今回のファイトはバンドリパックに合わせて、『オーダーカード』ありのルールでファイト展開になります。本編ではストーリーの都合上まだ『オーダーカード』が解禁されていないことに注意です。
また、今回限定の独自設定があります。
ヴァンガードifでは中二的なことを考えると『エルはどっちみち得しかしていないのでは?』と思いました(笑)。『こんな力、誰が望んだと言ったんだ!?』的なセリフは突如得てしまった力に苦悩する主人公感あるので、そう言った意味でも願望が叶っている感じがあります。(表側にいたエルは本当に苦悩していたので必ずしもとは限りませんが……)
後、伊吹がとうとう「ワクワクすっぞ!」って言った辺り完全に振り切れていますね(笑)。
ガルパピコは真面目組の意見が取り入れて貰えなかったと言う悲しみが……。最後のあれが何だったのかは凄い気になりますね。
それから、前日バンドリと日清カップヌードルのコラボ品が届きました。Tシャツセットの方なので、イベントの時とかに着ていきたいところです。
ドラマCDを聞こうと意気込んでいたらCDプレイヤーが死んでおり、『ちくしょぉぉぉう!』と絶望したのが私です……(泣)。買ってこないと。
「未来から来たかも知れないユニット……ですか?」
「ええ……結衣から聞いた話しと照らし合わせてそう考えたの。貴之君もこれを見て、意見を貰えないかしら?」
これは五バンドによる合同ライブ──『ガールズバンドパーティー』が終わってから数か月。Roseliaが復活ライブを終え、貴之が『ヴァンガード甲子園』も終えて新年を迎えて間もないある日の──あり得たかも知れないもしもの出来事である。
『ヴァンガード甲子園』が終わった後にルールが新しく追加され、貴之らはそれに順応して次の全国大会に備えたデッキ構築を行っている最中である。
もうじき新学期が始まろうとするこの日、瑞希に呼ばれた貴之は『レーヴ』へ赴いて話しを聞いていた。
一先ず確認してみる必要があると思い、貴之はそのデッキを手に取って確認してみる。
「なっ……友希那がユニットに!?いや、友希那だけじゃねぇ……リサや紗夜、Roseliaの全員がか……!」
まさか自分の知人がユニットとなっているとは思わず、貴之は思わず目を見開く。
ただ、これだけだとどうして結衣がそう考えたかを理解できないので、一先ず確認する。
「でも、これだけじゃ判断材料が足りないな……」
「貴之、『ノーマルオーダー』のカードを見てみて。それが理由に繋がるの」
『ヴァンガード甲子園』が終わった後に『オーダーカード』と言うものが追加されており、また新しく戦略が広がっっている。
この『オーダーカード』には自分の『メインフェイズ』に使用する『ノーマルオーダー』と、相手のターンに使う『ブリッツオーダー』の二種類が追加されており、原則として場には残らない即効性のカードとなっている。他のカードゲーム風に言うなら
なお、これらも発動条件はヴァンガードのグレードが関わっており、ヴァンガードのグレードを上回っている場合はそのターンに使用できない。『オーダーカード』は『シールドパワー』等を持たないので、構築する際のユニット減少によるデッキの防御力低下には注意が必要になるだろう。
「『BLACK SHOUT』は知ってるからまだいいが……残りの二曲は知らねぇな。友希那が完成させた曲の中にこの二つは無いし、未来から来たかも知れないってのも頷けるな……」
「貴之さんもそう言うなら、ユイ姉の考えは当たりかも……?」
──友希那が一曲作ってたけど、どっちかがそれなのか?貴之は友希那が作っていた曲を思い出しながら考える。
しかしながら、見ただけではどんな曲かの勝手が分からないので、これはファイト中のイメージで考えるしかないと割り切る。
「このデッキ、一度ファイトで確かめて見ようと思ったんだけど……使うファイターは友希那ちゃんが良さそうね?」
「そうですね。このデッキ、友希那がメインだっていうのが分かりやすく示されてますしね……」
瑞希の提案に反対する理由はどこにもなかった。Roseliaなら誰でも大丈夫──と言いたかったが、最適を聞かれたら友希那だろう。
「じゃあ、相手は貴之さんがやりますか?」
「うーん……それもいいが……。ん?もう一つあるのか?」
「あっ。そっちはまだ確認してなかったんだった……」
結衣の呟きを拾った貴之が見ていいかと問えば頷いてくれたので、早速確認させて貰う。
「こっちも見たことねぇ曲が多い……ってか、全部知らねぇ曲だな。結衣、この曲たちを聞いたことあるか?」
「どれどれ……?ううん。私も聞いたことないよ。それもまだ現在じゃ作られてない曲みたいだね」
「これは……いよいよ持って信憑性を増して来たわね……」
まさか一曲も知らないと言う事態になるとは思ってもみなかったので、一瞬だけ面食らった。瑞希も顎に手を当てながらどうしてこのカードがここに突如現れたのかを考える。
朝起きたら店のカウンターに置かれていたので、最初は誰かの
これと同時に、店に人があまり来ないことを思い出して悲しくなったが、気にし過ぎは良くないと気持ちを切り替える。
「どうします?そのデッキも誰か呼びますか?」
「そうしようと思う。こっちも適任は割り出せたし」
瑠美の問いに肯定を返した後、瑞希に頼まれた貴之は友希那ともう一人に連絡を取り、その話しをするべく時間を貰うのだった。
* * *
「わざわざ頼みを聞いてくれてありがとうな。物がだったから、二人に頼むべきと思ってな……」
「私は特に問題無かったけれど、戸山さんは大丈夫だったかしら?」
「予定的には大丈夫ですっ!ただ、有咲からは『二人の間に割り込む気かっ!?』って疑われちゃいましたけど……」
──私誘われた側なのにぃ……。ちょっと涙目になった香澄を見て少々申し訳なくなった。一応疑いは晴れているので、そこから先の心配は無い。
なお、リサはバイトがあるのと、その後最近気になる相手と出掛ける予定を立てているので今日は来ない。ちなみに、その手の話しはリサよりも燐子の方が少し早かったのはまだ内緒らしい。本人曰く、付き合い始めたら言おうかなと考えているとのことだった。
「……『レーヴ』?私始めて知りました……。カードショップなんですよね?」
「知名度の低さが滅多に人の来ない店を定着させてる場所でな……。おかげで『ヌーベルバーグ』の練習には最適だったが」
「私たちが知っている場所は、三人姉妹で経営しているの。と言っても、その内二人は年齢の都合でバイト扱いだけれど……」
香澄が『レーヴ』に行ったことが無いので、移動中に簡単な説明をしておく。三人で共に移動しているのは場所が分かり難いことも教え、彼女に納得してもらう。
途中でデッキの内容を聞かれたが、貴之は驚いて貰いたいのでまだ話さないでおいた。
「来ましたよ」
「あら。三人ともいらっしゃい」
貴之と友希那は慣れた様子で、香澄は辺りを見渡しながら入店していく。
ここに来るのが始めてだったので、香澄と秋山姉妹で挨拶を済ませておき、互いにそれぞれの呼び方も決まる。
女子同士だと凄い楽だな──。と貴之が考えていると、香澄が何かに気づいて声を上げる。
「あれ?この『オーバーロード』、遠導先輩のサイン入り!?」
「ああ……それまだ残ってるんだ」
「俊哉のサイン入りの『ダイユーシャ』に、秋津君のサイン入りの『ブラスター・ブレード』……かなりあるわね?」
「ここに来る人って、大体貴之の知人だからね……友希那もそうだし」
結構な値段になってしまっているのもそうだが、来る人が来る人なので結局売れていないらしい。
まあいつかは買う人も来るだろうと思いながら、今はこれ以上考えないことにして、そろそろ本題に入ることにした。
「さて……それじゃあ、今日二人を呼んだ理由に入るけど、とあるデッキを使って二人でファイトして欲しいのよ」
「……?いいですけど、どのデッキを使えばいいんですか?」
「えっと……友希那先輩はまだしも、私で大丈夫なんですか?」
「大丈夫……と言うよりも、香澄さんじゃないとダメって言った方がいいのかも」
ちょっと困った笑みを見せながら、瑠美がそれぞれに使って貰いたいデッキを二人に渡す。
まずは中身を見てほしいと促して、デッキの確認をしてもらう。
「「えっ……私!?」」
「まあこうなったか……」
「貴之君、最後まで隠していたようね……」
二人の反応を見て一先ず満足したところで、今回の使うデッキだけの特殊なカードを確認してもらう。
「『楽曲』……?なにこれ、見たことない……」
「一応、『ノーマルオーダー』の一種みたいだけれど……」
「それ、ターンが終わるまでは場に残り続けるらしいぞ。多分、ステージや、ライブする姿を映すモニターが中央後列として、後はパートごとなんじゃねぇか?」
貴之の言葉を聞いて、大きなステージで行われるなら納得だと友希那は結論付けた。
自分が感じたことを香澄にも伝え、彼女にも納得してもらう。ヴァンガードのことはまだまだ知識の浅い香澄だが、およそ一年で十分な知識を得たバンドならば話しが分かるようだ。
「まあ、これも何かの縁と言うことであなたたちを呼ぶことに決めたの。自分たちならイメージもしやすいでしょう?」
「確かにそうですけど……私たちで、ね……」
瑞希の言いたいことはよく分かるが、『クレイ』の大地をある程度見てきた友希那はどうしても固定観念ができてしまっている。
その為どういうファイトになるのかが浮かびにくいのだが、ここでファイト経験が少なく、比較的
「友希那先輩、私たちがいつか演奏したいおっきなステージをイメージするってどうですか?」
「ステージを……?なるほどね。なら、それでやってみましょう」
「はいっ!よろしくお願いします!」
香澄のおかげで決心が着いたので、早速ファイトの準備を進めていく。
まだデッキが混ざっていないかったのもあり、お互いにしっかりとシャッフルをして、引き直しまで行った。
「始めるわよ?」
「(さて……どんなファイトが見れるかな?)」
問いかける友希那と頷く香澄を見ながら、貴之はこのファイトの行く末を楽しみに待つ。
未来から来たかも知れないデッキと言うのは、非常に大きな興味を沸かせてくれていた。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」
香澄は始めてヴァンガードに触れた時から標準の掛け声を使っており、特に変更されてはいなかった。
「『ライド』!『始まりの鐘 湊 友希那』!」
「『ライド』!『ドキドキの始まり 戸山 香澄』!」
二人がライドしたのは、ステージ衣装を着ている時の自分であった。
この時の衣装は双方が始めて着用したことのある衣装であり、恐らく未来では最も定着しているのだろうと推測できた。
また、今回立った『クレイ』の大地も普段の岩肌に囲まれた場所ではなく、特設ステージの上と言わんばかりに広大な場所で、所々にスポットライトが確認できて、観客たちがペンライトを持って自分たちを応援しているだろう様子が伺える。
「うわぁ~……広~いっ!」
「これなら、この姿でも十分にイメージができるわね」
ルール的には交代で一曲ずつ演奏を行い、最後のトリを勝ち取った方が勝利……と言うイメージになるだろうと二人で考えた。
「先攻は私が貰っていいかしら?」
友希那の問いに香澄が頷いたので、友希那のターンから始まることが決まる。
この時イメージ内で観客が持っているペンライトの色が青に変わり、チームに合わせてくれているのが伺えた。
──これはいいわね……。その光景に、友希那は嬉しさを感じた。恐らくイメージ内のペンライトを持っている人たちはノーサイド精神だとは思われるが、それでも自分たちを応援されるのは暖かいものを感じるのだ。
「まずは準備からね……『染まりゆく世界 湊 友希那』にライド!スキルで一枚ドロー……」
この時イメージ内で友希那の姿が変わることはないが、輝きがましたように思える。
こうなったのも、人物はそのままで、ステージ衣装も変化していないことが影響している。
「登場時、友希那の……自分の名前を言うのはどうも違和感があるわね……。なら、私のスキルを発動!」
「おおっ!?友希那さんから強いイメージを感じる……」
「なるほど……『ライド』しているのが自分だからこそ、ね」
「思い切った方がきっといいイメージを出せる……友希那はそう考えたんだね」
「(流石は友希那だ……言わずとも自分から実行出来てる)」
友希那の選択を見ていた四人が称賛する。これには香澄も感銘を受けているので、恐らく彼女もそうすることを選ぶだろう。
「山札の上から五枚見て、グレード2以上の<Roselia>のユニットを一枚まで公開して手札に加えるわ。今回選ぶのは……『迸る情熱 今井 リサ』!」
「リサ先輩かぁ……サポート強そうだなぁ……」
「みんな、リサに持っている印象は近いのかもしれないわね?」
香澄の考え方は友希那も貴之も同意なので、もしかしたら本当にそうかもしれない。そう考えると幼馴染みへの信頼に笑みを浮かべる。
友希那のスキルはこの後手札の内一枚を捨てなければならないので、その効果処理を終えてから『メインフェイズ』に入る。
「ここで早速一曲……『楽曲オーダー』、『BLACK SHOUT』を発動するわ」
『ノーマルオーダー』は『メインフェイズ』でのみ発動できる為、使う場合はここになる。
これらのカードは使用後すぐに『ドロップゾーン』送りになるのだが、今回使った『楽曲オーダー』はターン終了時まで後列中央に設置されるのが最大の違いだった。
「登場時、一枚引いて、このターンの間ユニット二枚のパワーをプラス5000」
この『オーダー』を発動した瞬間、イメージ内では『BLACK SHOUT』の演奏が始まった。
今現在、場には友希那しかいないのだが、どうやら一時的に他のメンバーも来てくれるらしい。
一ターン目先攻なのでパワー増加は無駄になってしまうが、友希那は今回、手札の確保を優先した故に発動を選んでいる。
「先攻は攻撃できないからこれでターンを終了……次はそちらの番ね」
イメージ内ではターンの終わりで丁度『BLACK SHOUT』の演奏が終わり、Roseliaのメンバーは一度ステージ裏に移動する。
その後次はポピパの番だと言わんばかりに、ペンライトの色が青からピンクに変わる。
「よーし……じゃあ私もっ!『きらめく星 戸山 香澄』に『ライド』っ!スキルで一枚ドローして……相手ヴァンガードのグレードが1以上だから『クイックシールド・チケット』も一緒に獲得♪」
「『クイックシールド』は本当に便利なものを追加してくれたと思うよ……。おかげで後攻の時に『ガード』する選択がしやすくなった」
「みんな『オーダーカード』で悩んでるのに、『クイックシールド』はあっさり順応したからね」
現状だと『クイックシールド』くらいしか『ブリッツオーダー』は存在しないが、この『クイックシールド』が扱いやすい為、敢えて後攻を狙う人も少し増えている。
ちなみに貴之の場合はどちらでも構わない派であり、使えたら使うくらいの認識であった。
「ヴァンガードに登場した際、私のスキル発動!山札の上から七枚見て、『戸山 香澄』を含むグレード3のユニットを一枚手札に加えちゃいます♪」
「あら、退却効果が無い『フルアーマード・バスター』みたいね?」
「言われてみればそうだな……このやり方は確かに『フルアーマード・バスター』を思い出す」
『オーバーロード』を主軸にしている関係上、この手のスキルを散々使った貴之は友希那の感想に同意する。
今回のスキルは対象がピンポイントに縛られているからか、手札を捨てるデメリットは存在しない。
これで終わりというわけではなく、香澄も『メインフェイズ』でできる行動を取る。
「それじゃあ早速こっちも一曲……『
『BLACK SHOUT』の時と同じでこちらも他のメンバーが一時的に現れ、演奏を開始する。
「それから、『友達想い 市ヶ谷 有咲』を『コール』っ!リアガードに登場時、『ソウルブラスト』と、手札から一枚
有咲が『コール』された場所は前列左側であり、この後攻撃を行うための配置だった。
このターンでお互いにカード効果で呼んだユニットは、各チームの母親ないし姉のポジションにいるメンバーだったのは偶然だろう。
「じゃあ、ここで攻撃……まずは私でヴァンガードにアタック!」
「まずはノーガードにしましょう。続けて」
香澄の『ドライブチェック』はノートリガーで、大きな変化は起こらない。
これによって攻撃がヒットすることになるのだが、イメージ内では待機していた友希那がポピパのライブに関心し、自分たちはそれに負けず最高の演奏をするだけだと意識確認をする様子が見れた。恐らくは武器で争うことは無く、音の奏で合いになるからだろう。
ここでの『ダメージチェック』はノートリガーで、友希那のダメージが1になった。
「次は有咲でヴァンガードにアタック!」
「そうね……これもノーガードで行くわ。『ダメージチェック』……」
手札を確認した友希那は、次のターンに繋ぐためにノーガードを選ぶ。
この時の『ダメージチェック』
結果として友希那のダメージが2になってターンが終了し、一曲終えたポピパが一度ステージ裏に移動すると、再びペンライトがRoseliaの番に合わせて青に変わった。
「『スタンド』アンド『ドロー』……『ライド』!『静かな熱意 湊 友希那』!ヴァンガードに登場した時、スキルで二枚『ソウルチャージ』して、その内一枚以上が<Roselia>のユニットが『ソウルチャージ』された場合、一枚引くわ」
次に行われたのは『ソウルチャージ』であった。手札の確保は、恐らくデッキコンセプト上自然にできると推測できた。
「ここでメンバーを揃えましょう……『静寂の奏者 氷川 紗夜』、『迸る情熱 今井 リサ』を『コール』!リサがリアガードに登場時、『ソウルチャージ』してこのターン、<Roselia>のユニット一枚のパワーをプラス5000……今回は紗夜を選ぶわ」
紗夜は前列右側、リサは前列左側に『コール』された。誰かに恩恵を与えるのはリサらしいと思えた。
「次、『小さな魔王 宇田川 あこ』を『コール』!リアガードに登場時、山札の上から五枚見て、『白金 燐子』を含むカードを一枚まで公開し、手札に加えて山札をシャッフルするわ。そのまま『流麗なる調べ 白金 燐子』を『コール』!燐子は場のどこかにあこがいるならパワーをプラス5000するわ!」
あこは後列左側、燐子は後列右側にコールされた。恐らく、こちらの燐子はあこと言う友の支えを多く貰っているのだろう。
「この曲、演って見ましょう……『楽曲オーダー』、『BRAVE JEWEL』を発動!このターンに<Roselia>の『楽曲オーダー』を使用しているなら、紗夜のパワーはプラス5000されるわ」
再び演奏が開始される。今回はメンバーが揃っているので、そのまま開始される形となる。なお、紗夜のスキルは個人の強さを求めていた過去も関係しているが、それをも受け入れて……だと考える。
この曲は『弱さ』を理解し、『正しき強さ』を知った者たちの奏でる音で、そこまでの過程は
演奏されている『BRAVE JEWEL』をイメージ内で聴いた貴之は、この曲に対して大いに賛同している。これらは貴之も経験してきたことだったからだ。
「それでは攻撃を始めるわ……まずはあこの『ブースト』、リサでヴァンガードにアタック!」
「それはノーガードで。『ダメージチェック』……」
香澄の『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが1になる。
「アタックか『ブースト』を行ったアタックがヒットした時、あこのスキルで『ソウルチャージ』をするかを選べるわ……今回は『ソウルチャージ』をするわ」
「減らした手札が増えてく……」
このターンで一気に使ったかと思えば、また補充する。その動きに香澄は一瞬だけ頭が追い付かなそうになった。
「次は私で、ヴァンガードにアタック!」
「ならここは、『キラキラな思い出!』で『ガード』!」
『ガード』した際は、チームのメンバー間で気合いを入れ直す姿がイメージ内で確認できた。
パワーの都合上攻撃は通らない状況となった『ドライブチェック』で友希那は
「攻撃がヒットしなかった時、『カウンターブラスト』して『BRAVE JEWEL』のスキルを発動!相手リアガードを一枚退却させ、そのグレードの分だけ山札から引かせて貰うわ」
「今回は有咲だけ……うぅ、ごめんね」
イメージ内では、有咲が少々緊張に呑まれた様子を見せる。
実際に起きたわけでは無いが、自分のせいで友達が場に留まれないことになったので、香澄は落ち込んだ。
「最後、燐子の『ブースト』、紗夜でヴァンガードにアタック!」
「うーん……ノーガードで!」
合計パワー38000となった攻撃を相手に、ダメージ1ならまだいいだろうと判断して通すことにした。
この時の『ダメージチェック』は
「アタックか『ブースト』を行ったアタックがヒットした時、『カウンターブラスト』をすることで燐子のスキルを発動!一枚引くわ。さらに、ヴァンガードにアタックしたバトルの終了時、自身を『ソウル』に置くことで紗夜のスキルを発動。もう一度一枚引いてターン終了ね」
──何だか、欠けたピースが埋まったような感じがするわ。作曲中だった曲にヒントをもらえた友希那は後で続きを作ろうと考えた。
イメージ内で再びペンライトの色が変わり、香澄のターンが始まったことを知らせる。
「じゃあ、私のターン!『溢れる行動力 戸山 香澄』に『ライド』!登場時、スキルで山札の上から七枚を見て、『楽曲オーダー』を一枚手札に加えてシャッフルしますっ!今回加えるのは……『キズナミュージック♪』」
『
──いつかこの曲も演奏できるかな?微かな希望を抱きながら、香澄は『メインフェイズ』を始める。
「じゃあ、こっちもみんなを呼んじゃいます♪まずは、『ポピパのまとめ役 山吹 沙綾』を『コール』♪リアガードに登場時、『カウンターブラスト』と、手札一枚を山札の下に置いてスキル発動!『ドロップゾーン』から
「(戸山さんに引っ張られる市ヶ谷さんを想像できるわね……)」
イメージ内でも案の定だったので、友希那のみならず全員が微笑ましいものを感じた。
沙綾が後列右側、有咲が後列左側に『コール』され、ここで有咲のスキルが発動される……と思われたが、後々の為にスキルの発動は無しにした。
「『いつも自然体 花園 たえ』を『コール』!リアガードに登場時、手札を一枚捨ててスキル発動!『ドロップゾーン』から楽曲を一枚手札に戻します。今回は『
たえが前列右側、りみが前列左側に『コール』されることで、ポピパ側もメンバーが勢揃いになる。
ここで演奏が始まり、今までの学校生活で感じたことと、友人たちと得られた絆をテーマとした曲が奏でられた。
「登場時、『ソウルブラスト』することでスキル発動!山札の上から五枚見て、一枚を公開して手札に加えます♪今回は……『Returns』!」
これもまた新しい曲であり、どんな想いでこの曲を作ったのかは香澄すら知り得ない事である。
また、この『楽曲オーダー』は相手のヴァンガードがグレード2以上なら、前列ユニットのパワーをプラス5000する効果があった。
「じゃあそろそろ攻撃……有咲の『ブースト』、りみりんでヴァンガードにアタック!」
「ならそれは、『キラキラな思い出!』で『ガード』」
三回攻撃が来るならどこかは防ぎたい──。そう考えた友希那は、パワーが増えていないこのタイミングを選んだ。
「次は私でヴァンガードにアタック!ヴァンガードがアタックした時、おたえのスキルで自分とヴァンガードのパワーをプラス5000♪」
「いいわ。ノーガード」
トリガー次第で決めることにし、先を促す。
『ドライブチェック』の結果は
これによって2ダメージ受けることになった友希那の『ダメージチェック』は、一枚目が
「最後……さーやの『ブースト』、おたえでヴァンガードにアタック!」
「お願いねあこ……『ガード』!」
二回分のトリガー効果をもらえたことで、『トリガーユニット』無しで事足りる数値となっていた。この結果、香澄のダメージが2、友希那のダメージが3の状態でターンが終わる。
再びペンライトの色が変わり、順番が変わったことを表した。
「あの二つのデッキ……複数の『クラン』混ざってる感じがしませんか?」
「瑠美もそう思うか……友希那の二ターン目から俺もそう思ってたんだ……」
「貴之君がそう感じるのなら、きっとそうなのでしょうね……」
「後は、このターンで残った部分の特色が分かるはずだね」
それぞれの特徴の一部を混ぜ込んだものだと、友希那と香澄が使っているデッキに印象を抱いた。
「目指すのは頂点、ただ一つ……『ライド』!『蒼薔薇の歌姫 湊 友希那』!」
友希那が『イマジナリーギフト』を持つグレード3に『ライド』したことにより、『イマジナリーギフト』が獲得できることになる。
「『イマジナリーギフト』、『フォースⅡ』!これを前列右側に置かせて貰うわ」
友希那が使うデッキは『フォース』を所有しており、自分のターンにパワーをプラス10000させる『フォースⅠ』と、友希那が今選んだ自分のターンに元々の
『メインフェイズ』で前列右側に再び紗夜を『コール』し、また『楽曲オーダー』を使うことになる。
「潰えぬ夢へ、燃え上がれ!……『楽曲オーダー』、『FIRE BIRD』を発動!」
後で聞いた話しだが、友希那はこの口上が自然に思いついたらしい。恐らくはイメージがそうさせたのだろうとは、貴之の推測だった。
この先何があっても終わりはせず、不死鳥如く何度でも羽ばたき直す意志を演奏から感じさせてくれた。
「では攻撃……あこの『ブースト』、リサでヴァンガードにアタック!」
「うーん……ノーガードで。『ダメージチェック』……」
今回の『ダメージチェック』は
ここであこのスキルを使えるが、友希那はデッキの減り具合と、スキルと『ソウル』の量を鑑みて発動しない選択を取る。
「次は私でヴァンガードにアタック!アタックした時、<Roselia>の楽曲がプレイされているなら、相手ヴァンガードのグレード1につき、私のパワーをプラス5000!今回は10000プラスね」
「えっと……この後『ツインドライブ』が来るから……『キラキラな思い出!』で『ガード』と、『クイックシールド』チケットを使いますっ!」
トリガーを引かれる可能性が上がっているので、香澄は余裕を持って防ぐことにする。パワーの都合上、二枚ともトリガーを引かれると危ういが、その時はその時である。
『ツインドライブ』の結果は一枚目がノートリガー、二枚目が
「……友希那先輩に?いいんですか?」
「ええ。これでいいのよ。全く、どうしてこんなスキルを使わせてくれるのかしら……?」
そのスキルを見て、友希那は内心で大喜びであった。
これは効果を知れば全員が分かるはずなので、友希那はその理由は推して図るべしと言うかのように処理を進める。
「『湊 友希那』を含むヴァンガードのアタックが終了した時、四枚『ソウルブラスト』と、手札を一枚捨てることで『FIRE BIRD』のスキル発動!ドライブをマイナス1する代わりに、ヴァンガードを『スタンド』させるわ!」
「ドライブをマイナス1して『スタンド』……?ああっ!?聞いたことあると思ったら、『ドラゴニック・オーバーロード』ぉっ!?遠導先輩の分身と同じスキル使えるんですかっ!?」
発動条件が少し違うものの、大切な人が分身と豪語するユニットと全く同じスキルを使用できるのだ。嬉しく無いはずが無いだろう。
「このままもう一度、私でヴァンガードにアタック!」
「えっと……この後はどっちも最低2ダメージだし……『皆でできた一番のステージ』で『完全ガード』!」
どちらかは絶対に防がなければ危険なので、香澄は先に防いでしまう選択肢を選んだ。
この時の『ドライブチェック』は
「最後、燐子の『ブースト』、紗夜でヴァンガードにアタック!」
「こうなったらトリガー勝負、ノーガードにしますっ!」
「(思いっきりのいい選択だな……)」
時にはその選択も大事なので、貴之は香澄の選択を心の中で褒める。
『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が
ここでも燐子と紗夜のスキルを発動はせず、友希那はターンを終了させ、再びペンライトの色が変わる。
「私もグレード3……『キラキラなステージ 戸山 香澄』に『ライド』!『イマジナリーギフト』、『フォースⅠ』!これをヴァンガードに設置しちゃいます♪」
こちらのデッキも有している『イマジナリーギフト』は『フォース』で、香澄は攻撃をヒットさせやすくする為に『フォースⅠ』の選択をする。
『メインフェイズ』に入るものの場には後列中央以外全てにユニットがいるので、このまま『楽曲オーダー』を使う選択に踏み切る。
「『楽曲オーダー』、『Returns』を発動しますっ!」
この曲は香澄たちポピパが何らかの要因で解散寸前、或いはチーム存続の危機に立たされてから復帰したことを教えてくれるものであった。
今までの楽曲全てを聴いた貴之が感じたことはあるが、それは彼女らが気づいたら話そうとも思った。
「『バトルフェイズ』開始時、『戸山 香澄』、『花園 たえ』、『牛込 りみ』、『山吹 沙綾』、『市ヶ谷 有咲』が含むユニットがそれぞれ一枚ずついるなら、『Returns』のスキル発動!山札の上から五枚を公開して、
この時出てきた
「さらに、公開した
全員に恩恵があるのは、絆の強いポピパらしいと友希那は思った。
ここで
「攻撃行きます、まずは私でヴァンガードにアタック!おたえ、りみりん、さーや、有咲がいるなら、ヴァンガードにいる私のスキルで前列リアガード全ては『ドライブチェック』で私が得たトリガー効果を獲得します!さらに、相手ヴァンガードのグレードが3以上なら、
「と言うことは……『トリプルドライブ』!?」
今のダメージは2で済んでいるが、最悪は次の攻撃で全てを捲られかねない状況となった。
香澄が持っていたスキルの恐ろしい点として、これは効果を香澄に与えることで、前列リアガード全員に渡るものだった。このスキルが安定して強化できるなら『フォースⅠ』と言う選択を、香澄に与えていたのだ。
「流石にこれを防がないと話しにならないわね……『皆でできた一番のステージ』で『完全ガード』!」
「行きますっ!『トリプルドライブ』!ファーストチェック……」
一枚目、二枚目共に
これで全員のパワーがプラス30000以上、
「
「(ああなると片方は貰うしかねぇだろうけど、友希那はどうする……?)」
『完全ガード』を使ってしまったこともあり、手札的に片方は攻撃を受けるしかないので友希那としてはかなり悩ましい状況になった。
ただそれでも友希那はまだ慌てず、気持ちを落ち着けて答えを告げる。
「私は、Roseliaの皆を信じる……それだけよ。戸山さん、遠慮はいらないわ」
「はい……!次は有咲の『ブースト』、りみりんでヴァンガードにアタック!」
「私は『最高のライブ!』二枚と手札の紗夜で『ガード』!さらにリサで『インターセプト』!」
合計パワー58000の攻撃は、合計パワー63000の前に防がれた形となる。
リサで防ぐ行動を取ったからだろう。イメージ内ではリサが準備してきたクッキーを食べながらRoseliaのメンバーが小休止を取る姿が見えた。
「『ガーディアンサークル』から退却した時、リサはスキルで『ソウル』に置くことができるわ」
「次のスキルの為の支えみたいね……」
「本当にリサらしいスキル……」
実際にライブを見たことがあり、普段も身近で話しを聞かせて貰うことのある結衣はそう感じた。
自分もと言うことなら、と考えていたら貴之もそうだったようだ。
「最後、さーやの『ブースト』、おたえでヴァンガードにアタック!」
「皆を信じるわ……ノーガード!」
今の手札で合計パワー63000の攻撃は防げないので、
そして始まる『ダメージチェック』だが、一枚目がノートリガー、二枚目が
「(大丈夫、イメージは出来ているから……後は引くだけ)」
イメージ内でポピパの演奏に関心しながらも、上に行くのは自分たちと言う旨を告げて皆で共有してから四枚目の『ダメージチェック』を行う。
「
「うぅ……決められると思ったのにぃ」
蒼薔薇は『不可能を可能にする』、『夢が叶う』為の『奇跡』が詰まったもの──。それを正銘するかの一幕と共に香澄のターンが終わる。
「次でファイトの決着がつくかな……」
ここで決めきれば友希那の勝ち。決めきれなければ香澄が勝ち。その状況で友希那のターンが始まった。
「もう一度、『蒼薔薇の歌姫 湊 友希那』に『ライド』!次の『フォースⅡ』は前列左側に置いて、リサを『コール』!」
これはヴァンガードが『ツインドライブ』、残りは
また、この時リサのスキルでのパワー増加は友希那に回し、『ツインドライブ』で更に圧を掛けることにした。
「このターンに『オーダー』がプレイされていないなら、『カウンターブラスト』することで私のスキル発動!山札、またはドロップゾーンから<Roselia>の楽曲を一枚まで探してプレイできるわ」
山札から探した場合はシャッフルすることになるのだが、今回は『ドロップゾーン』から探すのでそれはしない。
「こ、この状況で楽曲を探すってことは……!」
「ご明察よ。再び燃え上がれ!『楽曲オーダー』、『FIRE BIRD』を発動!」
これにより友希那は連続攻撃が可能になり、状況としては友希那が大きく有利になった。
「では攻撃……まずはあこの『ブースト』、『リサ』でヴァンガードにアタック!」
「それは手札のおたえとりみりんで『ガード』!」
幸いにもパワーが18000の攻撃なので、合計パワー23000で防ぎきる。
「次、燐子の『ブースト』、紗夜でヴァンガードにアタック!」
「『最高のライブ!』で『ガード!』」
これで
「ここが勝負どころね……私でヴァンガードにアタック!」
「え、えっと……『キラキラな思い出!』三枚で『ガード』!」
合計パワー33000の攻撃を合計パワー58000で防がれたのでこの攻撃は届かないが、大事なのは『ツインドライブ』である。
ここで
「アタック終了時、『FIRE BIRD』のスキルで私を『スタンド』……もう一度ヴァンガードにアタック!」
「手札が足りない……ノーガードで」
先程の『ガード』を行ったことにより、防ぐための手札が足りなくなってしまっていた。
この時の『ドライブチェック』はダメ出しと言わんばかりに、友希那は
「効果は全てヴァンガードに!楽しいライブで、いいファイトだったわ」
「(友希那先輩凄い……最後の最後までカッコいいなぁ……)」
この曲でラストの時間が来てしまったようで、トリを飾ったRoseliaが今回は勝ちと言う形になったようだ。
それを表すかの如く、香澄の『ダメージチェック』は全てノートリガーで、ダメージが6となり決着が着く。
ファイトが終わったので、いつものように挨拶を済ませて終わりとなる。
「なんだろう……今までで一番自然にイメージで来てた気がする……!」
「私たち自身だものね……けれど、一つ気づいたことがあるわ」
「……気づいたこと?」
ファイトを通して友希那が感じ取ったのは、このデッキは自分にとって大きな影響を与えたものがないまま完成に近づいていると言うことだった。
それは同時に『自分たちの未来はこうならない』証明でもあり、結衣の問いに対して友希那は次の答えを示す。
「このデッキは……私たちの世界とは
リサとあこは変化が少ないので彼女らだけだと判断できなかったが、燐子はこちらと比べて幾分か大人しめ、自分と紗夜は今しばらくは恋愛沙汰に目を回さなそうな様子が感じられた。
そこから推測するに、恐らくこのデッキは
自分たちが貴之の支えがなくともチームを組み、危機を乗り越えられるのを知れたのは安心だが、やはり彼がいない世界は寂しい。そう感じた友希那の様子を察したのか、貴之は肩に優しく手をおいた。
「大丈夫、俺はここにいるから」
「ええ。これからも一緒よ?」
その言葉に安心した友希那は貴之の手を両手で取り、柔和な笑みを浮かべる。
「さて……俺もそのデッキとファイトしたらどうなるか確かめてみてぇんだが……」
「あっ、じゃあ私がやって見てもいいですかっ!?」
答えを得てさらに進んだ貴之と戦ってみたいと言うチャレンジ精神が、香澄に行動を促した。
それを見た貴之も頷き、ファイトの準備を始める。
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」
「(もし、向こうの私に……貴之といる幸せな気持ちが伝わるのなら)」
──何らかの形で届けばいいのに……。ファイトする二人を見ながら、友希那はそんな願いを抱いた。
その願いが届くかは分からない。ただそれでも、友希那は願わずにはいられなかった。
* * *
「ん……んん……?」
五バンドでの大きな舞台における合同ライブを終えた二日後の午前──。友希那は目を覚ました。
何しろ当日は夜遅くまで皆で演奏をしていて、疲労も溜まっていた故に昨日一日でもまだ疲れが取り切れておらず、今日でようやくその疲れが取れたような感じがあった。
ライブが終わった後に、とあるチームのメンバーから対抗心剝き出しの言葉を投げられたのでそれと無く返事をしたのだが、表情をあまり変えなかったので、もしかしたらまた納得の行かない様子をしていたかも知れない。
これ以外にも、打ち上げの際にリサの計らいで人のいる方に連れていかれたり、その際に相手のペースに完全に引きずり込まれていたので、自分がしっかり話しきれていたかは少々怪しいところもあるが、彼女らは自分の言葉をしっかりと覚えているので、恐らくは大丈夫だろう。
そんな多忙だった日の疲れが抜けきったからなのだろうか。友希那は寝ている間に変わった夢を見ていた。
「(一体……なんだったのかしら?)」
複数の風景を見ていたが、その時全てにいたのはとある少年の姿。
時折リサやRoseliaのメンバーの姿も見られ、特に幼少の頃リサと自分と一緒にいたこともあることから、恐らくあり得たかも知れないもう一人の幼馴染みなのだろう。
どうしてかは分からないが、彼と一緒にいた自分は彼に救われている──そんな確信があった。
何かのカードゲームを好んでいる少年をどうして?とは思ったが、思い返せば自分に理解を示し、再会して変ってしまった自分を信じて待ってくれているのを見た時はどこか納得している自分もいた。その過程があれば自分もそうなっていたかも知れないと思えたのだ。
まさかと思って部屋のカーテンを開け、彼が住んでいる家の方を見るが、そこは誰もいない空き家だった。
「(そう。私のところにその人はいない……彼がいなくとも、私たちがあのライブをできたのなら……向こうの私たちも間違いなくできるでしょう。けれど……)」
──私を取り巻く環境は、間違いなく幸せでしょうね──。友人も増え、大切な人もいる夢の中にいた自分は間違いなくそうだと思える。
ただ、こちらと比べて絶対かと聞かれればそれは分からない。ただ、自分は今の形でも幸福感を感じているし、向こうを羨ましいとは思っていないので、『個人の主観が出るだけで、優劣があるわけではない』と結論付けた。
しかしながら、夢の一つでは紗夜と自分が今の状況からは想像も着かない話題を、Roselia五人で雑談していたのもあったので、それだけはいつかできたらいいなと本気で考えた。
「(何か一つでも違いがあれば、人は大きく変わる……と言うことなのでしょうね)」
向こうの自分は音楽以外での幸せも見つけた。対する自分はまだ探す気になれなかった。言葉にするだけでも大分違ってくる。
自分がしていなくとも、焦る必要はない。気持ちを落ち着かせながら、練習をするべくCiRCLへ足を運ぶ準備を始める。と言っても、今日はパフォーマンスを落とさないように簡単な練習程度に収めておくのだが。
程なくして準備を済ませた友希那は行ってきますと告げてから、玄関のドアを開けて外に出る。
もう一度先程の空き家を見てみるが、やはりそこには誰もいない。どこまで行っても、別の世界は別の世界なのだ。
「(見つかるのがいつになるかは分からない……でも)」
──少しずつでいいから、探してみるのもいいかも知れないわね。歩き出した友希那は、自然と柔らかい笑みを浮かべていた。
この日の練習中は問題無かったようだが、休憩中や、片付けを行っている時に考え込む様子が多くて理由を聞かれた。
その時に、友希那は見ていた夢の内容とそれを見て思ったことを話してみたのだが──。
「あ、あの……湊さん、まだ疲れが残っているのなら無理をしない方がいいのでは無いでしょうか……?」
「って言うか友希那、どこか頭でも打った……?」
「頭は打っていないわよ?と言うか、どうしてそんなに慌てているのかしら?」
Roseliaのメンバー──特に紗夜とリサを筆頭に慌てられてしまった。
本人が知る由は無いが、この光景が友希那にその願いは届いていたことを、間違いなく示している──それだけは間違い無かった。
今回はブースターパック『BanG Dream! FILM LIVE』に出てくるカードで編集した<Poppin'Party>と<Roselia>のデッキになります。
ファイト担当に呼んだ二人の選定は以下の基準になります。
共通
・チーム内でグレード3が存在する唯一のメンバー
友希那
・本小説で最も出番のあるバンドリチームはRoselia
・本小説のヒロイン
香澄
・原作主人公
・その原作主人公の香澄が所属するのはポピパ
と、このような基準になります。
今回はRoselia側の勝利で飾らせた理由は「グレード3の『楽曲オーダー』を、後に演奏した方はどっち?」と言う所から来ました。もし『キズナミュージック♪』がポピパ側のグレード3の『楽曲オーダー』だった場合はポピパ側の勝ちでプロットを組む予定でした。
次回からは没案の紗夜がヒロインだった場合の話しを一部抜粋しながら書いていこうと思います。