『ガルパ・スタリラ際』ですが、お金の都合だったりで行け無さそうです(泣)。
予定が入ってさえいなければ……!
貴之は『アンドゥー』、大介が『マガツウインド』に『ライド』する。この二人が初めて対戦した時と全く同じ組み合わせだった。
ファイトしている二人が懐かしんでいる間に、まだ呼ばれていなかった玲奈と弘人で『ぬばたま』のことを説明し、呼ばれ次第すぐに移動した。
「そういや、初めてファイトした時もそうだったな……俺の先攻」
貴之の先攻から始まるのも同じ条件だった。
『ライド』はいつもの通り『バー』に、後列中央には最近出番が増えつつある『ラオピア』を『コール』した。
「(多分、用意した隠し玉は大介相手に使うだろうな……)」
守りを固められた時にと用意したユニットは、相手『クラン』の性質や持っている『イマジナリーギフト』が関係して、大介になることを予想した。
更に言うと、この隠し玉は『オーバーロード』や『ウォーターフォウル』と比べて圧力不足に悩まされるので、チャンスは一度切りだろう。
そんなことを考えながら、貴之はターンを大介に回す。
「『キリハゲ』に『ライド』!一枚ドローして『フウキ』を『コール』!」
大介は『キリハゲ』に『ライド』し、後列中央に『フウキ』を『コール』する。
この段階でこれ以上は特にやるべきことはないので、早速攻撃に移る。
「行くぞ……『フウキ』の『ブースト』、『キリハゲ』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード」
イメージ内で『キリハゲ』となった大介が吹きつけた蒼い炎を、『バー』となった貴之が浴びる。
大介の『ドライブチェック』、貴之の『ダメージチェック』共にノートリガーで、特に大きな変化は起こらなかった。
攻撃が終わったので、大介はここでターンを終了する。
「今回は以前より大人しいわね……」
「手札の都合……なんでしょうか?」
まだ一ターンめだから何とも言えないが、以前に『ぬばたま』の動きを見たことがある友希那と燐子はそう考える。
初めて見た時はこの段階で既に一回盤面操作が始まっていたのだが、今回はまだ行われていないのが理由だった。
「『ライド』!『バーサーク・ドラゴン』!スキルで『フウキ』を退却させて一枚ドロー。さらに『ラーム』と『ガイアース』を『コール』!」
『バーサーク・ドラゴン』のスキルで『フウキ』は退却させられ、前列左側に『ラーム』が、後列左側に『ガイアース』が『コール』される。
この時は『フウキ』しかいなかったのもそうだが、盤面展開に手間を掛けさせる為にも退却させておきたかった方が大きい。
「よし、『ラオピア』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「ここはノーガードだ」
貴之の『ドライブチェック』は
イメージ内で『バーサーク・ドラゴン』となった貴之が二つの頭から吐き出した炎により、『キリハゲ』となった大介が焼かれる。
『ダメージチェック』はノートリガーだったので、貴之が有利な条件で次のアタックを迎える。
「次だ……『ガイアース』の『ブースト』、『ラーム』でヴァンガードにアタック!」
「それもノーガードだな。『ダメージチェック』……」
トリガー効果もあって『ラーム』のパワーが28000。対する『キリハゲ』はパワーが7000しかない。
受けるダメージが少なく、わざわざ二枚以上使ってまでその攻撃を防ごうとは思えなかった。
この『ダメージチェック』もノートリガーだったが、
「パワー差21000かぁ……防いでも割に合わないよね」
「どうやっても手札を二枚使わなきゃいけないから、受けた方がよかったんだね……」
今大介が取った行動はRoseliaの五人はしっかりと理解している。
序盤で、しかも相手は
攻撃を終えた貴之はターンを終了し、大介に順番が回ってくる。
「『マガツゲイル』に『ライド』!スキルでパワープラス6000!さらにこいつらも『コール』だ!」
大介は『マガツゲイル』に『ライド』を終えた後、後列中央に『ドレッドマスター』、前列右側に忍びの胴着を着た虎『忍獣 チガスミ』、前列左側に『オボロザクラ』、後列左側に『サクラフブキ』を『コール』する。
これらの内、登場時のスキルを持たない『チガスミ』以外は全てスキルを発動させている。
「遅れた分……なのかな?」
「このターンだけで、かなり動きましたね……」
前に見たことのある燐子と友希那は比較的楽について行っているが、初めて『ぬばたま』を見ることになった三人はこのターンに起きたことを少しだけ整理する必要があった。
実際のところ『ぬばたま』の盤面操作で干渉する範囲は多く、今回は自分の領域全体で収まったものの、最悪は相手の領域にすら干渉するのだから侮れない。
そんなことを伝えられ、紗夜は頭を抱え、あこに至っては頭から煙が吹き出そうな勢いだった。
「『ドレッドマスター』で『ブースト』、『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。来い……!」
相手のパワーが23000まで上がっていることと、まだダメージが1であることからノーガードを選択する。
その『ドライブチェック』で大介は
対する貴之も『ダメージチェック』で
「次は『チガスミ』でヴァンガードにアタック!この時手札を一枚捨ててスキルを発動!このバトル中パワーをプラス15000!」
「トリガー効果もあるから、これで34000だね」
「貴之さんはどっちを選ぶんだろう?」
ここで言う『どっち』というのは、『チガスミ』の攻撃を防ぐか否かにある。
パワー差は14000なので手札次第では一枚で防げるが、まだ防がないことを選べる状態でもあった。
「それもノーガード。『ダメージチェック』……」
貴之はトリガー狙いでノーガードを選択し、その結果は
また、大介は先程トリガー効果を『チガスミ』に回してしまい、貴之がトリガー効果をヴァンガードに与えたこともあって、『オボロザクラ』の攻撃が『バーサーク・ドラゴン』に届かないことが決まってしまう。
これを見た時、『オボロザクラ』で先に攻撃するべきだったなと大介は後悔する。最も、トリガーが二連続で出ることを前提で動けというのも無茶はあるが。
「仕方ない……『サクラフブキ』の『ブースト』、『オボロザクラ』で『ラーム』に攻撃!」
「すまねぇ『ラーム』……。ここもまたノーガードだ」
イメージ内で『オボロザクラ』と『サクラフブキ』の連携攻撃を受ける『ラーム』に、貴之は目を伏せて詫びる。
こうして大介のターンが終了し、互いのダメージが2の状態となった。
そうして貴之の三ターン目が始まるのだが、戦っている二人は自分たちでも驚くくらいに自然な笑みを浮かべていた。
「このターンから……もちろん分かってるよな?」
「ああ。何しろここからが本番だからな」
そう。ここからは何度も見てきたグレード3の投入が始まる。
ファイトの熱が加速していくというのもそうだが、彼らにはもう一つの理由として『地方予選での再戦』が起因していた。
心置きなくファイトができて、自分たちの中で最高の状態でそれが可能。これなら自分たちが笑みを浮かべていてもおかしくない。
「始まるわね……」
「ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」
友希那が食い入り気味に声を上げた直後、貴之が『オーバーロード』に『ライド』して『フォース』をヴァンガードに与える。
この辺りは彼のファイトを追っていく上で何度も見てきた光景だった。
「『ラーム』と『バーサーク・ドラゴン』を『コール』して、『バーサーク・ドラゴン』のスキルで『チガスミ』を退却!さらに『オーバーロード』は『ソウルブラスト』!」
『ラーム』は前列右側、『バーサーク・ドラゴン』は前列左側に『コール』される。
この時『チガスミ』を退却させた理由として、攻撃時に発動するスキルなのでまた使用される恐れがあること、後々残しておくとそのパワーに押されてしまう可能性が上がること等があった。
大介自身もそう来るだろうとは思っていたので、慌てることはなかった。
「じゃあ行くぜ……!『ラオピア』の『ブースト』、『ドラゴニック・オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「『忍獣 ミジンガクレ』で『完全ガード』!」
貴之が堂々と一回目からヴァンガードを狙って来たので、大介は防ぐことを選択する。
この時貴之が行った『ツインドライブ』では一枚目がノートリガー。二枚目が
「貴之が最初からヴァンガードにアタックしたのって珍しいよね?」
「私が見た限り、これで二回目だったかしら……?」
リサと友希那の話しに上がった通り、貴之が彼女たちの前で『オーバーロード』によるアタックを最初からヴァンガードに行った回数は僅か二回だった。
相手リアガードを退却させてからそのままもう一回攻撃するというパターンが多く、最初からヴァンガードに攻撃する場合は少ない。
これがあったので、彼女たちは貴之の行動を珍しく思っていたのだ。
「それを使ってくれたならいい……『ラーム』でヴァンガードにアタック!」
「……それはノーガードだな。『ダメージチェック』……」
こちらのダメージが2だったので少し考えたが、大介はそのまま受けることを選んだ。
今行われた『ダメージチェック』の内一枚が
「あっ、『バーサーク・ドラゴン』の攻撃が届かなくなった……!」
今現在『バーサーク・ドラゴン』の後ろにいるのは『ガイアース』である為、パワー19000となった『マガツゲイル』に届かせる手段が無かった。
仕方ないので最後の攻撃は『オボロザクラ』へと行い、大介は防がず『オボロザクラ』を退却させることを選択する。
貴之のターンが終わったので、大介は『スタンド』アンド『ドロー』から始める。
「もう片方……というのは選ぶのかしら?」
「……?二つの戦い方があるってことですか?」
友希那の呟きを拾ったあこが不思議そうに問いかけたところ、思い出した燐子がその理由を教える。
以前『ルジストル』でファイトを見せて貰った後、大介のデッキ内容を二人は教えて貰っており、彼のデッキに関して少し考えやすくなっていたのだ。
そうして考え込んでいる彼女らとは裏腹に、大介は今回はどう考えてもこっちしかないだろうと考えていた。
「俺が選ぶのはこっちだ!『隠密魔竜 マガツストーム』に『ライド』!」
「いいぜ……あの時を思い出す!」
『マガツストーム』が出てくると相手の特性上かなり不利を強いられるのだが、貴之は闘志の燃え上がりが勝っていた。
『プロテクト』を獲得した後、大介は前列右側に『マガツゲイル』、後列右側に二体目の『ドレッドマスター』。前列左側にはもう一度『オボロザクラ』が『コール』される。
今回呼び寄せたユニットは全て、登場時のスキルを発動させる。これによって『マガツゲイル』と『オボロザクラ』は共にパワー15000に上がる。
「これで決着を付けられるといいが……『ドレッドマスター』の『ブースト』、『マガツストーム』でヴァンガードにアタック!」
「いいぜ……俺はノーガードだ!」
――ここで
貴之の準備した隠し玉を知っている人がいない為、見ていた人たちはノーガードでも負けないからだと思っていた。
大介も見ている人たちと同じ考えをしながら『ツインドライブ』を行い、二枚とも
イメージ内で『マガツストーム』となった大介の手裏剣を用いた忍術により、『オーバーロード』となった貴之は手痛いダメージを負うことになる。
「(よし……これで用意は整ったな)」
『ダメージチェック』では一枚だけ
しかし、貴之に取っては
この『マガツストーム』での攻撃を終えた時、貴之が一瞬だけ安堵したようなものが見えたので、大介は少々疑問に思ったが、次のターンが来るまで気づけなかった。
「……?今、貴之君が一瞬だけ安心したような……」
「相手が二枚も
一瞬過ぎて何とも言えないところだが、燐子から見ても焦っているようには思えなかった。
――ダメージが5なのにどうして?彼女たちも不思議そうにファイトを見ていくのだった。
「次、『サクラフブキ』の『ブースト』、『オボロザクラ』でヴァンガードにアタック!」
「頼んだぜ、『ラクシャ』!」
パワー33000の『オボロザクラ』による攻撃は、パワー38000の前には届かなかった。
「最後だ……『ドレッドマスター』の『ブースト』、『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「『アーマード・ナイト』で『ガード』と、『ラーム』で『インターセプト』!」
この攻撃も、合計パワー33000の『マガツゲイル』による攻撃が、38000の前に届かなかった形になる。
大介はできることが終わったので、『マガツゲイル』のスキル処理を行ってターンを終了する。
「終わった!どうなってる?」
丁度ファイトを終えた俊哉が戻ってきたので、Roseliaの五人が互いに三ターン終了、貴之が先攻であることを伝える。
それを見た俊哉は、大介がかなり優位であることに気付く。
「さて、ここをどう切り抜けるかだな……」
「燐子が言っていたんだけど、さっき貴之は自分のダメージ5になった瞬間に安心したように見えたみたいなの……何か知っているかしら?」
「……ダメージ5で?」
友希那から追加情報を貰った俊哉は疑問に思いながら、『かげろう』のユニットたちを思い出して行く。
――なんか、一体だけいたが……これだけを想定して入れてくるか?思い出した俊哉ですら投入は難しいと思っているが、その状況で安心するならそのユニットであることもまた事実だった。
こればかりは見て確かめるしかない。それが俊哉の下した判断だった。
「俺のターン、『スタンド』アンド『ドロー』……恐らく今日一回しか使える場所が無いこいつは、ここで使わせてもらうか」
「(……今日一回だけだって?)」
――一体何を入れたんだ?貴之の発言に大介が疑念を抱く。
その直後に貴之が『ライド』したユニットを見て、対戦している大介どころか見ている人たち殆ど全員が正気を疑うことになる。
「一発限りの隠し玉だ……『ライド』!『ボーテックス・ドラゴン』!」
貴之の隠し玉は蒼い躰を持つ翼竜の『ボーテックス・ドラゴン』だった。
このユニットは保有しているスキルの代償が重く、使いたがるファイターは非常に少ない。
だからこそ、貴之はそこを逆手に取って一回だけなら通じる手段として用意していたのだ。
「『ボーテックス・ドラゴン』って……お前正気か!?」
「俺は正気だぜ……特に『ぬばたま』で、しかも『マガツストーム』相手ならこいつがいれば一気に楽になるからな……。『オーバーロード』と『ラオピア』を『コール』して、『オーバーロード』は『ソウルブラスト』!」
驚愕の表情を浮かべる大介に対して、貴之は平常を保ったままだった。
貴之が『メインフェイズ』で前列右側に『オーバーロード』、後列右側に二体目の『ラオピア』を『コール』したのを見て、一つのことに気が付いた。
「あの……『イマジナリーギフト』を忘れていませんか?」
「そのことか……『ボーテックス・ドラゴン』は『イマジナリーギフト』を
俊哉が神妙な様子で答えを告げ、Roseliaの五人も貴之の正気を疑う。
さらに正気を疑わせるようなこととして、先程言った『ボーテックス・ドラゴン』のスキルも関係している。
「『カウンターブラスト』を二枚することで、『ボーテックス・ドラゴン』のスキルを発動!相手リアガードを一体退却させる!まずは『オボロザクラ』だ」
「……?コストと比べて効果が弱いような……」
あこはそのスキルが持つ効果の悪さに気付き、俊哉から「一番大事なのは次だ」と教えられる。
「更に自分の『ダメージゾーン』が5枚なら、
この時貴之はまだ手札が四枚残っていたのだが、それらを全て捨てることになる。
ダメージが5でこれをするということは、ここで決めないと負けを意味していた。
幸いなことは、相手リアガードが全て退却したので『マガツストーム』のスキルを気にしないで大丈夫になった。
このターンで攻撃した場合、『ラオピア』の『ブースト』を得た『ボーテックス・ドラゴン』のパワーは61000になるが、防がれる確率は高いだろう。
「で、デメリットが大きすぎる……」
「あまり採用されない理由は、このスキルによる不安定さね……」
貴之が使う『かげろう』は元々汎用性の高い『クラン』である為、こう言った博打過ぎるものは使われないことが多い。
故に自分のデッキの動きを崩さない為、貴之も一枚しか入れることができなかった。
「行くぜ……!『ラオピア』の『ブースト』、『ボーテックス・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「嫌な予感がするな……『プロテクト』を発動する!」
貴之の見立て通り大介が『プロテクト』を使ってきたが、今回は使わせることが最大の目的だったので問題はない。
イメージ内で『ボーテックス・ドラゴン』が吐き出した業火は、『プロテクト』によってかき消される。
それでも次があると信じて、貴之は『ツインドライブ』を行う。一枚目は
続いて二枚目のチェックは……こちらでも
「ゲット……!
「大介のダメージは4だから……」
「残った二回の内どっちかが通れば、貴之君の勝ちになる……」
攻撃をヒットさせれば勝ちという状況まで持ち込めたので、残りはパワーが足りているかの勝負となった。
大介の手札がどうなっているかは分からないが、どの道こちらはもうトリガー効果をつけられない状態なので、相手がトリガーを引き当てないよう祈るしかない。
ただそれでも、両方ともガードしなければならないと意識させられるようになったのは非常に大きい。
「後二回か……『ガイアース』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「それは『忍竜 クロガネ』二体で『ガード』!」
パワー28000だった攻撃は、『クロガネ』二体の『シールドパワー』を加算した合計パワー42000の前に防がれる。
どちらかは防がれると思っていたが、あと一回しか攻撃できない。さらに負けたら全国出場の切符を失うとなると少しだけ緊張が増す。
しかしながら、残った最後の攻撃を行うのは『
「頼むぜ……!『ラオピア』の『ブースト』、『ドラゴニック・オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「来たか。なら俺は……っ!?」
防ぐことを宣言しようとした時、大介は痛恨の事態に気付く。パワー46000となっている『オーバーロード』の攻撃を防ぐのに、今の手札では届かないのだ。
仮に『オーバーロード』の攻撃が先に来ようとも、今度は『バーサーク・ドラゴン』の攻撃が防げないことも意味しており、『ボーテックス・ドラゴン』のスキルがピンポイントで働いたことが証明された瞬間だった。
最早トリガーを祈るしかできない大介はノーガード宣言をし、『ダメージチェック』を行う。この時イメージ内で『オーバーロード』が『マガツストーム』となった大介に向け、剣による重々しい斬撃を二回浴びせる。
一枚目は
「流石にそれを隠してるのは読めなかったな……」
「これすら読まれてたら流石にキツイぜ……」
何しろ貴之は相手が想定してこないのを前提で『ボーテックス・ドラゴン』を投入していた為、読まれていたら本当にどうにもならなかった。
この結果を考えると、貴之がデッキ構成で読み勝ったと言えるだろう。
もう少し続くなら続けたかったが、お互いに悔いの無いファイトができたので、両者とも満足な笑みを浮かべて握手を交わすのだった。
「俺はここで終わっちまうけど、お前はこの先も頑張れよ?」
「ああ。全国大会でって言いたいけど、まずはこっちでこの後のファイトもしっかりやらないとな」
この戦いが全国の出場が決まるものだったので、大介はここで終わり、貴之はまだ先があることになる。
確かに権利を得て喜ぶのはいいが、気を抜いて情けない結果で終わることだけは避けたいところだ。
それ故に、戻ったら小休止でしっかり気持ちを落ち着かせようと意識する。
ファイトが終わったことを進行に知らせてから上に戻ると、Roseliaの五人から「お疲れ様」と労いの言葉がやってきた。
また、貴之と友希那は目が合ったので、互いに笑みを浮かべて頷く。
「(友希那、俺は無事に第一段階を突破したぞ)」
「(この先も頑張って……。私も、コンテストに向けてみんなと仕上げていくわ。勿論、答えもしっかりと探すから……)」
そのアイコンタクトでは、互いの状況を伝え合っていた。
近くに対戦相手だった大介もいる以上、そこまで堂々と伝える気にもなれないし、友希那の事情はうっかり話す訳には行かない。
一先ず貴之はここで道が途絶えると言う事態を避けれているので、友希那としても安心できた。
「お疲れさん。それにしても、とんでもないこと考えるなお前……」
「アレはもう使えないと思うけどな……」
もうこの大会中、『ボーテックス・ドラゴン』はほぼ通じないだろう。
恐らく使ったところで冷静に『ガード』されたり、ダメージ管理をされたりして簡単に封じられる。
それでも存在すると言う圧力を掛けることができるので、そこを上手く活用したいと貴之は考えた。
「そう言えば、後はどこが残ってる?」
「竜馬がちょっと飲み物買いに行ってて、玲奈は……今終わったな」
「となると後は弘人だけ……ん?対戦相手が一真だな」
残った人たちはどうしているかを確認すると、弘人と一真の二人がファイトしており、今から一真の三ターン目が始まろうとしているところだった。
「(まだ使ってる様子は見られないな……)」
――弘人なら、あの能力を引き出さなければならない状況を作れるかもな。貴之は考えが表に出ないよう気を付けながらファイトを見ることにした。
貴之が用意していた隠し玉は『ボーテックス・ドラゴン』でした。なんか期待させた割にショボいと思ったらすみません……(汗)。
執筆をしていく上で「そう言えば『イマジナリーギフト』がない場合のユニット、一回も出してないな……?」となったのでこの辺りで入れてみようと言う考えで入れてみました。
次回の弘人と一真のファイトをやったら前半戦が終わりになります。
ここから貴之は『ヌーベルバーグ』に慣れて行くのですが、この為のファイト展開の量ややり方はどのくらいがいいでしょうか?
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作者にお任せ
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なるべく多めに入れて、細かくやって欲しい
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少なめで、飛ばし気味がいい
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多めにやって欲しいが、内容は簡潔に
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少なめにして欲しいが、内容は細かめに