先導者と歌姫 -高みを目指して-   作:ブリガンディ

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今回は紗夜とあこでのファイトになります。

ガルパピコでは彩が動画やってるのはいいけど、余り上手く行ってないような感じがありましたね。見守る千聖は完全に保護者と化してる……(笑)。

ヴァンガードifでは着実にに記憶を取り戻す人たちが増えて来ていますね。伊吹はどうやら単身別の場所で重要な役割をこなす必要があるようで……。

ガルパでアフグロの三章が来ましたね……私は外出で疲労してたので、余力があったら少し走りますが、無理そうなら寝てから走ろうかと思います。


サマー5 変わった思想、揺るがぬ意志

「どうにかなったわ……」

 

「お疲れ様。上手く使えてたな」

 

時間は更に進んで三回戦が進行している。これが終われば前半の部は終了となり、昼食休憩後一台展開の進行が始まることになる。

その中で最も早い順番で試合が回ってきた友希那は一番最初に降りて、丁度ファイトを終えて上がってきたのである。

貴之が述べた「上手く使えてた」と言うのは『ファントム・ブラスター・ドラゴン』や『ガスト・ブラスター・ドラゴン』を始めとする、『シャドウパラディン』の特徴を強く表すユニットたちのことであり、見ていて全く心配のないくらい綺麗に運用できていた。

 

「井口さんとファイトしたおかげなのかしら?あのユニットたちを使っても自然な形で戦えていたわ」

 

「そんなにですか?」

 

気になった春香が問いかけ、友希那がそれに頷いて肯定の胸を返すと彼女は満面の笑みを浮かべて喜びを表した。

こうして二人が仲良くなっていくのは、貴之としても非常に嬉しいものである。ただでさえ春香が憧れと理解の違いを解っているのも有り難いのに、ここまで来れば感激である。

 

「あっ、リサさん勝てそう……」

 

「ホントだ。あれなら心配なさそうだね♪」

 

「それなら、後はあの二人と白金さんか」

 

モカが指さした通り、リサは勝利に王手(チェック)を掛けているので、他を見ていくことにした。

対戦が減ってきた都合上、燐子は上には戻ってこないで、そのままファイトする為に移動を始めている。

 

「正直なことを言いますと、宇田川さんと当たれたのは幸運だったのではないかと思うんです」

 

「ほえ?あこと当たって幸運……ですか?」

 

予想外の一言に、あこは呆けた声を出す。少なくとも弱いからとかそう言うことはないのだが、一回ですぐには分からなかった。

その為理由を訊いてみれば、こちらを称賛する答えが返ってきた。

 

「宇田川さんはRoseliaの五人で、貴之君の教えを()()()()()()()()()()人ですから。あなたを通して、何かを掴めるのではと……そう感じられるんです」

 

「ああ~……そう言えばあこ、そんなに深く意識して無いんだった……」

 

あこは唯一、実践している最中に自分のイメージを確立させている。

一人だけ最初から独自の言い回しに挑戦し、成功させているのは伊達では無く、『クレイ』にいる時の自分はこれを作り上げていた辺り、自然体で教えを体現できるのは圧倒的な強みと言える。

それからは楽であり、確立させたイメージを忘れずにファイトを反省していくだけであったので、あこは結構余裕を持って練習ができていた。

 

「紗夜さん、一個提案なんですけど……」

 

「提案ですか……?どうぞ。まずは話しを聞きましょう」

 

この大会に来る前、「Roselia全員で一台展開まで行きたいね」と話していたのだが、この組み合わせによって残念ながら頓挫することが確定してしまっていたのだ。

恐らくあこの提案は代案に近いものだろうと考えながら、紗夜は先を促す。

 

「このファイト、勝った方がRoseliaの誰かと当たるまで負けない……って言うのはどうですか?もしかしたら、優勝するまでファイトすることになるかもですけど……」

 

「確かに、ハードルが高くなってしまいますが……いいでしょう。その提案受けましょう」

 

あこの提案を紗夜は受け入れることにし、それを聞いたあこは素直に礼を告げる。

この直後に「前までなら断られそうだったけど、今なら平気そうだから言ってみた」と教えられ、非常に複雑な想いを抱いたのは内緒にしている。

約束事もして、準備も終えたので、早速ファイトを始めることになる。

 

「「スタンドアップ!」」

 

「ザ!」

 

「「ヴァンガード!」」

 

ファーストヴァンガードは紗夜が『キルフ』、あこが『ゲートキーパー』とここは変わらずであった。

二人が使う『クラン』のことは忘れずに話しておき、『ダークイレギュラーズ』の話しを聞いた二人は、そちらの趣味を持ってからのあこらしいと感じるに至った。

 

「……紗夜が攻め切れるか、かしら?」

 

「そうだな。後は、あこが耐えきった場合に反撃できるかもあるな……」

 

やはりというか、『ゴールドパラディン』のように速攻性の強い『クラン』が関わると短期決戦になりがちである。その為、一回の攻防が非常に重要となるだろう。

練習を重ねたおかげで友希那もこう言う時はこうなのだろうと、少しずつ感じ取れるようになってきており、互いの道を知れてきていることが伺えた。

 

「『ウェイピング・オウル』に『ライド』!スキルで一枚ドローして、ターン終了です」

 

「まずは封じられし力を解き放つ為の前奏から……『ライド』!『プリズナー・ビースト』!『ソウルチャージ』した後スキルで一枚ドロー……」

 

ファイトは紗夜の先攻で始まり、彼女は先攻一ターン目で安定しやすい動きを選んだ。

あこは今回、先に『ソウルチャージ』をする処理を選ぶ。これ自体は直感に近いのだが、あこの直感は当たりやすい傾向がある為、今回はそれに従ったのだと思われる。

『メインフェイズ』で後列中央に二体目の『プリズナー』を『コール』し、『ソウルチャージ』を行う。

 

「此度はここまで、挨拶代わりに攻撃……リアガード(我が僕)の『プリズナー』で『ブースト』、『プリズナー』でヴァンガードにアタック!」

 

「ここはノーガードにします。どうぞ」

 

変に尻込みした動きは危険と判断した紗夜は、いつも通りの動きを徹することにした。

あこの『ドライブチェック』が(ドロー)トリガー、紗夜の『ダメージチェック』は(クリティカル)トリガーと、あこが有利な状況で一ターン目が終わる。

 

「『ボーマン』に『ライド』!スキルの発動は……見送りましょう」

 

このターンに『S・ライド』が実現可能なら強引にでも狙ったのだが、できないのならいたずらに手札消費をすべきではないと判断した。

『メインフェイズ』では『ウェイピング』を後列中央に、『ヴィヴィアン』を前列左側に『コール』し、スキルで『ガレス』を後列左側に『S・コール』する。

 

「では、こちらからも行きます。『ウェイピング』の『ブースト』、『ボーマン』でヴァンガードにアタック!」

 

「まだ焦る時では無い……ノーガードで受けて立とう!」

 

『カウンターブラスト』を確保したいのもあるが、あこのイメージは「敢えて受けることで余裕を見せるべし」となっており、それに従った結果でもある。

紗夜の『ドライブチェック』は(ヒール)トリガーで、先程受けたダメージが回復することになった。

対するあこの『ダメージチェック』はノートリガーで、これによりダメージが逆転する。

 

「次、『ガレス』の『ブースト』、『ヴィヴィアン』でヴァンガードにアタック!」

 

「我を恐れぬ担力……良かろう。ここもノーガード」

 

ここも受けることを選択し、あこの『ダメージチェック』がノートリガーで、ダメージが2になったところで紗夜のターンが終わる。

 

「あら?紗夜の方は意外に不味そうね……」

 

「あっ、友希那も気づけたみたいだね」

 

傍らから見ると非常に順調に進んでいるのが見えているので、蘭とモカが困惑する。

先程負ってしまったダメージも(ヒール)トリガーで回復していて、余裕があるにも関わらずどうしてなのだろうか?それが二人の考えであった。

 

「ここで『ゴールドパラディン』の特徴を思い出してみよう。あの『クラン』……と言うよりも、紗夜の使っているデッキはこのターンでグレード3になることができたんだけど、今回はそれに失敗しちゃってるんだよね……」

 

「あっ……強みが一個台無しになってる?」

 

「それと……あこちんの方は準備をしてからが本番だから~……あこちんちょっと有利ですか?」

 

玲奈の説明によって二人は気付くことができ、何故友希那が紗夜を有利と言わなかったのかを理解する。

 

「このターン、紗夜は最後まで繋げていれば『ツインドライブ』を使って一気に攻め立てることができたから、これが後々響きそうだな……」

 

長い目で見ると相当不味いと感じたのは俊哉である。紗夜が使うデッキは、下手すると竜馬のデッキ以上に二ターン目が大きく響いてしまうデッキであり、ここでの失敗がかなり痛いかも知れないのだ。

 

「召喚の儀式は加速する……!『ライド』!『ヴェアヴォルフ・ズィーガー』!」

 

『メインフェイズ』では後列左側に『ドリーン』、前列左側に『グヴィン』を『コール』し、『ソウルチャージ』を済ませる。

更にこれだけで終わりでは無く、とあるスキルを発動する。

 

「『カウンターブラスト』と『ソウル』にいる自身をデッキの下に置くことで『ディメンジョン・クリーパー』のスキル発動!三枚『ソウルチャージ』!」

 

イメージ内で『ディメンジョン・クリーパー』がゲル状のような体を駆使し、どこからともなく力の根源となるであろう光の球を集め、『ズィーガー』となったあこに差し出す。

受け取ったあこはそれを自身の体内に取り込み、力が湧き上がるのを感じる。

 

「このスキルは一ターンに一度と言う制限は無く、今のスキルで『クリーパー』が『ソウル』に宿った……」

 

「宇田川さんが『ダメージゾーン』で裏返しにしていないカードも残っている……と言うことは!」

 

「如何にも!第二幕の開演であるぞっ!『クリーパー』よっ!再び根源を持って参れ!」

 

魔界の女王たるもの、配下のものを丁重に、そして有効に扱う。これがあこのイメージであった。

これにより『ソウル』が既に9枚となっており、このまま行けば次のターンであっさりとコンボが完成する段階まで辿り着いている。

 

「見るがいいっ!根源を集め、長大な刃となった『ドリーン』の魔爪をっ!」

 

『ドリーン』が場に出てから計7枚の『ソウルチャージ』が行われており、何とパワーが35000もプラスされている。

パッと見もう持ち上げることすら辛そうなくらい長く伸びているが、『ドリーン』は全く問題なさそうにしていた。

 

「おお……言い方が安定したな」

 

「あの子、珍しいタイプだなぁ……」

 

初めての時と比べて言い回しが変わったことに気づき、イメージを更に安定させたことを貴之は確信した。

あこのような言い回しは非常に独自のタイプであり、春香もそうだが、大会に出続ける貴之らですら余り見かけることはないタイプである。

 

「儀式の行進まだ終わらぬ……!『プリズナー』の『ブースト』、『ヴェアヴォルフ』でヴァンガードにアタック!攻撃時、『ヴェアヴォルフ』のスキルで二枚『ソウルチャージ』!」

 

「ダメージは0だから……ノーガード」

 

先程の(ヒール)トリガーのおかげでダメージに余裕は出来ている。故に防ぐ意義は感じなかった。

あこの『ドライブチェック』は(クリティカル)トリガーで、パワーは『グヴィン』、(クリティカル)はヴァンガードに回す。

イメージ内で『ヴェアヴォルフ』となったあこが、『ボーマン』となった紗夜に爪で二回ほどの斬撃を見舞う。

この時の『ダメージチェック』は一枚目がノートリガー、二枚目が(フロント)トリガーとなるが、次の攻撃のパワー差が大きすぎて、防ぐ気力が起こらないものであるのが少々問題か。

 

「極限まで鋭く、そして長大となった『ドリーン』の魔爪を受けよっ!『ドリーン』の『ブースト』、『グヴィン』でヴァンガードにアタック!」

 

「防いでも割に合わない……ノーガードで行きます」

 

流石に合計パワー70000、(クリティカル)1の攻撃の為に防ぐ理由などないので、大人しく受けることにした。

『ダメージチェック』の結果は(ヒール)トリガーで、ダメージの増加は防がれる。

これにより、互いのダメージが2になったところであこのターンが終了する。

 

「友希那~!アタシも勝ち残りできたよ~♪」

 

「お疲れ様。これで二人目ね」

 

この直後、リサが吉報と共に戻って来たことで全員が安堵する。焦ることなく丁寧に詰めていった結果の順当な勝利である。

 

「(ここが勝負になるな……)」

 

恐らくあこは既に『デスアンカー』を握っている為、このターンで決めなければ負けとなってしまうだろう未来が見えていた。

その為、紗夜はこのターンで守りを完全に捨てるつもりで行動することを決める。

 

「『ブロンドエイゼル』に『ライド』!『イマジナリーギフト』、『アクセルⅡ』!更に手札にある時『カウンターブラスト』をして『レーブンヘアード』に『S・ライド』!」

 

「ほう……運命を強いる騎士か。その力が我に届くか、試すがいいっ!」

 

「あ、あこが凄い堂々としてる……」

 

「こうまでイメージが強いと、相手する時が怖いわね」

 

現状だと耐えきってしまえばそのまま詰み(チェックメイト)まで行ける為、あこが大分優勢ではある。

ただし、紗夜もここから捲り返すことができるので、油断はできない……と言った状況である。

『メインフェイズ』では左の『アクセルサークル』に『ワンダーエイゼル』を『コール』し、スキルで『ボーマン』右の『アクセルサークル』に『S・コール』する。

これは手札からの『コール』である為、『ボーマン』のスキルは発動可能であり、それによって『ガレス』を前列右側に『S・コール』し、その後『ちゃーじがる』を後列右側に『コール』した。

 

「行きます!『ウェイピング』の『ブースト』、『レーブンヘアード』でヴァンガードにアタック!この時『カウンターブラスト』してスキル発動!」

 

「我は魔界の女王。『完全ガード』を封じられても引きはせぬ……ノーガード!」

 

相手はスキル(クリティカル)が2になっているが、それでもあこは強気に動く。

この行動自体理由はあり、『アクセルサークル』持ちの『クラン』は(クリティカル)トリガーの採用枚数が少なくなりがちだからである。

現に紗夜のデッキも四枚しか入っておらず、まだ一枚しか出てないとは言え、本当に出てくるかの保証はない。

 

「あ、あんなに堂々と……」

 

「あそこまでスイッチが入ったあこは強いからな……」

 

現に貴之も、『オーバーロード』と一緒にちょっと脅してやろうと思ったら失敗した経歴があり、ファイト一辺倒で進んでいたら凄いことになっていただろうと確信している。

そのイメージが通じたのか、紗夜の『ツインドライブ』は二枚とも(ドロー)トリガーと言う、少々判断に困る結果となった。次のターンも望みがあると考えればいいのだが、決めきれないと考えると少々面倒である。パワーは『ワンダーエイゼル』と、前列右側にいる『ガレス』に回しておく。

あこの『ダメージチェック』も一枚目がノートリガー、二枚目が(ドロー)トリガーで、このままだとヴァンガードに攻撃が届かなそうであることが懸念された。

 

「次は……『ワンダーエイゼル』でヴァンガードにアタック!」

 

「『ブリッツ』よ!この場は任せるぞ!」

 

ヴァンガードに攻撃が届くのは後二回なので、片方だけ防いで安全を確保しておく算段であった。

 

「これはどうするかしら……?『ちゃーじがる』の『ブースト』、『ガレス』でヴァンガードにアタック!」

 

「最後の調印を済ませよう……ノーガード」

 

「え、えっと……どういう事ですか?」

 

「まあ、有り体に言うと最後の準備だな」

 

あこの言い回しが理解できずに混乱していた蘭へ、俊哉がさりげなく助け舟を出す。

これに関しては分からない人は本当にそのままだから仕方ないと割り切り、あこの『ダメージチェック』を確認する。

結果は再び(ドロー)トリガーであり、これでヴァンガードへは攻撃が届かなくなった。

仕方がないので、紗夜は『ボーマン』で『グヴィン』に攻撃し、あこがノーガードで退却させたところでターンを終了させる。

 

「あれ、イメージで乗り切っちゃってますね……」

 

「元々あこはそっち方面で強くて、紗夜は苦手。ファイターとしての相性差が出てる感じがあるな……」

 

更に言えばあこは乗っかれるかどうかの二択を迫れるくらいに、はっきりとした空間(イメージ)を描いているので、この手に不慣れな紗夜は大分悩まされる。

これに関しては少しでもヴァンガードファイトを経験すればすぐに分かることである為、蘭とモカ以外の全員は完全に理解できている。二人も二人で話しを聞いてきたおかげで薄っすらとだが理解できている段階である。

 

「(『完全ガード』が二枚あるとは言え、乗り切れるかしら……?)」

 

紗夜からしても、この状況は非常に苦しいものであり、あこのユニットのことを考えるとどうしても怪しいところが出てくる。

現にあこは『スタンド』アンド『ドロー』を済ませた後、得意げな笑みをみせている。

 

「ふっふっふっ……時は満ちた!今こそ、我が分身による凱旋の時であるっ!ライド・ザ・ヴァンガード!『ノーライフキング・デスアンカー』!」

 

登場時に『ソウルチャージ』されたことで丁度13枚になり、全ての用意が整う。

『イマジナリーギフト』は『プロテクトⅠ』を選択する。決めきれないと判断した際に、すぐ『完全ガード』で凌ぎ切る選択を取れるように保険である。

『メインフェイズ』では前列右側に『ヴェアヴォルフ』、後列右側に『クリーパー』、そして前列左側に全身が石に近い緑色をした体をもつ吸血鬼『ブラッドサクリファイス ルスベン』を『コール』する。

 

「登場時、『ルスベン』のスキルで『ダメージゾーン』、または『ドロップゾーン』のユニット一体を『ソウル』に置くことができる!我に力を分けたまえ!」

 

あこは今回『ドロップゾーン』から一枚『ソウル』に持ってくることを選んだ。これ以外にもとあるユニットがいれば追加効果で『カウンターチャージ』が可能だったが、それを使うつもりがなかったあこは採用をしていない。

これで全ての用意が整った為、あこは攻撃を始める。

 

「今こそ総攻撃の時!我らの闇と言う波に飲まれ、消えゆくがいい……!『クリーパー』の『ブースト』、『グヴィン』で『ヴィヴィアン』を攻撃!」

 

「……?ノーガードで行きます」

 

全てヴァンガードに来るかと思って身構えていたが、ダメージを受けないのならばと紗夜は流すことにした。

 

「次は『ドリーン』の『ブースト』、『ルスベン』で『ワンダーエイゼル』を攻撃!」

 

「そちらもノーガードにします」

 

『完全ガード』が二枚も見えているからの警戒だろうと思いながら、紗夜はそのまま攻撃を受けて『インターセプト』を捨てるに至る。

 

「ここからが本番……『プリズナー』の『ブースト』、『デスアンカー』でヴァンガードにアタック!」

 

「『マルク』で『完全ガード』します!」

 

流石に合計パワー44000もの攻撃を、『ツインドライブ』も控えている状況で素通しする訳にも行かず、紗夜はここで一回目の『完全ガード』を使うことにした。

『ツインドライブ』では一枚目こそノートリガーだが、二枚目は(クリティカル)トリガーであり、効果が全て『ルスベン』に回される。

 

「攻撃終了時、『デスアンカー』のスキル発動!此度呼び覚ますのは、五大の元素を支配する精霊の王……『S・ライド』!『五大元素の支配者(マスター・オブ・フィフスエレメント)』!『プロテクトⅠ』を獲得したのち、そのままヴァンガードにアタック!」

 

『ツインドライブ』で(クリティカル)トリガーを二枚引かれたらどの道負けなので、ここで防ごうか考える。

あこからすればここで『完全ガード』を使ってもらえた方が有り難いが、どの道使うとが勝利に必須なので、最後の一手を行使する。

 

「『五大元素(フィフスエレメント)』が攻撃した時、『ソウル』が15枚以上あるならば、『ソウル』と手札を全て『ドロップゾーン』に送ることで、我が軍勢は全て『スタンド』……再動の時を得る!」

 

「なっ……!?もう一度『マルク』で『完全ガード』!」

 

その効果に驚いた紗夜だが、どの道二回攻撃が来るのだから先に防いでしまい、後はトリガーが来ないことを祈る方向に変えた。

『ツインドライブ』では一枚目がノートリガー、二枚目が(クリティカル)トリガーで効果を全て『グヴィン』に回される。

この方法は最後の詰めとして全ての攻撃に『ガード』を強要する為の方法であり、紗夜からすると一枚でも(クリティカル)が引かれたら危険なこの時にそれをされるのがとても苦しいものとなる。

 

「き、決めに行ってる……」

 

「あれは……見慣れて無くても嫌だって思うよね~……」

 

普段のなりとは裏腹に中々えげつない詰め方をするあこをみて、蘭とモカが呆然とする。これ自体あこは自分のイメージに従っているだけなので、彼女からすればそのままやったら完成してると言うのが尚更質の悪いことになる。

全てのユニットが(クリティカル)2の状態で一回ずつ攻撃を残している。まだ『ツインドライブ』が残っている。これは紗夜で無くても対面したくない状況である。

 

「耐えて見せよ……我らの栄光を掴む闇の奔流をっ!『ルスベン』でヴァンガードにアタック!」

 

「『フレイム・オブ・ビクトリー』で『ガード』します!」

 

パワー19000の攻撃は、合計パワー27000でどうにか防ぎきる。

 

「次、『グヴィン』でヴァンガードにアタック!」

 

「ここは……ノーガード!」

 

仮に(クリティカル)トリガーを二枚引かれた場合、どの道トリガー祈りをすることになってしまうので、一度攻撃を受けることにする。

『ダメージチェック』は二枚ともノートリガーになり、次の攻撃が通るとトリガー祈りをすることになる。

 

「決めるのはこの我……!『五大元素(フィフスエレメント)』でヴァンガードにアタック!」

 

「懸けるしかなさそうね……『エリクサー・ソムリエ』で『ガード』!」

 

紗夜はもう手札がこれしか残っていないので、あこがトリガーを二枚引かないことと、仮に引かれても(ヒール)トリガーが引けることに懸ける他なかった。

命運を分ける『ツインドライブ』はあこが見事に二枚とも(クリティカル)トリガーを引き当てて見せ、紗夜のデッキに残っている(ヒール)トリガーの都合上、あこの勝利が確定する。

イメージ内では『五大元素(フィフスエレメント)』となったあこが、持っていた五つの試験管の液体を混ぜ合わせることで特殊な空間を作り出し、それを『レーブンヘアード』となった紗夜に押し当てる。

その空間に飲まれた際に生じた激痛に耐えられなくなった紗夜は膝を着き、そのまま光となって消滅する。

『ダメージチェック』もそれを表すかの如く最初の二枚がノートリガーで、ダメージが6となり決着が着いた。

 

「自分でもビックリするくらいに上手く行った……」

 

「お見事です。やはり宇田川さんは、イメージが綺麗に作られていますね」

 

正直に言えば、紗夜は大分彼女のイメージが作るペースに引っ張られて行ってしまっているのを感じた。得手不得手は当然あるものの、彼女のような領域に行くまでは今しばらく時間が必要だろう。

最後にファイトが終わった挨拶を済ませて戻りに上に戻る最中、丁度ファイトが終わった燐子と合流した。

 

「あっ、りんりん!どうだった?」

 

「三回戦突破できたよ」

 

「おおっ!さっすがぁ~」

 

お互いに勝ち上がれたのを喜ぶ二人だが、一つ大事なことを忘れていたことに気付く。

ハッとして紗夜の方へ顔を向けると、彼女が思いっきり落ち込んだ様子を見せていた。

 

「お二人とも、本当に良かったですね……」

 

「「あっ……すみません」」

 

紗夜はあこと当たって負けているので、一人だけ苦い思いをすることになる。

しかしながら全力で当たった結果なのでこれは仕方ないと受け入れ、彼女らに応援の旨を送るのであった。

 

「売店あるのか。そこで弁当とか売ってるらしいぜ」

 

「おっ、それは有り難いな……じゃあそっちへ行くか?」

 

これに関しては満場一致で賛成。戻って来た三人も賛成したので、そのまま売店へと足を運ぶのであった。




あこのデッキはブースターパック『最強!チームAL4』と、ブースターパック『最凶!根絶者』に出てくるカードで編集した『ダークイレギュラーズ』のデッキとなります。

本小説で『アクセルサークル』持ちの勝率がかなり低いことになってますが、別にこれらの『クラン』が嫌いって訳ではありません。プロットを組んだらまた負けてる……と言うことが多くなってしまっているだけです(汗)。

次回は友希那とリサでのファイトになります。
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