「(書類選考と音源選考はあっさりとクリア……二人とも流石だなぁ~)」
準備を始める際に、リサは友希那と紗夜が言っていたことを思い出す。
書類は紗夜、音源は友希那が担当してやったのだが、完成度の高さから本当にあっさりと通過させることに成功していた。
――さて、本番はこっちだね。今日の演奏に備えて準備を始めようとしたのだが、一つのことに気がつく。
「……って、ああっヤバ!メンテ用のスプレー忘れた……!?」
気づいたことは、普段ベースをメンテナンスする際に使用するエアスプレーを忘れて来てしまっていたのだ。
これが無いとベースの埃除去ができなくなり、そのまま放置するとジャックにシールドを繋いでも音が出なくなってしまうことだってあるのだ。
しかも今日は大事なコンテストの日であり、そんな日にこれはかなり致命的なミスであった。
「……使いますか?」
「えっ?いいの?」
そんな自分の声に真っ先に反応したのが紗夜だった。
忘れ物はするなと言ったじゃないかと言いたげな様子が若干あったものの、それは然程強くないようだ。
「構いません。今日と言う大事な日に思う通りの演奏ができないのは悔み切れないでしょう?」
「うん。ありがと♪使わせてもらうね」
ギターで使うメンテ用のスプレーはベースに代用することも可能であり、それが理由で紗夜はリサに貸すと言う選択肢が生まれたのだ。
また、紗夜はまだ使っていないらしいので、リサは手早くメンテナンスを済ませることにした。
「(紗夜、大分優しくなったね……)」
背負っていた……と言うよりは、自分で背負ってしまった重荷を降ろせたのがいい方向に働いている。それは間違い無かった。
そう考えている時に紗夜の顔を見ていた為、何か付いてるのかと首を傾げたので、何でも無いと言いたげに顔で伝えて作業に戻る。
「りんりん、ステージ大きいけど大丈夫?」
「大事な日だから、上手くやれるかで怖いところもあるけど……あこちゃんが心配してくれたことにはならないと思う」
あこが危惧してくれたのは始めて友希那の歌を聴きに行った日のように、自分が顔を青くしてしまわないかだった。
燐子自身そんなことはもう無いと思っているが、それでも気にかけてくれたことは嬉しいので礼を言う。
また、自分が不安に思っていたところも、実はそうでもないと言えそうな要素はあった。
「キーボードに支えられている気がして……これなら平気だと思うんだ」
「あっ!それ分かるかも!あこもドラム叩いてると無敵になった感じあるし!」
燐子の理由はあこもよく分かった。最初は不安でも、実際に演奏してしまえば平気と言うのはRoseliaのファーストライブや、加入を決めるオーディションの時もそうだったのだ。
なら後はいつも通り演奏するだけだ。それに気づいたあこは「よーし!練習の成果、見せてやろうねっ♪」と気合いを入れる。
気合いを入れること自体は悪くないのだが、一つだけ気を付けて欲しい所はあったようで……。
「あこ、他の応募者もいるんだから程々にね……?」
自分たちだけがいる場所では無いので友希那が注意喚起する。
そんなRoseliaのやり取りを見ていた他のバンドの人が「クールなバンドと聞いていたが、思っていたより普通な空気をしてる」だったり、「バンドなら仲の良い方がいいだろう」と言った声が聞こえるものの、友希那たちは対して気にしない。
Roseliaのことを話していた人たちが待機場所で見れるテレビに目を向けた。
「あっ、Pastel*Palettesじゃん。デビュー前なのに凄いプッシュされてるよねー」
Pastel*Palettesは日菜のいるチームなので、紗夜がどんな反応を示すかが気になったリサは彼女の方を見る。
当の本人である紗夜は全く気にした様子を見せず、リサの予想とは全く違う理由でこちらに顔を向けて来た。
「スプレーは終わりましたか?」
「あっ、うん。ありがと」
――そういえば紗夜も使うんだった……。彼女の問いに半ば反射気味に答えながらスプレーを返す。実際の話し、メンテナンスは終わっているから問題ない。
また、リサがこちらに顔を向けた本来の目的に気づいていたのか、「別に気にしていませんよ」と答えながら紗夜はギターのメンテナンスを始める。そんなことを気にしていたら諦めたのも同義になるから止めたと言うのが紗夜の答えだった。
「それに……本当に戦うべき相手は自分自身ですから」
「自分自身かぁ……」
自分がベースに復帰するのを決めたことや、友希那がスカウト案件を機に自分のことを話したのも、自分と戦って打ち勝った結果なのだろう。リサも紗夜の言ったことに納得が行った。
紗夜がメンテナンスに集中し始めたので、リサはメンバーの様子を見てみる。
隣には日菜のことを全く気にせず作業を進める紗夜。ほんの少し離れた所では人混みの中でも平気で談笑するあこと燐子の姿があった。
「(みんな本番前なのに凄いなぁ~……)」
自分だけ緊張しっぱなしなのではないかと思いながら、友希那はどうだろうかと考えてそちらを見る。
しかしどこか別の場所に行っているのか、そこに友希那の姿は無かった。
「あれ……?友希那?」
――準備しなくて大丈夫かな?音楽のことで余程のヘマはしないと思うが、念の為リサは彼女を探しに行くことにした。
* * *
時間は進んで全国大会の二回戦を迎えていた。
貴之と戦った真司が一回戦で敗退した以外は全員が勝ち残っており、左側にいた貴之と俊哉は先にファイトをし、勝利を収めている。
この二回戦では右側にいる玲奈と竜馬が当たることになっており、今から二人のファイトが始まるところであった。
「そう言えば、この組み合わせはやらなかったよな?」
「あぁー……確かにここが始めてだね」
この二人での組み合わせによるファイトは機会が恵まれず、この全国大会が始めてとなる。
一応地方大会のおかげで『クラン』こそ把握出来ているものの、この先は実際にやってみるしか無かった。
「大会である以上、手は抜かねぇからな?」
「まあ、お手柔らかにね?」
好戦的な笑みの竜馬と、柔らかいながらもどこか不敵な笑みの玲奈。それはまるで、使用する『クラン』を表しているかのようであった。
会話はここまでとしたのか、二人揃ってファーストヴァンガードに右手を添えた。
「「スタンドアップ・ヴァンガード!」」
竜馬が『バトルライザー』に、玲奈は『メッセンジャー』に『ライド』する。
「『ペイルムーン』と『ノヴァグラップラー』か……普段以上に早期決着が起こりそうだね」
「手数を考えれば、お互い防げる場面が一気に減るだろうからな」
両者とも『アクセル』を使って攻撃寄り、或いは偏重な『クラン』である為自然と『ガード』回数が減ることを予期される。
『ペイルムーン』は『ソウル』を使えるので少しはマシかもしれないが、『ノヴァグラップラー』は
竜馬の先攻でファイトが始まるようで、場合によっては最初から攻撃が飛ぶ可能性も考慮される。
「『ライザーカスタム』に『ライド』!一枚ドローして『ジェットライザー』を『コール』!そのままヴァンガードに攻撃だ!」
「流石にノーガードかな。『ダメージチェック』……」
竜馬がここで『ブースト』を使わないのは、大抵の人が最初は攻撃を受けるのを覚えているからだ。
案の定玲奈はノーガードを選択し、今回は
「本当に『ノヴァグラップラー』は一個一個が速いね……」
「決めなきゃ負けるってのもあるからな……。竜馬としても急ぎたいんだ」
長期戦をすると自分が負けると言う未来が待っているので、いきなり
それでもまずは1ダメージだと言い聞かせて竜馬はターンを終了する。
「まずはショーの準備から……『ライド』!『スターティング・プレゼンター』!『ソウルチャージ』と一枚ドローをして『バニー』を『コール』!」
スキルによる『ソウルチャージ』が狙いなので、『バニー』は後列中央に『コール』される。
このターンによる『メインフェイズ』はここまでで、早速攻撃に入る。
「では攻撃……『バニー』で『ブースト』、『プレゼンター』でヴァンガードにアタック!『ブースト』した時、『バニー』のスキルで『ソウルチャージ』!」
「ノーガード。『ダメージチェック』……」
これによって玲奈の『ソウル』は4になるが、全力を発揮する前に倒せばいいので竜馬は深く考えることはしない。
『ドライブチェック』、『ダメージチェック』は共にノートリガーで、竜馬のダメージが1になったところで玲奈のターンが終了する。
「長く使うって意味でもこうだな……『アイアン・キラー』に『ライド』!」
今回は後列中央に『ジェットライザー』がいるので、スキルを腐らせない意味合いもあって『ハイパワード』は前列右側に『コール』される。後列右側にはユニットがいないので、スキルを使って『バトルライザー』を呼び寄せる。
さらに前列左側にもう一体の『アイアン・キラー』、後列左側に『デスアーミー・ガイ』を『コール』し、場に六体のユニットを並べる。
また、今回は乗り込んで操縦ができる『ライザー』系統のユニットではない為、乗り込む形の『ライド』ではなく、他の人たちと同じく光に包まれて姿が変わる方式だった。
「四回攻撃狙いはいつも通りか……」
「さっきの
一真は自分の番が回ってきているので今は席を外している為、残った六人は共通の見立てを出した。
確かに手数の都合上手札を多めに使う『ペイルムーン』でも、『ノヴァグラップラー』の連続攻撃は避けたいところである。
「まずは『ジェットライザー』で『ブースト』、『アイアン・キラー』でヴァンガードにアタック!」
「……ノーガード」
『ジェットライザー』、『アイアン・キラー』共にスキルでパワーが上がって合計24000となっているので、防ぐのは割に合わないと感じた。
『ドライブチェック』では
イメージ内で『アイアン・キラー』となった竜馬の鉄球を受けた玲奈の『ダメージチェック』はノートリガーで、このままダメージが2となる。
「次は『デスアーミー・ガイ』で『ブースト』、『アイアン・キラー』でヴァンガードにアタック!」
「それもノーガードだね。『ダメージチェック』……」
トリガーを引いておけば次の攻撃が防ぎやすい為、玲奈はそれを狙うことにした。
『ダメージチェック』では
「通るとは思わねぇけどな……『バトルライザー』で『ブースト』、『ハイパワード』でヴァンガードにアタック!」
「『バニー』で『ガード』!」
『ブースト』とトリガー効果を得た『ハイパワード』の合計パワーは25000だったのだが、『バニー』の『シールド』パワーとトリガー効果を加えた合計パワー28000で防がれることになった。
『ハイパワード』の攻撃を止められたことで追加攻撃をすることが叶わなくなり、竜馬はターンを回すことになった。
「それでは、『ペイルムーン』によるショーの始まりです……まずは『ニトロジャグラー』に『ライド』して『ニトロジャグラー』と『プレゼンター』のスキル発動!」
――『プレゼンター』と交代し、次のショーに参加するのは『ダンシング・ナイフダンサー』!『プレゼンター』のスキルによって『ソウルチャージ』されたのは『ナイフダンサー』であり、それは前列左側に『コール』される。
さらに『メインフェイズ』で後列左側に『トラピージスト』を、後列右側にはもう一体の『ニトロジャグラー』を『コール』する。
「それではこちらも
「ノーガード。『ダメージチェック』……」
パワーの低さから先に『ブースト』ができない方で攻撃をする。相手が防ぎたくないのを突いたのもそうだが、後々攻撃が届きづらいのもあるかだ。
竜馬の選択は危険が来ない限りはノーガードである為、今回も防ぐことはしない。手札が切れると攻撃に手数を回せないせいである。
『ダメージチェック』はノートリガーで、これでダメージが2になった。
「次はこのターンでのメイン……『バニー』の『ブースト』、『ニトロジャグラー』でヴァンガードにアタック!」
「まだダメージは2……ノーガードだな」
このターンで負けることはないし、トリガー次第では次も防がない方針を取れる竜馬はここも防がない。
今回玲奈が引いたのは
『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが3になるもののこのターンは次の攻撃も防がないことを決めた。
「最後の一回……来な!」
「ではお望みのままに……『トラピージスト』の『ブースト』、『ナイフダンサー』でヴァンガードにアタック!」
相手の
イメージ内で『ナイフダンサー』の剣戟を受けた後『ダメージチェック』を行い、結果はノートリガーだった。
これによって竜馬のダメージが4になって玲奈のターンが終了する。
「やっぱり二人とも……あまり防ぎたくないんだね」
「二つとも攻め込む『クラン』だし、竜馬の『ノヴァグラップラー』に至っては次決めないと失速するしな……」
やはりと言うか、竜馬の次のターンが勝負の決め手となりやすい。ダメージが4である以上、ここで決めれば勝ち。そうでなければほぼ負けと言った状況になっていた。
対する玲奈もこのターンを耐えるまでは絶対に気を抜くことは無いだろう。今回は竜馬が
「今回はこっちだな……『アシュラ・カイザー』に『ライド』!」
今回は手札に『パーフェクトライザー』が無く『アシュラ・カイザー』があったのでそちらに『ライド』する。
なるべく『パーフェクトライザー』にライドしたいのは、スキルが理由である。
『アクセル』を設置した後、そこに『バーストライザー』を『コール』して場のユニットを七体に揃える。
「ショーの終わりはそっちの
「ノーガード。『ダメージチェック』……」
ダメージが3である玲奈はいたずらな手札消費を避け、一度トリガー狙いに入る。
その結果はノートリガーで、イメージ内で『バーストライザー』の拳に打ち付けられた玲奈はダメージが4になる。
「次は『アイアン・キラー』でヴァンガードにアタック!」
「……!それもノーガード。『ダメージチェック』……」
相手がブーストしなかったことに察しを付け、玲奈はそのまま攻撃をもらう。
幸いにも『ダメージチェック』は
「『アシュラ・カイザー』のスキルに備えたか……」
「次の『ツインドライブ』次第ではあるけど、どうなるか分からないからな……」
竜馬は条件を満たせることを前提で『ブースト』をしなかったのだ。
一方で条件が満たせなくとも、ダブルトリガーであれば残った二体でどうにかする方向にシフトできるので、十分にやり様はある状況だった。
「行くぜ……『ジェットライザー』で『ブースト』、『アシュラ・カイザー』でヴァンガードにアタック!」
「『冥界の催眠術師』で『完全ガード』!」
ダメージ4で『ツインドライブ』が待っている状況なので、一度安全に防ぐことを選択する。これには先程まで二回連続のノーガードで手札消費を抑えたことも起因する。
竜馬の『ツインドライブ』の内、一枚目は
二枚目のトリガーチェックはグレード3の『パーフェクトライザー』……つまりはノートリガーだった。
「(あぁ……そっちが出ちゃったか)」
ノートリガーではあるのだが、引かれたユニットのグレードが問題だった。
引いたユニットのグレードが『アシュラ・カイザー』のスキル発動条件に繋がっている為、玲奈としては嬉しくない結果である。
「『ドライブチェック』でグレード2以上のユニットを引いた時、『アシュラ・カイザー』のスキル発動!リアガードを一体『スタンド』させる!」
『バーストライザー』はスキルによって『スタンド』させることができる為、ここでは先程攻撃した『アイアン・キラー』を選択する。
また、今回は引いたユニットのおかげで追加効果が発動できる。
「さらに、今回はグレード3のユニット……この場合は『カウンターブラスト』することでこのターン中、そのユニットのパワーをプラス10000!」
これによって、実質的にトリガー効果を得たような状態で次の攻撃ができることになった。
このターンで残された攻撃は最低でも後三回……結果的に六回はこのターンで攻撃ができる。
「後三回か……『デスアーミー・ガイ』で『ブースト』、『アイアン・キラー』でヴァンガードにアタック!」
「それはノーガード。『ダメージチェック』……」
残り二つは受けたくない攻撃しか無いので、ここでトリガーを狙いに行く。
その結果は
「仕方ねぇ……『バーストライザー』でヴァンガードにアタック!」
「『ジャンピング・ジル』で『ガード』!」
パワーが29000まで上がっていたお陰で、パワー32000の『バーストライザー』の攻撃は必要最低限で防ぐことができた。
残った攻撃はパワーが足りない為、やむ得ず竜馬はターンを終了する。
「今戻った。どうなっているんだい?」
「竜馬の三ターン目が終了。これから玲奈の三ターン目だ」
一足先にファイトの終わった一真が戻ってきたので、貴之が簡単に答える。
決めきれなかった理由を探すべく一真が玲奈の『ダメージゾーン』を見て、それに気づく。
「(なるほど……今回は青山さんのイメージが一枚上手だったか)」
『ハイパワード』が『レスト』していないのもあり、それに気づくのは思いの外早かった。
そうして一真が分析を終えたところで、玲奈のターンが始まった。
「それではショーの大詰めに入りましょう……!『ゴールデン・ビーストテイマー』!」
『アクセル』を設置した後、玲奈はこれ以上『メインフェイズ』で何かをすることは無くそのまま攻撃に入ろうとする。
と言うのも、この後『ビーストテイマー』のスキルを使えば空いてる二つのサークルを埋めることはできるし、『ソウル』に呼ぶべきユニットが揃っているのだ。
「ショーも終わりが近づいて来ました……『バニー』の『ブースト』、『ビーストテイマー』でヴァンガードにアタック!この時『ビーストテイマー』のスキルで『アーティラリーマン』と『プレゼンター』を『コール』!」
「『ツインブレーダー』で『完全ガード』!」
『アクセルサークル』に『アーティラリーマン』を、後列右側に『プレゼンター』を『コール』することで全てのサークルにユニットが揃った。
今回は『ソウル』が8枚ある為、『アクセルサークル』、『ビーストテイマー』のスキルと合わさって『アーティラリーマン』のパワーは49000となる。
ここで
『ツインドライブ』では一枚目が
二枚目が
「盛り上げて行きましょう……!『トラピージスト』の『ブースト』、『ナイフダンサー』でヴァンガードにアタック!」
「賭けるか……ノーガード!」
どの道もう一回トリガー勝負をしなければならないので、先に一回だけ済ませてしまう。
その結果は
「次は『プレゼンター』の『ブースト』、『ニトロジャグラー』でヴァンガードにアタック!」
「流石にそれは止めるぞ……『ライザーカスタム』で『ガード』!」
合計パワー30000の攻撃は『シールドパワー』込みの合計32000で防ぎきる。
ここまではいいのだが、問題は『ガード』ができない状態で
「さあ、ショーの
「仕方ねぇ……!そのまま受けるぜ」
イメージ内で『アーティラリーマン』が放った大砲の弾に直撃し、『アシュラ・カイザー』となっていた竜馬が光となって消滅する。
それを表すかの如く『ダメージチェック』の一枚目がノートリガーで、竜馬のダメージが6となった。
「闇のサーカス団『ペイルムーン』が披露したショー……最後までお付き合いいただきありがとうございました」
「最後のダブルトリガーはちょっと予想外だったな……」
玲奈がお辞儀をするのに対し、竜馬は頭を掻きながらぼやいた。
ただそれでも、良いファイトであることには変わりなかったので、最後に挨拶とファイトが終わったことを知らせてから上に戻った。
「この後は準決まで俺たちの誰かが当たることは無くて、次の三回戦が終わったら一旦昼か……」
地方の時と同じく、16人までに絞り切ったら一台進行にする都合でこうなっているらしい。
その為ファイターたちは、進行側が準備している間に設けられる時間で昼食を取ることになるのだ。
「貴之と当たるのは準決でか……」
左側に残っているのは貴之と俊哉で、この二人が順当に勝ち上がればそこで当たることになる。
右側は一真と玲奈が残っていて、勝ち上がれば再び地方と同じタイミングでのファイトが決まっていた。
貴之は一真が終わったタイミングで呼ばれてしまっているので、既に下でファイトを始めていた。
「俺のターン……『スタンド』アンド『ドロー』……」
状況としては後攻で貴之の三ターン目に入っており、上手く行けばこのターンで決着をつけられる状況だった。
――手早く決めさせてもらうぜ……引き当てたユニットを見て、貴之は迷うことなくそれに『ライド』することを決める。
「ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」
玲奈は今回で対名有りファイター戦初勝利となります。最初からいる人物なのに勝ち星が少ない……。
ヴァンガードエクスの方でアップデートが入りましたね。
確かにターンファイターだからといっても5分間までと言うのは意外に長かったですし、リアルとは違ってタイマーが見えやすい場所にあるせいで長考すると「早くしろ」と思われやすかったんでしょうか?
他にも、ストーリーモードクリアでボーナス入るのは大きいですね。これを機にイズル以外はやっていなかったストーリーモードを回ろうかと考えています。
次回は貴之と俊哉で親友対決……と行きたいのですが、友希那の誕生日も控えているのでちょっと悩みどころです。