先導者と歌姫 -高みを目指して-   作:ブリガンディ

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本日決勝戦です。

睡眠取った後、Roseliaの映画見に行こうと思います。


ネクスト19 世界を止めないで

「お疲れ。これ差し入れな?」

 

「助かるよ……荷が軽くなった気分だ……」

 

宮地側に戻った後、一真は盛大に溜息をつく。

これに関しては宮地側の男子陣は全員事情を聞いている為、仕方ないと割り切れいている。

 

「後は、彼がどうやって戦うか、だね……」

 

「正直なところ、僕らはどっちに転んでも何とも言えないのは辛いね……」

 

宮地側の問題点はここにあり、どうしても気難しい状況ができ上がってしまう。

そう言うことなら貴之に勝ってもらうのが一番だが、そう上手くいくとは限らないし、それでも信じるしかないのも事実だった。

 

「遠導君。あなたは本当にそれでいいのですか?」

 

「ええ。俺にはこれが一番です」

 

彼女は知らないが、貴之は『超越者への祝福(ストライダー・ギフト)』の恩恵もあって尚更『ヌーベルバーグ』が合わなくなってしまったのである。

それどころか、瑚愛が作り出してしまったこの流れを食い止める為にも、尚更使う訳には行かない。

 

「あなたなら分かってくれると思っていましたが……」

 

「生憎、俺は大人数の道を切り落とす選択ができる外道になっちゃいませんよ……」

 

そもそもの価値観が違いすぎるせいで、このように平行線となってしまう。

これが理由で、両者はファイトで決着をつけるしかないと結論に至った。

 

「「スタンドアップ・ザ・ヴァンガード!」」

 

二人がなるファーストヴァンガードは以前と全く組み合わせだが、ターン自体は瑚愛が先攻で、そこは反対になる。

瑚愛は『ウェッジムーブ』に『ライド』してターンを終える。

対する貴之は『サーベル・ドラゴニュート』に『ライド』し、前列左側に『ガイアース』の『コール』も行う。

 

「貴之、速攻を狙いに行ってるのか……?」

 

「相手が相手だしな……一真の時と同じだろう」

 

前回は成功しなかったが、やる意味はある。

仮に手札を消費しても、『サーベル・ドラゴニュート』で手札差を作ることはできるので、必要なら狙うでもいいのだろう。

 

「よし、『サーベル・ドラゴニュート』でヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード、どうぞ」

 

『ドライブチェック』の結果は(ドロー)トリガーで、後々で助かるものが得られた。

対する『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが1になる。

スキルで手札を一枚加え、これでかなり有利な手札を確保できた。

 

「もういっちょ……!『ガイアース』でヴァンガードにアタック!」

 

「それもノーガードにします。『ダメージチェック』……」

 

その結果は(ドロー)トリガーで、手札を確保しつつダメージが2になってターンが終わる。

 

「(グレード1だけ見ると特に変わっていない……ただ、速攻だけは止める必要がありますね)」

 

「(見た感じ攻め込めそうだが……後は流れ次第だな)」

 

僅かに貴之が有利を取れているが、油断はできない。

 

「『ライド』、『ロストブレイク・ドラゴン』。リアガードにも一枚『コール』します」

 

「(『バインド』稼ぎに来たな……さて、どれくらい貯まる?)」

 

前列左側にも『コール』され、『バインド』コストは合計6となった。

比較的少なめと言える進行状況であり、余程極端な出さえ無ければエクストラターンを決められることは無いだろう。

 

「(先攻である以上、変にこだわってはいけませんね……)」

 

そんな貴之の予想通り瑚愛はエクストラターン獲得を選択肢から捨て、後列左側に『カライン』を『コール』して攻撃に入る。

 

「では、『ロストブレイク』でヴァンガードにアタック」

 

「一旦ノーガード。どうぞ」

 

『ドライブチェック』の結果は(ヒール)トリガーで、ダメージが回復する。

対する『ダメージチェック』はノートリガーだったので、これでダメージが並ぶことになる。

 

「こうなると、狙っていた速攻は無理そうですね……」

 

「そうなると、貴之君は切り替える……どっちで詰めるのがいいんだろう?」

 

『ザ・グレート』か『ジ・エンド』かだが、四ターン目に決めきれない前提なら前者、そうでないなら後者になるだろう。

次の攻撃もノーガードし、結果はノートリガーで、ダメージが2になってターンが終わった。

 

「『ライド』!『ドラゴンフルアーマード・バスター』!」

 

スキルで『ロストブレイク』を退却させ、手札に『オーバーロード』を加える。

『メインフェイズ』で後列左側に『バーサーク・ドラゴン』を『コール』し、『ガイアース』と前後を入れ替える。

 

「行くぞ……『フルアーマード・バスター』でヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガードにします」

 

『ドライブチェック』の結果は(ヒール)トリガーでダメージが0になる。

対する『ダメージチェック』はノートリガーで、大きな変化なく、瑚愛のダメージが2になった。

 

「次は『ガイアース』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」

 

「少し余裕を持っておきましょう……『スチームドクター マルターシュ』で『ガード』」

 

『オーバーロード』の爆発力を警戒してか、ここで一度防ぐことを選んだ。

これによってダメージが通らない為、ここで貴之のターンが終わる。

 

「……貴之、ダメージを浮かせすぎたかしら?」

 

「確かに、相手の動き次第だと『オーバーロード』のスキルが発動できない……」

 

ここから来るグレード4ラッシュを考えると幾分か楽と言いたかったが、ダメージ0は相手の戦術が変わりかねない為、それはそれで危険である。

ただ、『ドライブ』のことを考えるとどの道攻撃は来ると考え、余裕ができたと言う考え方もできる以上、瑚愛の判断次第だろう。

 

「私は、あなたが否定した力で更なる道を作りましょう……」

 

「この期に及んでまだ言うか……行き過ぎた力の行使は、悪影響を及ぼしますよ」

 

瑚愛の考え方と貴之の考え方はやはりお互いが相容れない。

どうやらファイトで決着をつけるしかないようだ。

 

「ならば、私の道が正解であることを証明するまで……!ライド・ザ・ヴァンガード!『ロストレジェンド』!」

 

『フォースⅠ』をヴァンガードに設置した後、『メインフェイズ』で前列右側に『ロストブレイク』、後列右側に『ウェッジムーブ』を『コール』する。

ここから『ロストブレイク』のスキルを発動した後、『ロストレジェンド』のスキルで『イディアライズ』に『S・ライド』する。

 

「今回の『バインド』コストは10……よって、それに合わせたスキルを発動します」

 

この為、貴之は『ガイアース』を山札の下に戻し瑚愛は山札の上にいた『カライン』を『S・コール』する。

 

「いきます。『カライン』の『ブースト』、『イディアライズ』でヴァンガードにアタック。この時、『カライン』はスキルを発動します」

 

「ここは無視していい……ノーガード」

 

『ツインドライブ』は一枚目がノートリガー、二枚目が(クリティカル)トリガーで、ダメージが1増加する。

対する『ダメージチェック』は二枚ともノートリガーで、一気にダメージが2になる。

この攻撃が終わった後、『カライン』はスキルで『バインド』される。

 

「次は『ウェッジムーブ』の『ブースト』、『ロストブレイク』でヴァンガードにアタック」

 

「ノーガード。『ダメージチェック』……」

 

その結果はノートリガーで、ダメージが3になる。

 

「最後。『カライン』の『ブースト』、『ロストブレイク』でヴァンガードにアタック」

 

「それは『ラクシャ』で『ガード』!」

 

最後の攻撃は防ぎ、これで瑚愛のダメージが2、貴之のダメージが3の状況でターンが終わる。

この時『イディアライズ』は退却し、『ロストレジェンド』に『S・ライド』して『フォースⅠ』がもう一枚ヴァンガードに置かれる。

 

「(よし、行くぜ……!)」

 

ここからは『超越者への祝福(ストライダー・ギフト)』も使える段階になったため、迷わずそれを使う。

前回のファイトから使わねば止められないと感じてはいたし、何よりも大会では使うと決めていたのもあって躊躇う理由がない。

 

「ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」

 

『フォースⅡ』を前列左側に設置し、『メインフェイズ』で後列左側に『エルモ』、後列右側に『サーベル・ドラゴニュート』、後列右側に『バーサーク・ドラゴン』を『コール』し、『オーバーロード』のスキルも発動させる。

 

「さて……まずは『サーベル・ドラゴニュート』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」

 

「ノーガード。『ダメージチェック』……」

 

結果はノートリガーで、ダメージが3になって並ぶ。

 

「一旦退却狙うか……『オーバーロード』で右の『ロストブレイク』に攻撃だ!」

 

「いいでしょう。ノーガードです」

 

『ツインドライブ』で二枚とも(クリティカル)トリガーが出たので、これが大きな圧力と化す。

素通ししてもらえたことで、ここは一度『スタンド』させてもらうと同時、『サーベル・ドラゴニュート』を退却させて手札を確保する。

 

「次は『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」

 

「もらう訳にはいきません……『カシュテリア』で『完全ガード』」

 

防がれたものの、『ドライブチェック』が(クリティカル)トリガーだった為、もう一度『ガード』かトリガー勝負の二択を迫れる展開になる。

 

「最後に『エルモ』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」

 

「『リンリン・ワーカー』二枚で『ガード』します」

 

瑚愛は安全を意識するようで、ここは防いだ。

これにより、ダメージが3のままターンが終わる。

 

「(防がれた分は仕方ねぇ……エクストラターンを阻止できる見込みができただけよしだ)」

 

これならばまだ大丈夫と貴之は考えることが出来ている辺り、以前と比べて余裕がある。

ただ、それでも油断できないのは単純に『ミステリーフレア』の性能が問題だろう。

 

「次、ですよね……」

 

「幸いにも、今の『バインド』コストは10……流石にここから19は厳しいでしょう」

 

ただ、全ユニットのパワープラス10000は狙えるので、そこをどうにかしたいところである。

ドライブも(クリティカル)もプラス1される以上、『ミステリーフレア』に『完全ガード』を強要されるのはもうやむを得ないだろう。

 

「けれど、それは同時に、そこさえ乗り切れば貴之の勝ちだと教えてくれているわ……」

 

「『オーバーロード』系とサポートユニットまで考えると……後二枚まで残るのが理想だね」

 

そこまで確保出来れば、後は貴之が流れで全て巻き返せるのだから、正にここが正念場である。

 

「うひゃ~……整理したらアタシまで緊張してきちゃった……」

 

「あはは……実は、私もです」

 

ヴァンガードの世界の存続すら関わってしまっている今、貴之の状況は全く他人事と言えない状態になってしまっている。

故に、貴之の勝利を願う人は非常に多い──どころか、瑚愛の勝利を願う人がいないと言っても過言ではない程である。

 

「(貴之、空気は貴之の味方だよ……だから、後は向こうの流れに乗らないで)」

 

『PSYクオリア』に目覚めた影響か、玲奈は周りの空気に関して鋭敏になってきていた。

誰もが瑚愛の作る道を歩みたがらないその空気を、より直で感じているのである。

 

「……?先攻とは言え、予想より進みが悪い……」

 

「勝ちを確信しているわけじゃないけど、あなたの行こうとしている道が歓迎されてないってことでしょうね……」

 

下手をするとユニットにすらと感じているが、それをファイト中にいうわけにも行かないので、そこは話さないでおく。

 

「そうですか……しかし、そうだとしても止まる意味は見出せませんね」

 

「(こりゃ、一回打ち負かさないと気づいてもらえねぇな……)」

 

『メインフェイズ』宣言を聞きながら、貴之は自身がどうするべきかを再確認する。

前列右側に再三『ロストブレイク』が『コール』され、スキルが発動した後『ロストレジェンド』のスキルで『ミステリーフレア』に『S・ライド』する。

 

「今回の『バインド』は14……どうにかエクストラターンは来ないで済んだな」

 

「後は、トリガーがどうなるかだね……」

 

「では、『カライン』の『ブースト』、『ミステリーフレア』でヴァンガードにアタック」

 

「『ワイバーンガード バリィ』、『完全ガード』だ!」

 

この『トリプルドライブ』は一枚目と二枚目が(クリティカル)トリガー、三枚目が(ドロー)トリガーで、効果が全て左側の『ロストブレイク』に回される。

次の『ウェッジムーブ』の『ブースト』した『ロストブレイク』の攻撃は『ゲンジョウ』と『ター』で防ぎ、ダメージを免れる。

最後の一発はパワーが大きすぎる為、ここはトリガー勝負に出るしかなかった。

 

「さあ、これで最後です……!」

 

「そうとは限らないですよ……?『ダメージチェック』……」

 

一枚目と二枚目はノートリガーだが、三枚目が(ヒール)トリガーで、貴之のダメージが5で留まり生き残った。

 

「なっ……!?」

 

「俺自身、諦めの悪いやつだって自覚はありますけど……」

 

──今回ばかりは、ここにいる殆どの人がそうなったかもしれませんね。その瞬間、玲奈が一真に勝った時以上の歓声が聞こえる。

このターンはもう何もできない瑚愛はターン終了の宣言をするしかなく、貴之はこれで気が楽になると認識するのと同時、自分がそこまで緊張していないことに気付く。

 

「(多分、友希那のおかげだな……)」

 

決勝に出る直前の貰い物が関わっていると予想でき、これで平常心を保てていたことを確信する。

きっと友希那はいつものお礼と言うだろうが、これは間違いなく返そうにも返しきれない礼になる。

 

「羽月さん。あなたに教えてやるぞ……。俺の……いや、この国全てのファイターたちの想いと願いを!」

 

「想いと願い……?」

 

瑚愛の問いには、このターンで刮目しろと言わんばかりに『スタンド』アンド『ドロー』を始める。

 

「間違った進み方を、文字通りジ・エンドにする……!ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード・ジ・エンド』!」

 

『フォースⅡ』をヴァンガードに設置した後、後列中央に『カラミティタワー・ワイバーン』、後列右側に『デカット』を『コール』し、『デカット』のスキルを発動した後、空いた後列右側に『サーベル・ドラゴニュート』を『コール』する。

また、『カラミティタワー』のスキルも発動し、『ジ・エンド』のパワーをプラス15000しておき、空いた後列中央に『エルモ』を『コール』する。

 

「まずは前列リアガードを全滅させる……!」

 

貴之はリアガードの攻撃を全て前列リアガードを退却させることに回した。

これで残りはヴァンガード同士の真っ向勝負になる。

 

「まず一回目……『ジ・エンド』でヴァンガードにアタック!」

 

「『カシュテリア』で『完全ガード』。共に『コール』するのは『ナブー』です」

 

『ツインドライブ』は二枚とも(クリティカル)トリガーで、その後『ソウル』に『オーバーロード』と名のあるユニットが存在する場合のスキルを発動し、パワープラス10000と共に『スタンド』する。

この段階で、(クリティカル)トリガーを二枚も引けたのは非常に大きく、瑚愛の表情が僅かに動く。

 

「相手は(ヒール)トリガーを一枚出してて、貴之のダメージが5の段階でダメージ3、『完全ガード』は使えても後一枚だっ……!」

 

「なら、貴之がもう一回(クリティカル)トリガーを引いて、それを通しちまえば相手は三枚目以降全部(ヒール)トリガーを引かなきゃいけない勝負に持っていける……!うんうん、全然勝ちが見える!」

 

瑚愛の手札は『完全ガード』を二回も出すことができず、『カラミティタワー』のおかげでオーバーパワーを得ることに成功している。

これならば次にトリガーを引こうと引くまいと三回目の攻撃は確実に通るし、更に(クリティカル)トリガーを引いてしまえば勝ちすら確定しかけてしまう場面になったのである。

 

「もう一度……『ジ・エンド』でヴァンガードにアタック!」

 

「『カシュテリア』で『完全ガード』。共にコールするのは……『マルターシュ』です」

 

「……!二枚目が出た!?」

 

「じゃあ、ここで……(クリティカル)トリガーを引いちゃえば……!」

 

そこで貴之の勝ちが確定する──。そんな状況下で貴之が『ドライブチェック』を行う。

 

「ゲット!(クリティカル)トリガー!効果は全てヴァンガードに!」

 

「今引けたと言うことは……!」

 

「これで、貴之の勝ちね……」

 

自分たちを助けてくれた先導者の道は繋がる。それだけでも大いに安心できる内容だった。

 

「あいつこの場で引いてきた……!」

 

「貴之……見事だ!」

 

「これでヴァンガードの世界は続いていく……」

 

「そう言うことなら、また彼とも戦えるんだ……」

 

宮地側ではこの土壇場で勝ってみせた貴之を称賛する一真と竜馬、この結果に安心する弘人と颯樹がいた。

 

「よっしゃ引いた!」

 

「もう相手は防ぐことすら叶わない……!」

 

「だから……後は、攻撃するだけ!」

 

「貴之、迷うことは無いよ!」

 

「『エルモ』!『ジ・エンド』!俺たちの全てをぶつけて!この世界が続く道を切り開いてくれぇ!」

 

イメージ内で、『ジ・エンド』となった貴之が『ロストレジェンド』となった瑚愛に肉薄する。

最初から容赦せず両手の剣で突き刺し、そのまま二つの銃を何度も接射で浴びせたあと、空に放り投げる。

飛んで行った『ロストレジェンド』となった瑚愛に、今度は口から吐き出す炎と二つの銃で追い打ちをかけながら追いすがり、かかと落としで地面に叩き落す。

最後に炎を纏わせた二つの剣をX字に振るって切り裂くと、『ロストレジェンド』なった瑚愛は光となって消滅する。

その証拠に『ダメージチェック』では見事に三枚連続のノートリガーで、ダメージが6となってファイトが終わりを迎えた。

 

「まさか……こんなことが起こるなんて。ですが、お見事です」

 

「やっぱり、俺にはこっちの方が合ってました。『ヌーベルバーグ』を止めた時からより型に嵌った感じしてましたし」

 

想定外ながら貴之を称賛する瑚愛と、自分の性分を再確認する貴之。

お互いにファイトを経験して改善を試みるところは、きっと同じなのだろう。

 

「ところで、あなたの言っていた想いと願いというのは……」

 

「ああ、それですか……まあ、早い話になると、この国にいるファイターも、『クレイ』にいるユニットたちも、もっと長い時間戦いたかったんですよ」

 

「……そうですか。それは、他のファイターを考慮できなかった私の落ち度ですね」

 

しかしながら、これでグレード4は使いたい人だけが使えばいいことを貴之が証明してくれたので、少なくとも使って圧勝すると絶望を与えるなんてことは無くなる。それだけでも瑚愛には気が楽になることだろう。

この後は以前ファイトした時のお互いの主張が強すぎたことを詫びあい、再戦の約束もして挨拶を済ませ、両者に拍手が送られる。

 

「ふぅ……やっと終わった」

 

「……遠導君?」

 

ファイト台寄りかかりながら、貴之はヴァンガードの未来を思って考え詰めている日々だったので、ようやく休憩できる旨を素直に話した。

これに関して、瑚愛は大分無理させてしまったが、それすら乗り越えた彼は見事だと感じる。

 

「よし。表彰式あるし、俺はこれで失礼します」

 

「ええ。またどこかで」

 

互いにファイト台から立ち去った瞬間、貴之の方に後江のファイターたちが駆け寄って来ていた。そして──。

 

「……うおぉぉぉおお!?」

 

全員で抱きよりに来た為、勢いに負けた貴之は芝生に背中をぶつけることになる。

 

「やったな貴之!お前よくやったよ!」

 

「流石の度胸とファイトだったぞ!」

 

「ありがとう!最後勝ってくれて!」

 

「貴之……本当にありがとう!」

 

「お前らなぁ……礼を言いたいのはこっちだぜ」

 

嬉しさの余り顔を赤くしながらの笑みを見た貴之は、目元を潤ませながらの笑みを返した。

その姿勢のまま歓声が止まない会場内で友希那のことを探しだし、見つけ出すや否、そちらの方に左手で笑みと共にサムズアップを見せる。左手なのは、左側にいたからだ。

 

「(貴之、本当にお疲れ様)」

 

それをみた友希那も、彼に笑みとサムズアップを返すのであった。




長々と続いたファイト展開にお付き合いいただきありがとうございました。

後はエピローグとアンケート頂いた後日談を書くので、最後までお付き合いいただけると幸いです。

後日談でどんな話を読みたいですか?

  • 貴之らの年末
  • 貴之が原作世界へ遊びに行く
  • 貴之が紗夜ヒロインの世界へ遊びに行く
  • アニメバンドリ2期のどこかの話
  • アニメバンドリ3期8話での話
  • この物語から10年後の話
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