初代様に立ち回りもくそも、真正面から首切られそう(笑)
考えれば考えるほど、理樹君の周りの戦力は異常。 まぁ、理由はどうあれ理樹君自身が力を悪用しないとわかっているからですが。 逆に、今の段階で一撃入れられたのなら修行する必要ないんじゃないですかね(震え声
雑種君ねー、目覚めるのねー、どうなるだろうねー
山の翁との最初の邂逅以来、俺は毎日のように夢でハサンたちの総本山に訪れていた。 やることは単純、山の翁と剣を交えるだけ。 といってもこっちの一撃は届かず、俺は無残にも死体の山を重ねるだけなのだが。 幸いなのは、ここが夢の世界ということ。 首を切られ、意識がブラックアウトした次の瞬間には山の翁の前に立っている。 この感覚に慣れないが、山の翁から言わせれば慣れなくていい感覚らしい。 それに慣れてしまえば人として大切なもの、人ではなくなってしまうとのこと
「死合の最中に考え事とは、余裕だな」
「常に違うことを考えていないと、くっ...... 貴方に飲まれそうでね!」
軽々と振るっている大剣の一撃は非常に重く、たまに受け流し損ねるときがある。 山の翁がそう振るっているのもあるが、単純に俺の技量不足だろう。 トーリスリッターを使っていないとしても、夢で全く同じものを用意してもらっているのだから。 最初の頃は酷いものだった。 刀で受けようとすれば、そのまま斬り殺され真っ二つ。 変な受け方をすれば、刀が折れて腕が切られ最悪そのまま死亡コースだ。 そう考えれば、日を経るごとに死合の時間は長くなってきている。 呪腕、つまりうちのハサンからも感心されていた。 そもそも、他のハサン、ここに来た時最初に出会った百貌さんや、静謐さんなどから言わせれば山の翁は尊敬や畏怖の感情があるだけで、手合わせなどする気も起きないらしいが
「それは素晴らしい心がげだが、そんなものでは足元が掬われるぞ」
「ッ!?」
その言葉と共に、足払いを仕掛けてくる山の翁。 今までの死合の中でそんなことを一度もしてこなかったので、突然のことでほんの少しだけだが動きが止まってしまい回避し損ねた。 大きく体勢を崩した俺に、剣が振り下ろされそうになるが、鞘を地面につきたてることで転倒だけは何とか回避した。 そこから腕の筋力にものを言わせ、無理やり姿勢を戻し、その場から飛びのく。 飛びのいたが、額から血が流れ始める。 完全には避けきれなかったらしい
「考えることは確かに大事だが、考え事は今のように突然の状況に対応ができない。 それを心に刻め」
「・・・・・・はい」
このように時たまアドバイスのようなものをくれるが、とことん実戦形式なので心が休まらない。 そして、休んでいる暇もないのだ。 刀を構えると、そのまま山の翁に向かっていく
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~呪腕のハサン 視点~
マスター殿が
「今日もか、呪腕の」
「百貌の」
ここの警護....... 一応、警護を担当している百貌のハサンが話しかけてくる
「ここにきて毎日初代様と手合わせとは、感心するな。 私は遠慮願いたいが」
「マスター殿は...... マスター殿は、強くあらねばと思っているような方ですからな......」
「・・・・・・そうか。 ふん、いいマスターに出会ったようじゃないか呪腕の。 だからか、
「・・・・・・そうだ」
マスター殿が来る少し前まで、私は初代様に手合わせを行ってもらっていた。 こんなことを言うのは恐れ多かったが、マスター殿のためでもあった。 いついかなる状況でも、マスター殿の力になれるように。 一人ですべてを行おうとするマスター殿だが、そうなっても影から手助けできる力を。 そう思って初代様にお願いしたのだ。 他のマシュ殿やリリィ殿、玉藻殿も同じ気持ちだ
「それにしても、日に日に動きがよくなってきているな貴様のマスターは」
手合わせが長く続くようになってきたのは事実だが、動きにも無駄がなくなってきたのだ。 元々、こう言ってしまうと自慢に聞こえるかもしれないが、マスター殿は小さい頃から私たちサーヴァントに戦闘訓練をお願いしてきた。 私たちサーヴァントは人間よりも能力的に見れば優れている。 そんな私たちがもう教えることがないところまで教えたのだ、だから同年代では敵になるものがいないと言っても過言ではない。 だが、初代様から見れば児戯に等しいだろうが。 あのお方は、元々底が知れないお方だから
「・・・・・・・」
「そろそろ終わりのようだな」
~呪腕のハサン視点 end~
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「見事だ」
意識が覚醒すると、山の翁から賞賛の言葉が送られた。 いや、いきなりすぎて意味が分からない。 確か最後は突きを放ったが、それに合わせて山の翁が剣を振るい首を刎ねられた記憶しかないのだが
「最後の一撃、決死の覚悟だったとはいえ我に届いたのだ」