードに五枚も設置され、時が満ちる。
「ヴァンガードに『フォース』が五枚ある時、『ウラヌス』のスキル発動!後列中央は『
「驚いたわ……まさか本当に成功させるなんて」
基本的に四ターンかけなければ難しいのだが、貴之は三ターン目に実践して見せたのである。
そして、その状況になって現れるユニットは、今回の議案となったユニットである。
「コール・ザ・リアガード!現れよ、グレード5!『絶界巨神 ヴァルケリオン』!」
後列中央の空間が変わった直後、黒い身体を持った巨神が現れる。
これが議案のユニットであり、ヴァンガードに『ライド』しないとはいえ、グレード5であることから危険材料だらけでリリース可否の判断が不可能だったのだ。
「(何だ……?背中に物凄い存在感を感じる……)」
「た、貴之……!大丈夫!?」
「大丈夫だ!ただ、なんていうか……背中に感じる存在感がデカすぎて……」
速い話が、貴之は集中力を削がれかけている状態であり、なれさえすれば全く問題ないだろう様子が見えた。
ただこれは、他の人も無事ならばリリースが可能になる判断材料になったので、結果オーライと言える。
「『ヴァルケリオン』が手札から登場した時スキル発動!山札の上から五枚を見て、一枚を『ドロップゾーン』に置くことで、このターンの『ドライブチェック』はそのユニットのグレードと同じ数になる!」
今回選んだのは『ウラヌス』で、『ヴァルケリオン』は『トリプルドライブ』を獲得する。
この後残りの後列に『ダイアナ』を『コール』して攻撃に移る。
「ここまで来たらゴリ押しだな……『ウラヌス』でヴァンガードにアタック!」
「『ケーブル・シープ』で『完全ガード』!」
貴之の『ツインドライブ』は二枚とも
「ちょ、ちょっと……!?」
「えっと……『ヴァルケリオン』は元々パワー70000でしたよね?」
「うん。そこにトリガー二枚でパワーがプラス20000、更に
これが後列からも飛んで来るのだから、考えたくもない数値であった。『星域』の影響でこれが後列から飛んで来るというのも、前代未聞と言えた。
ここで留美が焦っていたのは、貴之の『完全ガード』がもうない一点読みが刺さってしまったからである。
「これで決着だ!『ヴァルケリオン』でヴァンガードにアタック!」
留美が素通しをした後『トリプルドライブ』は三枚目だけ
パワー100000という暴力的な数値から、イメージ内では『ヴァルケリオン』の周囲に漂う球体から無数のレーザーが発射された。
それをまともに受けた『レオパルド』となった留美が消滅したのを表すように、『ダメージチェック』は全てノートリガーで、ここでダメージが6となって決着が付いた。
「どうですか?何か反動はあったり……」
「いや、こいつは何も無い……ヴァンガードとして使わねぇからか?」
ただ、妙な存在感が後ろにちらつくので、やりづらいと感じたのは本音であるので、忘れずに伝える。
それを聞いて、後は他の人次第でという判断が付いた。
「それが聞けて安心したわ……『ヌーベルバーグ』みたいなことになったら、流石に見送りだもの」
「ですよね……」
一先ず詳しい話しは挨拶をしてからということで、まずはファイト終了の挨拶を済ませる。
「宛は誰かいるかしら?」
「まずは一真からじゃないかと考えてます。あいつも大丈夫なら他の人って感じで……あっ、結衣はもうやったのか?」
「私はまだだよ。でも、そっか……一応私でもいいんだ」
貴之の考え方を察した結衣は結論に至る。もちろん無理強いはしないだろうが、それでもやってみる価値はあると思えた。
ならば次は結衣がやることに決まり、早速ファイトをしてみる。
「うん……やっぱり私も貴之と同じ。妙だけど危険じゃないね」
危険性がないだけでも大助かりなので、後は人伝を探っていくことになる。
「えっと、私も……一回いいですか?」
『……!?』
燐子も手伝えるならと申し出てくれ、一度本当にいいのかは確認を取る。
すると燐子は「それが助けになるなら」と献身的な姿勢を見せてくれ、ならばと託すことにした。
「うぅ……ずっと見られてる感じがする……」
「や、やっぱりそうなるよな……」
気恥ずかしい様子を見せるだけで済んでいる為、これならば問題ないことが判明した。
後は資料を纏めて提出するだけらしいので、貴之らは上がることにする。
そして、『ヴァンガード甲子園』が終わった辺りで正式にリリースされることが決定し、後に挑戦するファイターたちがちらちら現れていたというらしい。
貴之が使用したのはトライアルデッキ『新田新右衛門』。留美が使ったのはブースターパック『The Answer of Truth』にあるカードで編集した『グレートネイチャー』のデッキになります。
グレード5への回答という狙いになります。
以前の感想返信ではグレード4よりヤバいと答えていましたが、それはヴァンガード前提で考えてしまっていたので、リアガードだとこんな感じという形に収まりました。
次回に一話だけファイト展開を挟んでこの夏休み編を終了とし、新章に突入します。