バンドリ3期がとうとう終わってしまいましたね……(泣)。とても良い作品だったと思うからこそ、非常に寂しく思います。
まさかの続きが決定していて、二回目のFILM LIVEも決まっていてと……まだまだ続きがあるので楽しめそうです!
というか、私の予想外れ過ぎじゃないですかね……(汗)。今後私の予想が出たら外れると思った方がいいかもしれないです。木谷氏のツイートにて4期の制作が確定で度肝を抜かれました(笑)。
しかしながら、4期以降ってまた進学するんでしょうかね?3期は時間軸で見ると10月スタートの12月中旬以降ゴールでしたが……3年組が卒業する最後の三ヶ月を描くって言うのもあり得そうなところですよね。
「あった。『クラン』が載っているのはこのページからね……どれがいいか決めて行きましょう」
「うーん……そうだなぁ……」
時間は遡って貴之が彩と日菜のファイト相手を約束した日の夜。紗夜の部屋にて、資料集と公式サイトにて発売中のデッキを見ながら『クラン』選びを行っていた。
一先ず一通り聞いてから決めようと思った日菜は各『クラン』のことを聞き、紗夜は世界観による立ち位置とファイト時の特徴を教えて行く。
「これで『クラン』は全部ね……。方向性は決まったかしら?」
「あたしの場合、普通の戦い方だと退屈しそうだから、難しめのが使いたいな……」
──少なくとも、『ロイヤルパラディン』と『シャドウパラディン』、それから『かげろう』は外しかな?日菜がそう言った理由は理解できる。その三つは初心者に強くお勧めできる程戦い方が標準的で簡単であり、バランスのいい戦い方をするからだ。
ちなみに、紗夜が自分の使う『ゴールドパラディン』を勧めて見る。理由は一段飛ばしによる『ライド』とその為に使う手札の消費量による、押し引きの見分けが難しいと感じたからである。
「悪くないけど、なんか違う感じがするんだよね……。もっとこう、場を全部使う感じがいいのかな……?他の『クラン』だと全然使わない場所を使うとか」
「他の『クラン』だと使わない、ね……」
自分の知る限り、貴之が使った『ドラゴニック・オーバーロード・ザ・グレート』が『ドロップゾーン』を活用したことがあるのを覚えているが、彼曰く『かげろう』だとあのユニット意外は滅多に使わないと言っていたし、日菜が『かげろう』を外しているのでこれは無しになる。
──待って。『ドロップゾーン』?そこを利用し続ける『クラン』が一つだけあったことを思い出し、紗夜はそれを進める。
「日菜、『グランブルー』ならどうかしら?『ドロップゾーン』をずっと使い続ける『クラン』はここくらいよ」
紗夜が提案した『グランブルー』は『メガラニカ』に属する海賊団であり、幽霊船に乗って『クレイ』の海を荒らし回っている。
幽霊船の名からある程度想像できるかもしれないが、団員の中には『ゾンビ』や『ゴースト』と言った不死者たちが中心になっており、各地で団員を増やしているそうだ。
ファイトでは紗夜が日菜に教えた通り『ドロップゾーン』の数で効果が変化したり、『ドロップゾーン』から『Sコール』したりする行動が多く、『死者』の怨念や蘇りにも見えるようなものが多く、癖の強い内容になっている。
そこまで確認した日菜は、うんうんと納得した様子で頷き、最後に他の『クラン』の特徴をもう一度だけ確認する。
「確かに、ここまで使い込むのはこれだけだね……。『グランブルー』のデッキってどれがあるの?」
「そうね……今のところはこれだけのようね」
いつかその時が来たらと練習していたお陰で、紗夜は慣れた手付きで絞り込みした画面を表示して日菜に見せる。
どれにするかは悩んだが、一番『クラン』の特徴を体感しやすいだろうと思えるデッキを見つけてそれを選ぶ。
「これね……。なら、明日買って来ましょう」
「やったーっ!おねーちゃん好きー!」
「ち、ちょっと……!何も抱きつかなくたって……」
相変わらず突発的だなと思いながらも、紗夜は抱きついて来た日菜をすぐに引き剝がすことはせず、少しの間受け止めてやる。
人としての好意を面と向かって向けられるのは悪くない。そんな気がしていたのだ。
* * *
「ファーストヴァンガードを置いて、シャッフルしてから五枚引く。引き直しは……揃ってるからいいや」
「ここまでは完璧だな……」
そして今、日菜の初ファイトを行う直前まで来ていて、最初の準備はもう完璧だった。
ならば後は始めるだけとなり、掛け声に関しても彼女の感覚に任せようと思った。
「「スタンドアップ!」」
どうするだろうか?と気になる中開始の宣言が始まる。
「ザ!」
ここではまだ様子見なのか、日菜はデフォルトで行くようだ。しかしながら本人の気分や判断は大事なので、特に何も言ったりはしない。
「「ヴァンガード!」」
そして二人がファーストヴァンガードを表返すことで、ファイトが始まった。
「『ライド』、『リザードランナー アンドゥー』!」
「『ライド』!『案内するゾンビ』!」
貴之の方はいつも通りだが、日菜はややくたびれた色をした執事服を着て、ランタンを手に持つ『案内するゾンビ』に『ライド』する。
ただし、『ゾンビ』と言ってもこのユニットも人型のユニットである為、日菜の顔や手はしっかりと現在のままであり『案内するゾンビ』のように腐っている訳ではない。
いきなりそんな名前のユニットに『ライド』するものだから、パスパレメンバー全員がおっかなびっくりしていた。
「『グランブルー』を選んだか……また癖の強いところを」
「だって、『ドロップゾーン』を使うって面白そうじゃん?」
この二人だけで納得しても他四人がついていけないので、貴之は『グランブルー』の世界観と特徴を説明する。
海賊とは言ってしまえば犯罪者の立場であり、自分たちの環境上その面に反応する人はいる。
「こ、この世界とは言え日菜ちゃんがそんなところを選ぶなんて……」
「(おっと、こりゃチャンスだな……)」
その反応をした人が千聖であった為、狙える状況となったので伝えることにした。
「『クレイ』では普段と違う自分がいてもいいし、不思議じゃない……俺にヴァンガードを教えてくれた人が言ってたことで、今じゃ立派に自分の言葉だ」
「(あっ、さっき言ってくれたことだ……)」
全員が首を傾げる中、その言葉の真意に気づけたのは先程話してもらえた麻弥だった。
それだけだと分からないと言われるのは目に見えているので、貴之は「例えばの話しだが……」と前振りを出す。
「今だと俺は『オーバーロード』を使うことで有名だが、それに拘らず騎士が集まる『ロイヤルパラディン』を率いて戦ってもいいんだ……。それと同じで、日菜が
こうやって話せば納得してもらえるので、ここから本題に入っていく。
何しろこれは分かりやすい例であり、本当の目的は麻弥のフォローなのだから。
「それは現実でも言えることでな……。大和さんのあの独自の笑い方あるだろ?そう言うアイドルがいたっていいのさ……それに」
「「……それに?」」
ここで反応するのは二人だった。一人は波長が合いやすく今回も共感できるものがあった彩、もう一人は今自分の言葉を拾われた千聖である。
フォローの言葉は出したので、後はもう一つの方法を示すのである。
「例えそれは違うと言われても、自分の行動で証明すればいいのさ……。続けていく内に受け入れて貰えることだってあるだろ?」
パスパレで言えば自分たちの活動が認められたことだろう。音源のみが発覚して活動不能になりそうだったところを、自分たちの起点でどうにかすることができたのだ。
また、貴之は自分がグレード4を全国大会で使ったことによる流れを変えるべく進んでいることを話し、それを聞いた四人が驚く。日菜は紗夜から聞いていたし、既に応援の言葉を送っているので特に反応はしていない。
自分がそうするから相手も認める。そして更に進んで行く。相手の努力や意思を尊重できるからこそ、自分もその努力を報われるのだろうと千聖は思い、それは自分が彼を羨む最大の要因になっていたことに気付く。
また、ここで『羨望』と『寂しさ』の混じったものを千聖から感じ取れたことで、貴之は役者人生を歩んできたからこそ、自分のような一般慣性や生活に思うところがあることに気づいた。その上自分の頑張りを『天才』の二文字で片付けられたら尚更である。
「流石タカ君だね。やりきった人が言うと違うんだね」
「ちょっとだけ納得行ってないけどな……」
だからこそ、次の大会は自分本来の戦い方で勝つ。それが貴之の決意であった。
「そう言えば、『クレイ』はこれだけ色んな所があるなら、武士ってありますか?」
「武士か……」
イヴの問いを聞いた貴之は引き出しを探す。
──武士……あれ、無いな?騎士なら『パラディン』系の『クラン』で答えてしまえば終わりだったのだが、武士は確認した覚えがない。
一番近いのは『むらくも』だとは思うが、それも完全に武士というわけではないので、イヴの問いを考えると外れだろう。
「す、すまん……武士は無かったよ……。それに近いのはあるっちゃあるんだが、求めてる回答と言えば違うだろうし……」
「あうぅ……それはザンネンです」
噓を言った方が後で傷つくのは目に見えていたので、貴之は正直に話すことを選択する。
そう言われてしまえば仕方ないので、イヴもいつか来ることを信じて諦めをつけた。
「さて、話しがずれちまったな……これからファイトになるけど、先攻でやってみるか?お前ならルール完璧に覚えてるだろうし」
「いいの?じゃあ、先攻でやらせてもらおうかな」
それは一度頭の隅に置いてファイトの方に戻る。今回問いかけたのは、日菜ならデッキの確認だけでも大丈夫そうだったからである。
日菜が先攻を選んだ理由としては、『先にグレード3になれる』と言う点に強みを見いだしたからだ。
「まずは『伊達男 ロマリオ』に『ライド』!スキルで一枚ドローして……そのままターン終了かな。先攻じゃ攻撃できないし」
日菜は白いタキシードと手袋、赤の蝶ネクタイで身嗜みを整えて赤い薔薇を持ったゾンビの『ロマリオ』に『ライド』する。
こちらも人型である為に日菜の肌が腐ったり等はしておらず、普段のままなのでパスパレ四人を大いに安心させる。
「し、心臓に悪いです……」
「じゃあやって見よっかなぁ……?」
この時イヴの安堵の声を聞いた日菜が、冗談半分に言って全員を慌てさせた。
驚いてくれるだけでも満足だったが、それ以上の反応だったのでやらないことを宣言してから今度こそ貴之のターンになる。
また、貴之はこれに関しては口を挟むことはなく、本人の意思を尊重していることを記しておく。
「俺は今回も『サーベル・ドラゴニュート』に『ライド』。スキルで一枚ドローして『エルモ』を『コール』」
麻弥が『サーベル・ドラゴニュート』を選んだ理由を聞けば、貴之の使うデッキでは最もヴァンガード向きのグレード1であるからという理由が帰ってきた。
実際の話し、グレード1の中では唯一ヴァンガードで発動可能なスキルを保有している為、なるべくこちらに『ライド』したいのである。
『エルモ』を『コール』した場所は前列左側で、二回攻撃を狙っているのが伺えた。
「攻撃行こうか……『サーベル・ドラゴニュート』でヴァンガードにアタック」
「うーん……ノーガード」
日菜は手札を見た後、『ロマリオ』のことを見ながらノーガード宣言を行った。
──場までしっかり見てるのは広い目してるな。称賛しながら行われた『ドライブチェック』はノートリガーで、特に変化は起こらない。
イメージ内で『ロマリオ』となった日菜が、『サーベル・ドラゴニュート』となった貴之の剣を受けて『ダメージチェック』が行われる。
その結果は
「じゃあ……るん♪『ライド』!『ルイン・シェイド』!」
日菜は濃紺の海賊服を身に纏い、同じ色の帽子を被った幽霊剣士の『ルイン・シェイド』に『ライド』する。
元々『ルイン・シェイド』はゴースト故に顔が陰で覆われているような状態だが、今回も日菜が『
「この時『カウンターブラスト』と手札一枚を『ソウル』に置いて、『ライド』された『ロマリオ』のスキル発動!山札の上から三枚を『ドロップゾーン』に置いて、『ドロップゾーン』から一枚手札に戻すよっ!」
「さっき日菜が場を見た理由がコレだ……。良く気づいたよ」
場を見ながら宣言したことに疑問を持っている人がいるかもしれないので、貴之は彼女の意図を伝えておく。
皆が納得し、彩は自分なら絶対に気づかない場所を見ていた日菜が凄いと思い、麻弥はそれに気付く貴之の恐ろしい経験値を知る。
『グランブルー』はこうして『ドロップゾーン』にユニットを増やしていき、何らかの形で再利用したり、その数による追加効果を発動したりする戦い方が多くなってくる。
この後『メインフェイズ』では前列左側に金で塗装された銃を持ち、双肩のドクロが目を引く海賊服を着たヴァンパイアの『大幹部 ブルーブラッド』、後列中央には自分の意思を持って動く剣のような武器に見える幽霊の『ダンシング・カットラス』、後列左側には小さき体格に合わせた海賊服を着た金色の髪を持つ『お化けののーまん』が『コール』された。
「それから、『のーまん』の退却と山札の上から二枚を『ドロップゾーン』に置いて、『のーまん』スキル発動!ユニットのパワーをプラス10000するよ。今回は……『ルイン・シェイド』!」
イメージ内で『のーまん』が『ルイン・シェイド』となった日菜に助言を行い、その後準備の為にこの場を離れた。
これで『ドロップゾーン』は『のーまん』の退却分も合わせて5枚となり、まずまずのペースと言えた。
「用意ができたところで攻撃……先に『ブルーブラッド』でヴァンガードにアタック。この時、『ドロップゾーン』に『ブルーブラッド』があるならパワープラス4000!」
「そうだな……ここは『ラクシャ』で『ガード』」
実は『のーまん』のスキルを使ったタイミングで『ブルーブラッド』が『ドロップゾーン』に置かれており、これでパワーを増やせていた。
対する貴之は次の攻撃が防ぎづらいので、ここで一回防いでしまうことを選択した。
「次は『カットラス』の『ブースト』、『ルイン・シェイド』でヴァンガードにアタック!ヴァンガードにアタックした時『ルイン・シェイド』のスキル発動!山札の上から二枚を『ドロップゾーン』に置いて、パワープラス4000!」
「さっき防いだし、ここはノーガードだ」
この『ドライブチェック』で日菜は
イメージ内で『ルイン・シェイド』となった日菜は乗ってきていた海賊船から飛び出し、海賊流の剣術による二撃を『サーベル・ドラゴニュート』となった貴之に浴びせる。
『ダメージチェック』は二枚ともノートリガーで、手札補充等は無しにダメージが2となった。
「ヴァンガードの攻撃がヒットしたから、『ブルーブラッド』を退却させてスキルを使うね。山札の上から二枚引いて、一枚捨てたらターン終了っと……」
これによって更に『ドロップゾーン』が増え、9枚になったところで日菜のターンが終了する。
「『ライド』!『ドラゴンフルアーマード・バスター』!『ソウルブラスト』二枚でリアガードを一体退却させ、山札の上から七枚に『オーバーロード』と名の付くユニットがいれば、内一枚を手札に加える」
リアガードには『カットラス』しかいない為、自然とそれが対象になる。また、このスキルで手札に加えたのは『ドラゴニック・オーバーロード』だった。
ただし、この行為は日菜の『ドロップゾーン』を稼いでしまうので本当はあまり良くないのだが、貴之としては手札に『オーバーロード』が無かったこともあって効果の発動は必須だった。
『メインフェイズ』では前列左側に『バーサーク・ドラゴン』、後列中央に『レッドダイブ・グリフォン』、後列左側に『エルモ』を『コール』する。
「こっちも攻撃……『エルモ』の『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック」
「『ガード』を確認しとこうかな……『お化けのりっく』で『ガード』!」
合計パワー24000の攻撃を、合計パワー29000で防ぎきる。
イメージ内で煙幕用の筒を持った『お化けのりっく』が『バーサーク・ドラゴン』の注意を引き、煙で視界を覆うことで攻撃を外させた。
「次は『レッドダイブ・グリフォン』の『ブースト』、『フルアーマード・バスター』でヴァンガードにアタック!」
「さっき防いだから……ノーガードで!」
宣言を聞いた後の『ドライブチェック』は
イメージ内で『フルアーマード・バスター』となった貴之が、『ルイン・シェイド』となった日菜を炎を纏わせた剣で斬りつけた後、『ダメージチェック』が行われる。
その時の一枚が
「ああ……今回は回復できないな」
「えっと……回復の条件は『ダメージが同じ』、『相手よりダメージが多い』のどっちかが条件で……」
「今回の日菜さんは、遠導さんよりダメージが少ないと……」
「あちゃー……ダメージ与えすぎちゃったか」
今回は仕方ないので、次は気を付けようと切り替える。
日菜のダメージが3、貴之のダメージが2になったところでターンが終了する。
「ここから本番!だったよね……」
「ああ、ここからがヴァンガードの本格的な戦いになってくる。自分のイメージを出して、思いっきり体験して行こう」
「うんっ!じゃあ早速……るーん♪『ライド』!『魔の海域の王 バスカーク』!」
日菜が『ライド』したのは赤と金の二色が目を引く海賊のジャケットと、黒の海賊用パンツを着こなす背高の魚人『バスカーク』だった。
今回は『ギルマン』と言う魚人の部類である為、貴之が『オーバーロード』に『ライド』した時と同じようになっていた。
「『イマジナリーギフト』、『プロテクト』!ってなるんだけど……これも二種類だったよね」
「そう。『プロテクトⅠ』と『プロテクトⅡ』で大きく変わるから、そこはちゃんと教えとかないとな……」
『グランブルー』が取り扱う『イマジナリーギフト』は『プロテクト』であり、幽霊やゾンビはそう簡単に死なぬを意識したのだと思われる。
恐らく処理の説明で一番面倒なのは『プロテクト』だろうと思いながら、貴之はルール追加に合わせて説明を行う。
「まず、『プロテクトⅠ』の場合はそのまま手札に加える。これは相手に攻撃された時に『完全ガード』として使うことができるんだ。早い話し、デッキに四枚しか入らない『完全ガード』が増えるのは便利だよな。この他にも、手札を捨てるコストにも使える」
──一応スキルで使うコストとして捨てることもできるけど、その場合は『ドロップゾーン』には行かないで『消滅』……ゲームから除外する処理になるんだ。ここは気を付けておこうと日菜は思った。
何しろ『グランブルー』は『ドロップゾーン』を取り扱うので、規定数を満たしたと思ったら一枚『プロテクトⅠ』のせいで無効でした……は笑えない冗談である。
「次に『プロテクトⅡ』。こっちはリアガードサークルのどれか一つに設置することで、パワープラス5000と『インターセプト』した時『シールドパワー』プラス10000を与えるぞ」
──この効果は相手ターンにも適用されるから、思わぬところで助けになったりするぞ。そのケースを考えて一番に来るのは、こちらが『ダメージチェック』をしてトリガーを引いた時だろう。
相手がトリガーを引けなければ大体は届かないので、リアガードに攻撃したいのだが『ブースト』がないせいでこっちも届かない……と言う事態を作り出すことが可能となる。
「そうだな……この後を考えたらこっちだね♪『イマジナリーギフト』、『プロテクトⅡ』!これを前列左側に置くよ」
パワーで押し切ることができそうだと感じたので、こちらの選択を取る。
「これ使っちゃおう……『カウンターブラスト』と『ソウルブラスト』をして、『バスカーク』のスキル発動!『ドロップゾーン』から一体リアガードに『Sコール』して、そのユニットのグレードの数だけ『バスカーク』のパワーをプラス5000!今回来てもらうのは……『不死竜 スカルドラゴン』!」
前列右側に肉で覆われずにグレーの骨がむき出しになっており、本体と同じ色の剣を持った翼竜の『スカルドラゴン』が『コール』される。
このユニットがグレード3である為、『バスカーク』のパワーはプラス15000され、『ドロップゾーン』が10枚ある為、更にパワープラス5000と、
また、ここで『スカルドラゴン』を『プロテクトⅡ』があるサークルに置かなかった理由は二つあり──。
「『スカルドラゴン』はスキルで『ドロップゾーン』の数だけパワーがプラス2000……今は11枚だから22000プラスだね♪」
一つ目は特に意識しなくてもパワーが確保できることにあった。もう一つは攻撃後にある為、そこはお楽しみだと貴之と日菜の二人して内緒にした。
この後は前列左側に『ルイン・シェイド』、後列中央に『のーまん』、後列左側に『ロマリオ』を『コール』する。
「『ドロップゾーン』にある他の『カットラス』を『バインド』して……。『バインド』ってどうするの?」
「『バインド』は『バインドゾーン』……山札の右隣に置こうか」
──と言っても、場所自体は明確に定義されてるわけじゃないから、除外されたカードと混合しないように出来れば大丈夫だ。今回は『プロテクトⅡ』なので問題ないが、『プロテクトⅠ』を使う時の為に日菜は頭の片隅に入れておく。
『バインド』の処理は聞くことができたので、やろうとしていた処理を再開する。
「『バインド』したら、『ドロップゾーン』から『カットラス』を『Sコール』!それから、『のーまん』のスキルを発動してパワーを『バスカーク』に!」
これによって『ドロップゾーン』が9枚になってしまっていたところを12枚に増やす。
『のーまん』のスキル効果を『バスカーク』に宛がうことで、『ブースト』が無くなる分のフォローに成功した。
また、『スカルドラゴン』のスキルは登場時のものではない為、この方が後でパワーを増やせる。
「準備できたし行こうかな……まずは『ロマリオ』の『ブースト』、『ルイン・シェイド』でヴァンガードにアタック!もちろん『ルイン・シェイド』のスキルは発動するし、この二体は『ドロップゾーン』が10枚以上ならそれぞれパワープラス4000!」
「さしずめ死者のオンネン……でしょうか?」
「大体10枚が本領発揮する目安なんスかね……」
イヴと麻弥の推測通り、10枚が基準となっているユニットはかなり多い。
今日菜の場にいる五体の内三体がそれに当て嵌っているので、その多さが伺えるだろう。
パワー29000となっていた攻撃は、『ゲンジョウ』を加勢させることでパワー30000にして防ぎきる。
「次はあたしが行っちゃうよー……『バスカーク』でヴァンガードにアタック!」
「それは止めるか……『ワイバーンガード バリィ』で『完全ガード』!」
貴之のダメージは2だが、『バスカーク』の
パワー42000の『バスカーク』に対し、『バーサーク・ドラゴン』のパワーが10000しかないので、トリガーまで考えるとこれしか選択肢が無かった。
「ここからは『ツインドライブ』!ファーストチェック……」
一枚目の結果は早速
「攻撃残ってるし……効果は全部『スカルドラゴン』で。セカンドチェック……」
『完全ガード』を選択されているので止む得ず処理を行い、その後二枚目も
この結果により、貴之の掛けた保険が正解であることを証明した。
「だ、ダブル
「今のを防がなかったら、最悪負けていたのね」
『スカルドラゴン』に
幸いにも、最初の一枚意外のどこかで
「じゃあこれは受けてもらおっか……♪『カットラス』の『ブースト』、『スカルドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「流石にノーガードだな……」
現在の『ドロップゾーン』は14枚で、更に
イメージ内で『スカルドラゴン』の剣による三振りが、『バーサーク・ドラゴン』となった貴之を切り刻む。
『ダメージチェック』の結果は一枚目が
彩とファイトしていた時と違い、『ゲンジョウ』は『オーバーロード』を見せるまで倒れられないだろうと、発破をかけながら治療をしてくれていた。
「さっきと全然違う……イメージでこんなに変わるんだ」
その光景は、先程のファイトを体験した彩だからこそ尚更感じるものであった。
また、この攻撃が終わったことで『スカルドラゴン』は退却することとなり、その処理を終えて日菜はターン終了を宣言する。
これが『スカルドラゴン』を『プロテクトⅡ』のところに置かなかったもう一つの理由であり、この後『プロテクトⅡ』を置いたサークルががら空きになってしまうからだった。
「じゃあ二度目のお披露目だな……ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」
「おお!出た出たーっ!」
今回貴之は『フォースⅡ』をヴァンガードに与えた。これは『オーバーロード』で『フォースⅡ』を使った場合の紹介の意味合いが強い。
『メインフェイズ』では前列右側に『フルアーマード・バスター』、後列右側に『サーベル・ドラゴニュート』を『コール』し、『オーバーロード』を『ソウルブラスト』でパワープラス10000する。
「じゃあ攻撃……『エルモ』で『ブースト』、『バーサーク・ドラゴン』でヴァンガードにアタック。リアガードの『バーサーク・ドラゴン』がヴァンガードにアタックした時、相手のリアガードがこっちより少ないならパワープラス3000」
「練習も兼ねてっと……『ルイン・シェイド』で『インターセプト』!」
合計パワー24000だった攻撃を、『プロテクトⅡ』の恩恵で27000となったパワーで防ぎきる。
パワーを補いながら守りも補強できるのが『プロテクトⅡ』の強みであり、『インターセプト』を最も活かしやすい『イマジナリーギフト』だと言える。
「なら次は『サーベル・ドラゴニュート』で『ブースト』、『フルアーマード・バスター』でヴァンガードにアタック」
「ノーガードで。『ダメージチェック』っと……」
この時の『ダメージチェック』で
「最後に『レッドダイブ・グリフォン』で『ブースト』、『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「それ受けたら嫌だし、『リトリート・フランシーヌ』で『完全ガード』!」
現在日菜のダメージは4で、貴之は今回『フォースⅡ』を使用している。
更に彼のイメージ力まで考慮すると、例えレクチャーだとしても一枚は引いてきそうなのでこの選択を取った。
案の定『ツインドライブ』の二枚目で
この処理が終わった後、日菜の『ドロップゾーン』は18枚になっていた。
「ターン終了。さて、もう一度そっちの番だ」
「うん。ああでも、その前に一つお願いがあるんだけど……」
「……どうした?」
頼めるのは今のうちだろうと思った日菜は、貴之に一度話しを持ち掛ける。
幸いにも貴之自身がどうしてもと言うものでさえなければ聞こうとしているので、思い切って言ってみることにする。
「このファイトが終わったら……全力のタカ君と戦いたい。いいかな?」
時々周りの友人や紗夜から話しを聞いていたので、実際にその強さを肌で感じたいと思っていた。
こう思ったのは貴之の経歴が関係しており、努力の果てに手にした、限界を超えた力を知りたいと願うことがあったのだ。
時間の都合があるかもしれないのでその時は諦めるが、何もしないよりは全然いいだろう。
「分かった。それならこの後やろうか」
「……!いいの!?」
「友希那よりもお前を見ろとかって話しじゃねぇし、大丈夫だ」
貴之が承諾したことでその願いは叶うことになる。
受け入れてもらえた嬉しさもあり、日菜は勢いもイメージに載せるつもりで自分のターンを始める。
「もう一回『バスカーク』にるーん♪っと『ライド』!」
『プロテクトⅡ』は前列右側に設置し、スキルで前列右側に『スカルドラゴン』を『コール』する。
『メインフェイズ』では後列中央に『ロマリオ』、前列左側にその服装と飄々とした雰囲気が海賊たちの船長だと感じさせる男性『キャプテン・ナイトミスト』を『コール』する。
「『カウンターブラスト』して『ナイトミスト』のスキル発動!『ドロップゾーン』にあるグレード1のユニットを『Sコール』できる!って言いたいけど……10枚以上あるからグレード関係無しに選べちゃうんだよね♪と言うことで船長、いきなりで悪いけどもう一体の『スカルドラゴン』とチェンジで!」
──あいよ、
すると『ナイトミスト』がいた場所に入れ替わる形で、二体目の『スカルドラゴン』が現れて咆哮を上げた。
「攻撃行くよー……『カットラス』の『ブースト』、『スカルドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「どうせダメならここで使っちまうか……『ター』と『ブルジュ』、『サーベル・ドラゴニュート』と『エルモ』で『ガード』!更に『フルアーマード・バスター』で『インターセプト』!」
『ドロップゾーン』が既に18枚もあり、スキルと『ブースト』込みで61000となっていた攻撃だが、63000でどうにか防ぎきる。
ただし、これ以降は数値が足りないので防ぐことができず、トリガー勝負となった。
「先にこっちで行こう……『ロマリオ』の『ブースト』、『バスカーク』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。来い……!ここで
『……えっ!?』
全員が……というか日菜すら驚いたので、貴之は『ドロップゾーン』にある『ゲンジョウ』を見せて理由を教えることにした。
「こいつのテキストにある通り、
「ああっ!?最低でも2ダメージは受ける……!?」
日菜が貴之の言った理由に気付き、それを聞いて全員が納得した。
全員が状況を飲み込めたところで行った『ツインドライブ』は、二枚とも
「引けた……!効果は全部ヴァンガードに!タカ君、この後お願いね?」
「ああ……お前が満足行くものを見せるよ」
そんな口約束の後、『バスカーク』となった日菜が右手に持つ指揮棒らしきものを振って地面から海魔らしきものを呼び出し、その海魔が伸ばした無数の腕が『オーバーロード』となった貴之を貫いた。
攻撃がヒットした後の『ダメージチェック』で最初の二枚がノートリガーであった為、ここで貴之のダメージが6となった。
「さて、これで一旦は終わりだが……どうだった?」
「予想よりも楽しかった!もっと早く知ってたらこっちをやってたかな?」
「……やり込んだお前が壁になるとか、ちょっと想像したくねぇな……」
下手をすれば一真の比じゃない程強大な壁になりそうな気がしていた。
ただ、もしそうだった場合は今以上にあれこれ手を打って勝つ為の工夫をするだろうとも思えるし、結局自分のやることは変わらなそうだと貴之は思い、日菜も貴之なら自分を同じ時期に乗り超えそうだとも思っていた。
また、貴之が自分とのことでリサに問い詰められそうで、ちょっと可哀想な状況も予想できた。
「で、もう一戦だったな?」
「うんっ!今度は全力でお願い!」
「分かった。ああ、そうそう……まだ教えられてないルールが少し残ってるから、そこもやっている最中に教えとかないとな……。丸山さん、他に分からない所があるなら遠慮なく聞いてくれ」
「ありがとう。日菜ちゃんとのファイトが終わった後、私ももう一回いいかな?」
ならばと貴之はその二戦を最後にやることを約束し、ファイトの準備に取り掛かった。
「これで最後の一撃……『レッドダイブ・グリフォン』の『ブースト』、『グレート』でヴァンガードにアタック!この時『ネオフレイム』のスキル発動!」
「まだ大丈夫……じゃなかった。ノーガード……」
日菜とのファイトは最後に『レッドダイブ・グリフォン』で『ガード』の選択肢を封じた攻撃を行い、そこで
流石に始めて一日で全国大会優勝者に勝つのは無理がある話しだが、今回は勝つのが目的ではないのでそこは大きな問題ではない。
「(諦めないで最後まで頑張って、行きたいところへ行けた人が手にする強さか……)」
──タカ君、ホントに頑張ったね……。本気で努力すれば才能すら超える。それを知ることができて、日菜は嬉しかった。
それと同時にいつかで構わないから、彼以外にもそのような人が、いつか自分の前に来ることを願うようになる。
自分の願いを叶える人は姉かもしれないし、それ以外の人かも知れない。早く来てくれるならそれだけいいと思う。
「あっ……!遠導君、グレード2に『ライド』できないんだけど……」
「それなら、一つ上のグレードに『ライド』できない事態に陥った時に使える、『アシスト』について教えて行くぞ。まずは……」
彩がその事態に陥ったことで『アシスト』を教えることができたので、その処理を教えた後は普通にファイトをこなす。
ファイトが終わった後に『クラン』の都合で教えられなかったトークンのことを教え、時間が来た貴之は退館を済ませる。
「今から帰るよ」
『お疲れ様。帰り、待っているわね』
退館を済ませたら友希那に一度電話を掛けておく。周りの女子が云々と聞かれないのは、信頼されている証拠でもあった。
実際貴之にそんなつもりは一切起きないので、無問題だと二人で認識してから電話を終える。
「それじゃあ、途中までは私が送って行くわね」
「おっ……?悪いな。助かるよ」
自分の見送りは行きの時とは違って千聖がやってくれるのだが、貴之はあまり考えすぎないで受け入れることにした。
「(本人から直接聞けるかもな……)」
帰り道の際に、サラッと聞き出せないかと貴之は算段を付け始めた。
日菜のデッキはブースターパック『アジアサーキットの覇者』に出てくるカードで構築したい『グランブルー』のデッキです。色々候補ありましたが、他の人ではやりづらそうな場所へ宛がうことにしました。
これ以外の候補に『ダークイレギュラーズ』や『ジェネシス』などもありましたが前者は既にあこに回している、後者は星関係ならこれ以上無い程適正なバンドメンバーがいるので保留。そうやって候補を消していく内に収まった形になります。
また、初ファイトとしては初めて教わる側が先攻でやってみました。日菜なら一回見れば大体覚えるだろうという信頼からです。
次回は千聖と一対一によるちょっとしたサブイベントに入ります。
早い話しがパーティー5の時から感じていたものの答え合わせ回です。