元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第三十一話

きっかけは一人の科学者でした。 その科学者は自分の故郷の星の研究をしており、自分の故郷の星がゆっくりと終末に向かっているのを。 実際、他の科学者もそのことを薄々ながら知っていました。 ですが、その科学者が学界に発表したことで広く知られるようになった。 そしてその対策をするために発足したのが

 

「惑星再生委員会、そのくらい知っているわよ」

 

「そうですよね、ごめんなさい。 イリスのお父さんとお母さんも」

 

「やめて、アンタが言わないで」

 

「・・・・・・」

 

惑星再生委員会などよくわからない単語が出てきたが、多分ユーリが語っているのは過去のことなのだろう。 気になるのは、ユーリとイリスの関係だ、 イリスはユーリに家族を殺されたと言っているが、ユーリとイリスの家族は親交があったようだ。 イリスはそのことすら語ってほしくないのか、ユーリを睨みつけていた。 ユーリは悲しそうに目を伏せながらも、続きを話し始める

 

その惑星再生委員会ですが、二つの派閥に分かれていました。 一つは惑星を再生させ、そのまま故郷の星で暮らす派閥。 そしてもう一つは、人が住めるコロニーを開発し故郷を捨て移住する派閥。 どちらの計画も同時進行で進められていましたが、芳しくなかったのは惑星の再生の方でした。 惑星が終末に向かっている原因自体わからなかったのですから。 ただ分かっていたのは、星の力自体が弱まっている。 もう寿命だと、別派閥の人間は言ってましたがそんなこと到底認められるはずもなく、惑星再生派は研究に没頭していきました。 

一方、移住派も問題に直面してました。 材料です。 コロニーの完成度約半分というところで、鉱物などの資源が尽きてしまった。 他の惑星から輸入というのも考えましたが、距離がかなり離れているのとコストの高さから断念。 一応、無理にでも採掘すれば採れないこともなかったですが、それをしてしまえばコロニーの開発前に故郷の星が駄目になってしまう。 かといって、一応完成度半分でも受け入れは出来ましたが、惑星全員が移住できるほどでは到底ありませんでした。

ちょうどその頃でしょうか、再生派も別のアプローチをしていました。 星自体の力がなくなっているのなら、別のところから足せばいい。 短絡的な考えではありましたが、それ自体は惑星の研究をする副産物で偶然できていた

 

「・・・・・・永遠結晶の力」

 

「イリスの言う通りです。 もっとも、永遠結晶(コレ)はこんな力ではなかったのですが......」

 

そう呟くユーリの表情は、何処か自嘲気味だった

 

話を戻しましょう。 永遠結晶により、再生派は勢いを取り戻し再生まであと一歩というところまで来ていました。 後は実証実験をすれば、惑星の再生は叶うはずでした。 そう、()()()()だったんです。 とある富豪たちの謀略さえなければ

 

「待ちなさいよ、何を言ってるの。 アンタが暴走したからエルトリアは、家族は!!」

 

「イリス、私は最初に言ったはずですよ。 イリスには()()()()()()()()()()()()だと。 そして、()()()()真実だと」

 

「今更何を!!」

 

「一ついいか?」

 

「なんでしょうか?」

 

イリスが今にも殴りかかんとする感じでユーリを睨んでいるが、それを気にせずに俺は気になったことを聞いてみる

 

「イリスの家族とユーリがどういう関係かというのは部外者の俺が口を挟むことじゃないが、惑星再生委員会の目的は何なんだ? 惑星を再生させるのが目的なのか、それとも故郷を捨てコロニーに移るのが目的なのか?」

 

「最初はみんなで故郷の星を再生させよう、救おうと星中の富豪や研究者が参加しました。 そのうちに無理だと諦めるものや別視点から切り込もうと考えたものが、再生派と移住派の誕生です。 と言っても、再生派、移住派も大きいくくりでしかありませんが」

 

「ならなおさら、富豪たちが謀略したのが謎なんだが」

 

「・・・・・・研究もタダではありません。 出資して結果が出せなければ、お金はどんどんなくなっていきます。 なら、その減った分はどこかから補填しなければなりません。 その補填が、コロニー建設及び今のヴァリアントシステム、そのひな形だったんです」

 

「・・・・・・なるほど。 その技術を売って、金にしていたわけか。 なら、コロニーの建設が止まるのは困るわけだ」

 

「この永遠結晶の力も、当時はまだ調整等が不十分でしたから。 一応コロニー建設は続く予定でしたが、これまでより工期が遅れるのは確かです。 ヴァリアントシステムのひな型も然りです」

 

「なら、それをさせないために謀略を?」

 

「それもありますが」

 

「ちょっと待ちなさい」

 

そこで待ったをかけたのはイリスで、その表情はいつもとは違く焦っていた

 

「待ちなさいよ、アンタの魄翼の調整やシステム周りの調整はお父さんとお母さんのはずよ。 お父さんとお母さんがそんな計画に」

 

「それはありません」

 

イリスの言葉を最後まで言わせないように、ユーリはイリスに鋭い視線を向ける。 それは、まるでその発言を許さないかのようだった。 これにはイリスも押されたのか言葉をつぐんだ

 

「二人の名誉のために言っておきます、それはありません。 それこそ、真実の話になります」

 

イリスのお父さんとお母さんは私の魄翼、つまり総合防衛システムを調整していたのは確かです。 ですが、最終試験中にとあるプログラムにウイルスが仕込まれているのを発見し最後まで被害を最小限に抑えるのに尽力してました

 

「私が、正気を失って真っ先に殺してしまいましたが...... 謝って許されることじゃないです、でもごめんなさいイリス」

 

「・・・・・・」

 

イリスはその謝罪を黙って受け入れ...... いや、呆然と聞いていた。 ユーリもそれが分かっていたのか、すぐに頭を上げ話し始める

 

とあるシステム、それこそが再生計画の核である魔力をエネルギーに変えるシステムです。 星が終末に向かうと同時に出始めたエネルギーでしたが、それを星を存続させる生命力つまりエネルギーに変換するという大事なプログラムです。 それを真逆のものにウイルスに書き換えられ、生命力を結晶化するといあの能力になってしまったんです。 その能力によって、エルトリアや多くの人達の命を...... ですが、イリスのお父さんとお母さんのおかげで被害は最小限でした。 ウイルスコードによってできた副作用はもう一つあります。 私の能力の凶暴化、いえ暴走と言ったほうが正しいですね。 それの他に選民させようとしたんです

 

「選民? あの能力は無差別じゃ?」

 

「今回はもともとの目的を果たしていたことに加えて、イリスのウイルスコードがそうさせたということです。 元々は再生派の皆殺し、そして選民し.......」

 

「そうか...... ユーリが暴れ出せば星は住める環境じゃなくなる。 ならコロニーに移住するしかないが、肝心のコロニーは完成しておらず受け入れは十分にできない。 だから元の数を減らそうとしたわけか。 富豪(自分)たちが我先にとコロニーに移住しても、文句を言われないようにするために」

 

「そういうことです......」

 

「そんな、そんなことのためにお父さんとお母さんは......」

 

自分たちのエゴのためにユーリを、イリスの父親や母親、それに星すらも利用したわけか。 性根が腐ってやがる。 その場が何とも言えない雰囲気になったため、俺はテント内から出ることにした。 一応監視しなければいけない立場だが、何かあったならユーリに言うように言ってきたから大丈夫だろう。 それに、いくらイリスが犯罪者と言えど涙は見たくないしな

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