ガルパピコ大盛りで遂にモニカとRASが入って来たことが嬉しかったり、来週ヴァンガードで乙女なアサカが見れそうだったりで楽しみが増えて来ました。
なお、一昨日発売した銀華竜炎では『The X』が出なかったので、涙の三枚単品買いをすることになりました……(汗)。これだけで15000も飛ぶってマジですか?
「ごめんね?いきなり頼んじゃって……」
「いいさ。そっちだってバンドの練習もあるから時間取りづらいだろうし」
燐子に頼まれたこと自体は何も問題にはならないので、気にはしない。
寧ろ貴之自身がしっかり練り上げたとは言え、この不安定なデッキで戦えるかどうかが問題だった。
今回己に課せた三つの制約が重くのしかかっており、かなり運用難易度の高いデッキが完成している。
「見るたびに思うんだけど、一時期ああなってたの本当に気の毒だよね……」
「噂の先行があまりよく無いって言う典型例だったな」
貴之と燐子は一友人と言う関係を短時間で築き上げたものであり、別段恋人関係になっているわけではない。
互いにそんな気は無いのにああなったのだから、違うと判明した時の反応にも困ることが多かったそうで、要らぬ苦労を負う羽目になっていたそうだ。
「うーん……」
「リサ姉、どうしたの?」
「ちょっと考え事。もしもの話しだし、時期も過ぎちゃってるからあまり意味ないことだけど」
リサが考えていたのは、貴之の幼馴染みが自分たちではなく、燐子だったらと言うもしものことだった。
彼女も大人しめの性格で、幼少期からピアノをやっていたので、その場合貴之にヴァンガードを始める起点を作るのは彼女になっていたかもしれない。
また、その流れで進んだ場合は貴之の性格が燐子ハートに刺さる可能性が高いので、貴之と友希那のifとも言える関係を築いてたかも知れないと考えている。
「(ああ……結構あり得そう)」
ただしその場合、友希那の暴走を止める手段がバンドを組むまでほぼ不可能になるので複雑な所もある。
最悪友希那がスカウトを受け入れる可能性も考えたが、友希那の優しさを知っている身としては何らかの形で揺らぎ、最後はこちらに戻るとも思えた。
とは言え、今回とは違って自分や誰か……もしくはRoselia全員で呼びかけが必要になるかも知れないが。
「準備できたよ」
「よし。じゃあ始めるか」
互いに引き直しまで終わったので、ファーストヴァンガードに手を添える。
「どんなのが見れるんだろ?」
「この前の二人みたいなの……じゃないとは思うけど」
ポピパの五人が見たことがあるのは貴之が使う『かげろう』と、一真が使う『ロイヤルパラディン』のみなので、どうしてもそちら方面で考えてしまう。
その辺りはお楽しみにして欲しいので、他の人たちは敢えて何も言わないでおく。
「「スタンドアップ!」」
「ザ!」
「「ヴァンガード!」」
二人がファーストヴァンガードを表返すことでファイトは始まる。
「『ライド』!『リザードランナー アンドゥー』!」
「『ライド』!『ロゼンジ・メイガス』!」
燐子は以前と変わらず『ロゼンジ・メイガス』、貴之も普段と同じく『アンドゥー』に『ライド』する。ここは特殊な目的がない限りは変わらないという意味合いも込められていた。
そして、『ロゼンジ・メイガス』になった燐子を見たポピパの五人は、思わず食い入った。
「凄い……燐子先輩可愛いっ!」
「なんつーか、踊り子っぽい……でいいのかあの姿?」
「でも、めっちゃ似合ってるよ……♪」
「な、なんと言うか……こうして言われると照れますね」
新鮮さもあったが、明らかスタイルのいい人向けだったのもあって余計に良く見えており、面と向かって言われた燐子は頬を朱色にしながら、少し困ったような笑みを浮かべた。
──あっ、ちなみにですけど『メイガス』は魔術師って意味なんですよ?燐子の微笑みと共に投げられた豆知識に、皆が関心の目を向ける。
「最初にファイトした時もこの組み合わせだったな……さて、先攻はどうする?」
「じゃあ、今回は私がもらうね?『サークル・メイガス』に『ライド』!『ロゼンジ・メイガス』のスキルで一枚ドローします」
燐子が『ライド』したのは白と緑を基調とした、魔道着に身を包んだ魔術師の女性『サークル・メイガス』だった。
『メインフェイズ』では次に備えるべく、『クォーレ・メイガス』を後列中央に『コール』する。貴之が複合『クラン』のデッキ故に、退却手段が減っていることを読んで強気の行動だった。
とは言え、恐らく退却が待っていてもデッキトップを見て行動を決められるのは大きく、どの道こうしていただろう。
「ああいう『クラン』もあるなら、女の子も始めやすそう」
「あっ、興味持ってくれた?それなら……」
「はいはい、まだ決まった訳じゃないでしょ?」
たえの反応に玲奈が食いつくも、今回は近くにいるリサに止められた。
何事だと思ったポピパの五人に向け、大介が簡単に説明しながら詫びを入れ、この話しは終わりとなる。
「私が『オラクルシンクタンク』を選んだ理由はこれです……『クォーレ・メイガス』のスキルで山札の上から二枚を見て、望む順番で置かせて貰います」
燐子はデッキの上から二枚を右手で取った後、その二枚を右手で素早くシャッフルしながら考える。
──私の望む
「『オラクルシンクタンク』は運命を見通す『クラン』……数ある運命から、自分が望むものを選べる力を持つんだ」
大介の説明を聞いても、山札の上を確認した意味合いを理解しきれていないポピパの五人だが、そこは貴之のターンで分かると告げられた。
燐子はこのターンでやることを終えたので、貴之にターンを渡す。
「じゃあ俺のターンだな。早速サプライズだ……『ライド』!『スターティング・プレゼンター』!」
なんと、貴之のデッキから早速『ペイルムーン』のユニットがやってきた。
玲奈の時と同じように、彼も黒い衣装に杖、片目用の眼鏡を掛けているのだが、彼女の時と比べてどことなく自信家な雰囲気を思わせる。
スキルで『ソウルチャージ』と一枚ドローを済ませ、前列左側に『マロン』を『コール』する。
「『ペイルムーン』と『ロイヤルパラディン』……?貴之君、どれくらいの『クラン』を入れたの?」
「『クラン』の数で言えば5だな」
非常に多くの『クラン』を入れていることに驚くが、その数を聞いてとあることを感じる。
「5……?友希那先輩、この数に覚えがあるんですけど……」
「戸山さんも?と言うことはやはり、その数は『イベントに参加するバンド』が関係しているわね」
『クラン』の数で真っ先に気づけたのは香澄と友希那で、二人が口にしたことで全員が気付く。
また、その反応を見て貴之は口元を緩める。どうやら気づいてくれて喜んでいるようだ。
「今回の狙いは、バンドの数を『クラン』の数として、それぞれの特色を活かしてどうやって勝つのか……イベントで言えば成功させるかってところだな。それの実践をやるんだ」
「なるほど……『オーバーロード』を使ったのは貴之君自身の『拘り』。フィニッシャーにしないのは『他の個性』も使うから……」
「流石の練り込みだな……よく作られてる」
置き換えれば貴之の狙いがハッキリと理解できる。残りの2『クラン』が気になるところだが、それは次のターン辺りで判明するだろう。
「よし、それじゃあ攻撃だ……まずは『スターティング・プレゼンター』でヴァンガードにアタック」
「それはノーガードで」
相手のトリガーが出なければ御の字である為、燐子は防がない。
そんな状況で行われた『ドライブチェック』が、見ている人にちょっとした驚きを与える。
「貴之さんが
「そっか……今回は『クラン』の縛りが無いもんね」
貴之が引き当てたのは
ポピパの五人はこれを始めてみるので、本来貴之が使う『かげろう』や燐子が使っている『オラクルシンクタンク』は
燐子の『ダメージチェック』は
「次、『マロン』でヴァンガードにアタック」
「これもノーガードかな?『ダメージチェック』……」
手札を確認してからノーガードを宣言し、その結果がノートリガーで燐子のダメージが2になったところで貴之のターンが終わる。
「ここは『プロミス・ドーター』に『ライド』!『サークル・メイガス』が『ライド』された時、『カウンターブラスト』することで一枚ドローします」
燐子は緑色のバトルスーツを着こなし、その上から白のアーマーを纏っている女性『プロミス・ドーター』に『ライド』する。
今回発動した『サークル・メイガス』のスキルは手札の確保がメインとなる。発動タイミングの都合上、山札を見てから選択が難しいのだ。
この後『メインフェイズ』では後列左側に二枚目の『サークル・メイガス』、前列左側には黒のタキシードと帽子を着こなしてサングラスを付けてはいるが首から上の大半を包帯で覆っている男性の幽霊と、銀色の露出の多いドレスと同じ色の髪をおろしている女性の幽霊が寄り添っている『サイレント・トム』が『コール』される。
『サイレント・トム』は男性の幽霊のことを指しており、女性はそのパートナーである。
「登場時、『カウンターブラスト』をすることで、このターンの間『サイレント・トム』のパワーはプラス6000。なのでこのターンは15000です」
「だから二回貰ったんだ……」
ここまでの動きを見れば、燐子の狙いは普段ヴァンガードに関わらないポピパの五人でも分かる。ダメージに余裕があったのも、手札を残したいのもそうだが、一番はここにあった。
『メインフェイズ』での動きは終わったので、ここから『バトルフェイズ』に移行する。
「それじゃあ私も攻撃……『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『プロミス・ドーター』でヴァンガードにアタック!ヴァンガードに攻撃した時、手札が四枚以上なら『プロミス・ドーター』はパワープラス6000!」
「ノーガード。さあ来い!」
「うん、『ドライブチェック』……」
燐子の『ドライブチェック』は
イメージ内で『プロミス・ドーター』となった燐子は、軽やかな動きで近寄り、『プレゼンター』となった貴之に強烈なミドルキックを決める。
大人しめな彼女が放つ攻撃にポピパの五人が啞然とする中、貴之の『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が
「もう一回……『サークル・メイガス』の『ブースト』、『サイレント・トム』でヴァンガードにアタック!ヴァンガードにアタックした時、『サイレント・トム』のスキルでこのバトル中、相手は手札から『ノーマルユニット』を『ガーディアン』として『コール』はできません!」
「なら、こっちは『エレイン』で『ガード』!」
パワー33000となった『トム』の攻撃はパワー38000でどうにか防ぎきる。
ここで燐子は攻撃ができなくなったので、ターン終了となった。
「このターンで入れた『クラン』は全部出せるな……」
「今出てるのは『かげろう』、『ペイルムーン』、それから『ロイヤルパラディン』の三つ……あれ?何か法則性がありそうな気が……」
「もう一個出れば分かるかもね……『ペイルムーン』って、あたしの要素強そうだし」
何か感づいたあこに、玲奈は概ね同意している。『ロイヤルパラディン』と『かげろう』だけなら取り分け縁の深いユニットがいる場所で終わったが、『ペイルムーン』も混ざれば違ってくる。
それ故に、あと一つの要素が見たいところで、そこまで来れば最後の一つとどんな要素を混ぜ合わせたかが分ってくる。
「その剣で闇を斬り裂け……!ライド・ザ・ヴァンガード!『ブラスター・ブレード』!」
「やっぱり入ってた……!」
「『ロイヤルパラディン』が見えた段階でほぼ確定だったわね」
貴之の事情を知る人たちからすれば、これは最早お約束に近い。
スキルで『サイレント・トム』を退却させ、その後『プレゼンター』のスキルで『ソウルチャージ』し、後列左側に『マガツゲイル』を『コール』してスキルを発動させる。
『メインフェイズ』では初めに、『マロン』と『マガツゲイル』の前後を交代させる。
「四つ目は『ぬばたま』……?『ロイヤルパラディン』を省けば全て、後江組の皆さんが使っているものですね」
「なるほど。じゃあ、最後の一つは……」
「ああ。最後の一つは『ディメンジョンポリス』……つまり、後江四人と最も縁ある『クラン』での混ぜ合わせだ!」
バンドにそれぞれの個性があるように、ファイターの戦術や使用する『クラン』にもそれぞれの個性や特徴がある。
後でデッキのコンセプトを説明することになるが、『ぬばたま』と『ペイルムーン』は立ち回り補助の意味合いが強い。
というのも、『オーバーロード』を使う以上、その二つの『クラン』にいる主力ユニットとはどうしても相性が悪くなりがちだった故にやむを得ない所であった。
この後前列右側に『ダイドラゴン』、後列右側に『キリハゲ』、後列中央に『ガイアース』を『コール』し、場を全てユニットが埋めた。
「じゃあ攻撃……『ガイアース』の『ブースト』、『ブラスター・ブレード』でヴァンガードにアタック!スキルで
「ここはみんなを信じる……ノーガード!」
ダメージが2で、トリガー次第では一気に3ダメージも持っていかれる状況で燐子は堂々と宣言する。
博打にも等しい宣言に動揺する人は多いが、紗夜は以前燐子と話していたことから、この宣言を理解できる。
「(今の白金さんは、『オラクルシンクタンク』のユニットと一緒に戦っている……)」
一人ではダメでも、みんなとなら……燐子が言っていたその支えは今後も続いていくものだろう。これはバンドでも同じである。
紗夜が納得したタイミングで行われた『ドライブチェック』は
「次は『キリハゲ』の『ブースト』、『ダイドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「それは『サイキック・バード』で『ガード』!」
パワー27000の攻撃はパワー34000の前に防がれる。
この時『サイキック・バード』が去り際に棒読みで貴之を煽っていたが、ユニットの日常茶飯事なので貴之は全く気にしていなかった。慣れ過ぎているのだろう。
始めての時は貴之イラつく反応をしていたし、実際やられたら怒りの感情を掻き立てられるのは間違いないだろう。
「最後、『マロン』の『ブースト』、『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「それはノーガードで。『ダメージチェック』……」
燐子の『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが4となる。
攻撃後に『マガツゲイル』の『スキル』を使って『キリハゲ』を手札に戻し、貴之のターンが終了する。
「私たちの望む未来へ……『ライド』!『ヘキサゴナル・メイガス』!」
「うわぁ……あの姿の燐子先輩も可愛い」
今の燐子は『ヘキサゴナル・メイガス』に『ライド』したことで青いドレスを着こなしており、どこかのお嬢様のようにも見える。
こうして持ち上げられることはあまりないので、燐子は再び照れた笑みを浮かべる。どうやら彼女の容姿は同性が羨みやすい傾向があるようだ。
また、燐子としても『ヘキサゴナル・メイガス』の姿が好きである為、尚更嬉しかった。
「『イマジナリーギフト』、『プロテクトⅡ』!これは前列左側に置きますね」
燐子はスキルの兼ね合いから『プロテクトⅡ』を選択する。手札も確保しやすい『オラクルシンクタンク』なら、『インターセプト』やパワーを補強する選択が取りやすいのだ。
『メインフェイズ』では前列左側に赤系統の色合いが目を引く魔道着を着こなし、先端がひし形の杖を持つ女性『ロンバス・メイガス』、後列右側に『ウィール・クレイン』、前列右側に『レクタングル・メイガス』を『コール』する。
『レクタングル・メイガス』のスキルで山札操作を行い、『ウィール・クレイン』のスキルでパワーを上げてから『バトルフェイズ』に入る。
「まずは『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『ヘキサゴナル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「変に防いだら不味いか……?ここはノーガードにしよう」
燐子は『ツインドライブ』で一枚目が
パワーは前列リアガードに一回ずつ回し、貴之の『ダメージチェック』はノートリガーでダメージ2となり、ダメージが並ぶ。
「次は……『レクタングル・メイガス』でヴァンガードにアタック!」
「ならここは『エレイン』で『ガード』だ!」
パワー25000の攻撃はパワー30000で防ぎきる。
燐子が『メインフェイズ』でリアガードを呼び直さなかった理由として、次のターンで手札が足りなくなる可能性を危惧してだった。
「最後は『サークル・メイガス』の『ブースト』、『ロンバス・メイガス』でヴァンガードにアタック!リアガードの『ロンバス・メイガス』がアタックした時、『メイガス』と名の付くヴァンガードがいるならパワープラス5000し、そのユニットがグレード3なら『インターセプト』をできなくします」
「燐子のデッキ、『メイガス』のユニットが相当集まっているわね……」
「何ていうか……一つのチームみたいだよね?『クラン』も一つで固まってるし」
戦術の完成度の高さ、コンセプトの明確さ等からリサは一チームのように感じ取った。
対する貴之はコンセプトこそ明確だが戦術は即興のもので安定おらず、複数のチームが集まった直後のように思えた。
「これはノーガードにするか……『ダメージチェック』」
「遠導先輩は……今回の私たちが目指す場所?」
「バラバラの感性や個性をどうやって……か」
貴之の『ダメージチェック』がノートリガーでダメージが3になるところで、香澄がうっすらと貴之の意図を感じ取る。
もう少し見て行けば何かが分かるかも……と思ったところで燐子のターンが終了する。
「あの時の対面だな……」
「先攻と後攻が反対になったけどね……」
「(ああ……そう言えばりんりん、『オーバーロード』を乗り越えて自信持てたんだったよね)」
貴之の促しがあったと言えど、それが大きかったのをあこは教えて貰っている。
それが起点で紗夜も考え方を改め始めた辺り、貴之がRoseliaに与えた影響はかなり大きい。
「我が分身は、全てを焼き尽くす紅蓮の炎……!ライド・ザ・ヴァンガード!『ドラゴニック・オーバーロード』!」
貴之がお約束の如く『オーバーロード』に『ライド』するのはいいが、ここで気になったことが一つある紗夜は俊哉に問いかける。
「今回の場合、『イマジナリーギフト』はどうなるのですか?」
「最初に『イマジナリーギフト』を獲得できるユニットに『ライド』した時、そのユニットが有しているものを使うんだ……今回は『オーバーロード』に『ライド』したから『フォース』だな。他の『イマジナリーギフト』を持つユニットに『ライド』しても、そのファイト中に別の『イマジナリーギフト』は獲得できない」
例えばの話し、デッキに『ドラゴニック・オーバーロード』と『ヘキサゴナル・メイガス』が入っていたとして、先に『ヘキサゴナル・メイガス』に『ライド』した場合はファイトが終わるまで『プロテクト』以外を獲得できなくなる。
この為、選んだ『イマジナリーギフト』次第で戦術が大きく変わってしまうことも示唆され、デッキ構築の難しさに拍車を掛ける。
次のターンでの狙いがある為、貴之は『フォースⅠ』をヴァンガードに設置し、『メインフェイズ』で前列左側にもう一度『マガツゲイル』、後列右側に二枚目の『プレゼンター』を『コール』し、『マガツゲイル』と『オーバーロード』のスキルを発動させる。
「行くぞ……まずは『オーバーロード』で『ロンバス・メイガス』にアタック!」
「ごめんね『ロンバス・メイガス』……ノーガードで」
次のターンで決める以上、手札の消費を抑えなければならない燐子は一度受けることにする。
貴之の『ツインドライブ』は一枚目目が
まだデッキの全貌を見せ切っていないのでここで決めるのは良くないのだが、出し惜しみも良くないので『オーバーロード』は『スタンド』させる。
「次は『ガイアース』の『ブースト』、『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「なら私は、『ウェザーフォーキャスター ミス・ミスト』で『完全ガード』!」
『ヘキサゴナル・メイガス』となった燐子の前に、緑色のドレスを着こなした女性『ミス・ミスト』が現れ、眼前に濃霧を発生させることで『オーバーロード』となった貴之の攻撃を外させる。
『ドライブチェック』では
「こっちから行くか。『プレゼンター』の『ブースト』、『ダイドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「……ノーガードで」
燐子のダメージは2なので、ここで『カウンターブラスト』稼ぎとトリガー狙いに出る。
その結果は二枚目で
「そうだな……ここは『マロン』の『ブースト』、『マガツゲイル』でヴァンガードにアタック!」
「なら、『オラクルガーディアン ニケ』で『ガード』!」
ここで受けても良かったが、
結果、燐子のダメージが4になり、『マガツゲイル』のスキルで『マロン』を手札に戻したところで貴之のターンが終わりとなった。
「(どうにかなってる……?前に進めてるのかな)」
以前貴之とファイトした時のことを思い出しながら、燐子は自分の状況を確認する。
確かに以前よりチームやクラス間で会話ができたり、大勢の前でも落ち着いていることからそれは十分にあり得る。
「流石の貴之でもいきなりあのデッキは難しいか……」
「凄く重い制約でデッキ作ったし……この後どうするかだね」
もう一つは貴之が作ったデッキの運用難易度が非常に高いことにある。これなら全国大会までにやっていたグレード3以上のユニットが複数入っているデッキの方がマシと言い切れるほどである。
まるで今日友希那から聞かせて貰った話しのような状況だが、これを上手く纏めて成功させることが指針を示すことになるので、弱音は吐かない。
燐子の選択した『イマジナリーギフト』は『プロテクトⅡ』、今まで見えたユニットの多くは『メイガス』の名が着くユニット──。この二つから、貴之は次に来るかもしれないユニットを警戒する。
「(あっ、来てくれた……)」
今しがた引き当てたユニットを見て、燐子は柔らかな笑みを浮かべる。ここから一気にダメージを6にできる可能性がある唯一のユニットだったからだ。
もう一つとしては、このユニットを出さないことによる不完全燃焼が無くなったことも大きい。
「それは望む
「なるほど……あれが燐子の切り札だな」
燐子は桜、黒、白の三色を基軸に作られた露出の高めな衣装を着こなし、自分の身体を覆って動きを阻害しないようにアーマーを漂わせている魔術師の『ペンタゴナル・メイガス』に『ライド』する。
『プロテクトⅡ』を前列右側に設置し、『メインフェイズ』で前列左側に『ヘキサゴナル・メイガス』を、後列右側に白い魔道着を着こなし、ライトグリーンの色をした電子の魔導書と杖を持つ少女『テトラ・メイガス』を『コール』する。
「『テトラ・メイガス』がリアガードに登場した時、『カウンターブラスト』をすることでスキル発動!山札の上から一枚引いた後、
「望む
この後燐子が何をするかが分かっていて、それが実行可能なことも分かった大介は口元を緩める。
そのことは貴之も分かっているようで、燐子を来るように促す。
「そう言うことなら遠慮なく行くね……!『クォーレ・メイガス』の『ブースト』、『ペンタゴナル・メイガス』でヴァンガードにアタック!攻撃した時、グレード3のユニットを『ソウルブラスト』して、手札を五枚捨てることでスキル発動!このバトルの『ドライブチェック』をプラス3します!」
「『ツインドライブ』が二回でしょ?そこに三回プラスするから……五回!?」
「こういう時は『フィフスドライブ』……とでも言うのかしら?」
この膨大な『ドライブチェック』数こそが、逆転の一手であった。
貴之も二枚までならまだいいが、三枚以上は『ペンタゴナル・メイガス』の持つもう一つのスキルが関係して流石に危険である。
ここまではいいが、何か一つ見落としをしているのではないかと気づいた声も出てくる。
「ちょっ……!よく見たら燐子先輩の手札、三枚しかねーぞ!?」
「ホントだ……確かに足りない」
「え、えぇっ!?それって使えないんじゃ……」
有咲が気づいたのを機に、たえ、りみと気づいて行ったポピパもそうだが、燐子を省いたRoselia四人も驚いた。
──数え間違えてる?そう思ったのだが、足りないけどスキルのおかげで大丈夫だと燐子が言うので首を傾げる。
「このスキルは、前列にいる『メイガス』と名の付いたユニットの数だけ、捨てる手札を一枚減らせて、前列にいる『メイガス』は二体……だから、私が捨てる手札は丁度三枚です」
燐子が『メイガス』と名の付くユニットをふんだんに入れた理由がこれである。条件を緩和することで発動しやすくさせたのである。
これならばスキルによって捨てた手札もお釣り付きで帰ってくるし、トリガーも引きやすいしでいいことづくめである。
「流石に通す訳には行かねぇな……『ダイヤモンド・エース』で『完全ガード』!」
「今、
これを素通ししてしまうと最悪そのまま負けてしまうし、トリガーが一枚確定しているので流石に完全ガードを選んだ。
燐子の『フィフスドライブ』は一枚目から早速
「効果は全て『ヘキサゴナル・メイガス』に!『ペンタゴナル・メイガス』のスキルで、『ドライブチェック』で引いたトリガーのパワー追加効果は更にプラス5000されます!」
今回の場合、『ヘキサゴナル・メイガス』は自身のスキルも加味してパワーが20000も増加した形になる。
手札的に見て、後二枚引かれてその内一枚が
「セカンドチェック……!」
「ま、また
今度は効果を全て『レクタングル・メイガス』に回し、前列リアガードのパワーが双方25000──『プロテクトⅡ』込みで30000も増加した形になった。
三枚目こそノートリガーだったが、四枚目が
双方のリアガードのパワーが55000も増えてしまった影響で、貴之は今の手札で防ぐことはできなくなった。
「仕方ねぇ……残りは両方ともノーガード!」
「なら、『レクタングル・メイガス』の方から、『テトラ・メイガス』の『ブースト』を受けてアタック!私の紡いだ
「俺が燐子の紡いだ
まず初めに受けた攻撃の『ダメージチェック』は二枚ともノートリガーで、後は
更に厳しい状況として、貴之は既に三枚も
そんな窮地とも言える状況で、『ヘキサゴナル・メイガス』が放った光の球が『オーバーロード』となった貴之に直撃する。
「……!倒れてない!?」
「どうにか俺が勝ったみてぇだな……」
今回の『ダメージチェック』は一枚目が
目の前の状況に啞然する燐子だが、貴之のイメージ力ならできてもおかしくないと思えた。
と言うよりも、自分を導いてくれた彼ならやってくれると心のどこかで信じていた自分も自分だな、と思いながらターン終了を宣言した。
「よし、俺のターン……」
「次は何を使うのかな……?」
『オーバーロード』がフィニッシャーでない以上、何かに『ライド』するのは分かっているのだが何に『ライド』するかが気になるところである。
そんな状況下で貴之のターンが始まり、『スタンド』アンド『ドロー』まで行われる。
「『ライド』は……ここではしない。『メインフェイズ』」
「(ここではしない?てことはまさか……)」
思い当たる節のある俊哉は、そのままファイトを見て確認することにした。なお、この段階で大介と玲奈も思い当たる節ができる。
『メインフェイズ』では前列左側に『ありす』、後列左側に『マロン』を『コール』し、『オーバーロード』と『ダイドラゴン』で『ソウルブラスト』を行う。
「今回は『ありす』に『ライド』しても『イマジナリーギフト』は貰えない、か……」
『ありす』が持っている『イマジナリーギフト』は『アクセル』である為、『フォース』を得ている今回は『イマジナリーギフト』が獲得できない。
その為、貴之は『ありす』を『ソウル』を活かした連続攻撃要因として採用している。この後の狙いもあり、今回は『ソウル』が0になってしまっているし、その後の『ソウル』もスキルで『Sコール』できない『オーバーロード』のみなので、残念ながら不発となる。
スキル自体はあわよくば程度に考えているので、そこまでは気にしない。
「どっちが来るかをみよう……『オーバーロード』で『ヘキサゴナル・メイガス』にアタック!」
「……!ノーガードで。ごめんね」
ここで防いでもいいが、貴之があからさまに何かを狙っている状況であり、そんな時に後々防ぐ手立てが無くなってしまうのが厳しいので防がない。
『ツインドライブ』では二枚とも
ここでそれを実行してもいいが、確実に決めるべく『オーバーロード』でもう一度攻撃してから行うことにした。
「『オーバーロード』でヴァンガードにアタック!」
「『ミス・ミスト』で『完全ガード』!」
今の燐子はダメージが4で、
『ドライブチェック』こそノートリガーだったものの、貴之自身は狙いが完成しているのでさして気にしない。
「ヴァンガードのアタックが終了時、この『ターン』に『ライド』せず、パワーが45000以上ならスキル発動!」
「45000以上……?俊哉君、これは……」
「『友情出演』ってところかな……粋な計らないしてくれるよ」
パワーの数値を聞いて俊哉は確信した。その行為が『お前は最高の友だ』と示してくれている。
紗夜が気づいたように、見たことがあるRoseliaのメンバーも少しずつ気づき始める。
「トランスディメンジョン!『究極次元ロボ グレートダイユーシャ』!」
ライドの掛け声すら俊哉と同じものを採用し、イメージ内でも『グレートダイユーシャ』のコックピットに乗り込む形の『ライド』となる。
この時『フォースⅠ』をヴァンガードに設置し、スキルで前列のユニットがパワープラス10000、『グレートダイユーシャ』は『Sライド』したことにより更にパワープラス10000される。
これによって『ありす』のパワーが42000、『ダイドラゴン』のパワーが40000、『グレートダイユーシャ』のパワーが53000となる。
「さっきからパワーが凄い……」
「私たちが目指すのって、遠導先輩の方だよね」
バラバラな集まりを一つにして、一つの物事を成功させる……。その意味では香澄も沙綾に同意だった。
「後三回で決める……まずは『マロン』の『ブースト』、『ありす』でヴァンガードにアタック!」
「『サイキック・バード』と『ニケ』で『ガード』!『レクタングル・メイガス』で『インターセプト』!」
パワー50000の攻撃はパワー57000で防ぎきる。燐子の手札は後二枚しか無いので、これ以降は防ぐのが厳しくなってくる。
「次、『プレゼンター』の『ブースト』、『ダイドラゴン』でヴァンガードにアタック!」
「ノーガード。『ダメージチェック』……」
燐子の『ダメージチェック』はノートリガーで、ダメージが5になった。
これによって手札不足で『ガード』できない状況で『グレートダイユーシャ』の攻撃を迎えることになった。
「これで最後の攻撃だな……」
「大丈夫だよ、思いっきり来て?」
──燐子、強くなったな……。貴之はその前向きな姿勢を見て関心をする。
これならば自分があの時手を差し伸べた意味はあった。そう確信できる一幕だった。
「ならフィニッシュだ……!『ガイアース』の『ブースト』、『グレートダイユーシャ』でヴァンガードにアタック!この時『ガイアース』のスキル発動!」
「もう防げないね……ノーガードで」
手札二枚で『完全ガード』が無い、更に
貴之が『ツインドライブ』の二枚目で
「(貴之君、流石だね……)」
「(後で話しを聞けば掴めそうかも……時間貰えるかな?)」
『ペンタゴナル・メイガス』となった燐子が祈るように目を閉じたところへ、『グレートダイユーシャ』に乗る貴之が急接近する。
身体を右に回転させながら手に持った剣を振るい、『ペンタゴナル・メイガス』となった燐子を斬りながら後ろへ通り抜ける。
その後は燐子が消えゆくのを表すかの如く、『ダメージチェック』はノートリガーで、燐子のダメージが6になる。
終わった後は互いに「ありがとうございました」と挨拶をする。
「そのデッキ……凄く難しそうだね?」
「『かげろう』と『ロイヤルパラディン』で動きの軸を作り、それを『ペイルムーン』と『ぬばたま』で補助。最後に『ディメンジョンポリス』で決めるってコンセプトなんだけど、完全には安定しなかった……」
これでも相当練り込んだ方なのだが、安定させるのには限度があった。
しかしながら、今回のように決まった時の爆発力はすさまじく、今回のように高パワーユニット三体で圧倒することができたのだ。
デッキの運用難易度には苦言を示しはしたが、「ただ……」と貴之は続ける。
「それでもヴァンガードの楽しさは変わらない……ここはハッキリと言えるよ」
「やっぱり貴之君はそうだよね……でも、私も楽しいって思う」
この男ならそう言うだろうと、見ていたみんなも納得する。
また、この時話しを聞こうと思っていた香澄はそこで一つのことに気付く。
「(ヴァンガードが楽しいって思うのは、普段やっている人たちもそうで遠導先輩との共通点になるし、普段やらない燐子先輩も楽しいっていうし……)」
──じゃあ、バンドでもそう言う共通点を探せばいいのかな?香澄の導き出した結論だった。
燐子のデッキが一つのバンドが成功させるとすれば、貴之が複数のバンドで集まって成功させると考えれば、引っ掛かりができた。
後日話しがしたいので、香澄はポピパとRoseliaの皆に声を掛ける。
「今度で良いんですけど、時間を貰えませんか?」
「なるほど……何か思いついたようね?」
イベントのことも考えると早い方がいいので、早めの日程を立てさせてもらう。
今日は時間が時間なので解散とし、後日話し合うこととなった。
燐子のデッキはトライアルデッキ『戸倉ミサキ』をブースターパック『宮地学園CF部』のカードで編集した『オラクルシンクタンク』。
貴之のデッキはトライアルデッキ『櫂トシキ』、『先導アイチ』、ブースターパック『結成!チームQ4』、『アジアサーキットの覇者』、『最強!チームAL4』、『宮地学園CF部』のカードで混ぜ合わせた『かげろう』、『ロイヤルパラディン』、『ディメンジョンポリス』、『ペイルムーン』、『ぬばたま』の混合デッキになります。
ちなみに今回リサの考え事とは違ってきますが、本小説はヒロインの候補が友希那以外に紗夜の選択肢があり、今回は貴之の設定を作った際に合う方を考えて友希那にしました。
紗夜を選んだ場合は貴之の人間関係が若干変化し、ところどころで本小説と差異点のある設定が用意されることになります。
もしかしたら番外編として書くかもしれませんが、その時は流石に全編書くと長すぎるので、数話分抜擢してこんな感じになっていたと言う感じで書くと思います。
最後に、次回はメインストーリー13話を書く予定です。
本章完了後に読みたいのはどっちですか?どちらを書くかでNFOイベントを書く順番が変動します
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