先導者と歌姫 -高みを目指して-   作:ブリガンディ

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今回はメインストーリーの16話~18話をお届けします。ちなみに喫茶店にてのメニュー会議は貴之もRoseliaもいないので省略となりました……やること原作そのままですし(汗)。

ガルパピコ……ヴァンガードと遊戯王が混ざった何かが終われば今度はぷよぷよですか……(笑)。元ネタと比べて難易度とんでもないことになってますが……。

ヴァンガードifはヴァンガードifで北斗の拳感出ているしで凄いことになっていましたね……。レンが自転車漕いで退場するシーンは滅茶苦茶シュールでした(笑)。レン様、あなたが乗る自転車のインチ足りてませんぜ……(汗)。


パーティー17 作られていく輪

一先ず話しが決まって解散した後、ポピパの五人はまりなと貴之に今日の結果を教えた。

 

「そっかぁ……上手く行ったみたいで良かったよ」

 

「みんなの共通点を探してたんですけど、それを見つけて伝えたら……」

 

「演奏している時の楽しさはどこも一緒だったんです。無理矢理連れて来た意味もあったし、発想の勝利だったな……」

 

香澄の切り出しと有咲の説明には三人もうんうんと頷く。先程の帰りだす皆の様子を見た限りは成功と見ていいので、まずは一歩進めただろう。

それを聞けたまりなが、自分たちで活路を見出したことを満足そうに頷いている中、香澄は貴之に言うべきことを思い出した。

 

「昨日は本当にありがとうございますっ!あのファイトが凄くいいヒントになったんです」

 

「そうか……それなら、俺が見せた意味はちゃんとあったみてぇだな」

 

結果が出たことに貴之も安堵する。正直なところ即興のデッキだったので不安もあったが、彼女らの手伝いになったようなら何よりだった。

この後からは、その方針によってできた提案を尊重したイベントの内容を作っていくようだ。

方針が決まっているのはいいのだが、そこに一つだけ問題があるらしく、彼女らはそれを相談する。

 

「実は、最後の曲をどうするかが決まっていないんです……」

 

「みんなで同じ気持ちを持っているのが分かったから、それを大事にしたいんですけど……どこかのバンドの曲だとどうしても偏ってしまう感じがあるんです」

 

「来てくれたお客さんにも共感してもらいたいけど、あまりいい考えが出てこなくて……」

 

意志を合わせたのはいいが、その先が非常に難しいと言うのが現状だった。

特に沙綾が言った通り、どこかのバンドの曲でやった場合はそれが伝わらないどころか、一番がそこみたいな形になってしまう恐れもあるので最悪の手とも言えるだろう。

この時、『みんなで同じ』と言う言葉を拾った香澄が昨日のことを思い返してみる。内容としては貴之が用意した『エクスリームファイト』用のデッキの印象である。

 

「(複数を集めるのは一緒なんだけど……あれはなんて言うか、『一つの線』を引いてるような気がする)」

 

『オーバーロード』や『ブラスター・ブレード』から繋ぎ、最後は『グレートダイユーシャ』と言う一つの強固な線と言うイメージが強い。

ここで一つの線と感じたのは、ヴァンガードが個人競技に近しい面があるからであり、自分たちは団体でことを成し遂げるつもりなので、最後まで進んだら最初の場所まで結び切る必要がある。

つまるところ、五バンドで作るべきは線では無く、皆で手を繋ぎ合う『一つの輪』であると言える。

 

「なるほど……その事なんだけど、ちょっと無理難題を出すかも知れないけどいいかな?」

 

「(あっ、そっか……!そうすればいいんだ!)」

 

相談に乗ったまりなが五人に向けて前置きを作るのと、香澄が閃きを得るのは同時であり──。

 

「それだったら、五つのバンドの気持ちを合わせた曲を──」

 

「作っちゃえばいいんだっ!」

 

「(すげぇタイミング……殆ど同時だな)」

 

声を出すタイミングもまりなが説明している最中となる。

貴之が呆然とするのも無理は無く、それだけ香澄が完璧過ぎるタイミングであったのだ。

 

「わ、私が言うよりも早く答えを出した……。けど、大丈夫なの?」

 

「大丈夫です。元より多少の無茶は承知の上でしたので」

 

問いかければたえがあっさりと答えてのける。思いついた香澄は元より、他の三人もそのつもりだったので一先ずこの五人は大丈夫となる。

これに関しては後で他のバンドにも聞くことが決まり、他の内容……ポスターや出店等の話しが出てきた。

 

「あっ、Aftergrowのモカちゃんのお母さんがデザイナーをしていたような……」

 

──頼んでみるのも手ですね。沙綾が思い出した内容にはまりなからも聞いてみて欲しいと頼み込む。

 

「それからね、隣のカフェでイベントの時にオリジナルのドリンクやスイーツを出してみようかと思っているんだけど、どうかな?」

 

この話しを聞いた時、りみから沙綾の家からパンを──自身が好むチョココロネやスイーツ系のパンを出せたら良さそうと声を出す。

一応確認すれば、まりなからは即時でOKが返ってくる。その為、彼女の両親に聞くことで話しが進んでいる。

 

「まりなさん……大丈夫なんですか?」

 

「大丈夫だよ。なんと言っても、オーナーからは基本的な方針は任されているしね♪」

 

貴之の器具は一瞬で吹き飛ぶことになった。

出店の話しになれば、たえからはつぐみの家がカフェをやっているからヒントを貰えそう。りみからは千聖と花音がカフェやスイーツを好んでいると言う情報が飛んでくる。

 

「あれっ!?みんな何時の間に!?」

 

「まあ……あの後色々話したしな。私は半ば強引だったが」

 

どうやらミニライブの後にやったイベントはかなり大きかったらしい。

また、この時彼女らの話し方からして、友希那は猫好きであることはどうにか隠れていることが判明する。

恐らくはリサが話さなかったのだろうと思える。気を遣ってもらえただけでもかなり有り難いと貴之は感じた。

 

「じゃあ、また色々と動いて行かないとね」

 

方針が決まったので、後は確認を取って大丈夫なら進む。そこまで決まって今日は解散することになった。

 

「(あれなら大丈夫そうだな……)」

 

勤務が終わって帰宅する際、ポピパの五人から輝きが増したようなものを感じた貴之はそう感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

翌日。作曲の協力を頼むべく、香澄は各バンドにお願いしに行った。

提案自体は即時に受け入れられ、アフグロ、パスパレ、ハロハピの三バンドは即決に近い形で承諾してくれたし、代表として各バンドのボーカルが作曲の参加を決めた。

非常に順調な進み方をしているところで、放課後になった今は残ったRoseliaにお願いするところになっている。

 

「なるほど……合同の曲を作るのね?」

 

「はいっ!みんなの気持ちが一つだってお客さんに伝えられる、一番いい方法だと思って……」

 

香澄の話しを聞かせて貰った友希那の反応は良好だった。

なお、この時思い浮かんだ経歴を話して見ると素直に称賛できるレベルに昇格する。

ただし、何もいいことばかりでは無く、大切な人が出したヒントを完全にものにして見せた香澄と、そうは出来なかった自分を比べるとどうしても理解力で負けたような気がしてしまうのも事実だった。

 

「……はぁ。私にも、戸山さんのような発想力があれば良かったのに……」

 

「あ、あれ?友希那先輩、どうしました?」

 

「あ、あはは……こればっかりはしょうがないよ友希那。アタシらは今までそっち方面捨て気味だったんだし」

 

「貴之君がくれたヒントでしたからね……。戸山さんが先に掴んだことが悔しかったんですよ」

 

こればかりは仕方ないところがあるし、香澄は何も悪いわけではない。故に香澄にはその辿り着いた答えは誇っていいことを伝える。

ただ、何もそれ一つで全て完敗と言うわけでもないし、気にし過ぎはダメだろうと気持ちを切り替えた友希那は香澄の提案に対しての答えを考え出す。

 

「一先ず全員に確認は取ってあるから、そこは問題ないけれど……」

 

何か提案を持ちかけられたら参加するかどうかは昨日の段階で話し合っており、Roseliaとしては『余程変なものではない限り参加で大丈夫』と答えを出していた。

今回はその変なものではないので、問題なしに参加できるのだが、一つだけ友希那には気掛かりがあった。

 

「本当に私でいいのかしら?こう言うコミュニケーションが必要な場面なら、リサが一番向いている気がするわ……」

 

「も~!この期に及んで何言ってんの?こう言う場面だからこそ、友希那が行くべきだよ。チームの代表なんだよ?と言うか、友希那も()()コミュ力あるでしょ」

 

「私たちRoseliaはみんな、友希那さんに惹かれて集まりましたからね……。やっぱりチームの先導者に行って貰いたいです」

 

今この場にいないあこはこの後リサや燐子と共に、他のチームにいる人たちと集まって皆で着ることができそうなシャツの考案に行くので参加できないことが決まっている。紗夜も紗夜で全ての分野が自分に不向きなことを理解しているので、本番に向けて自主練習をするか、チラシ配り等があるならそちらをすることにしている。

こんな二つの事情があることから、どの道友希那が行くしかないし、今いない二人に聞いても全く同じ回答が返ってくることだろう。つまるところ友希那は良くも悪くも『Roseliaの体現者』であるのだ。

八方塞がりとも言える場面だが、皆から信頼されていることに嬉しさを感じ、友希那は腹を括った。

 

「そう言うことなら私が行きましょう。待たせたわね」

 

「ありがとうございますっ!もうみんなCiRCLにいるんですけど……今からでも大丈夫ですか?」

 

「ええ。それじゃあ、Roseliaの代表として行ってくるわね」

 

リサと燐子に応援の言葉と共に送って貰いながら、友希那は香澄の案内でCiRCLへと足を運ぶ。

 

「なるほどぉ……友希那先輩のお父さんがですか」

 

「きっかけはどこにでもあるわ。貴之がヴァンガードを始めた理由が、全くの別分野で見たものだったようにね……」

 

移動中の間、香澄は友希那に音楽を始めたきっかけを聞いてみる。

自分の理由を答えた後に香澄がギターを始めた理由を教えてもらったが、理由自体は貴之と近しいものがあった。

香澄が星空を見て『星の鼓動』を感じる。貴之が友希那の歌に惹かれると言う違いはあるが、夢中になれるものを探す内に辿り着いたと言う点は共通している。

 

「戸山さん、結構貴之と似ているかも知れないわね?」

 

「……私がですか?」

 

ポピパは香澄の前向きさや純真さに感化されて組んでいる人が多く、何かと率先して自発的に行動することができる辺りが良く似ていた。この他にも自身を中心に周りも楽しそうにしている点が共通している。

特に後者の方は自分たちには無い絶対的な武器であり、それを知れたことは今回のイベントに参加したことによる一番大きな収穫だった。

 

「でも、私は友希那先輩の方が似てると思いますよ?」

 

「……えっ?」

 

「だって私、遠導先輩と違って一度決めたらほぼ立ち止まりませんし、感覚派過ぎて頭そんなに使えないですし……」

 

自分の力や存在が影響して人を自分が進んでいる道に招くことは、友希那と貴之だからこそできたと香澄は感じている。

さらに言えば、自分には貴之や友希那のように相手の意図を理解し、さらにそれを問いかけたり伝えたりすることはまだできない。

これ以外にも『上に行きたい』と言う点は共通しているものの、二人のように『とにかく高い場所』かと言われればそれは少し違うし、以前の話し合いに参加した友希那や、ミニライブ直前の合同練習で話した貴之は落ち着いて物事に当たっていたのも大きい。

以上の点を踏まえて香澄は友希那の方が貴之と似ていると感じている。それを伝えれば友希那は納得しながら、頬を朱色に染める。これは貴之と似ている点が多いと言われて嬉しかったんだろうと香澄も理解できた。

 

「いつか、二人みたいにそうやって人を惹きつけられるようになりたいなぁ……」

 

「なら、今後も精進あるのみね」

 

「はいっ!頑張りますっ!」

 

道標にしたいと思える人が二人もできた──。それが香澄にとっては一番嬉しいことだった。

CiRCLへ行く道の途中で十分に話し合うことができ、互いの見えない面を少しずつ知れたところでCiRCLの出入口まで辿り着く。

ドアを開けて中に入って見れば、カウンターには貴之が立っている。イベント当日が後二週間である為、この先ここにいる貴之を見なくなるかもしれないと思うと、友希那はどことなく寂しさを感じた。

 

「二人揃って来たな……三人はCスタジオにいるよ」

 

「ありがとう。それじゃあ……」

 

「詳しい話しは中で……ですね」

 

貴之の案内を受け、三人が待っている部屋のドアをノックしてから開けて入る。

 

「あっ、来たね……」

 

「友希那ちゃん……!」

 

「待っていたわよ!」

 

入ってみれば早速三人は歓迎ムードだった。自分たち全員が来ているから、来るのを信じていたのだろうとすら思える。

こうして来てみると、改めて自分が来て正解だったと友希那は思った。

 

「待たせてしまったわね……」

 

「あら?そもそも遅刻なんてしたかしら?」

 

自分を待ってくれていたのだから──と、友希那は一言詫び半分に告げるが、こころから意外な返答がやって来た。

その返答に彩が何故かと問いかければ、こころはにべもなく次のように言って見せた。

 

「だって、あたし達五人が揃わないと意味が無いんでしょ?それなら、揃ったことに遅いも早いも無いわ!」

 

ようこそ──と言うこころの歓迎に香澄が同意し、友希那は彼女らの暖かさを感じた。

 

「揃ったことだし、曲を作り始めようよ。どうせあたしたち、途中でぶつかるだろうし……」

 

ケンカ前提の考え方は良くないと彩は咎めるも、恐らくそうなるだろうことは友希那も危惧していたのでそうなりそうだとは告げて置く。

 

「え、ええ……?友希那先輩まで……!?」

 

「でも、バラバラだけどハートは一つ。だからそれでいいんじゃない?」

 

香澄も困惑しかけたが、衝突前提で考えていた蘭が香澄の言葉をしっかりと覚えていたので、ならば問題なしとなった。と言うよりも、今回はそうなるのが正解なのだろう。

 

「麻弥ちゃんがね、バラバラの感性がぶつかって音楽が生まれるからバンドは面白いって言ってたの。だからきっと私たち、いい曲が作れるんじゃないかな?」

 

彩が教えて貰った話しを皆に伝えれば香澄は同意し、友希那は蘭に期待を寄せた言葉を送る。

そうすると蘭はぎこちない礼を返し、こころは一つ提案を出す。

 

「こう言う時、みんなが笑顔になれる掛け声があるわよ!」

 

「……掛け声?」

 

「それって、ミニライブの時にやっていたものかしら?」

 

──あら?それなら話しが早いわね?友希那の問いは当たりだったらしく、こころの反応が良かった。

とは言え、分からないや覚えていない人もいるにはいるので、最初に一人でそれをやる。

 

「ハッピー!ラッキー!スマイルー!イェーイ!ね?いい掛け声でしょう?」

 

うんうんと直ぐに頷けるのが香澄と彩。少しだけ思い出す時間を使い、その後頷いたのが友希那。少々戸惑い気味だったのが蘭だった。

一般的な感性と思想が合わさっていれば、この反応で止まっている可能性はあったが、独特な感性と全員を笑顔にすると言う理想主義の思想を持つこころはここで止まらない。

 

「じゃあ、次はみんなで行くわよ?」

 

「ちょ、ちょっと待って……!」

 

「す、少しだけ心の準備をさせて貰えるかしら?」

 

完全について行けない蘭と、恥ずかしさが勝る友希那は一度ストップを掛ける。どの道やることはこころの中で決定事項と化したので、友希那は自分のタイミングで始められるように誘導したのだ。

そうして友希那が大丈夫なタイミングで告げると、改めてこころの合図で皆して掛け声をすることになる。

 

『…………』

 

暫し無言の状態で互いを見合わせた後、全員して吹き出して笑い、こころの掛け声が何も間違っていないことが証明された。

皆で笑い終わった後、今度こそこのイベントの為の作曲を始めるのであった。

 

「じゃあ……こういうのは?」

 

「うん。悪くない」

 

「(どうしようかしら?こう言う時の表現が思い浮かばないわね……)」

 

早速作り出していくのだが、友希那は頭を悩ませる。元々楽しさ重視の分野が不得意だったこともあり、表現をどうするか考えていたら他の四人は次々に出していた。

どうしたい、どうできる等は浮かんでくるのだが、肝心な表現で悩まされることとなった。

 

「……友希那先輩?何かと気になるところがありましたか?」

 

「えっ?あ、ごめんなさい。私は普段……こういう曲調のものを歌ったことが無いから、どういう風に表現すればいいか考えていたの……」

 

Roseliaの曲と言えば、ダークなものや、力強いもの等、雰囲気重視で明るめな曲は少ない。

チームの曲でなら『Re:birthday』がやや明るい曲だと言えるが、全体で見ればそこまで明るいわけではない。『再誕』の意味合いがある、穏やかながら力強い曲の部類になる。

過去の出来事もあって歌う曲調に偏りができて、今回作る『楽しさ』を前面に押し出す曲はあまり歌わなかった。

 

「この曲を楽しんで歌えばいいだけのことじゃない。それなら簡単よ?」

 

「こう言う時、『音楽が何よりも雄弁』……って、湊さんなら()()()()ですけどね?」

 

こころと蘭の言葉は最もであり、同時に今回はそこまで難しく考える必要も無さそうだと友希那は感じた。

音楽を通して感じる気持ちを、心のままに歌えばいい──。そう結論づければ後は簡単である。

 

「そうだったわね……。思い出させてくれてありがとう。曲作りを続けましょう」

 

「(友希那先輩は誰よりも音楽と真摯に向き合っている……だから、それだけ悩みもあるんだ。Roseliaのみなさんだけじゃなくて、私たちも力になれたらきっと……!)」

 

──最高の音楽が出来上がる!共に曲を作る最中、香澄はそんな確信を抱くに至った。

 

 

 

 

 

 

 

*   *   *

 

 

 

 

 

 

 

「はいこれ、みんなで着るTシャツのデザイン考えてみたんだ♪」

 

「おおーっ!カッコイイ!」

 

「これ、リサ姉がデザインしたの?」

 

ボーカルメンバーが作曲を行っているのと同刻──。リサ、燐子、あこ、ひまり、イヴの五人はファミレスに集まってTシャツのデザインを確認する。

衣装ならば間違いなく燐子の方が適任だが、こう言った皆で着るものを考える方は、皆の意見を取り込む必要がある以上、コミュニケーション能力の高いリサに分があるのだ。

この為、提案自体は燐子、皆の意見を取り纏めて実行はリサと言う分業になった。

 

「全員お揃いのイクサショーゾクですね……シキが上がりますっ!」

 

「確かに、お揃いなんてテンション上がるよねぇ……」

 

──これも燐子が提案してくれたおかげだね♪リサの礼を燐子は素直に受け取る。

燐子も『この提案が何かいい方向に繋がれば……』と思っていたので、願った通りになって一安心だった。

リサが持ってきたデザインは原案である為、ここからどうするのが良いかを五人で煮詰めていくことになる。

 

「そう言えば、Roseliaの衣装はリンコさんが作っているんでしたね?凄いですっ!」

 

「うんっ!こんな豪華な衣装が作れるなんて……尊敬しちゃいます!」

 

この時Roseliaの衣装は燐子が作ると言う話しを思い出し、イヴとひまりがそんな燐子を称賛する。

パスパレは事務所で用意されている。アフグロは自前で衣装を作るが、燐子のように各人ごとに細かい差異点を作るには至っていない。

 

「だってさ、りんりん?」

 

「うん♪そう言ってもらえると、嬉しいよ」

 

人に褒めてもらえると素直に嬉しい。そんな情が燐子に笑みを浮かべさせる。

 

「ウチの友希那と紗夜がTシャツ着てるところって、ちょっと想像(イメージ)できなくない?」

 

「あっ、確かに!どんな感じになるのかなあ……?」

 

話しを一度Tシャツの方に戻すと、友希那と紗夜がそんな格好をする姿の想像(イメージ)が難しかった。

リサの振りに同調したひまりは、燐子がTシャツを着る姿も予想が付かないと言うので、RoseliaのメンバーはTシャツと縁が遠そうである。

後々貴之にも聞いてみるのだが、彼もそれには同意しつつ、リサなら何着てもある程度以上は様になりそうとも言っていたので、リサは首を傾げることになった。

そう言われてどうなんだろうかと燐子が考えていたところに、イヴがモデルをしていた時の話しを切り出す。

モデルの仕事をしていると、自分が着たことのないデザインの服を何度も着ることになるので、着るまではどんな風になるか想像できない衣装もあったが、実際に着てしまえば新しい自分を見つけられた気がすると言うのが、彼女の言い分だった。

 

「この前見せて貰ったヴァンガードで言うなら、新しい自分に『変身(ライド)』する……がいいんでしょうか?だからきっと、リンコさんも新しい自分を見つけられると思います♪」

 

「新しい私か……確かにそうですね。あの時背中を押して貰って、こうしてヴァンガードの世界も知って、人前でも平気になった私がいますから」

 

イヴがヴァンガードを例題に挙げられたのは、燐子がヴァンガードに触れたことがあるのをミニライブ後の打ち上げで教えてもらっていたからだ。

なお、この時リサが当時における貴之の有罪(ギルティ)っぷりを思い出して妙な顔をするが、それはあこが止めることで治まる。

ひまりは何があったかが気になって首を傾げるものの、掘り出しては行けなさそうなのでその話しは触れないでおくことにした。

 

「なんか、話してたらライブが楽しみになって来た……!」

 

「そうだね。なら、成功させる為にもみんなが納得してくれそうなデザインにしよっか♪」

 

作曲をしている人たちも、こうしてTシャツのデザインを考えている人たちも、そして品物の考案やチラシ配りをしている人も、ライブを成功させたい気持ちは一緒だった。




16話~18話までが終わりました。メインストーリーの終わりまで後4話になりました。
変更点としては……

・香澄が曲を作る発想は貴之のヒントも元になる
・友希那が香澄の発想力に羨望を抱く
・こころの掛け声に対して、友希那の反応が良くなる
・イヴの話しを聞いた燐子が完全に同意できた様子を見せる

こんなところでしょうか。

以前アンケートを取った没案の紗夜をヒロインとした場合の話しですが、本章を書き終わった後に番外編で追加しようと考えています。

次回はメインストーリー19話からやっていきたいと思います。

本章完了後に読みたいのはどっちですか?どちらを書くかでNFOイベントを書く順番が変動します

  • アニメ1期OVAの海イベント
  • 夏にゆらめく水の国
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