元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

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今回の話は、ちょっと前のお話になるよー。 まぁ、寝不足の補足やね


第十三話

目が覚めればどこか知らない場所に来ていた

 

「トーリスリッター」

 

呼んでも応答がない。 不審に思って首元をさすってみると、寝るとき以外は外していないトーリスリッターがなかった。 寝てるときに拉致された? そんなことになれば気が付くし、何より家には侵入者撃退のトラップや感知式の結界もある。 それを気付かれもしないで俺を誘拐するということは...... いやな汗をかきつつ、俺は周囲を見渡す。 どこまでも闇が広がっており、明かりも何もない。 これが目隠しをしているとかなら別だが...... 動くしかないか? このまま待っていても増援などもないだろうし、最悪死人が出かねない。 周囲を警戒しつつ俺はその場を動き出した。 気配は何も感じないし、何処だかわからない。 最悪の条件だが、何もしないよりはましか。 しばらく歩いていると、こんな闇には不釣り合いな白い建造物が見える。 隠れる場所もないこの闇空間だ、俺は真正面から進んでいく。 白い建物は教会のようにも見えるが、よくわからない。 ただ、白い建物に進んで行くにつれて寒気がしてきた。 よくわからないが、進むごとに寒気は増している。 まるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。 それを無視し、白い建物の扉に手をかけようとすれば何処からか短剣が飛んできた。 俺はそれを掴み取り、周囲を警戒する。 ()()()()()()()に囲まれているのは確かだ

 

「貴様、どうやってここへ来た」

 

何処からともなく声が聞こえる。 声から位置の特定は無理だな。 とりあえず今は油断を誘いつつ、会話だな

 

「どうやって、と言われても気が付いたらここに居た。 っていうところか?」

 

「戯言を」

 

同時に何方向からも短剣が飛んでくるが、それをすべて大げさに避ける。 ギリギリで避けたように見せかけたのだが、相手が現れる気配がない。 そう簡単には行かないか。 尚も続く短剣投げだが、せっかくの目印を失うわけにはいかないので常に視界のどこかに白い建物をいれておく。 それにしても

 

「本当ににここは何処なんだ」

 

「本当に知らないのか?」

 

俺のつぶやきに反応してか、そう問うてくる短剣投げの主。 この間も短剣投げはやめないのだから、本当に困る

 

「さっきも言ったように気が付いたらここに居たんだ」

 

「・・・・・・なら悪いことは言わん、ここから立ち去れ」

 

そう言うや否や、短剣の投擲がぴたりとやむ。 それを不審に思いながら、警戒を解かずに話を続ける

 

「どういうことだ? 立ち去れと言っても周りは闇、ただ白い建物が見えたからここに来ただけだ」

 

「問題はない。 ここは夢のようなものだ、いずれ醒める」

 

言いたいことだけ言って、気配はさっさと去ってしまう。 夢のようなもの、ねぇ...... さっきの短剣投げの言葉を鵜呑みにするなら、ここは夢世界なのでいつかは冷める。 確かに夢、つまり意識だけなら結界も察知されないし、トーリスリッターを持っていないのも頷ける。 だが、情報が少なすぎる。 そして、この白い建物はあの短剣投げの大切な場所。 離れていけば戦闘になる可能性はないだろうが、情報は欲しい。 どうするか迷っていると、いきなり扉の前に現れる影が一人

 

「ハサン?」

 

ハサンは扉を開け、中に入っていく。 さっきの短剣投げが止めないところを見れば、ハサンは仲間? ということはまさか

 

「ハサンたちの総本山てことか? いや、それよりハサンを」

 

ハサンを追って扉に手をかけようとするが、またも飛んでくる短剣。 それを今度は弾きながら、ドアを開けようとする

 

「させるか!」

 

「クソ!」

 

今度こそ姿を現したのは、数人の仮面をかぶったものたち。 その仮面には見覚えがあった

 

「やっぱりハサン関係か!」

 

「知っていると見えるが、警告をしたのにもかかわらず初代様の住居を踏み荒らそうとした罪、ここで清算してもらうぞ!」

 

数人が飛びかかってくる。 こんな事てる場合じゃないんだがな! 魔法は使えるようで、呪相密天でとびかかってきたやつらを吹き飛ばす

 

「俺が用があるのは、俺の知ってるハサン。 呪椀を持つハサンだ!」

 

そう言って扉を開ける。 まず感じたのは強烈な寒気。 これまで感じたことのない、強烈な()だった。 だが、固まっている場合ではなく、その場を飛びのく。 直後、頬を風が撫でるような感覚がした

 

「っ...... ハァ、ハァ.......」

 

「マスター殿!?」

 

良くは分からないが、あのままそこに居れば確実に死んでいた。 ハサンの力を借りながら、俺は体を起こす。 呼吸が乱れて息苦しいが、ただ前だけを見据える。 すると、その声は突然聞こえてきた

 

-汝は何を望んでここに来た-

 

鐘が鳴るよう音が聞こえたが、その質問に答える

 

「望んでここに来たわけではないが、そうだな...... 今度は間違えずに進めるだけの力を」

 

多分俺の予想が間違っていないのならこの声の主は.......

 

-愚かな。 身の丈に合わぬ力は破滅を生む、それが分からぬ汝ではあるまい-

 

「言ったはずだ、今度は()()()()()()()()()()()()だ。 強大な力が欲しいわけじゃない」

 

-フッ...... 面白い。 本来ならこのようなことはあり得ぬが、汝はここに来たのだ。 ならば、そのような力があると証明して見せよ-

 

「言われなくても」

 

そう言った途端、姿を現したのは。 大きな角の付いた髑髏の仮面と胸部に髑髏をあしらった装飾のある甲冑を身に纏った大男。 グランドアサシン、山の翁、初代ハサン・サッバーハだった

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