まずはオープニングと1話になります。
バンドリのアニメ3期の放送開始、ヴァンガードに新ルールでオーダーの追加と……情報量もあって盛り上がりと焦りが入り混じったような状況になって来ました(笑)。
本小説でオーダーの追加はまだ先になりそう……と言うか、追加できるかどうかが非常に不安だったりします。
また、アニメ3期スタート記念のガチャをRoseliaで回したところ、☆4はリサでした
「……と、言う訳で期末試験が近づいて来てるから、勉強はしっかりしておくんだぞ?数学で赤点取ったやつは……夏休みに俺と学校で補習することになるからな」
メインステージが終わった週明け。放課後のHRにて担任の長谷川からの言葉であった。
その為、貴之らもそろそろ試験の勉強を始めなければならなくなり、ファイトのできる時間が少しの間減ってしまう。
「さて、今日はバイトだったね……モカちゃん元気にしてるかな~?」
「それならまた今度だな……俺らはどうする?」
玲奈は今日、バイトのシフトが入っている為そちらへ行くことになる。どうやら同じシフトにいるのはモカと呼ばれる人物のようだ。
ファクトリーでの講習会は良かったらしく、美穂曰く「店長も満足してたよ」とのことだった。
その為、何人か集まれる日があるならそこで二回目の話しを持ちかけに行くのもアリだなと考えることができる。
「講習会やるなら、また俺たちの予定を確認するところからだな」
「確かに……また一真たちに確認するか」
講習会の人は思ったよりも多かった為、最低でも三人、四人いればそれなりに、五人いれば安心して回せるような状況だった。
その為Cordを使って連絡を取ろうと三人が携帯を手に取ったタイミングで、貴之の携帯にリサから電話が掛かる。
「お?リサからだ……」
「お前側に来るなんて珍しいな……」
俊哉の率直な感想に同意しながら貴之は電話に出る。
――と言っても、急に何があった?それが気にならないわけではなかった。
「もしもし?」
『いきなりごめんね……今大丈夫?』
「大丈夫だけどどうした?お前からなんて結構珍しいな……」
『実は今日、この後みんなで練習の予定だったんだけど、急遽バイトのシフトを代わることになってさ……』
――さっき言ってたモカって人かな?教室を出る直前に呟いた玲奈の言葉を思い返しながら考える。
こうして電話してきた以上、何か理由があるはずなので貴之は先を促す。
『アタシがいなくても普通に練習してるのかどうかがちょっと気になっちゃってさ……出来れば見て欲しいかな~なんて……いいかな?』
「なるほどな……」
恐らくリサも移動中だろうから余り時間は無いだろう。そう考えると決断は早くしなければならない。
実際のところ、貴之も普段見れない練習風景が気になっていたので見学に行くのもいいかもしれないと考えていた。
とは言え俊哉と大介と共に三人で講習会のことを考えようかと言う流れになっていたので、そこだけは一言入れる為にちょっと待ってくれと時間を貰う。
「悪い、リサから聞いた話しがさ……」
貴之は一度電話の内容を伝える。
引き受けた場合は講習会の話しは出来なくなるが、貴之としては行きたいところではあった。
「まあ……普段教える側だったし、たまには教わりに行ってもいいとは思うな」
「最初は多分見学だろうけど、せっかくならいいだろ。お前もたまには小休止を挟んだらどうだ?」
「助かる。そう言う事なら今日は行ってくる」
二人から許しを貰えたので貴之はリサにそれを伝える。
『ありがと♪それじゃあよろしくね?』
「分かった。そっちもバイト頑張れよ」
『うん。それじゃあまたね♪』
話しが決まったので二人はそこで電話を切る。
「こうなりゃ『善は急げ』だな……じゃあ俺は行ってくるよ」
「おう、またな」
二人に見送られながら、荷物を纏めた貴之は教室を後にした。
そうしてこの後、貴之は予想以上にリサと言う存在の重要さを知ることになる。
* * *
「いや~、お待たせ。先生との話しが長引いてちょっと遅くなっちゃった……」
時間は少々遡り、放課後の羽丘。校門の近くにRoseliaのメンバーが全員揃っていた。
これはあこ『たまには全員で揃って練習場所に行くのはどうですか?』と言う提案があり、それに全員が乗っかった形になる。
何事も無ければ羽丘組は三人全員で来る予定だったが、前途の通りリサが先生と話し込んでたので先に友希那とあこの二人で来ていた。
「先生から呼ばれてしまったのであれば仕方ありませんね」
風紀委員であることに真面目な性格が重なり、何かと先生に呼ばれることの多い紗夜が納得の意を告げる。
ちょっとくらいならいいだろうと思ったら予想以上に長引き、結果として遅れてしまうと言う経験を何度もしているのも拍車を掛けた。
「いつも通り練習に行くのはいいけれど、そろそろ試験のことも考えなければいけないわね」
「うぐぅ……今だけは忘れていたかったぁ~……」
「あこちゃん……乗り切ったら
燐子の言う通り点を取って乗り切れば補習も無く、課題さえやってしまえば自由なことを考えれば確かに平和な夏休みである。
しかしその為には勉強が必要になる為、あこからすれば非常に頭の痛い話しである。
「……長話をしていると注目を集めてしまうわね」
「確かにそうですね……」
「あっ、ごめん。電話来ちゃったから一旦出るね」
移動しようとした矢先、リサの携帯に電話が掛かってきたので一度電話に出る。
「もしもし、今井です」
『あっ、リサちゃんいきなりごめんね。実は今日モカちゃんが風邪ひいてお休みすることになってね……三時間だけでいいから出られないかな?』
「風邪引いちゃったんですか?そうだな~……」
電話の相手はバイト先の店長であり、急遽シフトの代理を務められないかどうかの電話であった。
練習する時間は多い方が良いのは確かだが、かと言ってモカの抜けた穴を放っておくのもそれはそれで嫌だと感じる。
仕方がないのでリサは一旦折り返す旨を伝えて電話を切る。
「リサ姉、どうかしたの?」
「ああ、実はさ……」
あこに聞かれたので事情を話そうとすると、今度はモカからメールが届いた。
そのメールは『急にすいません。変わってくれたらお礼しますんで』と言う旨のものであった。
確認を終えた後、リサは電話の内容を改めて説明する。
「リサ、あなたはどうしたいの?」
「アタシ?うーん……練習には行きたいよ?でも、向こうのことも気になるなぁ~……」
こういう時は本人の意思が大事なので、友希那はリサに問いかける。
そうして少しの間悩んだリサは、一つ聞いてみることにした。
「アタシが手伝いに行きたいって言った場合はどうするの?」
「その場合は、次の練習で
――以前なら、次の練習で二倍……とでも言っていたのかしら?リサに返答しながら、友希那はそんなことを考えた。
それを聞いたリサは、今の自分はバイト先のことが気になり過ぎて練習に集中できなくなるだろうことに予想を付けて答えを出す。
「そう言うことなら……いつもお世話になってる店長のお願いだし、モカの代わりにシフト入りに行くよ。終わったらそっち行くからさ」
リサの選択はバイト先に行くことであった。それならば仕方ないと反対する人はいなかった。
「分かりました。それではまた後で」
「今井さん、頑張ってください」
「うん♪それじゃあまたね~」
リサはそうして一人でバイト先に向かい、この後貴之に電話を掛けることに繋がるのであった。
思えば、リサがいない状態で練習するのは始めてだな――。四人の考えは共通した。
『(じ、自分が声を掛けるべきなのかな……?)』
こういう状況になったらリサが声を掛けることが多くなるので、全員が一歩遠慮気味な姿勢になる。
立ち位置的にみればリーダー格の友希那も、サブリーダー格で真面目な性格の紗夜も問題無いし、性格的に自分から声を掛けることの多いあこも、最も遠慮がちとは言え大事な時はそれなりに主張するようになった燐子も。誰が声を掛けてもおかしくは無い。
そして、この何とも言えない空気になった理由はリサがいないことだとあこは真っ先に気づく。
「(じゃあ……一回やってみようかな?)」
――少なくともこの空気が少しは変わるはず……と言うか、そう信じたい!思い立ったが吉日、あこは早速考えを実行に移す。
「一回リサ姉の代わりやって見ます!」
『え……?』
「あ、あれ?いつもリサ姉が空気作ってくれるし、誰かが代わりをやるべきかなと思って……」
いきなりは不味かっただろうか?そう考えてしまったあこは僅かに声が細くなる。
モノマネをやろうとして不発になってしまったが、完全に無意味と言う訳でもなかった。
「確かに……リサがそう言うことをしてくれていたし、今日はそこに気を付ける必要がありそうね」
「時間配分にその他諸々……分担してでもいいので、やっていきましょうか」
これでリサの担っているものの大きさを改めて理解する。
気づけたのはあこのおかげなので礼を言えば、あこも無意味では無かったことに安心する。
「そ、そろそろ移動しないと……目立ってきましたね」
「ホントだ……流石に移動しないとだね」
Roseliaのメンバーは途轍もない短期間でFWFのメインステージに出た成績から、どうしても注目を集めがちになる。
彼女らが長居していたことにより注目の目が集まり出しているので、後々移動が大変になる前にそろそろライブハウスに行くべきなのだが、更に注目を集めかねない人物が到着する。
「おっ、ギリギリ間に合った感じか……」
「貴之?」
もう既に貴之がこちらに来れる程の時間が経過しており、まさかの
付き合い始めた翌週にあっさりと広まっているのは周知の上だが、流石にここまで盛り上がる様子を見ると少々居づらくはなる。
「たまには見学しに行くのもいいかと思って声かけようと思ったんだが……大丈夫か?」
「えっと、私はいいのだけど……あなたたちは?」
「ああっ、あこは大丈夫ですよ」
「私も大丈夫です」
「私も構いませんが……どうして急に?」
彼が来ても問題無いには問題無いが、紗夜が問うたように、確かに理由は気になる。
――リサに頼まれたことは伏せておこう。問われた貴之は、本心を混ぜて無難な回答を選ぶことにした。
「以前、五人にヴァンガードを教えた時のことを思い返してな……。今度は俺がそっちの世界に足を踏み入れて見ようと思ったんだ」
「なるほど……そう言うことでしたか」
自身が相手の為に教えていたら、相手の方のことが気になったと言う典型例である。
全員が納得したことにより、改めて移動を始めるのであった。
「(恐らく、リサがいないことを意識した動きはするだろうけど……)」
――完全に補い切るってできるのか?そんな疑問を持ちながら、貴之は彼女らと共にライブハウスへの道を歩いた。
* * *
「予約していた湊です」
「湊さんですね。お部屋はCスタジオです」
部屋の案内と同時に機材レンタルの半額キャンペーンが実施中であることを告げられ、借りたい時は電話で呼び出して欲しいことを伝えると同時に借りれる機材のリストを渡される。
「さて、これから始めて行くのだけれど……」
「どうかしたんですか?」
「やりたいことは決まっているのに、段取りを余り決めていなかったわ……」
『……えっ?』
思わず問い返してしまった声には貴之も含まれている。全員が友希那にしては予想外の言葉であったのだ。
「そうね。新曲のコードを決めてきたから、まずはそれのメロディ決めたいわね」
「では、それをベースに考えてみましょうか」
「「はいっ!」」
方針を決めて練習を始めるのはいいのだが、ここへ来て早速リサがいないことによる弊害が起こる。
「……」
「~♪……」
「……?~♪」
「(み、みんなと演奏したい……!)」
「(あ、あれ?これ色々と不味い気が……)」
全員がちらちらと全員の様子を見ているのはいいのだが、声を掛けようとして結局迷ってしまっているのに貴之は気づいた。
友希那はマイクの設定をいじりながら、紗夜は自分のペースで音を出しながら、燐子は同じフレーズを繰り返しながら、あこは何か燻った様子を顔に出しながら。全員が気を遣おうとしてそれをしっかりできていないような形だった。
何故こうなっているかの原因は簡単に推測できる。だが、そこから先に進めづらい理由が貴之には存在している。
「(俺がやってもいいんだが……本来は部外者の俺が口出していいのか?)」
彼女らが貴之のファイトスタイルやティーチング法に口を出さなかったように、貴之も無暗に口出ししない方がいいだろうと考えていた。
しかしながらこのままだと本当に進まなそうな気もしており、非常に悩ましい状況になっている。
やむを得ないかと思ったところで「あ、あのっ!」とあこが声を出したことで、一度全員が手を止めて彼女の方に顔を向ける。
「せっかく集まってるんだし、一緒にメロディ考えながら演奏しませんかっ!?」
――なんか……みんなバラバラで、個人練習みたいです……。あこの言ったことは最もで、このままでは集まった意味がないのもあってその案は採用された。
「どうやってメロディを決めていきましょうか?」
「そうですね……」
友希那に振られて考えて見たが、そんなすぐには決まらなかったので紗夜はそれを伝える。
仕方がないので、何かいい案がないかを考えることにすると、あこが先程説明を受けていた機材を借りて見ないかと話しを持ち掛ける。
「機材でですか……何を借りたいのですか?」
「あこ、ドラムのハイハットを変えてみたいです!」
「私は……シンセサイザーを使ってみたいです」
あこが言うドラムのハイハットとは、叩き手から見て左側手前の二枚重ねになっているシンバルのことであり、これを変えることで音を長く伸ばしてみたいとのことだった。
燐子が使いたいと言ったシンセサイザーは『
「新曲に合わせて新しい音を模索するのもいいかも知れないわね……紗夜はどうするの?」
「借りるのであれば、私はギターのエフェクターを借りたいですね」
紗夜は音源を変えることで発生する
話しが決まったので、次は何を使いたいかを決める。
「う~ん……何にするか迷っちゃうなぁ……りんりんは決まった?」
「私はこれにしようかな?」
「私はこれにしましょう」
あこが迷っている間に燐子と紗夜は速い段階で決め、少ししてからあこも決める。
全員が借りたいものを決めたので、後は電話でそれを頼むだけになる。
「燐子、お願いしてもいいかしら?」
「私ですか?分かりました」
燐子は大して戸惑ったり驚いたりすることもなく、友希那の頼みを承諾して電話機の前に行く。
「大丈夫、イメージして……落ち着いて」
「(あの様子なら、もう心配は要らないな……)」
自分に言い聞かせてから電話を取る燐子を見て、貴之はあの頃から大分進んだなと感じるのだった。
Roseliaのメンバーが燐子の進み具合いに気づかないことはないが、大きな転機を目の当たりにしている貴之だからこそ、実感が大きい。
というのも、貴之が話して燐子が踏み込んだのが最大のきっかけである為、自然と貴之は気に掛けるのである。
「すみません。機材のレンタルをしたいんですが……はい……はい、そうです。お願いします」
電話を終えた燐子は、自分が予想以上に堂々と話せるようになっていたのに気づいて暫し呆然とする。
彼女が固まって動かないでいたこともあって三人が声を掛け、それによってようやく我に帰って反応を示した。
ここまでの一連の流れを見た貴之は、殻に閉じこもるのを辞めた影響なのだと理解する。
「お、思った以上に話せたのが信じられなくて……」
「でも……これで電話も普通にできるようになったのも分かったねっ!」
少なくとも今後のことで困る確率は下がる。それが分っただけでも大きな収穫である。
「進めているようで一安心ですね……。機材が来るまでは暫く時間が掛かりそうですね」
「そうのようね。機材が来るまで少しの間待っていましょう」
待っている間は時間ができるので、この間に貴之は聞けることを聞いておく。ともかく余程のことが無い限り練習の邪魔になるような行動は慎み、大丈夫な時だけ話しかけたり受け答えをする方針である。
その際に短時間での説明が難しいと言われた場所はメモを残しておき、時間を見つけて調べられるようにしておいた。
「お待たせしました。こちら、シンセサイザーとハイハット……それからエフェクターです」
「あっ、機材来ましたねっ」
「良かった……ちゃんと話せてた」
伝わっているどうかで気になっていたが、問題なかったことで燐子は安堵する。
頼んだ物が間違っていないことを伝えて、早速準備に取り掛かる。ちなみに練習に戻るこの段階で、貴之は邪魔にならない場所に移動を済ませる。
「音の方は大丈夫そうかしら?」
「問題ありません。いつでも行けます」
友希那の問いに返す紗夜に続き、あこと燐子も大丈夫である旨をジェスチャーで伝える。
――では、始めましょう。この一声を皮切りに練習が再開された。
一先ずオープニングと1話分が終了です。変更点としては……
・Roseliaの練習現場に貴之が同行
・リサが休む場合における友希那の返しが変化
・練習を始めた直後が相手をそれなりに気にするように変化
・頼んでいた機材が一発で持って来て貰える
こんなところでしょうか。『リサが色々手を回してくれているのを理解しているが、すぐにみんなで肩代わりしろと言われたらまだ無理』……と言うのがRoseliaの現状です。
次回はこのままイベントシナリオの続きをやっていきます。
Roseliaメンバーの初ファイトで、印象に残っている、または面白かったものは誰の初ファイトですか?
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友希那(イメージ3)
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燐子(イメージ10)
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紗夜(イメージ16)
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あこ(イメージ21)
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リサ(イメージ22)