先日ヴァンガードエクスが発売しましたが、私は11/30と12/1の二日間掛けて行うRoseliaとRASの合同バンドが当たってお金を使ってしまっているので、こちらの購入は遅れそうです。
――じゃあ行くぞ?準備を終えた貴之の声に、大介が頷くことで答える。
思えばこの二人は地方大会以来久しぶりに戦うので、どうなるかが楽しみなところである。
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」
貴之が最初に『ライド』するのは『アンドゥー』、大介が『ライド』するのは『マガツウインド』。再三と同じ組合せでの『ライド』だった。
「(相手は『ぬばたま』……『かげろう』としては結構やりにくい相手だね)」
地方の時を思い出しながら、結衣は考え込む。
厄介なユニットを退却させようとしたらそれは手札に戻っている。汎用性の高い『クラン』としては比較的手札の確保手段に乏しいのに、向こうは手札を捨てさせに来る等……『かげろう』が苦しくなる要素を『ぬばたま』は多く揃えているのだ。
――このファイト、今までの積み重ねが試される……。貴之の狙いや現状を踏まえて、そう判断するに至った。
「(実際に貴之が何をやってるのかは初めて見るな……。どんな戦術を出してくるんだ?)」
「(今回で上手く行くといいんだが……。取り敢えず進めていこう)」
大介は貴之の動向を伺いながら、貴之は今回の『ライド』を行う際にどうなるかを気にしながらファイトを始める。
今回は地方の時と同じく貴之の先攻でファイトが始まる。
「『ガイアース』に『ライド』!一枚ドローして、『ヌーベルロマン・ドラゴン』を『コール』!」
「(『ヌーベルロマン・ドラゴン』……?ちょっと待て、貴之が使おうとしてるのは……!)」
後列中央に呼ばれた『ヌーベルロマン』の姿を見た大介が嫌な汗を流す。自分の予想が外れて欲しいと思ったのだ。
しかしながらその予想は外れることは無く、貴之がスキルを発動することで『ヌーベルバーグ』を公開する。
「お前……本気でそいつを使うのか?」
「ああ。その為に最近はここで籠りっきりだったんだ」
――予想外なことを時々してくるが、まさかここまでとはな……。貴之に肯定された大介は一瞬だけ呆然とする。
自分に『ボーテックス・ドラゴン』をぶつけて来た時もそうだが、『ヌーベルバーグ』は一回限りの隠し玉なのだろうと予想できた。
――だが……その場合デッキ内容はあれでいいのか?気になった大介は後で確認しようと決めた。また、それと同時に貴之のターンが終了する。
「『サクラフブキ』に『ライド』して一枚ドロー……そのままヴァンガードにアタック!」
「まあバレてるよな……それはノーガードだ」
明らかに『バーサーク・ドラゴン』を読まれた動きであることを理解しながらも、貴之はそのまま受ける。
『ドライブチェック』、『ダメージチェック』がどちらもノートリガーである為、貴之が1ダメージ受けたところで大介のターンが終了する。
「『バーサーク・ドラゴン』に『ライド』!更に『ヌーベルクリティック』と『ラーム』、『ラオピア』を『コール』!」
『ヌーベルクリティック』は前列左側、『ラーム』は前列右側、『ラオピア』は後列左側に『コール』された。
――このデッキ構成は明らかに狙ってるな……。『ヌーベルクリティック』すら見えたことで大介は確信する。また、貴之が自らをかなり追い込んでいたことも理解できた。
「スキルは使えないからこのまま攻撃だ……まずは『ラーム』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。『ダメージチェック』……」
イメージ内で『ラーム』の盾による殴打を受けてから行った『ダメージチェック』はノートリガーで、大介のダメージが1になる。
「次は『ヌーベルロマン』で『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「それはノーガードだな」
『ヌーベルクリティック』のスキルを思い出した大介は、そちらに手札を回すことを選んだ。
この時貴之の『ドライブチェック』が
一方で大介の『ダメージチェック』はノートリガーだったので、これでダメージが2になった。
「最後だ。『ラオピア』の『ブースト』、『ヌーベルクリティック』でヴァンガードにアタック!」
「それは『ザシキヒメ』で『ガード』!」
パワーはトリガー効果で28000まで上がっていた『ヌーベルクリティック』の攻撃だが、『ザシキヒメ』によってパワーを30000まで上げることで防ぎきる。
「まあ流石にこっちを選ぶよな……」
「手の内が分かってるからな……こうするさ」
――さて、ここからどうやって呼び寄せるか……。次のターンの動向を伺いながら、貴之はターン終了を宣言する。
「多分、ここから貴之さんの動きが縛られ始めるね……」
「ええ。そして、ユニット次第では呼び寄せる間すら与えて貰えないわ……」
「まるで今までの全てを出しきれと言うかのような相手……。今日、彼を呼べたのはいいタイミングなのかもね……」
『ぬばたま』の盤面操作能力を書き起こしながら、秋山姉妹は分析を行う。
結衣の口にした通り、今日大介を呼べたのは本当にいいタイミングなのだと思えた。あの負担を克服するまでが近いのも一助している。
「『マガツゲイル』に『ライド』してスキル発動!リアガードにも『コール』してスキル発動!『フウキ』と『サクラフブキ』、『オボロザクラ』を『コール』!」
リアガードの『マガツゲイル』は前列右側、『フウキ』は後列中央、『サクラフブキ』は後列左側、『オボロザクラ』は前列左側に『コール』された。
また、この時『サクラフブキ』と『オボロザクラ』のスキルも忘れずに発動されている。この為左側のアタックは、『ブースト』込みで既にパワー26000になっている。
「よし……まずは『サクラフブキ』で『ブースト』、『オボロザクラ』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガードだな。『ダメージチェック』……」
相手の上昇したパワーから割に合わないと判断し、そのまま受けることにする。
この時の『ダメージチェック』はノートリガーで、貴之のダメージが1になる。
「次はリアガードの『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「そいつもノーガードだ」
トリガー狙いで貴之は敢えてダメージを貰いに行く。先程
今回の『ダメージチェック』は
このバトルが終わった時、大介は『マガツゲイル』のスキルで『サクラフブキ』を手札に戻した。
「最後は『フウキ』で『ブースト』、『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「いいぜ……こいつもノーガードだ!」
トリガーで上がったパワーが勿体ない気もするが、手札温存の為にここは受ける選択をした。
大介の『ドライブチェック』は
相手に『完全ガード』が回ったことは、貴之に取って少々痛い結果となった。
「(既に『完全ガード』が握られている状況だけど、貴之君はどうするのかしら……?)」
大介がそれなりに手札を使ってくれていることはありがたいが、それでも決着を着けるのは難しいだろう。
しかしながら、早期に決着を着けないと『ぬばたま』の盤面操作でやられてしまう可能性が上がるので、貴之側から見ればかなりもどかしい状況だった。
「こう言った状況を前でも、変えずに行かせてもらうぜ……ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」
『フォース』もヴァンガードに設置すると言ういつも通りの行動を取ってから、空いてる後列右側に『ヌーベルロマン』を『コール』し、『オーバーロード』の『ソウルブラスト』を行う。
「(『ラーム』と残りどっちかが通ればいい……。そうすりゃ後が楽だ)」
『オーバーロード』ならフィニッシュの可能性が見え、『ヌーベルクリティック』なら手元に『ヌーベルバーグ』を呼べる。相手がこちらを知っているからこその二択の掛け方だった。
手札の残りが少々悪目な大介としても、防ぐならどこか一つに留めたいはずなので、恐らくどちらかは通せると貴之は見込んでいた。
「先にこっちからだな……『ヌーベルロマン』で『ブースト』、『ラーム』でヴァンガードにアタック!」
「それはノーガード」
「流石に『ラーム』は防がないか……」
「『ラーム』攻撃は当たっても大きなメリットが無いもんねぇ……」
前列にいるユニットの中で、『ラーム』だけはスキルを持たない……。つまり、防がなくても状況の悪化は少ないのだ。
故に大介そのまま受けることを選び、『ダメージチェック』を行う。その結果はノートリガーで、大介のダメージが3になる。
「行くぞ……『オーバーロード』でリアガードの『オボロザクラ』にアタック!」
「……これもノーガードだな」
前列のユニットが全滅してしまうものの、次のトリガー次第では防ぐ必要が無くなるので様子見を選ぶ。
この時行われる『ツインドライブ』で、貴之は
「こいつはどうする……?『ヌーベルロマン』の『ブースト』、『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「仕方ない……『ミジンガクレ』で『完全ガード』!」
貴之の高いイメージ力ではこのまま決着が付いてしまう可能性が高い。そう読んだ大介は何としても防ぐことを選んだ。
『ドライブチェック』はノートリガーだったものの、手札的に次を防ぐと後が無いことも感じ取れていた。
「流石にこれは通すだろ……『ラオピア』の『ブースト』、『ヌーベルクリティック』でヴァンガードにアタック!」
「受けるしかないか……」
ここで防いでしまうと次のターンで殆ど行動できなくなるので、そのまま受けることにした。
『ダメージチェック』はノートリガーで、大介のダメージが4になると同時に貴之が『ヌーベルバーグ』を手札に加えることでターンが終わる。
「俺のターン、『スタンド』アンド『ドロー』……。今回はこっちで行くか」
「(あの言い方からして『マガツストーム』を使わないことは間違いねぇ。てことは……!)」
大介の発言で貴之は違うものが来ることを察し、今まで見たことあるユニットから、何が来るかの予想を立てる。
『ライド』を行った時、その予想が当たりであることを証明されることとなった。
「『ライド』!『
「『クジキリコンゴウ』……。徹底的な盤面操作を行う気ね」
「手札次第じゃこのまま逆転勝利……このターンが一番踏ん張りどころになるなぁ……」
大介が『ライド』したのは黒い体を持ち、一対の刀を自身の周囲に浮かせた長身の竜『クジキリコンゴウ』だった。
何事もない場合は『マガツストーム』を選択することが多い大介だが、今回は相手の魂胆が分かっているので、場合によってはそうさせる前に勝てる『クジキリコンゴウ』を選択した。
『プロテクト』を獲得した後は前列右側に『オボロザクラ』、前列左側に『マガツゲイル』を『コール』して『マガツゲイル』はスキルを発動させる。
「更に二体の『ドレッドマスター』を『コール』して二体ともスキル発動!この時、ヴァンガードが『クジキリコンゴウ』なら『ソウルブラスト』をすることで、相手は自分のリアガードを一体選んで手札に戻し、その後手札から一枚捨てる!」
「仕方ねぇ……そうなったら戻すのは『ヌーベルクリティック』と中央の『ヌーベルロマン』だな」
何を残すべきかを考えながら貴之は手札にユニットを戻し、その後手札を捨てる。
しかしながら、最も痛いのはこの後誘発する『クジキリコンゴウ』のスキルだった。
「こっちのカード効果で相手がリアガードを手札に戻した場合、『クジキリコンゴウ』のスキル発動!このターンの間そのユニットと同じグレードは『コール』できない!」
「今回はグレード1とグレード2……痛いことになったわね」
「『完全ガード』があるだけマシなのか、それとも極端な防ぎ方しかできなくなったか……判断が難しいね」
貴之の手札は現在7枚だが、手札次第では殆ど防げないという状況になってしまっている。
ここからどう防ぐか……と考えようとしたところで、『クジキリコンゴウ』にはもう一つスキルがあることを思い出す。
「相手の手札が4枚以上なら『カウンターブラスト』をして『クジキリコンゴウ』のスキル発動!手札を一枚選んで捨てて貰うぞ」
「なら……俺が選ぶのはこっちだな」
貴之はやむ得ず一枚の手札を捨てる。これによって用意が終わった大介は攻撃を始める。
「トリガーもらったら後がないからな……『フウキ』の『ブースト』、『クジキリコンゴウ』でヴァンガードにアタック!」
攻撃宣言を受けた貴之は一度手札を確認する。6枚ある手札の内一枚は『ヌーベルバーグ』、一枚は『オーバーロード』。二枚は『ツインドライブ』で引いた時のトリガーユニットで、残った二枚が『ヌーベルクリティック』と『ラオピア』というかなり極端な状況だった。
現在のダメージは3で、トリガー次第では敗北もあり得るが、ここを防ぐと次のターンの状況を整えられないような気がした。
「頼んだぞみんな……俺はノーガードだ!」
「そう来たか……なら、『ツインドライブ』。ファーストチェック……」
大介と自分。双方のイメージを信じた貴之はノーガードを選択する。状況的には博打に近いので、秋山姉妹が目を点にする。
そして『ツインドライブ』では二枚とも
イメージ内で『クジキリコンゴウ』となった大介が、両手を合わせてから行う妖術で浮かせていた刀を操り、『オーバーロード』となった貴之を切り裂く。
これで終わりかと思われたが、『オーバーロード』となった貴之が消滅する様子は見えず、膝を着いてからゆっくりと立ち上がった。
「(あいつが消滅しないってことは、地方の時と一緒か……!)」
大介は自分の持っているイメージを逆手に取られたことを悟る。
その結果を表すかの如く、貴之の『ダメージチェック』は一枚目が
これによってダメージが5で留まり、パワーを全てヴァンガードに回されたことによって『オーバーロード』への攻撃が届かなくなってしまった。
「な、なんて大胆な……」
「度胸があると言うか、無茶苦茶と言うか……」
「あれはちょっと真似したくないなぁ……」
貴之が己のイメージを信じてこう言った状況を作り出すのは時折見るのだが、然程迷わず判断できるのは今でも驚くことがある。
これを実行した当の本人はしてやったりな笑みをしているが、秋山姉妹は数瞬だけ呆然とした。
「仕方ない……『ドレッドマスター』の『ブースト』、『マガツゲイル』で『ラーム』を攻撃!」
「すまねぇな……ここはノーガードだ」
状況が整ったこと、防いでも過剰的な数値での防御しかできないこともあって、今回は『ラーム』を見捨てることになる。
大介はこの攻撃の後、手札に『ドレッドマスター』を戻してからターンを終了する。
「俺のターン、『スタンド』アンド『ドロー』……」
「(止められなかった以上来るのは間違いないが……)」
――本当に大丈夫なのか?『ヌーベルバーグ』に『ライド』する瞬間を見たことがない大介は少々不安になる。
見慣れている秋山姉妹が静かに見守っているので、見慣れていない大介は対極的な状況に置かれているのだ。
「ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・ヌーベルバーグ』!」
そして遂に、大介の前で初めて『ヌーベルバーグ』に『ライド』をする。
この時に来る負担に備えて貴之は身構えるのだが、何も来ないまま数瞬時間が経過する。
「……ん?いつもならこのタイミングで負担がくるはずなんだが……」
何も来ないことに困惑しながら、貴之は己の手元を見つめる。
確かに『ライド』には成功している。それは四人の目から見てもそうだった。となると、一つの結論に辿り着いた。
「ユイ姉、ミズ姉!こうなったってことは……!」
「うん。その時になったみたい」
「おめでとう、貴之君。無事に乗り越えられたわね」
「……!そうか!そう言うことか!」
己の努力が形になったことで、貴之は「よっしゃぁ!」と喜びの声を上げる。その事実を目の当たりにした大介は心の中で脱帽する。
――出来上がったなら、後はファイトするだけだ!『フォース』を前列左側に置いてから、空いてる前列二つに『オーバーロード』を、後列中央に『ラオピア』を『コール』する。
その後はダメ出しと言わんばかりに、前列三体のユニット全ての『ソウルブラスト』を発動させて大介のリアガードを一掃すると同時にこちらはパワーを大幅に上昇させる。
「行くぞ……!『ラオピア』の『ブースト』、『ヌーベルバーグ』でヴァンガードにアタック!」
「それにはこれしかないな……!『プロテクト』を発動!」
流石にパワー78000まで上がった『ヌーベルバーグ』を、『プロテクト』含む四枚の手札で防ぐにはこれしかなかった。
この『ドライブチェック』で貴之は
「効果はすべて左の『オーバーロード』に!そのまま『ラオピア』で『ブースト』した左の『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「……ノーガード。俺の負けだ」
残された手札の内一枚は『ザシキヒメ』だが、もう一枚が『マガツストーム』だったことでどう足掻いても防ぎようのない状態だった。
そのままイメージ内で『オーバーロード』の剣による斬撃と、ゼロ距離で口から吐かれた業火の連撃を受け、『クジキリコンゴウ』となった大介は『クレイ』から消滅する。
『ダメージチェック』は一枚目が
「全く……地方の時と言い、とんでもないこと考えるよお前は……」
「あいつに勝つにはこれだと思ってな……。無茶したのは認めるが、これで今後も問題なく使えるぜ」
「その無茶した甲斐がこれか……。取り敢えず、お疲れ様だな」
大介が労いの言葉を送った後、一度ファイトが終わった挨拶を行う。
「お疲れ様。これで椅子のお世話になるのは終わったね?」
「それを言われるとちょっと弱るな……」
貴之と結衣の話しを聞いた大介が呆然とする。何の話しをしているかが解らなかったのだ。
それを予想していた瑞希が今までの経緯を説明すると、「これがあるから堂々と話すのは難しいな……」と一応の理解を示す。
この後連続ファイトを行おうか迷っている貴之が見えたので、大介は自分の思ったことを伝えることにする。
「貴之、『ヌーベルバーグ』は隠し玉……っていうか、切り札にするんだよな?」
「そのつもりだが……どうした?」
「そうするなら、サポートカードも隠すことになるし、動きが窮屈にならないか?」
『ヌーベルバーグ』を一真と戦う時のみの為に採用したのなら、それを最後まで隠し通す為にも『ヌーベルロマン』と『ヌーベルクリティック』は戦い方を大きく制限すると大介は思っていた。
それに関しては貴之も思い当たる節はあるようで、少しだけ考え込む素振りを見せる。
「確かに、一旦デッキを再調整した方がいいかもな」
「大丈夫ですか……?時間そんなにないですよ?」
瑠美の言いたい気持ちは分かる。再調整したところで間に合うのかという疑問があるのだ。
しかしながら、調整せず動きを制限するのは頂けないので、貴之は地方大会までのことを思い返しながら一つの考えを出す。
「グレード3以上は今のままでいいとして、グレード2以下を地方大会の状態に戻そうと思う」
今は『ヌーベルバーグ』を使用することを重点的に見ていたデッキにしているので、自分本来の戦い方を維持しつつ、それを取り入れるデッキへの変更だった。
それなら動きづらさも減り、組み替えたデッキに慣れるまでそこまで時間も要さないのでいい提案だった。
「ところで、カードは他に持って来ているの?」
「いや、流石に鞄の中に入らないから持って来て無いですね……」
流石にそうなるだろうと聞いた瑞希は納得する。今日が休日なら念の為に持って来てこの場で編集……ということもできたが、今回ばかりは仕方ないだろう。
方針が決まったならすぐ行動……と言うことで、貴之と大介は秋山姉妹との挨拶を済ませてから店を後にするのだった。
* * *
『じゃあ……これからまた組み替えるの?』
「ああ。流石に全部のファイトを二体使わないで戦うって無理があるからな……」
家に帰って夕食と風呂を済ませた貴之がデッキを組み替えようとしたところ、友希那から電話が来たので現状を伝えていた。
一真のように一体だけならまだやり様はあったかもしれないが、こちらは二体分も縛る必要がある為、まともに戦える気がしないでいた。
元々は『オーバーロード』を主軸に戦い、状況が整った時は『ウォーターフォウル』を切り札として呼ぶデッキだったのだから、その戦い方を維持しつつ、もう一つの切り札として『ヌーベルバーグ』を添えると言う方向に定めたのだ。
彼と当たらない限り『ヌーベルバーグ』は使わない方針なので、当てにしすぎてはいけない。実質的な切り札は『ウォーターフォウル』となり、分身は相変わらず『オーバーロード』になる。大介に言われなければ、デッキを変えぬまま全国大会に臨んでいたかも知れないので、とても助けになった。
『あなたがこの先ああならないって分かっただけでも、本当に良かったわ……』
「……そりゃそうか。あの時は悪かったな」
友希那の声音が安堵のものに変わったのに気づいて、貴之は一言詫びる。
これに対して『過ぎた話しだから、もういいわ』と友希那が言ってくれたのでこの話しはここで終わる。
『そろそろ切るわ。デッキの方、しっかりと完成させて頂戴ね?』
「そっちも練習の方しっかりとな?じゃあ、またな」
互いに大事な日が近いのもあって、電話を程々に切り上げる。二人揃って「自分の長電話に突き合わせて、相手が辿り着けなくなったら嫌」という共通の想いがあった。
電話を終えた貴之は、早速机の上に広げたカード群を見る。
「よし……やるか!」
デッキの方針は決まっているので、その通りに貴之は早速組み始める。
どのようにして組むかが決まっていたこともあって二時間弱で完成したデッキをケースにしまい、明日以降に備えるのだった。
貴之は無事に『ヌーベルバーグ』の負担を乗り越えることに成功しました。
次回はこの勢いのままRoseliaシナリオの19話と並行して全国大会……と行こうと思ったのですが、本小説の話数の構成変更によってここまでの時間軸が少々早まっているので、一回だけ直前の話しを書こうかと思います。
イメージ48にてライブとファイトを並行して行う場面がありましたが、今後はどのような書き方がいいでしょうか?
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作者にお任せ
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並行してやって欲しい
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別々に分けて欲しい