「指揮官代理、お疲れ様」
「資料等は纏めてあるからそれを読んでくれ」
「あぁ」
オールストンシーの一件以来、療養していたクロノがようやく復帰ということで東京臨時支局に来た。 俺は俺で、あの一件からずっと指揮権が移譲されたままだったので代行を果していたというわけだ。 なんかクロノにしてやられたような気がするが、いいか
「それで、療養という体での休暇はどうでしたかね?」
「嫌味な奴だ。 君に任していたのは申し訳なかったが、それほど信頼しているということで一つ」
なーにが信頼だか。 目は口程に物を言うというのを、見せつけられている気分だ。 いや、勿論信頼しているのは分かるが楽しかったと言ってるぞ顔が。 話を聞けば、傷自体見た目は酷いものだったものの、そこまで深くはなかったらしい。 クロノ自身はすぐ復帰したかったようだが、エイミィさんが許さなかったらしい。 それで、リンディさんに休暇届をエイミィさんが勝手に提出、この頃休みもなかったことだしということで受理、今回のようなことになったようだ
「それで、僕がいなかった間に変わったことは?」
「特にない。 あの一件以来、どうもリンディさんが手配した本部の連中が働いていたからな。 そもそもここは管理外世界、魔導士が来ること自体あまりないしな」
「平和でいいじゃないか、あの一件があったから余計にそう思う」
クロノは俺が作成した引き継ぎの資料に目を通しつつ、ため息をつく。 まぁ、今回のイリスが起こした一件の被害は少なくなかったしな。 こうやって数か月たったのにも関わらず、俺やクロノ...... 俺はつい最近まで、処理に追われていたわけだしな。 いや、そもそも本局に提出しなかったからもあるのか? 深みにはまりそうな思考はさっさと明後日の方向に投げ捨て、改めてクロノに向き直る
「その報告書の中に、今回の事件で使った力を出来るだけ簡潔にまとめておいた」
「あぁ、後から報告で聞いた仮面と甲冑、マントだったか?」
「そうだ」
「まぁ、それも本部に報告するわけにはいかないからな。 どうせ、ここどまりだがな」
「報告しなかったらしなかったでうるさく言うくせに......」
「それとこれとは、話は別だ。 うん、引き継ぎの資料も問題ないな。 今回は本当に助かった」
「それじゃあゆっくり休ませてもらう」
「急ぎの任務がなければな」
クロノのそんな言葉を無視し、俺は部屋を出た
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「ただいまー」
玄関をくぐり、靴を並べて脱ぎリビングにはいる。 どうやら夕食には間に合ったようで、全員集合していた
「マスター、今日は早いんですね」
「今日からクロノが復帰したからな。 みんなもすまなかった、俺の代わりに任務に出るなんてこともあったしな」
一応責任者という立場もあり、何もないにしても臨時支部にはいないといけなかったのだ。 なので、本当に緊急のもの以外任務を変わって貰ったりしていたのだ。 そのことについて言えば、みんなは笑顔を崩さなかった
「良いんですよマスター、私たちだって頼られて嬉しいんですから」
「リリィさんの言う通りですマスター」
「マスター殿は普段から働きすぎなのですから」
「・・・・・・そんなことないだろ」
苦笑しつつ、俺も自分の席につく。 配膳してくれる玉藻にお礼を言いつつ、全員が座ったのを確認し手を合わせる
「いただきます」
「「「いただきます」」」
全員で手をあわせ食べ始める。 それにしても、こうして全員揃ってご飯を食べるというのも久しぶりだ。 毎日誰かしら任務に出ていたし、この頃は支部に居ることが多かった俺だ。 久しぶりの談笑しながらのご飯は美味しく感じた