元踏み台転生者物語   作:サクサクフェイはや幻想入り

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第三十二話

「理樹君」

 

「なのはか、どうしたこんなところに」

 

外でテントによりかかって暇をつぶしていると、なのはが近寄ってきた。 そもそも、なのはがここに居るのは少しおかしな話だが。 一応、戦闘後の検査で異常等がないかを確認した後は自由行動だったはずだ。 だからこそ、バニングス達をなのはの方に行かせたわけだし。 実際、バニングス達も呆れた顔をしながら俺となのはを見ていた

 

「えっと、理樹君は遊びに行かないの?」

 

「悪いがこれでも現場の最高責任者何でな。 クロノから指揮権を譲渡されたわけだし、そもそもアイツは絶対安静が必要だ。 なら代理でもなんでも現場に居なければならないしな」

 

「その割に暇してるみたいだけど?」

 

「中で込み入った話をしててな、さっきまで立ち会っていたけどな」

 

バニングスの言うことももっともだが、一応これでも中の気配は探っている。 ともかく、苦笑しつつなのはに話しかける

 

「そういうわけだ。 これ以上何かあるわけでもないが、一応警戒はしてる。 なのは達はもしかしたら急な呼び出しがあるかもしれないが、それまでは好きに過ごしてくれ」

 

そう言いつつなのはの頭をなでていると、後ろから近づいてくる気配がする。 それに合わせ撫でるのをやめると、まだ物欲しそうに見てくるなのは。 それに後ろ髪惹かれつつ、向き直ればちょうどユーリがテントから出てきたところだった

 

「神木さん」

 

「もういいのか?」

 

「・・・・・・流石に一人になる時間が必要だと思いますから」

 

そういうユーリの顔は少し寂しそうだったが、本人がいいというのだからいいだろう。 さて、事情聴取する人間は他にもいるので局員に連絡を取って見張りでもつけておくか。 そんなことを考えていると、ユーリが俺の後ろにいた人物に気が付いたのか声をかけていた

 

「なのはさん、ですよね」

 

「えっと、ユーリさんですよね」

 

「今回は迷惑をかけて」

 

「はい、ストップ」

 

ところかまわず謝ろうとしていたユーリにストップをかける。 完全に部外者というわけではないが、流石にバニングス達もいるのだ。 なのはから多分今回の事件を簡単に聞いているだろうが、流石に謝らせるわけにも行かない

 

「そういうのは後だ、事情聴取も立て込んでる。 後で機会は設けるつもりだから、いまはなしだ」

 

「えっと...... はい、わかりました」

 

「そういうわけだから、なのはも遊んで来い」

 

なのはの頭に手を置き人撫でして離れる。 すると、遅れてきたユーリが話しかけてきた

 

「次の事情聴取、私も立ち会うんですか?」

 

「あの三人と無関係なら立ち会わなくてもいいが」

 

そう言ってユーリを見れば、俺の後をついてきていた。 まぁ、元から無関係とも思っていなかったが。 そうして三人を保護しているテントへと向かう

 

「失礼する。 事情聴取の時間だ」

 

「ようやくか」

 

「待たせたのは詫びるが、こっちも人手が足りなくてな」

 

待ちわびたと不遜な態度でいるのはディアーチェと呼ばれるはやて似の少女だ。 なのは似の少女シュテルは非常に落ち着いているし、フェイト・テスタロッサ似の少女レヴィに至っては寝ていた。 こちらも人手が少ないのもあって後回しにした感じはあるが何ともマイペースな

 

「さて、こちらも色々と聞きたいことがある。 君らがどういう存在だとか、目的が何なのか、とかな。 何分、君らを確保してからあんなことがあったしな。 あぁ、ユーリも彼女らの方に座ってくれ、一緒に聴取を」

 

「わかりました」

 

そう言ってディアーチェと呼ばれる少女の隣に座るユーリ。 座ったのを確認し、調書を始める

 

「さて、まずは確認だがディアーチェ、シュテル、レヴィというのは名前で間違いないんだよな?」

 

「余り面識がないのに呼び捨てにされるのはいささか感じが悪いがそうだ」

 

「レヴィ、呼ばれていますよ」

 

「すやー......」

 

「あぁ、寝たままでも構わない」

 

一応事情聴取なのだが、なんとも締まらない。 かといって暴れる様子はないにしても抵抗されても面倒なので、このままにしておくことにした。 何故かユーリはユーリで何故か心配そうに成り行きを見てるし

 

「それは済まないと思うがこちらも事情聴取という形をとってるんでな、そこは留意してもらいた」

 

「ふん」

 

「納得してもらえた、ということかな? 話を進めさせてもらう。 まず、君らがどこからきてどういう存在なのかを知りたい」

 

「貴様に話す義理などない、と言いたいところだがな。 それを言っていると終わらぬし、ユーリを助けてもらったこともある。 特別に答えてやろう」

 

かなり偉そうだなと思ったが、言ったら言ったで機嫌を損ねそうなのでやめておいた。 でも、偉そうな態度とかの割に説明はちゃんとしていた。 ディアーチェ達も元はエルトリアで暮らしていた()()だったらしい。 ユーリとは幼馴染で、どうもユーリより偉い貴族だったようだ。 ユーリはもともと地元の名士で、そこの家来みたいなものだったようで。 ユーリ曰く、没落してディアーチェたちの方が偉くなったらしい。 そんなわけで、再生派として協力していたらしい。 ユーリの暴走により命を落とすが、イリスのように魂だけは助かったらしい。 結晶の中で生きながらえたらしいが、何の手違いか闇の書に吸収され奥深くに封印されていたらしい。 そしてイリスに目覚めさせられ、今回の事件だったというわけだ

 

「じゃあ、イリスとは?」

 

「もちろん面識はあった」

 

「と言っても、中々記憶が思い出せず、思い出したのはついさっきでしたが」

 

俺が出したお茶をすすりながら、マイペースに話すシュテル。 ディアーチェの説明が足りないところがある時は補足したりしてくれるのだが。 ほんとこれ事情聴取じゃないだろ。 さっきまで心配そうに見ていたユーリも、俺が出した茶菓子に舌鼓を打っていた

 

「それで、目的は?」

 

俺もお茶をすすりながら聞く

 

「お主...... 一応事情聴取の形をとっているのであろう?」

 

呆れながら聞いてくるディアーチェだが、そう言いつつもお茶を飲んでいた。 人のこと言えないだろ

 

「そうしないと周りが納得しないからな。 一応、君らのせいで()()()()()()()()()()()()()()()が出てるわけだしね。 俺としてはこんなに面倒なことやりたくもないんだが」

 

「神木さんて意外と......」

 

お茶菓子であるせんべいを食べつつ苦笑するユーリだが、お前のそんな姿に俺も苦笑しか出ないわ

 

「ふう...... お茶は大変美味しかったです。 さて、目的でしたか? ぶっちゃけて言えばユーリですがそれももう達成されました。 ユーリの話ではウイルスもなくなっているようですし」

 

「シュテル...... いや、もう何も言うまい。 さて、その件だが貴様には礼を言っておく。 ユーリを止めてくれてありがとう」

 

それまでの尊大な態度は鳴りを潜め、座りながらも頭を下げるディアーチェ。 それに俺は面食らいながらも、姿勢を正すことにした

 

「いや、こっちも世界が危なかったんだ。 ただ働いただけだ」

 

そう言って席を立つ。 さて、そうなると最後の事情聴取になるな

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